大万木山☆ブナの大樹の樹林が広がる雲備国境の名峰へ


- GPS
- 03:45
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 667m
- 下り
- 666m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
滝見コースは広く明瞭な登山道が続いており歩きやすい。 山頂部では1m近い積雪があり、ワカンかスノーシューが望ましいと思われる。 権現コースと呼ばれる尾根道は急坂とトラバースがあり、積雪期は雪の状況によってはかなり難しいコースになると思われる。 |
写真
感想
翌日の午後に松江で仕事があるだが、前日から休暇を取得することが出来たので早朝の飛行機で伊丹から出雲空港へと向かう。飛行機が出雲空港へと降下を始めると窓の外には屏風のような大山の北斜面が雲の中から姿を見せている。
この週の金曜日から土曜日にかけての天気予報は猫の目のようにコロコロと変わった。高気圧の間の気圧の谷が通過することは明らかなのだが、それに伴う前線の位置がなかなか読めないからなのだろう。少し雨までは1日中雨の予報であったのが、前日には日がな曇りの予報となる。
飛行機のいいところは雲の状態が把握出来ることだろう。この日はどうやら高曇りのようだ。中国地方の山々は標高が低いことおあって、山並みは雲の下だろう。県境の大万木山に向かうことにする。おおよろぎさんと読むのだが、知らなければ読めない難読山名の一つだろう。サンカヨウで有名な山であり、花の季節は大勢の登山者で賑わうらしいが、山頂部には見事なブナの樹林が広がっているらしい。
出雲市でレンタカーを借りて、波多川に沿って県道を南下する。山が低いところが多いせいか山間に入っても二車線の道路が続き走りやすいのが有難い。しかし、周囲の山々には全くといっても良いほど雪が見られたない。国道54号線を経て頓原から再び県道を東に向かうとようやく山肌に雪のある県境の山々が見えてきた。
武智集落を過ぎると途端に道路沿いには雪が現れるようになる。除雪が終了しているのは林道の分岐点であったが、車数台分の道路余地があるのでここに車を停めて出発する。門坂駐車場に向かう道には数名分の踏み跡がある。300mほどで駐車場に到着し、登山道に入るが、なかなか雪がつながらない。
やがて広々とした谷の左手に大きな滝が目に入る。権現滝だ。斜面をトラバースしながら滝に向かう道にはトレースはないが、さほど難しいようにも思えなかったのでスノーシューを履いて谷に下降する。二段の大きな滝だった。
再び登山道に戻るとようやく雪がなんとか繋がる。まもなく避難小屋が現れる。泊まってみたくなるようなところではあるが、登山口から近いので果たしてここに泊まる必要性があるかどうか。小屋を過ぎると広々とした谷の上流部となる。緩斜面に広がる疎林の中にいくすじかの沢が緩やかな流れを描いている。
トレースを辿ると大きな林道に出る。無雪期にはこの道路のおかげで稜線まで車での上がれてしまうらしい。林道からはわずかにひと登りで稜線に出る。地蔵堂のある展望台からは北東に大きく展望が広がった。晴れていれば宍道湖が見えるようだが、生憎この日は空気が霞んでいる。
尾根を南下するといつしか周囲はブナの純林となる。県境稜線が近づくと早速にも見事なブナの大樹が次々と現れる。ブナの大樹は悉く樹幹に苔を纏っており、風格を感じさせる。
次ついと現れるブナの大樹の佇まいに魅了されながら、県境稜線を進むうちに雲の合間から樹林に陽が差し込むようになる。やはり広々とした斜面に落ちる樹々のシルエットを眺めながら歩くのは愉しいものだ。
山頂が近づくとブナの大樹からなる壮麗な樹林が広がり、その中におとぎ話に出てくるような小屋が現れる。先ほどの谷と同じ作りの瀟洒な小屋だ。小屋の周囲の積雪は1m近くありそうだ。
小屋からわずかに進んだところにある小さな隆起が大万木山の山頂だった。山頂の北側に向かうと東側に大きく眺望が広がる展望地がある。雪の中から「展望」の文字が記された小さなプレートが顔を出している。雪の下に「台」の字が隠れているのだろう。東へと続く県境稜線の山並みを眺めながら行動食とコーヒーでランチ休憩をとる。
下山は尾根を北に向かう。数日前のものと思われるスノーシューのトレースが続いている。尾根はまもなく急下降となる。急下降がひとしきり落ち着くと今度は斜面を左に向かってトラバースすることになる。この斜面のトラバースはかなり難儀であり、積雪期には望ましいルートではないだろう。
左手の尾根にたどり着くと後はジグザグと尾根を下降するが、すぐにも雪は途切れがちとなる。下るに従って斜面は緩やかになる。最後は鳥居を潜って林道に着地した。気がつかなかったが尾根の上部には大万木権現が祀られているらしく、その鳥居なのだろう。後はわずかに林道を歩いて出発地に戻る。
頓原の集落に向かうと西の空にはすっかれ晴れ間が広がっている。国道に出たところには大きなA-coopがあり、その隣には地酒を豊富に取り揃えた酒屋があったで出雲富士の生原酒と玉櫻の佐香錦の純米酒を入手し、今晩の宿に向かう。
また違う季節にでも訪れたいと思う魅力的な山であった。その時は是非、あの瀟洒な避難小屋に泊まってみたいものだ。
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