月山《日本百名山》


- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,154m
- 下り
- 1,154m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 月山参篭所の温泉\400 |
写真
感想
羽黒山から下山すると月山へ移動だ。羽黒山は月山の北麓にある。湯殿山道路の登山口へは迂回して西側から国道112号線で近づくことになり、また50キロ走る。7:45に湯殿山ホテル前の料金所に着いたが営業開始までまだ30分ある。ゲート前で待っていると、係りの人がすでに来ていて準備中だったが特別に通してくれた。この時間はとても貴重だ。
有料道路終点には湯殿山神社の大きな鳥居と参篭所があり、湯殿山神社への参拝基地になっている。神社までは車道が続くが、マイカーの乗り入れは禁止、シャトルバスが料金200円で運行されている。徒歩でも20分、これに乗るようじゃ山屋ではない。仙人岳、薬師岳を右に見ながら進み仙人沢に降りたところに湯殿山神社はあるが、まだ神社の人は来ていないようだ。
いよいよ月光坂の登山道が始まり先ずは仙人沢に沿って登る。雪渓の押し出しで通過に苦労した。堰堤を越えた辺りで斜面に取り付くのだが雪でよく分からない。相当急な斜面でアイゼンを出せば良いのに横着にもキックステップで登り詰めると前面に藪。突破するとまた雪渓、さて何処を目指せば良いのか。コンパスの方向だけを信じて進むと横に突如夏道が現れ一安心した。それにしてもこの季節は誰も登っていないようだ。
すぐに鉄バシゴの連続になり急斜面を詰める。登り切った処は湯殿山と月山の鞍部、“装束場”は昔の参拝者が装束を整えた所で、今は施薬避難小屋が設置されていた。石跳(いしぱね)川を登って来るルートとの合流点でもある。ここからは姥ヶ岳の西側で雪の斜面が続くが雪は締まって歩き易い。夏道が露出している部分もあるが雪上を快調に歩く。P1530の尾根の括れを乗越し、姥ヶ岳北面をトラバースし金姥に到る。殆ど雪はなく、お花畑が広がっていた。月山で最も安易な登山道である月山リフトから姥ヶ岳を通ってくる道と合流した。
柴灯森(約1,700m)へ立寄るべくなだらかに雪のない稜線を登った。登山道は南を巻いているので帰りは通らないだろう。お花畑の最高の場所でシラネアオイ、イワカガミ、ミヤマキンポウゲ、チングルマなどが見られた。この頃になると高いところに雲が掛かり月山は時々しか見えなくなった。柴灯森南斜面から月山にかけては一面の雪で夏道は殆ど出ていない。3人の山スキーの小父さん達がシールを付けてえっちらおっちら登っている横を追い越して行った。やがて雪原は終わり岩稜帯となり急斜面となった。
山頂域には神泉池が慎ましいげにひっそりとしておりその北に大きな頂上小屋があるが7月から9月までの2ヶ月しか開かない。そして最上部には月山神社の社殿が構え神社も無人だった。ここが月山(1,984m)山頂で無事に登れたことを感謝し参拝した。ガスで視界を閉ざされ風が強い。写真を撮りたいところだが昨日カメラが故障しどうにもならず携帯のカメラで急場を凌いだ。山頂の東側には雪原が広がっており少し北に1等三角点「月山」 (1,979m)があるので寄ってみたかったが露出している様子もなくパスした。
神社の影で昼食を摂り、下山に掛かると追い越してきたスキー3人組がザックに長いスキーを括り付けて登ってきた。雪のないところではお荷物でしかないようだ。雪原に入る前にまた3人スキーヤーが登ってきた。皆リフトで上がってきたそうだ。雪原の下りはグリセードでどんどん進み30分で金姥まで戻ってきた。途中10数人のツアーが登ってきてびっくり。金姥周辺では、小グループに何組も出会い、リフトコースが初心者でも簡単に登れることを知った。
金姥から一寸アルバイトして姥ヶ岳を目指した。P1688の南面に大きな雪の壁がありそれ以外は夏道の木道が露出していた。この辺りも花が多く素晴らしい。姥ヶ岳(1,670m)山頂は湿原のようで広い山頂域に木道が敷かれていた。もと来た道を引き返すと女性スキーヤーがここまで来てしまったみたいで屈み込んでしきりに写真を撮っていた。「ショウジョウバカマですね」と声をかけると、花の名前を知らなかったようで痛く感謝された。いい気になり「もう少し先にミヤマキンポウゲが咲いていたよ」と言うとひょこひょこ付いて来た。「さらに先にはシラネアオイが・・・」と言おうとしたが山屋でない若い女性に深みにはまらせてはと思い止めておいた。
金姥分岐からはまた独りの道、姥ヶ岳北面をトラバースしP1530の鞍部を乗越すとき先っぽで2人の男性が休憩していた。遠いので声は掛けなかったが何処に行くのだろう。装束場に戻ると3人のパーティー、初老の男女を連れた若い男性はガイドで石跳川の雪渓を往復するのだと言う。雪は安定していて傾斜もそれほど急ではないと言っていた。月光坂の鉄ハシゴを下りいよいよ雪の急斜面、流石にここでアイゼンの登場となった。夏道ルートは分からないままだが、雪渓ブリッジに穴の開いた危険そうな場所もあり歩けるところは限られる。結局登ってきたルートが一番安全そうなのでそこを探すが分からず探し回った。漸く見つけて下りだすがかなり急で危うい。ゆっくり進み下に辿り着いた時は正直ホっとした。
さて湯殿山神社に立ち寄ってお礼参りをせねば、入口にお祓い料500円と書かれている。払って入ろうとすると、まずあちらで靴を脱いで裸足になれ、靴下も脱げと言う。何故か分からないまま言われるままにして500円を出すとお守りと、人形(ひとがた)をくれて神職が祝詞をあげお祓いをしてくれた。そして人形を体のあちこちに当てて最後に息を3回吹きかけ水に流せと言われた。言われた通りにして中に入った。湯殿山神社のご神体は温泉の湧き出る大きな赤い岩で異様な風景だ。神官の案内どおりご神体の前で賽銭箱の上に置かれた鈴を振り二礼二拍手一礼の作法で参拝した。勿論お賽銭も。参拝の後はお湯の流れる岩に登りお湯の湧き口を見た。この神社に社殿は無く左手に線香とロウソクの立つ仏教施設のような建物、神仏混淆の名残だろうか。先祖の供養にひと揃え買って備えた。また人形をくれたのでどうするのかと思ったら柱に案内書きがあり濡らして石に貼り付けなさいとあった。湯飲みに清水を汲んでお供えし二礼二拍手一礼、やはり神仏混じっている。最後に足湯があったがこれだけでは満足できず温泉に入りたい。
珍しい神社の参拝を体験し参篭所駐車場に戻った。道端に道水管が走り手を当ててみると暖かい。引湯しているな、引湯先は参篭所しかないなと思い参篭所を通るとき覗いてみると入浴15時まで400円とある。昨日も入れなかったので温泉に浸かりさっぱりして帰ることができた。
来るときから給油ランプが点いてひやひやしながらも鶴岡市内まで何とか持って駅でレンタカーを返すと新潟行きの特急は丁度出てしまったところ。2時間後の特急に乗り羽越線を行くと日本海の水平線に沈む夕日が旅を締め括り、闇に閉ざされる頃新潟駅に着いた。2時間余り一人打上げをして22:55発の急行“きたぐに”で帰京の途に着いた。
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