三上山《関西百名山シリーズ》



- GPS
- 06:33
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 756m
- 下り
- 758m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山口:JR琵琶湖野洲駅 |
その他周辺情報 | 野洲駅前ほほえみ乃湯\650 |
写真
感想
今回の関西百名山シリーズは過去最低の4名の参加者で集りが早く、予定より1本早い列車に乗ることができ篠原駅には15分早く着いた。JR琵琶湖線の駅でありながら線区中最も田舎の残る駅で、駅前には商店の一つもない。家並みはすぐに途切れ近江平野の田園地帯、新幹線のガードを潜り畦道を通って国道8号線を交差するがここにもお店はない。昼食の購入は諦め、干し芋ひと袋と行動食だけのひもじい山行の覚悟を決めた。
鏡集落を抜け鏡山登山口バス停から積水樹脂の工場エリアの道を進むと住宅や道路、標識など模擬の町が出現し異様な空間である。察するところ同社の製品の耐久試験かプレゼンテーション用のデモ設備なのだろう。右手に鏡池を見て山道へと入って行った。山頂手前に貴船神社の鳥居があり分岐して少し行くと小さな祠があった。登山道沿いには“こんめ岩”と案内のある大岩を見て、登山口から40分ほどで鏡山(385m)山頂に達した。別名を竜王山ともいい、メインの山頂標識は「竜王山」の表示だった。傍に展望台が設置されているが樹木が良く育ち見通しは利かない。そして今山行唯一の三角点峰だが2等三角点「鏡山」は山頂から100mほど西にある。こちらの方は少し展望があり南方が開けていた。
鏡山からは希望が丘北稜の縦走路を進むと標識が整備され小さいアップダウンはあるが問題なく歩くことができた。そして今日のミッション1:「立石山の位置を現地で特定」を行った。立石山までの中間付近を横切る送電線を一つの目標に現在地を知り、山頂から300m手前の地形の変化(方向の僅かな変わり目)を注意深く観察し直下の鞍部に到った。「ややうみ坂」と看板があり、その昔、柴刈りは女性の仕事でこの辺りまで採りに来ていたと案内書きがあった。100m余りを登り詰めて立石山(282m)山頂に達した。地形図に記載のない山名なので現地に標識などは無いだろうと思いミッションを設定した。しかし現地には真新しい標識が建っていて、これには変な意味でがっかりだった。
ミッション2は「古城山へのルートファインディング」で、ネットで見た希望が丘の案内板からすると立石山の北西600mの方向にあるピークだが縦走路を外れている。分岐点の発見がまず課題で地形を見ながら進んで行くと縦走路右手にこんもりしたピークが見え隠れし、やがて表示はないが右手に分かれる踏み跡を発見した。ビニール紐がルートを示すように続き山頂に到った。山頂には標識の類は無いが此処を古城山山頂とし、山頂からは琵琶湖越しに比良山を見ることができた。
分岐に戻り縦走路を進むと指導標に「城山、古城山→」の表示が現れ、古城山は今行って来た筈なのに?? そして終に「古城山(259m)」の山頂標識が現れた。傍らには「古城山・岩倉城・桜本坊と桜本池」の案内板があり古城山がここであることは決定的となった。ではあの希望が丘の案内板は何だったのだろう? そういう訳でここでは先ほどのピークを“古城山候補地”とすることにした。山頂の案内板によると、いつの頃かは知れないが馬淵氏の岩倉城があったという。岩蔵寺桜本坊が明治になって神社となり桜本社と呼ばれたそうだが今は石積みを残すのみ。
光善寺川の源頭を回り込むように進むと鞍部はさくら道峠で光善寺川方面と希望が丘方面への下山路が通じている。城山の直下は急登でロープも掛かり山頂に達するとパッと視界が開け歩いてきた縦走路や希望が丘公園南稜、三上山も一望できた。山頂では数組のハイカーと出会い、地元の人が極手軽に歩く山域のようだ。大休止を取り一旦希望が丘への下山となるが、ここでミッション3:「希望が丘への下山路を地図に書き入れる。」を始めた。すぐ先に見える吉祥寺山へ足を伸ばすことになったのでまずは尾根通しの縦走路を進んだ。送電線手前の鞍部に辻ダムへの下山路を見送り岩場を登り返すと吉祥寺山(231m)山頂に着いた。展望はなく山頂標識もない無愛想さですぐに辻ダムへの分岐に引き返した。
標高差は僅か50m程でダム湖畔に達し、登山口の位置を特定しようと周りを眺めダムから50m程度と目算したが上を見ると送電線の真下だった。ミッションのルート書き込みは問題なく終了した。辻ダムの堤防は上部が切れ水路になっているので渡れそうになく様子を見に行くとすぐ下部には水がなく対岸に渡ることができた。
車道を進み希望が丘公園の入口を掠め小さな“峠”を越えると森林センターで、南の端のバンガロー村から今日のメイン、三上山への登山が始まった。標高差は300m足らずだが、円錐形の急斜面で急登が続く。N田リーダーは一寸お疲れ気味、健脚コースと一般コースがあり、分岐点では一般コースを選ぶが単に大回りし勾配が若干緩いだけで決して“楽”ではなく両コースが交差するところでは健脚コースにルートチェンジした。三上山(432m)山頂は木立の中にひっそりと山頂標識があるが10mほど先に注連縄の張られた岩があり、ここからの展望は素晴らしい。三上山は御上神社のご神体の山で山頂には奥宮がある。
三上山といえば藤原秀郷のムカデ退治伝説。10世紀前半のお話で、瀬田の唐橋に大蛇が現れ人々は怖れをなして橋を渡ることができなくなった。ところが藤太は恐れることもなく大蛇の背を踏みつけて渡った。その夜、麗しい女性が訪れ「竜神の使いで勇敢な人を探していました。竜神は三上山の大ムカデに苦しめられているので助けて欲しい。」と言うと、藤太はムカデ退治を引き受け戦うが矢が通じない。鏃に唾を吐きかけ「南無八幡大菩薩」と祈念して射ると忽ちにして退治することができたと言う。人間の唾液が魔物には毒であるとのことだ。藤太は竜神からお礼にいくら裁っても尽きることのない巻き絹と、思うままに食べ物の出る赤銅の鍋、米の尽きることのない俵を贈られた。このことから俵ノ藤太と呼ばれるようになったそうだ。以上の話しとは別にこの人が平将門の乱を鎮めたことは史実である。
閑話休題、三上山から西側へは表登山道と裏登山道の二路があるが今回は裏登山道を下りた。苔の谷の鞍部から登り返すとあっという間に双耳峰の片割れ東竜王(雌山)に到ると、ここにも小さな祠があった。打越からは稜線を離れ谷筋へと入って行った。この南側に一寸したコブがあり「女山」と表示されているので、山名のある山は全部登りたいTCは一行を離れ大急ぎでピストンし登頂してきた。山頂は展望も表示もなかった。
一行に追い付き三上の集落に下山。国道8号線の車道歩きで野洲駅を目指した。終わってみれば休憩時間を含んでもコースタイムより早く、しかもコース変更で余分に歩いた。皆健脚だった。駅前のほほえみ乃湯に立ち寄りゆっくりと時間を過ごし、京都駅前居酒屋で反省会は全員参加してくれた。
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