三十三間山&山門のキタヤマオウレン


- GPS
- 04:59
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 776m
- 下り
- 778m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
スノーシュー
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感想
この週末、ながーい帯状高気圧が日本の南に横たわり、きれいに晴れ渡る上に20℃まで気温が上がる予想だ。しかし、ところによっては風速20メートルの強風が吹き荒れる可能性がある。てんくらで見てみると、天気はどこもいいものの、三重県あたりでは昼頃、強風が見込まれる。東西南北見回してみると、不思議と日本海側、福井・滋賀県境付近の山々では風速はせいぜい10m程度と、いい感じである。この山域は最後の最後の雪山行脚に狙いをつけていたところだったので、これはしめた!と三十三間山に狙いは定まった。実際、数日前の記録がヤマップに上がっており、山頂付近にはまだまだ雪が残っている様子だ。数日前まで降雪があったと思われるので、雪面は綺麗な状態が期待できる。いくら気温が上がっても、融けてなくなることはない。ただ、ずぼっりまくること必定なので、浮力の大きなスノーシューを持参することにした。残念ながら雪は山頂近くまでないから、背負っていくしかない。三十三間山のあと、山門水源の森に移動してキタヤマオウレンを鑑賞して帰ることにすれば、雪と花の両方を楽しむことができるだろう。
ヤマレコのアクセスで車のナビを起動すると、名神から湖西道路のルートが第一候補だったが、ごく僅かに料金が高く時間がほんのちょっと遅くなる舞鶴道が第2候補となっている。ここは舞鶴候補を選択する。というのは、今日は土曜日なので舞鶴道ならETC休日割引が適用され、実はそのほうが安くなる。所要時間の面でも、渋滞や事故の多い名神・湖西道路ルートよりも結局早いと読んだからだ。実際、スイスイと車は進んで自宅を出てから2時間余りで登山口に到達した。我々としては最速での到着ながら、広い駐車場にはすでに10台近くの車がとまり、三々五々、人々が登山口へと向かっていた。我々と同じく、スノーシューをリュックに取り付けた人もあれば、小道具なしの軽装な人もいる。それにしても、雪の状態が心配になるほどの気温の上がりかたである。
駐車場を後にして登山口の林道に向かう。林道入口には防獣柵を出入りするための金網扉があるが、これを出たあとに金網の隙間から手を突っ込んで閉じるのに四苦八苦した。下山してきたときに見ると、我々を苦しめた扉は車用で、歩行者はその横の小さな扉を容易に通行できるのだった。「登山者用扉」というようなことが書かれているのだが、字がほとんど消えてしまって、行きではそれと気づかずに車用の扉に苦戦していたのだった。
林道は谷沿いに上流へと向かっている。近畿中部、南部の山とは違って、豊かな水量で沢が流れ落ちる様子に、東北時代の記憶がよみがえってくる。雪融けの季節を象徴する景観である。さらにしばらく進み、登山道表示のところから右に分岐する作業道に入ると、間もなく風神の滝が現れる。雪解け水を豪快に落としている。その先、作業道の終わるところで沢を渡り、山道になる。この渡渉点には金属板の簡易の橋がかけられていて、「最後の水場」の看板を見る。水を飲んでみると、なぜか酸っぱい味がした。ここから植林帯の緩いジグザグに登るとあっという間に小尾根に乗る。ここから尾根歩きとなる。周囲は自然林となり、しっかりと踏まれた道を登っていくが、周囲には雪は全くない。このままスノーシューを背負ったまま行って帰ってくることを想像して、急にリュックを重く感じるのだった。昔は十数キロをいつも背負っていたのに、この程度で重いと思うとは、歳だなー。
落葉した木々の隙間からは、周囲の山や下の集落が眺められる。結構、高いところに来たと思うのだが、登りはなおも続く。夫婦岩の平坦地もそれと気づかぬうちに通過して、さらに登ると傾斜がやや緩くなり、雪の「残骸」が地面にとびとびで現れるようになった。左手には三十三間山と思われるピークが姿を現わす。せっかく持ってきたスノーシュー、ここで着けずにどうする!と迷わず装着だ。幸いこの先、雪が繋がり、且つ、斜度がぐっと増してきた。踏み固められた部分よりも何もない雪上のほうがスノーシューだと歩きやすい。「風神」の看板を見てさらに登っていく。ちゃんと雪山になってくれた! ぐいぐい登ってなんとなく主稜線近しの明るさを感じ、気合が入って歩を進めると、視界が一気に開け、白銀に輝く伸びやかな稜線に飛び出した。「ろくろ山→」の標識が雪の中から掘り出されて頭を出している。その周回路の走る尾根が、白い畝となって続いていた。大きな谷の向こう側の雪をたっぷり擁した大きな尾根は、三重嶽あたりだろうか。左に目を向けると、なだらかな雪稜が三十三間山の山頂に向かって続いている。思わず引き寄せられるようにして、その雪原を山頂に向かって進む。眼下には春風の吹き渡る里がのどかなたたずまいである。その向こうには日本海が広がっているが、霞んでいるのが少々残念だ。それにしても、青空と白い雪面のコントラストは美しい。一歩一歩進みつつ、また立ち止まって眺めを満喫する。山頂直下は再び傾斜を増し、矮化したブナの疎林の中を縫うように登る。そして平坦地に達すると、そこには「三十三間山」の山頂標識が雪から「発掘」されて出ているのだった。誰もいない山頂ではあったが、眺めも限られており、すぐに引き返す。このまま山頂を越えて尾根を行けば、昨年琵琶湖側から登った大御影山に通じているのである。
山頂から少々下がった尾根横に,根開きのできた矮性のブナがある。そこで昼食をとる。それにしてもこのポカポカ陽気、ついに本格的は春の到来だ。下山は往路を忠実に戻る。
下山後、ヤマレコのアクセス機能を使って、一般道で山門水源の森へと、約1時間かけて移動する。水源の森にはすでに何人か見学者が来ていた。協力金、300円。入り口を入ってすぐの沢コースの取り付きに、防獣ネットで囲われた区画がある。その林下にお目当てのキタヤマオウレンの花を発見。その姿を写真に収めてミッション達成に満足する我々なのであった。
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