遥かなる笈ヶ岳へ（山毛欅尾（ぶなお）山経由ピストン）
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kiyopon
体力度について
- GPS
- 10:51
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 2,367m
- 下り
- 2,360m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 10:51
| 天候 | 快晴！ 午後からうっすら雲が広がりました。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
朝4時前の到着で既に3台停まっていました。 少し奥には旧スキー場の大駐車場もあります。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
※4/5時点の状況です。 ・ほぼ全面雪道ですが、一部土が見えている箇所があります。 ・導水管後半の雪斜面からチェーンスパイク着用、山毛欅尾（ぶなお）山からアイゼンに変更。 ・ピッケルは通して使わず、ダブルストックで歩きました。 （この日はピッケル使用の方が多かったです） ・日中は雪が緩み、下りは冬瓜（かもうり）平あたりからノーアイゼン、所々足セードで降りました。 ○登山口〜山毛欅尾山 ・尾根の取り付きまでが難所となっています。 ・川を渡る際の堰堤（砂防ダム）への下降点が分からず少し迷いました。 （明るい時間帯の下見をオススメします） ・林道から堰堤への垂直箇所に一応鉄製のタラップが付いていますが、雪上からは見えないようでした。 ・堰堤上の凹凸部を上り下りする鉄製のタラップは、濡れていると滑りやすそうでした。 ・堰堤を通過した先はロープを伝って上の林道に上がります。 ・林道を少し下り、導水管に沿って斜面を直登します。 ・最下部は雪が残りますが、大半は階段が出ていました。 ・上部は雪斜面と導水管上のスノーブリッジ、雪質によっては通行注意です。 ・導水管を過ぎてからは一部灌木のヤブ道、以降は単調な登り尾根です。 ○山毛欅尾山〜笈ヶ岳 ・尾根沿いに歩き、所々アップダウンがあります。 ・一部夏道が出ている箇所、クラック、ツリーホール等足場不安定な箇所有り。 ・冬瓜山の登り途中で巻き道に入ります。 ・途中、ルート上に1か所デブリ箇所があり、上部からの雪崩には注意です。 ・小笈ヶ岳直下は、ルートの中では特に斜度が高く、雪質によってはピッケルがあると安心です。 ○復路 雪が緩み、後半は踏み抜き多数。 尾根の細い箇所、足場が悪い箇所もあるため、通行注意です。 |
| その他周辺情報 | 下山後に道の駅瀬女（せな）道路向かいの比��(ひめ)の湯（日帰り入浴600円）で入浴しました。 https://www.himenoyu.jp/ |
写真
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ここから暫くは下り基調の極上稜線歩き。
（ただし帰りは長い登り返し・・・）
傾斜は緩やかで思っていた以上に歩きやすい内容でした。
シリタカ山方面は雪庇ができていました。
少し霞んでいますが、ピークは見て取れました。
導水管周り含め株は多く、これから数がどんどん増えてきそうでした。
体が甘みと酸味を欲していたのでレモネードで一人乾杯。
この日がライトアップの初日でした。
感想
4/5土曜日は二百名山最難関の一つとも言われる笈ヶ岳へ。
（個人的に最難関はカムエクだと思っていますが・・）
笈ヶ岳は激ヤブ山として知られており、藪が雪の下となり比較的天気が安定する今時期が最も歩きやすいとも言われています。
そうは言っても最難関の一角。距離は長く、アップダウンも多く、避難小屋は無く、当然エスケープは無く、天候や雪質によっては難易度が上昇します。
この週は土曜日が安定して晴れ予報、翌週は気温が上がったり天気が崩れたりあまり良い予報ではなく、この週末を逃したら今年は厳しそうだな〜と思える内容。
激ヤブの笈ヶ岳だけは断固として避けたいところです。
たなぼたで前日に休みが取れたため、これを機に行くしかない！とチャレンジすることにしました。
前日は三百名山の野伏ヶ岳と二百名山の大日ヶ岳に登り、石川に入り小松市内のビジネスホテル泊。
翌日に備え、少しでも長く質の高い睡眠時間の確保を目論見ます。
