黒部五郎岳、雲ノ平 周遊(新穂高から)


- GPS
- 41:52
- 距離
- 77.1km
- 登り
- 5,358m
- 下り
- 5,432m
コースタイム
- 山行
- 6:39
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:08
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 8:50
- 山行
- 7:51
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:21
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 2:32
- 合計
- 10:30
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 10:41
天候 | 晴れ一時ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 中崎山荘 奥飛騨の湯 |
写真
感想
*とんでもない長文の上に、単なる個人的な日記です*
南アルプスから河岸を変えてやってきました新穂高。
連休にはまだ入らないというのに駐車場はかなりの車。
1日目
真っ暗な駐車場でのパッキングももどかしく、ヘッデンスタート。
仙塩縦走から中一日で、身体は結構重い。
鏡平までは忍耐の道。曇りがちで涼しいのが救い。
などと思っていると、鏡平山荘あたりから少しガスの合間に景色が見え隠れしてきた。
弓折乗越をこえて細かいピークをいくつかクリアすると、やっと本日の宿、双六小屋が見えてきた。
以前、一人で小屋泊したときは、いろいろなルートで来た人が泊っていて、まるで山中の宿場みたいだな、、と思った。今日はテン場の端に陣取った。
標高2500mを超える山小屋で生ビールが飲めるなんて幸せ。
2日目
暗いうちにテント撤収
双六岳は2人とも登っているので、今回は割愛。
中道から三俣蓮華に向かいました。
湯俣川方向の雲海が徐々に明るくなってきて、いつの間にか日が昇った。
左手にはコバイケイソウの群落。
ガスで自分も瑞々しい(?)あまり天気は期待できないのかなぁ、、などと思いながら三俣蓮華に到着。
時折、周囲の山が見え隠れ。うーん、写真にはうまく写らないなぁ。。。
ちょっと下を向いている間に「何やってんの?!すごい晴れてきたよ!」
顔を上げてびっくりした。
360°の絶景〜〜〜
薬師岳、その手前に雲ノ平、北鎌尾根から槍ヶ岳、大キレット、ジャンダルムと穂高も雲の上にクッキリ。
大興奮。
ゲンキンなもので、絶景が見え出すと急に足が軽くなるのです。
しかもここから先は自分的未踏エリア。
俄然テンションも上がり、黒部五郎小舎にむけて再出発。
黒部五郎岳がだんだん近づいてくるルートは比較的緩やか。
8時過ぎにテン場に到着したので、荷物をデポして山頂へ向かう。
途中でガスっちゃうんんじゃない?と逡巡するも、せっかくなのでとりあえず山頂行きたーい!と。
この山のカールは岩の雰囲気が迫力がある上に、全体がとっても美しい。
青空の下、源頭に来ただけでも価値あり。
10時過ぎに山頂。案の定、南から雲が広がるが、ギリギリ景色も見えて◎
立山と劔も見えていたんだ!
明朝もう一度登りましょう♪
小舎に戻ってテント張って、ゆっくり。ここも生ビール(わーい)
そして何より、小舎周辺の雰囲気の良さは格別。
広がる緑の中に赤い屋根。北も南も遠景が美しくて何時間いても飽きないな。。
3日目
日の出前に再び黒部五郎岳ピークへ。
暗い中、沢の岩を伝わるようなルートだが、昨日歩いたばかりなのでほぼ迷わずに歩けました。初見だったらもう少し時間食ったかも。
夜明け前の弱い光からみるみるうちに太陽が近づいてくる。
照らされる足元のカールや周辺の山々。もうそれだけで登ってきた甲斐がある。
何度見ても、どの山で見ても、今、ここに居ることができて嬉しいな、って思う。
存分に堪能。今度は稜線ルートからテン場に戻ってみた
見える景色が違うのと、肩からの下りにチングルマの群落があったのが(もう毛になっていたけれど)綺麗だった。真上から自分たちのテントを確認。
撤収。今日は雲ノ平に向かいます。
すでに数時間歩いているし、なかなかのロングになりそう。
分岐まで昨日の道を戻り、三俣蓮華を巻くトラバースルートへ
ここもまた、左手(北)に素晴らしい眺望が広がる
黒部五郎、薬師岳から水晶岳、鷲羽岳までぐるっと。
三俣山荘のテン場が近づいてきた。
この時点では最終日に泊まる予定だったけれど、当然のこととはいえ大混雑を予想。
山荘前で小休憩を取って、駒を進める。
いよいよ黒部源流だ。
20年前から何人かの友達から「いいよ〜、いいよ〜」と聞かされていた。
おそらくピンポイントではなくて、このエリア全体、雲ノ平や薬師沢も含めてのことだと思うけれど、自分の頭の中では「黒部源流=憧れの地」と変換インプットされている。
