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Yamareco

記録ID: 5976590
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

鳳凰山地蔵ヶ岳〜高嶺。秋は来たのか

2023年09月24日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
11:00
距離
15.6km
登り
2,070m
下り
2,055m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
10:08
休憩
0:47
合計
10:55
距離 15.6km 登り 2,070m 下り 2,070m
5:37
125
7:42
30
8:12
8:20
97
9:57
9:58
72
11:10
11:11
39
11:50
12:07
37
12:44
12:52
35
13:27
13:35
84
14:59
15
15:14
72
16:26
16:30
2
16:32
ゴール地点
天候 おおむね晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
御座石鉱泉、休業しているようです。
ここから登るのは初めて。思っていたほど寒くなくほぼ夏仕様で
2023年09月24日 05:38撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 5:38
御座石鉱泉、休業しているようです。
ここから登るのは初めて。思っていたほど寒くなくほぼ夏仕様で
少し進むと、近くの急斜面には崖崩れ対策が施されていた。
いにしえの大工事が思い浮かぶ
2023年09月24日 06:07撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 6:07
少し進むと、近くの急斜面には崖崩れ対策が施されていた。
いにしえの大工事が思い浮かぶ
すると空が明るんでいた。
日の出はとうに過ぎていたようだが、すばらしい
2023年09月24日 06:12撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 6:12
すると空が明るんでいた。
日の出はとうに過ぎていたようだが、すばらしい
しばらく登ると広い場所に到着
2023年09月24日 06:19撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 6:19
しばらく登ると広い場所に到着
樹林内を登っていく。上空は雲っているのか、なかなか日が差さない
2023年09月24日 06:59撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 6:59
樹林内を登っていく。上空は雲っているのか、なかなか日が差さない
七合目の標識
2023年09月24日 07:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 7:18
七合目の標識
途中、トリカブトがたくさん。ここのトリカブトは色がどぎつくない印象
2023年09月24日 07:24撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 7:24
途中、トリカブトがたくさん。ここのトリカブトは色がどぎつくない印象
富士山が見えたが、残念がら下のほうだけ。
天気は回復基調なので、このあと期待
2023年09月24日 07:40撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 7:40
富士山が見えたが、残念がら下のほうだけ。
天気は回復基調なので、このあと期待
旭嶽の山頂に到着。
2023年09月24日 07:45撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 7:45
旭嶽の山頂に到着。
苔の胞子を
2023年09月24日 07:54撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 7:54
苔の胞子を
燕頭山に到着。ベンチがありここでしばし休憩。
とっても静かな山道
2023年09月24日 08:16撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 8:16
燕頭山に到着。ベンチがありここでしばし休憩。
とっても静かな山道
どの高木にもサルオガセがたっぷりと垂れ下がっていた。(帰路)
2023年09月24日 14:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 14:56
どの高木にもサルオガセがたっぷりと垂れ下がっていた。(帰路)
先へと進むときれいな苔地。
差し込む斜光が明暗を作っている
2023年09月24日 08:26撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 8:26
先へと進むときれいな苔地。
差し込む斜光が明暗を作っている
やっと展望が開けた。八ヶ岳方向
2023年09月24日 08:32撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 8:32
やっと展望が開けた。八ヶ岳方向
こちらは甲斐駒、とっても鮮明
2023年09月24日 08:40撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 8:40
こちらは甲斐駒、とっても鮮明
ミヤマコゴメグサでしょう
2023年09月24日 08:34撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 8:34
ミヤマコゴメグサでしょう
あちらこちらにたくさん咲いていた。この時期にこんなにもたくさんの花があるとはちょっと驚き
2023年09月24日 08:36撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 8:36
あちらこちらにたくさん咲いていた。この時期にこんなにもたくさんの花があるとはちょっと驚き
青空が済んでいるときにと
2023年09月24日 08:35撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 8:35
青空が済んでいるときにと
地蔵が見えた。まだまだ遠い
2023年09月24日 08:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 8:57
地蔵が見えた。まだまだ遠い
この登山道、なにやらきのこが多かったような
2023年09月24日 09:27撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 9:27
この登山道、なにやらきのこが多かったような
で、きのこも撮ってみた
2023年09月24日 09:21撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 9:21
で、きのこも撮ってみた
穂槍展望地。きれいに見えたけど……でもずいぶんと小さいね
2023年09月24日 09:25撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 9:25
穂槍展望地。きれいに見えたけど……でもずいぶんと小さいね
鳳凰小屋まであと20分の標識。
まだ20分もあるのかと
