大塔山《関西百名山》


- GPS
- 16:14
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 1,531m
- 下り
- 1,539m
コースタイム
天候 | 1日目(10/17):晴れのち雨 2日目(10/18):晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
1日目(10/17)
国道371号線は旧大塔村(現田辺市)から古座川町へ越える峠が未開通のため山道で越えている。これを大きく迂回し、木守平井林道が随分北の方で峠を越える。この峠の直前で前ノ川林道が左に分岐している。登山ガイドではこの林道の終点まで車で入れる筈であったがゲートが閉じられていた。躊躇した末傍らに車を止めて林道を歩くことにした。前ノ川林道に入ると道は下り坂となり、前ノ川の川面に少しだけ近づいたが再び登り始め、川の流れは遂に見ることなく高巻いた。急斜面に付けられた林道は落石による大きな岩や小石で道を覆い車が入れる状態ではなかった。1時間の林道歩きで終点に達すると朝食休憩を取って、さあ出発という頃雨がポツポツ降り出した。天気予報どおり紀伊半島沖を低気圧が前線を伴って通過するようだ。遠くで雷まで鳴り出しおっかない。雨具を着て加藤リーダーを先頭に歩き始めた。
登山口(標高775m)には赤ペンキで「左下谷へ、右上大塔山へ」と岩に書かれている。表示に従って右上方向に進み樹林帯の怪しげな踏み跡は忽ち不明瞭となりはっきりしない。獣道のような斜面を登って行くと何時しかそれらしき踏み跡が現れ稜線へと導いてくれた。旧大塔村と古座川町の町村界の稜線は小さなアップダウンが多く、大塔山まで左回りにほぼ半周する形で続いている。壊れた指導標が所々にあっただけで殆ど歩かれている形跡はない。今日のミッション1:「P973を特定する」は稜線最南端への張り出しとルートの90°の曲がり方から容易に特定することができた。もう一つの標高点P997を下った鞍部は南谷への下降点だが表示は何もなく踏み跡もあるかなしかの状態だった。帰りにはこの谷を下り林道終点に戻る予定だったが、林道歩きが余分に加わったので同じ道をピストンすることにした。
一つピークを越えると旧古座川町の大塔橋からの道が合流し、「←大塔山、下山路→」の指導標が現れたが前ノ川林道方面の表示は一切なく、最早登山道として認知されていないのかもしれない。この先大塔山へ向けて道ははっきりし、200m余りの標高差を登り大塔山(1,122m)山頂に達した。鹿除けのフェンスが三方を囲み3等三角点「大塔山」の周りだけがフェンス外で逆に檻の中にいるようだ。雨は殆ど止んでいるが山頂部のガスは濃く何も見えない。別名を二ノ森と云い、北西には一ノ森というピークがある。ザックをデポして足を伸ばした。鞍部へ100m余り下って登り返すが、あまりの下り方と前に見えた一ノ森の斜面に嫌気が差しK城さんが脱落、K藤LとY本TCの二人でピストンを続けた。
鞍部は弘法杉への道が分岐した。登り返して一ノ森(1,058m)山頂に達すると小さな山頂標識があるだけで樹林帯で展望は得られなかった。北西尾根は法師山、半作嶺への縦走路が先に続いているが、すぐに折り返しK城さんの待つ大塔山へと戻って行った。来た道を戻り標高を下げると雲の領域を抜け、P997の先の伐採地で東から南の展望が開け那智の烏帽子岳や子ノ泊山など昨年の関西百名山シリーズで登った山が見えている筈だが、地図を出してまで山座同定する気になれず、山また山の紀伊山地を相対的に楽しんだ。
