大金嶺・雁俣山《九州百名山》


- GPS
- 07:08
- 距離
- 22.4km
- 登り
- 1,183m
- 下り
- 1,183m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
九州の夜明けは遅い。関西より20分程遅れて5時23分に日出となった。未明に降っていた雨も上がり、黄砂を洗い落としてくれたようだ。夜が白みだした5時早くも歩き始め薄暗い登山道を進んだ。取り付きがどうも地形図とは違っていて谷をトラバースしている。新しくできている4等三角点「谷内南」(1,199m)も知らない間に通り過ぎてしまったようだ。次のP1296も西側をトラバースし樹林帯の隙間から歩いて来た方向を振り返ると大きな山体が見えた。これはどうやら雁俣山らしい。南西に進路が変わり大金峰の北を回りこみ西側に張り出した尾根に「←大金峰 小金峰→」の指導標があり導かれるまま大金峰(だいきんぽう1,396m)に到った。山頂展望はなく、3等三角点「大金峯」と鈴なりに咲いた馬酔木の小さな白い花が迎えてくれた。
分岐に戻り南への縦走路を南下すると次のピークを巻いて通過し福根分岐に到った。小金峰へは此処からピストンとなりまた戻ってくる。しかし福根に下る道は看板が落ちていいてそれと分るだけで、笹藪に覆われ全く道形が認められない。不安材料を抱えて、まずは小金峰を目指した。次のポイントは攻三角点(1,304m)で攻集落への分岐点を少し入り更に北に50mほど飛び出したところに真新しいコンクリートに真鍮の標を打ち込んだ標石を発見した。辺りの木が切られ、三角点の上には自然木で櫓が組まれ測量の痕跡が窺えた。調べてみたところ、平成16年11月に設置された4等三角点で、未だ地形図には載っていない。
南東方向に向きを変えて進む。殆どのピークは巻いており楽なのか単に歩き難いのか、ピストン登山者にとっては特に帰りは巻き道で楽をしたいだろう。地形図にある栴檀轟(せんだんとどろ)方面への分岐は何の表示もなく道形も認められない。此の山域には失われた道が多そうだ。小金峰の北にある大きなピークは西側を巻いて西端から小金峰への登路が分岐する。かなりの急登で大金峰の登りと比べ物にならない。小金峰(しょうきんぽう1,377m)山頂は少し展望があり五勇岳、烏帽子岳、上福根山などを望むことができた。山頂には3等三角点「小金峰」があるがもう少し高い所があり山岳標高としてはあと1m高いかもしれない。
来た巻道はもう通りたくない。稜線ルートがないものかと探すとありました。意味ありげな赤テープが誘っており踏み出した。最初は恐ろしく急で木に掴まりながら下ったが登り返したピークは小金峰より高く1,390m程ある。なだらかなピークで90°左に折れ下り切った処は先程の栴檀轟への分岐点だった。福根分岐に戻り、コンパスを入念に合せて覚悟を決めて笹藪に突入した。尾根を忠実に下って行くと全くなかった道形が微かに現れた。それでも藪は激しい。標高を200m余り下った所で右の谷に入った。飛び石伝いに沢を下り暫く行くと左岸に林道が見えた地形図には描かれていない林道だが福根に続くことは間違いないだろう。林道に下りて行くと、やがてもっと立派な林道が対岸から合流し舗装道路となって更に進んだ。福根集落は1軒だけ残った集落でツツジや庭木の手入れが行き届いた閑静な住宅が谷間の開けた所にあった。
地形図では張り出した尾根を乗り越す登山道が記されており注意深く見ていたが遂に入口は発見できずそのまま林道を歩くことにした。そのお陰で林道の図根三角点のところから小金峰をバッチリ写真に収めることができた。当初の予定では国道445号線に出て谷内川を遡り二本杉登山口に戻るだけだったが、時刻はまだ9時前、雁俣山に足を伸ばそう。印刷してきた地図の範囲外になり一寸不安だがGPSの地図があるので大丈夫だ。河鹿橋で谷内川を渡り国道445号に出ると二本杉峠に向けて一貫した上り道の国道を歩いた。地形図によるとずっと左岸に付いている筈だった道は付け替えられ対岸に渡ったりしており地図と対照ができない箇所がある。二合では明日登る京丈山への分岐標識があった。新道から下に続く階段の先に古い道が見えた。此れが黒原への道らしく思われ国道を外れ階段を降りて行った。林道を進むと二股で右方向は「私道立入禁止」のゲート、左に進むと最奥に黒原集落があった。ここも1軒だけの集落で登山者用の駐車スペースが設けられていた。
雁俣山や京丈山への登山基地となり、丁度5人組のパーティーが雁俣山を目指そうとしていた。林業用に伸びた林道の先を進み伐採されたばかりの尾根に上がり踏み跡らしき処を行くが、切り倒された杉の木が邪魔になり歩けたものではない。谷を越えて隣の尾根にトラバースし、明瞭な登山道に到った。一安心したのも束の間で、恐ろしく急登となって、木の根や幹に掴まり這い上がる。漸くして稜線に達すると今度は痩せ尾根のアップダウンが続き一苦労だ、漸く辿り着いた雁俣山(1,315m)山頂には2組のパーティーが休憩中で地元では人気の山のようだ。山頂には3等三角点「雁俣岳」があり、一株だけヒカゲツツジが咲いていた。樹林の切れ目から展望があり今朝登った大金峰、そして緑川の北にある甲佐岳も見ることができた。此の時間になると視界が悪くなり遠望がぼやけてきた。此れは昨日に引き続いての黄砂の影響で厄介なものだ。
雁俣山の南にあるピークは大きく巻くように登山道が付いている。巻き道の他に乗り越す道も分岐していたが、カタクリの群落があると聞いたので恐らく巻道の方だろうと見当を付けて巻道を行くことにした。そうするとありました! ロープで保護された群落は花を付け登山者の絶好の被写体として足を留めさせていた。しかし群落といっても花の数は少なく少し寂しい。
カタクリを見た後は国道445号の越える二本杉峠に下り、またもや国道歩きで二本杉登山口に戻った。早朝には他の車はなかったが帰って来ると6台も来ていた。峠を越えて美里町安部にある元湯温泉“かりまた”に立ち寄り、時間調整を含め3時間過ごした。三和のコンビニで食料を仕入れ内大臣橋で緑川を渡り、ダートの内大臣林道を9.5キロ走り小松神社入口に着いた。明日の馬子岳登山口を確かめ車中で泊まった。
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