2023年09月24日 09:37撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 9:37
鳳凰小屋まであと20分の標識。
まだ20分もあるのかと
地蔵が鮮明に見えた
2023年09月24日 09:37撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 9:37
地蔵が鮮明に見えた
そこはきれいな針葉樹林帯だった
2023年09月24日 09:39撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 9:39
そこはきれいな針葉樹林帯だった
すると、おぉ、雲のなくなった富士山が目の前に。
富士見岩なる場所でした
2023年09月24日 09:46撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 9:46
すると、おぉ、雲のなくなった富士山が目の前に。
富士見岩なる場所でした
目を奪う白砂斜面が現れた。
小屋が近いのか、そちらの方角から金管の音が聞こえてくる
2023年09月24日 09:52撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 9:52
目を奪う白砂斜面が現れた。
小屋が近いのか、そちらの方角から金管の音が聞こえてくる
そうしてなんとか、鳳凰小屋に到着。
四時間半を費やした
2023年09月24日 09:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 9:56
そうしてなんとか、鳳凰小屋に到着。
四時間半を費やした
水場。ここでしばし休憩
気さくなお兄さんに水汲んでってよーと声をかけていただきました
2023年09月24日 10:01撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 10:01
水場。ここでしばし休憩
気さくなお兄さんに水汲んでってよーと声をかけていただきました
さらに先へと進みます。
ナナカマドだけ赤くなっていた
2023年09月24日 10:11撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 10:11
さらに先へと進みます。
ナナカマドだけ赤くなっていた
やっと樹林帯を抜けるよう
2023年09月24日 10:29撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 10:29
やっと樹林帯を抜けるよう
白い砂地までやっとやってきた。
少し秋めいていたよう
2023年09月24日 10:32撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 10:32
白い砂地までやっとやってきた。
少し秋めいていたよう
こちらの斜面の森も少々秋めく
2023年09月24日 10:34撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 10:34
こちらの斜面の森も少々秋めく
砂地を登るのはやはり苦戦。目の先に地蔵岳
2023年09月24日 10:40撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 10:40
砂地を登るのはやはり苦戦。目の先に地蔵岳
そうしてなんとか地蔵岳に到着
2023年09月24日 10:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 10:56
そうしてなんとか地蔵岳に到着
すばらしいオベリスク模様の岩々
2023年09月24日 10:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
6
9/24 10:57
すばらしいオベリスク模様の岩々
向こうには濃密な雲
2023年09月24日 10:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 10:57
向こうには濃密な雲
青空に映える地蔵さん。ここにしかない光景だよね
2023年09月24日 10:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 10:57
青空に映える地蔵さん。ここにしかない光景だよね
地蔵さん、微笑む
2023年09月24日 10:59撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 10:59
地蔵さん、微笑む
雲巻く甲斐駒。なかなかいい眺めです
2023年09月24日 11:00撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 11:00
雲巻く甲斐駒。なかなかいい眺めです
あまり時間もないので、いったん離れます
2023年09月24日 11:02撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 11:02
あまり時間もないので、いったん離れます
こちらは観音岳、いやーすばらしい
2023年09月24日 11:02撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 11:02
こちらは観音岳、いやーすばらしい
雲の流れる甲斐駒から仙丈
2023年09月24日 11:06撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 11:06
雲の流れる甲斐駒から仙丈
地蔵のとんがりと奥は残念ながら雲だが
2023年09月24日 11:13撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 11:13
地蔵のとんがりと奥は残念ながら雲だが
早川尾根へと進みます
2023年09月24日 11:16撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 11:16
早川尾根へと進みます
目指す高嶺、右手に仙丈ヶ岳。これはこれはいい眺めです
2023年09月24日 11:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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9/24 11:18
目指す高嶺、右手に仙丈ヶ岳。これはこれはいい眺めです
振り返れば、岩の造形の向こうに観音岳。
こちらから見るのは初めてですが、いい眺めです
2023年09月24日 11:27撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 11:27
振り返れば、岩の造形の向こうに観音岳。
こちらから見るのは初めてですが、いい眺めです
甲斐駒が近くなってきた。
この山、どこから眺めてもすばらしいです
2023年09月24日 11:32撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 11:32
甲斐駒が近くなってきた。
この山、どこから眺めてもすばらしいです
ハイマツの中に点在するドウダンが赤い
2023年09月24日 11:43撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 11:43
ハイマツの中に点在するドウダンが赤い
ときおり雲間から顔を覗かせるオベリスク
2023年09月24日 11:48撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 11:48