P998までは順調に戻り、何の心配もなく百間山キャンプ場のバンガローを楽しみに進んできた。あと2時間もあれば車に戻れるかと楽観していたが、この後道間違いのためとんでもない事になってしまった。P998から西の支尾根に入り込んでしまい、下山路と誤認し斜面を下りだしたが急になり、彷徨の末元の稜線に戻った。町村界尾根を確認し西に進み来る時に稜線に乗りあがった時に見た、壊れた「大塔山→」の指導標を発見しここだと確信し斜面を下りだした。登ってきたときの記憶は余りなく踏み跡も獣道程度だったので最初は確信していた道だったがだんだん怪しくなり両側から谷が迫ってきた。この谷が林道手前で横断した苔むした岩のゴロゴロしていたガレ場に繋がるのでは判断しさらに進むが大きな滝が出てきて下まで降りてみたが、その先に最早道はなかった。高度計は既に林道終点の標高を示している。林道終点の手前であることは確実なので、このまま谷を下ると南谷ルートに出るのは確実だが、急な沢となってはこの先に進むのは無理だろう。引き返すしかない。しかし周りは薄暗くなりもう行動を続けることは危険と判断しビバーグすることにした。
さて3人の装備を確認してみると、チェルトが一つ、雨具は着ている。食料はパンが2袋、ゼリー飲料2つ、その他行動食、水は十分取れるが、ガスはなし、それほど空腹感はないので食料温存のため夕食は取らず、平らなところを見つけ、持っている服は全部着た。女性二人はチェルトを被り、TCは傘を差して雨を除けビバーグを始めた。18時には真っ暗になり長い夜を過ごすことになった。雨で気温は高めなのでそれほど寒くないのが幸いだった。
2日目(10/18)
朝6時、雨は上がったがガスが残っているようだ。朝食にパンを1つづつ食べ行動を開始し、滝の横の斜面を這い登り1時間余りをかけて稜線に戻った。ここで残りの食料を少し食べた。まだ戻っただけで下山口が見出せた訳ではない。登ってきた道なのに記憶が曖昧なのが情けない。町村界尾根をあちこち偵察してみると先の方にもう一つ壊れた指導標を発見した。これは尾根ではなく斜面の方向を指しており下山口であることを示しているようだ。今度こそ間違いはないだろう。
それにしても踏み跡といえる道ではない。来るときもあやふやだったが、上へ上へと登って行ったので間違わずに来たようだ。この斜面を少し下ると明瞭な踏み跡が現れ一安心、やがて伐採された展望地に出てきた。空は快晴、前ノ川を挟んだ北側の稜線がしっかり見えている。しかしここからも曲者で右にも左にも踏み跡があるがどれもすぐ先の植林帯で切れてしまう。さて昨日はどこから来たのだろう? もうそれほど距離はないはずだ。植林帯に突入し暗い林の中を行くが、いつまでたっても辿りつかない。深みにはまらないうち一旦引き返して、林道終点と思しき地形の方に再度狙いを定め、再び林に突入し苔むした岩の転がる沢筋を横断、少し進むと漸く前ノ川林道終点に辿り着くことができた。これで一安心、残りの食料を食べ、後は気軽な林道歩きで駐車地点に戻った。
昨日予約しておきながら無断キャンセルになってしまった百間山渓谷キャンプ場に立ち寄り、事情を説明しキャンセル料を払うと申し出るが、もう良いとのことで払わなくて済んだ。ようやく携帯の通じるところに来たので、今朝合流するはずだった多胡さんに連絡することができた。多胡さんは約束の時間に40分遅刻してきたので先に行ってしまったかと諦め高島へ帰る途中だった。本当に気の毒なことをしてしまった。
キャンプ場で昨夜予定の食材を使い鍋物を作り、昼食を取った。用意したお酒が飲めないのが残念だったが、本当に美味しかった。腹拵えがすむと温泉、鮎川温泉黄金の湯に立ち寄るが、廃業したのか入口に柵があり乗り入れられなかった。こうなれば温泉と言えば白浜温泉、少し遠回りだが足を伸ばすしかなく、日帰り施設「長生の湯」(\500)に立ち寄り汗を流した。帰路は国道42号線と阪和道の渋滞で京都に帰り着いたのは21時になってしまった。
気軽なハイキング程度の山行が思わぬことになってしまった。振り返ってみると、歩いた道の記憶が殆ど残っていなかったこと。帰路に安心し過ぎ現在地の確認を怠ったこと。見つけた標識を下山口のものと誤認し、疑いもせず下ってしまったこと。谷ルートの標高近くまで下っていたので少しで谷ルートに合流する思った結果、滝まで下り切り行き詰ったこと。通常の日帰り山行なら持っている装備もこの日に限り車の中に置いてきてしまったこと。何年山やってんだと笑われそうな結末だった。
限りなく出てきますが、今後の教訓にしたいと思います。
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