奈良倉山・大マテイ山
山梨県
山キチどん
- GPS
- 06:54
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,625m
- 下り
- 1,530m
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| 天候 | 晴れのち曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2008年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
下山口：田元橋BSから西東京バスでJR青梅線奥多摩駅 |
| その他周辺情報 | 小菅の湯（定休日のため入れず） |
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感想
満席の“ムーンライトながら”が東京駅に着くと中央線に乗換え上野原を目指した。新宿から朝帰りの若者たちが沢山乗り込むだろうと予想していたが、今日はそれ程ではなかった。それもそのはず今日は金曜日、世間は仕事をしているのだ。上野原では始発バスを待ちきれず6,290円を投じタクシーに乗った。京都から上野原までの運賃よりも高く単独行の痛い所だ。今日は体調が今一よくない、山道を揺られていると気分が悪くなってしまい、タクシーを降りると座り込みたい気分になった。
標高540mの県道バス停から阿寺沢川沿いの林道をフラフラと歩き出した。橋を渡り暫く行くと左手の斜面に「坪山→」の表示があり、山道へと入って行った。植林帯の尾根を巻くようにして南側に出ると後は稜線への急登が始まった。歩けるかと危ぶむほどだった体調も徐々に回復し何とか行けそうだ。ゆっくり歩いて「ひりゅう館→」の指導標とも営業看板ともつかない分岐に達した。西原（さいはら）にある施設で「トイレ・食堂あり」と看板は言っている。もうひと登りするとP896に達するが展望はない。葉の落ちた稜線からは木の間越しに三頭山がチラチラと見えてきた。コブをいくつも越えて坪山(1,103m)に達した。3等三角点「坪谷」が置かれ展望素晴らしく真西方向を除いて300°の展望があった。これから向かう奈良倉山の右肩には奥秩父主稜の飛竜山、東京都最高峰の雲取山(2,017m)、先ほどから木の間越しに見えていた三頭山が全姿を現した。南の方を見ると権現山、こうしてみると視界に入る山域はみんな登った山ばかり。よくぞ京都の人がこれほどに! と自己満足にほくそ笑んだ。
西に続く尾根を進み顕著なピーク（標高約1,170m）に登り返す。地形図には北の尾根に下る道が分岐しているが、現実はその前後の鞍部から分岐しているようだ。縦走路の南の谷を平行していた阿寺沢川が収束する西原峠（さいはらとうげ）へ行く分岐点に達した。この峠を大月市側に下ると松姫鉱泉がある。今日は西原峠には寄らず稜線を辿ると左手から現れた林道に出た。この林道はこれから先、松姫峠で国道139号線に出会うまでの6�匱紂△曚槊農�に沿って続いていた。林道を歩く方が安易だが、稜線に拘りたいので古い登山道を辿った。佐野峠手前には3等三角点「竹ノ沢」(1,235m)のある佐野山があり、山道を歩かないと見つけられない。それでも時々は林道に下りざるを得ず、林道を歩くと展望の利くところが暫々あり、林道歩きの利点も無きにしも非ずのようだ。
奈良倉山(1,349m)は2等三角点「佐野峠」の置かれたピークで大月市が選定している“秀麗富嶽十二景”の5番山頂で名に違わず富士山が展望できる。それも富士山方面だけが切り開かれた、辛うじての富嶽十二景のようだ。この富嶽十二景は「十二景」と言いながら1〜4番、8番、9番、12番山頂は2山づつ指定され全部で19座ある。今までにその18座を登っていたので、奈良倉山で全山頂を制覇することができた。
奈良倉山周辺は林道や登山道が入り組んで県道の鶴峠に下る道も分岐していた。縦走路を進むと、また林道に出るが忠実に稜線の踏み跡を辿って行った。P1321を越え林道に出ると国道139号線が越える松姫峠に達する。駐車場と真新しいトイレがあり展望は良好。峠で大月市と小菅村を分け下り切ったところは下山予定地の小菅の湯。しかし今日の行程は縦走を続け大マテイ山・高指山を経由してから行くことになる。
峠で林道も終わり登山道を北西へと進んだ。標高差100mほど登ると鶴寝山(1,369m)でここも富士山方面だけが開けていた。鶴寝山を過ぎると「日向みち」と「巨樹のみち」に分れどちらも大ダワ、大菩薩嶺方面に到る。より稜線に近そうな「巨樹のみち」を選んで進んだがこちらも巻き道で面白くなく、微かな踏み跡を忠実に辿り稜線を辿ることにした。P1326を越えた鞍部は“山沢入のヌタ”で分離していた両方の道が出会いまた分かれて行った。おまけに小菅の湯に到る道も分岐しているが、稜線ルートはそのどれでもなく真ん中を行く。今日の最高峰である大マテイ山(おおまていさん1,409m)は3等三角点「山沢入」が置かれ雁ヶ腹摺山を望むことができた。
標高1,300m辺りからはまだ雪が残り、鹿や小動物の足跡ばかりが付いている。山の北斜面に下るとすぐ巨樹のみちに合流し北斜面を巻き道で大ダワに到ると大菩薩嶺へ続く牛ノ寝通りに合流した。平成14年秋大菩薩縦走の下山に使った道だ。大マテイ山によろうかどうしようか思案したが次の機会にと断念し今日登頂できたことが誇らしい。
牛ノ寝通りと分かれて小菅の湯へと下る途中にある高指山は前回知らずに西側の登山道を巻いてしまった。今回は是非とも立ち寄りたい。果たして道があるのかどうか。大マテイ山の北西を巻き終えて、高指山との鞍部に到ると稜線に微かな踏み跡が認められる。五月蝿い下草もなく、さして問題はなさそうだ。10分足らずのプチ藪漕ぎで高指山(1,274m)山頂に達した。残念ながら山頂を示すものは何もなく、展望も得られなかった。先にも踏み跡らしきものが続き辿って行くと恐ろしく急な斜面となり木に摑まりながら下りると元の登山道に復することができた。モロクボ平で川久保への道を左に見送り小菅の湯へと下山した。
山沢を橋で渡ると中組の集落、その中に小菅村営の“小菅の湯”がある。最後は温泉に入ることだけを楽しみに下山してきたがどうも静かだ。何と今日は第4金曜日、月1回の定休日! しかも、この日に合せて村営バスも運休日。それはないよぉ〜! と吼えながらも急に重くなった足を進め1.5�卆茲療銚偽�BSへと歩いた。東京近郊とは言え金曜日1日歩いて誰も登山者に会わない至って静かな山行だった。
30分待って奥多摩駅行の西東京バスに乗り奥多摩湖畔を通り駅へと向かった。小河内神社傍の“麦山の浮橋”は健在だ。別名“ドラム缶橋”とも言われ三頭山への道に使ったことを懐かしく眺めた。下山後雲が厚くなりだしたが奥多摩駅から青梅線の電車に乗ると同時に雨が降りだした。青梅市の河辺（かべ）駅近くのビジネスホテルに宿を取った。
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