野坂岳


- GPS
- 05:18
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 879m
- 下り
- 880m
コースタイム
- 山行
- 3:56
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 5:17
天候 | 晴のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪が多い時には、下部のトラバース区間は滑落注意。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
アイゼン
|
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感想
今週後半は冬の陣を張っていた大陸の高気圧が高圧帯を東に伸ばして移動性高気圧を生み、日本列島を真上から被ったおかげで気温が上がった。そして土曜日は穏やかな天気となったが、東シナ海には低気圧が発生。こちらに向かっている。近畿地方、午後には降水が予想されるところが多くなっていた。当初狙っていた皆子山や蛇谷ヶ峰の予想は晴から曇にかわり、盤石とはいえない状況。太平洋側に低気圧が進んでくるなら、北に寄るほど天気はいいはずだ。そう思って福井県の野坂岳の天気を見てみると、この地点でついにお日様マークが登場だ。と言っても9時から正午までのスロットだけである。他の山にお日様マークがないとなれば、野坂岳にかけるほかない。かなり遠いので、行った挙句に雨だったりすると泣くに泣けない事態となるが、ここは賭けに出る。
琵琶湖西岸道路を使えば安上がりだが、決まって雄琴温泉あたりまで渋滞だし、その後もまどろっこしい状態が続くので、できれば避けたいところだ。お金はかかるが、自宅からアクセスがよく、渋滞知らずの舞鶴若狭道を選択する。福知山をすぎて六人部に向かうあたりから、霧が立ち込めてくる。「この先 キリ」、という固定看板がいくつも立っていて、この辺りが霧の多発地域であることを物語る。おそらく、由良川から立ち上る水蒸気と地形に依存するのだろう。北近畿道では加古川に沿って走る間、同じように霧に悩まされる。舞鶴に近づくと霧は薄らぐが、今度は「雨、注意」と電光掲示板に表示が出る。そして実際、フロントグラスに細かい雨滴が付き始めた。目的地の敦賀は間近だし、こんなところまできて雨中の雪上登行になるのだろうか・・・と、落ち込んだ気分でトンネルを抜けた。すると! そこには明るい世界が広がり始めていた。三方五湖のパーキングに入ると、陽が射している。これなら何とかなりそうだ。
若狭美浜ICで高速を降り、目的地に向かって車を走らせる。すると正面に、秀麗な姿の顕著な独立峰が見えてきた。あれだな。高速道路をくぐりぬけてすぐ上に、ヤマレコ地図でPマーク表示のあるいこいの森第1駐車場があった。ここに車を置く。しかし、他には1台の軽トラがあるのみ。それもそのはず。準備をしていこいの森の中を歩いて登っていくと、ヤマレコ地図の「登山口」表示の地点に広い駐車場があり、何台もの車がとまっているのだった。ここまで入ればよかったのだ。よくあることであるが、自分の下調べが不十分だったと反省。
ここから遊歩道を上がっていき、すぐに谷沿いの登山道となる。べちょべちょに融けた雪をところどころで踏みながら植林帯の下を進む。徐々に雪を踏む箇所が増えてゆく。水流を2回横切って進み、3回目の渡河点手前の岩がちなところでアイゼンを装着する。この間に3パーティーほどが抜いていった。この渡河点で右岸に渡ったところには金属梯子がかかっている。その先、やや急な登りとなるが、眼下に見える日本海と敦賀の町に励まされて高度をあげていく。何度かジグザグを重ねて支尾根端に乗ると、道標が立っている。ここから右に支尾根を辿る。積雪が増すが、よく踏まれていてルートは明確であり、特段の困難もない。周囲は落葉広葉樹林となり、やがて左方向にこんもりとした山が二つ見えてくる。この左側の山が野坂岳だろう。湿雪感は次第になくなって、雪山らしくなってくる。道は左に曲がり加減となり、急に傾斜がなくなって間もなく、一段大きな尾根の上に出る。ここから、右手は植林、左は自然林となり、雪の表面がやや硬くなってアイゼンが効く斜地を行く。ツボ足でも十分こなせるとはいえ、足への負担はアイゼンによって軽減される。
それにしても今日は温かいし、風もない。手袋も耳当ても外して春山気分で登っていく。ちょっと東北を思い出させるような若いブナ林となり、ともうそろそろと思うが山頂はまだ先だ。二ノ岳、三ノ岳の標識を見て進むと、ようやく進路右手に山頂が見えてくる。この辺りに来て、空には薄い雲が広がり始めている。もうちょいで山頂なのだが、青空は戻ってこないのだろうか。やや急な登りとなって開けたところに出ると一気に視界が開ける。先行の登山者の女性がしきりに写真を撮っている。「あれは白山でしょうか」と指さす方角を見ると、真っ白く大きな山が浮き立って見えている。下方には若狭湾が広がり、その手前になだらかな美しく裾を引いた山があった。西方ヶ岳だという。ふと見ると、脇には避難小屋があった。眺めに気をとられて見過ごしていたようだ。
ここからほんの数歩進んだところが、野坂岳の山頂であった。平らに開けた山頂は、伸びやかな雪原のような風情で迎えてくれる。3人の女性チームが歓声を上げている。360度の好展望に恵まれた伸びやかな雪の山頂は、解放感に満ち溢れている。ただ、空に広がった雲は結局そのまま居座っていて、青空でないことがちょっと残念なのであった。
我々は先の避難小屋に取って返して、昼食とする。途中で先の3人パーティーが小屋の住人となり、さらに5人パーティーが入ってきたため、我々は早々に辞去して下山を始める。雪の下山はツボ足のほうが飛ばせると思ったが、安全のため、アイゼン装着のままゆっくりと下る。この時間になっても、何パーティーかがなおも登ってくる。朝の青空はもう戻ってこないし、天気はゆっくりと下り坂だ。例の渡河点を越えたところでアイゼンを外し、後は湿雪に足を取られないように注意して駐車地に降り立った。最後まで雨にたたられずに済んだのはラッキーだった。
帰路、舞鶴若狭道を走っていると、道の駅おばまの看板があり、ETC乗り直し料金据え置き、の文字が目に入った。小鯛のササ漬け、の話を行きにしたせいで、ちょっと寄ってみたくなり、小浜で一旦降りる。結局、小鯛寿司を購入して、レジの人に「乗り直し」について尋ねると、どのETCでもOKなのではなく、version 20とかいうワンランク上のカードだけが適用になるとか。我々の低ランクカードは対象外だなんて、知らなかったなー。と、ちょっとだまされたような気分になったものの、小鯛寿司を買ったということでいいことにする我々であった。今度来るときは下道でいこーっと。
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