脊振山《日本三百名山》
福岡県
佐賀県
山キチどん
- GPS
- 05:51
- 距離
- 33.7km
- 登り
- 2,217m
- 下り
- 2,215m
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- 山行
- 9:15
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 10:17
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2006年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 タクシー 自家用車
下山口：那珂川町五ヶ山の嵯峨橋から車でJR鹿児島本線博多駅（現在は五ケ山ダムの供用開始で水没） |
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4:40に筑前前原駅前のホテルからタクシーで雷山観音（らいざんかんのん・千如寺・標高約345m）に向かった。登山口はお寺の少し手前で雷山川に沿って登る。登山口の案内は分り難くい。沢沿いの登山道を登ると上方の両側に林道のガードレールが見え出した。地図にはない新しい道なのか? やがて林道と交差し詰め切ると清賀の滝に到った。滝の下部を横切り尾根筋へと入って行く。雷山の北東に張出す尾根を巻くように進むと雷神社の上宮に到った。石の構造物は少々荒れているが結構立派な祠だ。4時の方角に尾根を登ると20分足らずで雷山(954m)山頂に達した。小広い山頂は3等三角点「雷山」があり360°の展望が得られた。雲ひとつない晴天だが、このところ砂漠化が進む中国大陸から黄砂が運ばれ鈍如として近くの山も霞んでいた。西の方には雷山スキー場が見える。
福岡と佐賀県境の脊振山地は東に伸びている。そのうち今日は蛤岳まで縦走するつもりだが相当な距離がある。最終日で早めに帰りたいのでピッチを上げて歩くことにした。それでも展望が開けると立ち止まり、花を見つけては立ち止まって写真を撮って春山を大いに楽しんだ。なだらかな縦走路を歩きで、もう井原山に着いたかなと思ったが実はそうではなくてまだ手前のP960だった。この後、深い鞍部に下りると洗谷へ下降する標識があったが、傾斜は恐ろしく急でかなりの難路のようだ。100mほどの登り返しで漸く本物の井原山(982m)に到着した。3等三角点「灰原」があり360°の展望が得られた。
さらに東に進み4�卆茲了粟テ�(583m)までは主に下りとなる。福岡県の前原市と福岡市の境界の鞍部を越えると山名はないが3等三角点「往還」(694m)のピークがあり越えると送電鉄塔があり展望が開けた。振り返るとさっき通ったばかりの井原山ですらぼんやりとして霞の濃さはどうしようもない。暫く行くと車道に飛び出し訳の分からないフェンスで囲まれた空き地があったりして、また山道に入りショートカットして三瀬峠に達した。国道263号線は有料の三瀬トンネルが貫くが大半の車は旧道を通るようで通行量はかなりあるようだ。
峠を越えると三瀬山(790m)への登りとなり標高差200mが結構きつかった。20分で山頂に達するが展望はない。600m先には城ノ山(846m)があり、山頂には金属標の4等三角点「城ノ山」があったがここも展望なし。下り始めると前方にひと際存在感のある金山(967m)が聳えていた。そこに行くまでに730mアゴ坂峠に下るので、また200m余りの登り返しとなる。谷を挟み南側の稜線を大きく反時計回りに回り込み金山の東稜線に達した。200m程西に進むと金山山頂に到った。流石に山頂からの展望は良く、霞んでなければなあと、若干悔しい。案内板によると江戸時代鍋島藩の番所があったそうで熊ヶ城とも呼ばれていたらしい。まだ10時前だがお腹がすき、大休止を取った。西側に3本の登山道が下り、いずれも国道263号線に下りている。