AM2時過ぎに起床し、準備して出発。
1時間強ほど国道沿いに走り、道の駅でトイレ休憩し、駐車場へは4時前到着。
既に数台停まっており、先行者がいることにほっと一安心。
準備して4時過ぎに出発します。
発電所を横切り、デブリ斜面を下り、堰堤の前までたどり着きますが、降り口が分からず。
ちょうどその場にいた先行者と辺りを捜索し、枝を支えに降りることができました。
堰堤の凹凸部は鉄製のタラップが付いており、暗闇の中慎重に下り登りします。
堰堤を通過してからはロープ箇所の急斜面を登り、さらに導水管の長い登りに入ります。
ずっと雪斜面かと思いましたが、大半は階段が出ており、標高差約200mを一気に上がります。
後半は再び雪斜面となり、雪は締まっており谷側が意外と急斜面だったのでここでチェーン着用します。
上部の導水路を過ぎると、短い区間ですが一部薄いヤブ道。
ここまで全て暗闇条件下での通過となるので、思いのほか難所でした。
その後は長い単調な尾根道。
途中、進行方向左奥の遥か遠くに大笠山と目的地の笈ヶ岳を望みます。
分かってはいましたが、目指すピークは非常に遠くにありました。
まずは最初のピーク、山毛欅尾山を目指します。
山毛欅尾山へは日が昇ってすっかり明るくなった頃に到着。
ここまで登ると、これから歩く稜線や右手に白山も時折見えるようになります。
せっかく登ったのに、暫くは長い緩やかな下り。
下り切ってからは幾つか小ピークを越え、距離はぐんぐん進みます。
冬瓜（かもうり）山への登り途中で巻き道ルートに入り、暫くはなだらかで見通しの良い広い斜面を歩きます。
途中、下った先はデブリ箇所になっており、速やかに通過します。
ここを過ぎると再び登り基調に。
先行していた2人パーティーと少し話し、トレースのお礼を伝え、稜線への直登斜面を先行します。
再び稜線まで登り切ると、大迫力の笈ヶ岳前面の斜面がもうすぐ目の前。
一旦大きく下り、最後の登り斜面に入ります。
このあたりはクラックも多く、端を通り雪斜面をトラバースしながら稜線に上がります。
小笈ヶ岳直下はこの日一番の急斜面。
前日泊の先行者のトレースのおかげで難なく通過できました。
（下りは雪が緩んでおり足場不安定で、時間を要しました）
最上部は前日の降雪による吹き溜まりや踏み抜きで四苦八苦しながら。
山頂まで小ピーク3つ分のアップダウンがあり、最後はヘロヘロになりながらの登頂。
山頂はヤブが出ていて広くはなく、木製の看板も読めず、石の道標や祠も小さく、慎ましい内容でしたが、長い道のりを経て登り切れたことに感無量でした。
気温が上がり水蒸気が増え春霞が出始めますが、この日の展望はバッチリ。
近く白山のまだ雪深い峰々や、遠く北アルプスの峰々。
北アは乗鞍岳、槍穂、立山剱など一望できました。
まだ後続者は暫く来なさそうだったので、果たして次に来る機会が訪れるのかと思いながら、山頂からの景色を目に焼き付けるべく長休憩しました。
下りの雪質が懸念でもあったので、できるだけ雪が腐ってないうちにと下山へ向かいます。
急斜面やトラバース箇所は無事に通過できましたが、尾根に入る頃には雪は既に緩んでおり復路はズブズブ。
踏み抜きはせいぜい膝程度と程度が軽いのは幸いでしたが、長行程で疲労も出始め、足を取られながらに進みます。
山毛欅尾山へは往路に下った分だけ長い登り返し。
ここの長い登りがこの日一番キツかったように思います。
山毛欅尾山へ登り切ったところで、前日泊の方に行き会い、暫く話し休憩しました。
山毛欅尾山からの下りはあっという間。
導水管も往路にこんなに登ったのかというくらいの長い階段の下り。
下り切る頃には足はプルプル。
さらに堰堤の凹凸を往路に等しく上り下りし、駐車場まで登り返し終了。
長行程でしたが、道中トラブル無く、時間も概ね予定通りで往復できて何よりでした。
途中の道の駅近くの温泉に入り麓へ。
せっかく石川に来たのだからと、普段はまず入ることのないちょっと敷居の高そうな回らないお寿司屋さんで海鮮丼を食べ、寄り道してライトアップされた枝垂れ桜を見てから帰りました。
北陸道で富山まで移動し、富山ICからは下道。
途中で1回仮眠し、安房トンネル経由で帰宅しました。
翌日はぐっすりお休み、とはいかず結局仕事しておりました。
ハードな週末でしたが、これ以上ない充実感と余韻に包まれる中、登山を終えました。
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