鳳凰山地蔵ヶ岳〜高嶺。秋は来たのか


- GPS
- 11:00
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 2,070m
- 下り
- 2,055m
コースタイム
天候 | おおむね晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
ザック(Sa/G)
シューズ(New sg5)
登山タイツ(冬)
ハーフパンツ(N)
半袖シャツ(W)
アームカバー
夏帽子(N)
手袋
手ぬぐい
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感想
猛暑、酷暑、熱暑、炎暑、激暑……新語か造語かわからぬまでもめまぐるしく飛び交った暑さの表現、ふた月以上も続いたすこぶる暑い夏の静穏化がやっと巡ってきたのだろうか。あまりの暑さの連続で登山口へと向かう意欲すら失っていたのかもしれない、籠もり状態も致し方なかったのだろう。やっと灼熱地獄から抜け出せた解放感だ。
すでに四時間を越え喘ぎながらも鳳凰小屋に近づくと、なんと金管の野太い音が聞こえてきた。こんな山深い空間で大きな人工の音を聞くとは意外だった。きっと小屋の方が吹いているのだろう。小休憩後進むと、登山道の向こうでトロンボーンを吹いている姿があった。この先の急登を進んでいると、BeatlesのYesterdayのメロディーが下から聞こえてきた。これは奇遇だ、そう思った。彼もきっと昨日の世界を思っているのだろうか、そう勝手に考えてしまう。
この暑い籠もり状態のときに、しばしYesterdayを口ずさむことが多かった。なにゆえ今更Beatlesなのだろうか、問いただしても回答は得られない、きっと音楽とはむし返しの連続に違いないのだろう。
そんなわけでYesterdayには気持ちを揺らされた。I believe in yesterday. そう、昨日の世界はきっとあったのだ。これはPaulの甘い声が嘆いた喪失の歌に違いあるまい。実は今年の暑さをこの歌に重ねていたのだった。どうしてこんなにも暑い日が続くのだろうと。本当になんとかしなければどうにかなってまう。yesterdayに戻りたいと。
もう生ぬるいことを言っている場合ではないのだろう。きっと誰もが気づいているのだ。今、われわれは、何かを為さねばならないと知っていながら、為すことができない究竟にいるのだろう、誰もが何かしらの供与を受けているので、言うこと為すことがすべて矛盾撞着に陥ってしまうといういわば泥沼に足を突っ込んでいる。言うなれば現代はもはや戻り難い深みに迷い込んでしまったのかもしれない。
高嶺からの帰路いろいろなことが頭をよぎったが、きっと年配者の妄想だろう。Yesterdayを口ずさみながら山を降りたが、誰も来ないだろうとときおり大きな声を出した。ひとり登ってくる方が微笑んでいたので、こちらの歌声を聞かれたのかもしれない。
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