山毛欅林の中を縦走路が通り暫くはなだらかに進んだ。ここまで来て始めて登山者とすれ違った。P942を越すと、高度を下げ小爪峠(約775m)に到った。佐賀県側の井手野、福岡県側の湯野へ下りる道が交差していた。登り返しは猟師岩山(893m)で結構きつい。3等三角点「吉ノ山」があるが展望はない。ツクシシャクナゲの群落があり蕾が膨らみ出していた。そして気の早い木の咲き出しているのも見つけた。岩の混じった小さなアップダウンが続き、指導標が現れ右に分岐すると鬼ヶ鼻岩(860m)の大岩、垂直に50mもある花崗岩の上に出た。覗き込むと断崖絶壁が立ち上がっていた。
急斜面を南に下り鞍部に達すると西の椎原峠（755m）、丘を乗越したところに東の椎原峠（765m）があった。福岡市早良区椎原から登ってくる登山道が谷の分岐と共に道も分岐し東西の峠で乗越しているためだ。峠からはなだらかに登り、分岐から20m程入ると大岩のある唐人の舞(911m)に達した。この異様な山名は、昔唐から来た人が山頂からの眺めに感激し、故郷を思い大岩の上で舞ったことから山名になったとされている。山頂では地元の3人パーティーが昼食中、4等三角点「唐人舞」があるはずだが見つからなかった。ここまで来ると脊振山も遮るものなく見ることができ自衛隊のレーダードームが一際大きい。
電波塔のあるP969に向けて進むと樹林帯から抜け出し、白ガレた斜面が現れた。周りと違和感があり異様な感じがする。車道に飛び出し左に行けばP969のピークだが無名峰でわざわざ行くこともなく右に折れ県道“脊振山公園線”の車道を歩くと矢筈峠(905m)に達した。背振山に向けての登りとなり時折車が通り山頂が近づくと車道と分れ登山道に戻った。木立の中を抜けると、山頂の駐車場に出て再び車道になると航空自衛隊脊振山分屯基地の正門に到った。フェンスに沿って作られた階段道を登り脊振山(1,055m)山頂に達した。山頂には脊振神社があり裏手に2等三角点「脊振山」が置かれていた。そしてその後にはレーダードーム、南西に伸びる山頂域2�卍�は全て自衛隊基地の施設で規模は大きい。千葉の愛宕山、佐渡の金北山と同様だ。
最後に目指すのは4.3�卞遒糧些戞Ｎ農�は自衛隊基地内で歩くことができず西側（佐賀県側）の山麓を巻いて登山道が付けられていた。木道や階段が整備されているが結構アップダウンがあった。基地を過ぎると県境は山を下りて那珂川の真ん中に引かれている。縦走路は完全に佐賀県域に入り、普通の登山道となり樹林帯を下った。鞍部から登り返すと蛤岳(863m)に達した。山頂には大岩があり大きな亀裂が入っている。山頂域にはこの他にも縦横に亀裂の入った岩がありこれが“蛤”の謂れのようだ。
東尾根を下ると永山峠に達した。コンクリートの水路が通り水路沿いの歩道を上流に向かった。この水路は蛤水道と言って、江戸時代初期に作られた水道で蛤岳を発し福岡県の那珂川に注ぐ筈の水を佐賀県側の田手川に導いた。佐賀の治水の神様と言われる成富兵庫茂安が作ったそうだ。勿論当時はコンクリート製ではなかったが・・・
蛤水道と分れ林道に抜けP649を巻くように下った。工事現場を抜けると県道136号に達し、分岐点付近に祇園神社があった。県道の奥には脊振ダムや青少年自然の家があり、さらに道は脊振山山頂に続いているようで自衛隊のマイクロバスが走って行った。国道385号線との交差点が終着点の佐賀橋BSで長い縦走が終わった。福岡市内に向かうバスは1時間半後、タクシーを呼ぶにも携帯は圏外、ヒッチハイクを試みると運良く福岡市内の会社員の男性が拾ってくれた。しかも幸いなことに博多駅の近くがオフィスだと言うことで駅まで乗せてもらうことができた。
（後日談）
登山の末辿り着いた佐賀橋は10年後に完成した五ケ山ダムによって水の底に沈んだ。
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