ときおり雲間から顔を覗かせるオベリスク
振り返れば、ちょっと秋色
2023年09月24日 11:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 11:56
振り返れば、ちょっと秋色
高嶺到着。六時間半を費やした。ほぼこれで精一杯
2023年09月24日 11:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 11:56
高嶺到着。六時間半を費やした。ほぼこれで精一杯
ときおり雲間から覗く仙丈ヶ岳、近い、大きい、すばらしい
2023年09月24日 11:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 11:57
ときおり雲間から覗く仙丈ヶ岳、近い、大きい、すばらしい
こちらは甲斐駒、甲斐駒を何枚も撮ってしまう
2023年09月24日 11:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 11:57
こちらは甲斐駒、甲斐駒を何枚も撮ってしまう
観音岳アップ
2023年09月24日 12:09撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 12:09
観音岳アップ
薬師岳は少し遠い
2023年09月24日 12:09撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 12:09
薬師岳は少し遠い
眼下は広河原でしょう。
時間がやはり心配なのでそろそろ戻ろう
2023年09月24日 12:05撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 12:05
眼下は広河原でしょう。
時間がやはり心配なのでそろそろ戻ろう
雲に霞むオベリスクもなかなかにいい
2023年09月24日 12:16撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 12:16
雲に霞むオベリスクもなかなかにいい
白い岩の斜面が目を引く
2023年09月24日 12:34撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 12:34
白い岩の斜面が目を引く
アカヌケ沢の頭に戻ってくると、北岳がその雄姿を現した
2023年09月24日 12:49撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 12:49
アカヌケ沢の頭に戻ってくると、北岳がその雄姿を現した
岩の上のウラシマツツジはもう秋だね。
2023年09月24日 12:50撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 12:50
岩の上のウラシマツツジはもう秋だね。
奇岩
2023年09月24日 12:52撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 12:52
奇岩
砂地に戻ってきた
2023年09月24日 12:59撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 12:59
砂地に戻ってきた
お地蔵さんを見て帰ります
2023年09月24日 12:59撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 12:59
お地蔵さんを見て帰ります
下りの道。歩く労力は登りとは雲泥の差
2023年09月24日 13:03撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 13:03
下りの道。歩く労力は登りとは雲泥の差
よくもこの地べたに木がたっていると
2023年09月24日 13:08撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 13:08
よくもこの地べたに木がたっていると
あの森の中へと入っていく
2023年09月24日 13:09撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 13:09
あの森の中へと入っていく
帰りに鳳凰小屋に寄り、カップ麺を注文。時間があったので。涼しくなったに違いない、あったかいものがおいしい
2023年09月24日 13:32撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
9/24 13:32
帰りに鳳凰小屋に寄り、カップ麺を注文。時間があったので。涼しくなったに違いない、あったかいものがおいしい
富士見の場所で富士山を見る。山頂では全然見えなかったのにね
2023年09月24日 13:45撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
9/24 13:45
富士見の場所で富士山を見る。山頂では全然見えなかったのにね
きいろいきのこ。たぶんに初めて見た
2023年09月24日 14:28撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 14:28
きいろいきのこ。たぶんに初めて見た
ついでにきれいなきのこも
2023年09月24日 14:29撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 14:29
ついでにきれいなきのこも
ダイモンジソウ
2023年09月24日 14:45撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 14:45
ダイモンジソウ
アキノキリンソウが残っていました
2023年09月24日 15:13撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 15:13
アキノキリンソウが残っていました
セリ科の植物でしょう。なにやら花と茎がきれいだったので
2023年09月24日 15:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
9/24 15:18
セリ科の植物でしょう。なにやら花と茎がきれいだったので
眼下に甲府盆地。夜景ならかなりきれいだろうなと
2023年09月24日 15:23撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 15:23
眼下に甲府盆地。夜景ならかなりきれいだろうなと
むむ、大型動物の気配が感じられたと思ったら、ニホンカモシカ。熊でなくて一安心
2023年09月24日 16:12撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 16:12
むむ、大型動物の気配が感じられたと思ったら、ニホンカモシカ。熊でなくて一安心
端正なノコンギクを見ながら、無事駐車場に到着
2023年09月24日 16:15撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
9/24 16:15
端正なノコンギクを見ながら、無事駐車場に到着
帰路、韮崎から、夕暮れの富士山。
韮崎からは富士山が大きく望める。久しぶりに撮ってみた
2023年09月24日 17:24撮影 by  Canon EOS M6, Canon
5
9/24 17:24
帰路、韮崎から、夕暮れの富士山。
韮崎からは富士山が大きく望める。久しぶりに撮ってみた
撮影機器:

