長峰山天狗梁


- GPS
- 04:03
- 距離
- 3.6km
- 登り
- 542m
- 下り
- 540m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道標なし。山麓部の水平道の西側区間は難路。 |
その他周辺情報 | 灘温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
三連休は冬型の気圧配置が続き、日本海側では大雪が予想されている。雪山歩きは難しそうなので、三重・奈良県境あたりの山を当初は狙っていた。てんくらの予想も許容範囲だ。土曜日はkinuasaに仕事が入ったので、山行は日曜日となる。前日のテレビの天気予報を見ていると、丁度三恵・奈良県境付近に北から雪雲が流れ込むシミュレーション画像が流れた。時間帯からすると山行中は降られずに済むはずではあるが、不安は残る。一方、我々の地元の天気は晴マークが優勢である。こういうときは遠出しないほうが賢明だろう。せっかく青空の下で山歩きができる場所にいながら、雪雲がやってくるかもしれないところにお金と時間を費やしていくというのは、いい選択とは言えない。ということで、今回は裏山六甲に行くことになった。
自宅近くから山側を見渡して、一番立派に見えるのが長峰山だ。その名の通り東西にいくつものピークが連なった長ーい峰である。その各ピークから顕著な尾根が海側に伸びだして、広げたアコーディオンのような形にも見える。その一つ一つの尾根にルートをとることが可能なのだが、実際に行ったことがあるのは3本ほどでしかない。自宅裏の変電所につながる高圧線が4系統ほど山腹を東西方向に走っていて、それらの巡視路が登山に利用されている。
この日は、未踏のハチノス谷東尾根を登路にとり、その上部から派生する支尾根上の天狗梁と呼ばれる岩を訪ねるのが主たる目的だ。下山はその一本東の尾根を使って、起点となる長峰霊園に戻ってくる計画だ。
自宅から近いとはいえ、歩いていくには遠い。そこで車を使うが、高峰中学校への道は車にとっても激登りだ。そして長峰霊園内の車道は、山奥の林道並みの狭隘度で、傾斜もさらにきつくなる。度胸試し的登りをこなして、最上部の大駐車場に着く。そこからの神戸港と阪神間の眺めは超一流である。
ここには数年前、ハチノス谷の堰堤から出てきたことがある。東尾根のとりつきは、山側の法面の途絶えたところにある小さなセメント階段(数段しかない)である。尾根末端からジグザグに登る道からは、阪神間の町と瀬戸内海の見事な眺めを楽しめる。例によって我が家が見えないかと目を凝らすが、所詮は塵の一粒に過ぎないから、わかるわけないのである。左手の谷を隔てて向こうの大きな尾根には、摩耶ケーブルの虹の駅が明かるく太陽の光を反射して建っている。登るにつれだんだんと虹の駅との高度差がなくなり、やがて星の駅が近づいてくるのだった。
標高430mほどのピークに達する手前の勾配がきつく、ずり落ちないように木の根や岩角をつかんで登る。四本目の高圧線を過ぎるとそのピークに乗り、ここから少し傾斜が緩む。わずかに下った後、再び急登となって、天狗梁への分岐に立つ。分岐点には同じ根から三本の幹が分かれて立つ三兄弟のコナラの木があり、その一本の幹に細引きが巻かれている。ここからリッジを下る。随所に短冊やテープマークが付けられている。間もなく岩がちとなり、目的地近しの兆候を感じるが、なおも下ると、つんと天に向かって突き出た特徴的な岩が現れる。天狗梁である。驚いたことにその端の木に”天狗梁”と書かれた山名板が付けられていた。
天狗梁をつかんでそのてっぺんを見ると、ボルトが埋め込まれていた。下を覗くと深く切れ落ちていて、眼下に広がる瀬戸内海と神戸の街並みをバックに爽快感を呼ぶ。この落差が呼び覚ましたのは、菊水ルンゼの岩棚を登った時の痛快感であった(記録ID: 3657459)。存分に楽しんだ後、踵を返して分岐点まで戻る。ここからさらに進んで隣の尾根を合わせると、ランドマークとなっている”ミルクポット”が立っている。これはたぶん、雨量計の集水器だったのだろうが、もはや機能していないようだ。ここからわずか上ると、長峰山の主稜線に出る。ほとんどフラットな稜線をちょいと進めば、目前に大岩が見えてくる。三角点のある天狗塚である。いつ来ても秀逸な眺めである。ここで昼食とする。
下山は来た道を戻り、先の合流点を越えて次の尾根の派生点へと向かう。尾根の分岐点には主ルートの道標が立っている。これといって特徴のない尾根である。下部に行くほど道はしっかりとしてくる。尾根の末端まで来ると作業道が等高線に沿うように東西に走っている。これを拾って西に向かう。やがて左にフェンスがあらわれ、さらに進むと右手に黄色い大きな集水タンクが見えてくる。道は左に折れてまっすぐ下っているが、それを辿るとかなり下まで下って橋を渡り、西側の尾根の車道を霊園にまで登る羽目になるだろう。だが、等高線に沿って水平に進もうとすると、堰堤とその下に副堰堤が立ちはだかる。立ち入りを阻むロープが二重につけられたところに入っていくと、副堰堤の内側の堆積地に降り立つことができた。ここを対岸に渡り、沢の右岸に乗り上げて、下流側の斜面をトラバースして伸びる狭く薄い踏み跡を辿る。幅がない上に左手は急斜面で谷底までの高度があり、落ちたらただでは済まない。慎重に進む。この先も危ういトラバースが続き、薮がちとなっていく。細心の注意払って踏み跡を拾い、篠竹や灌木を払いつつ進む。右手に登っていく様な踏み跡らしきものを見るが、我々はあくまで水平に進む。次の谷を越えると左手の傾斜は緩んで気が楽になる。そしてようやく、墓地が見えるところに来る。さらに進むと、今朝の取り付きの際に確認した下山路の降り口が目前にあった。こうして駐車地に戻ることができた。ふと見ると、手の甲には藪漕ぎで出来た傷から血がにじんでいる。この最後の区間が今日最大のアドベンチャー! おかげで「やった」感が湧きおこるasakinuなのであった。
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