沢をどんどん下っていくと、水流があちこちから集まる谷に下りた。
黒部源流の石碑もある。
流れを汲んでみたら、美味しかった。
源流とはいうけれど、本流は結構な水量。
これを渡ると、雲ノ平の端にとりついたことになる。
この日いちばんの急登をクリアすると、足元の感じが変わる。
細かい穴の開いた岩がゴロゴロしてて、いかにも火山ぽい。
積読になっていた原山智さんの本「「槍・穂高」名峰誕生のミステリー」(ヤマケイ文庫)には雲ノ平は砂礫層などを溶岩が覆っているデコレーションケーキと書いてある。さっきまでの急登はガレガレして滑りやすかったけれど、その砂礫層なのかな??分かんないけど
雲ノ平山荘を見渡せるところまできて、驚いた。テン場とはずいぶんと離れている。
というか、広大な雲ノ平の中に、山荘やテン場、遊歩道が点在している。
まるでジオラマのようにテントを含む人工物が小さく見えた。
テン場は結構な岩ゴロゴロで平地を探すのに皆苦労しているようだった。
この日までは予約不要だったせいもあるかもしれない。
自分たちも並んで2張は張れず、中腹端に2か所見つける。
小屋ではおしゃれなクラフトビールなども売っていた。
350でロング缶と同価格だけど、思わず買っちゃう。
せっかく特別な場所に来たのだもの。。と思わせる。商売うまいな(よい意味で)
混雑はしていたけれど、広いテン場を見渡しながら、良い(酔い?)夕暮れ時だった。
4日目
前日、小屋に着く直前に、この日の分のテン場を予約できていた。
最終日に頑張れば、ここに2泊できる。思わぬ僥倖にウキウキMAXで高天原温泉へ。
薬師岳が朝日を浴びる頃、溶岩台地を下りる。聞いていた通り、沢に向かってぐんぐん下がる。ということは帰りは激登りだな。3か所ある梯子では重荷を背負ったワンゲル君たちが大汗で登ってきた。覚悟はした。
高天原からは薬師岳の素晴らしい姿。
山荘で買い物と温泉協力金を支払って、念願の山奥の秘湯へ!
北海道内でも秘湯巡りみたいなことはしてきているけど、山のこれほど奥というのはあまり記憶にない。
沢沿いにメインの湯舟と対岸に葦簀張りの男女それぞれの湯。
早速、女湯に浸かって、プシュッ!
ほどよい硫黄泉がとても気持ちよい。長湯できる温度。空を見上げて、ここは地上の楽園か…?
独り占めを存分に楽しんだのち、後から来た方とおしゃべりしたら、共通の友だちがいることがわかったりして盛り上がる。
人がはけた頃合いで、メインの方で足湯も楽しんだ。都合2時間あまり。
温泉奥の竜晶池も見に行って、山荘へ戻ろう。
コースタイムたっぷりかかることを予想していたけれど、なんだか身体が軽い♪
温泉効果ってこんなに高かったっけ?!
14時より前に山荘へ戻れたので、カフェでランチをすることができた。
総木造りのリビングには木製のスピーカーが静かに音楽を奏で、本棚には建築やデザイン、写真集などが並んでいる。
テラスにも席があったけれど、この空間を満喫したくなった。
今日は山荘のご主人、伊藤さんもいらした。後からHPをみたら、本棚やテーブルは伊藤さんの手作りらしい。とても凡人のなせる業とは思えない、素晴らしい出来栄えとセンス。
ランチ後は雲ノ平散策に出た。
奥日本庭園からアラスカ庭園に向かうが、段々ハイマツが濃くなるし、標高も下がるのでやめ。テン場へ戻ろうとすると、分岐で「アルプス庭園よかった」の声が聞こえてきた。
ありがたや、この声がなかったら絶景を見逃していたことになる。
地形図では祖母岳となっている高まりの上まで木道が続いており、展望台になっている。
山荘を中心にして奥に堂々とした水晶岳、右手前に祖父岳、鷲羽、三俣蓮華、少し離れて黒部五郎。左に赤牛と先ほどとは角度の違う薬師岳。
伊藤正一さんはここからの景色を見て、山荘の位置を決めたのかしら??と思うほどアーティスティックな眺めだった。
長い行程も今夜が最終。持ってきた食材を豪勢(?)に使い切る。
5日目
源流への下りは明るくなってから歩きたくて、逆算。
ペルセ群が近いせいか、テン場を出る前に3つほど流れる。
今日もまた、薄明から日の出を愛でる。
槍・穂高を終日眺めながらの下山となった。
三俣蓮華は巻き道から。
後ろ髪をひかれつつ、鏡平山荘のカキ氷の後はひたすら暑さとの闘い。
ロープウェーの支柱が遠くに見えたときには気が遠くなりそうだったけれど、沢水で頭を濡らして、無事に下山しました。
双六、三俣蓮華までは過去に歩いていましたが、その奥に見えた黒部五郎などの山々に憧れを抱いて早6年。
まさか今回の山旅でそのエリアに足を踏み入れることができるとは💘
沢山の景色と思い出の詰まった5日間。
ひとかけらも忘れたくなくて、こんなところに長々と書いてしまいました。
もしこんな駄文に最後までお付き合いいただいた方がいらしたら、ありがとうございました。
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