装備

個人装備
ザック(Sa/G) シューズ(New sg5) 登山タイツ(冬) ハーフパンツ(N) 半袖シャツ(W) アームカバー 夏帽子(N) 手袋 手ぬぐい

感想

 猛暑、酷暑、熱暑、炎暑、激暑……新語か造語かわからぬまでもめまぐるしく飛び交った暑さの表現、ふた月以上も続いたすこぶる暑い夏の静穏化がやっと巡ってきたのだろうか。あまりの暑さの連続で登山口へと向かう意欲すら失っていたのかもしれない、籠もり状態も致し方なかったのだろう。やっと灼熱地獄から抜け出せた解放感だ。
 すでに四時間を越え喘ぎながらも鳳凰小屋に近づくと、なんと金管の野太い音が聞こえてきた。こんな山深い空間で大きな人工の音を聞くとは意外だった。きっと小屋の方が吹いているのだろう。小休憩後進むと、登山道の向こうでトロンボーンを吹いている姿があった。この先の急登を進んでいると、BeatlesのYesterdayのメロディーが下から聞こえてきた。これは奇遇だ、そう思った。彼もきっと昨日の世界を思っているのだろうか、そう勝手に考えてしまう。
 この暑い籠もり状態のときに、しばしYesterdayを口ずさむことが多かった。なにゆえ今更Beatlesなのだろうか、問いただしても回答は得られない、きっと音楽とはむし返しの連続に違いないのだろう。
 そんなわけでYesterdayには気持ちを揺らされた。I believe in yesterday. そう、昨日の世界はきっとあったのだ。これはPaulの甘い声が嘆いた喪失の歌に違いあるまい。実は今年の暑さをこの歌に重ねていたのだった。どうしてこんなにも暑い日が続くのだろうと。本当になんとかしなければどうにかなってまう。yesterdayに戻りたいと。
 もう生ぬるいことを言っている場合ではないのだろう。きっと誰もが気づいているのだ。今、われわれは、何かを為さねばならないと知っていながら、為すことができない究竟にいるのだろう、誰もが何かしらの供与を受けているので、言うこと為すことがすべて矛盾撞着に陥ってしまうといういわば泥沼に足を突っ込んでいる。言うなれば現代はもはや戻り難い深みに迷い込んでしまったのかもしれない。
 高嶺からの帰路いろいろなことが頭をよぎったが、きっと年配者の妄想だろう。Yesterdayを口ずさみながら山を降りたが、誰も来ないだろうとときおり大きな声を出した。ひとり登ってくる方が微笑んでいたので、こちらの歌声を聞かれたのかもしれない。

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