白鷹山 中山口〜山頂西斜面〜レーダー観測所北東尾根


- GPS
- 04:12
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 783m
- 下り
- 774m
コースタイム
天候 | 曇り、上の方は時々雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車料金は無料。 スキー場は営業中で積雪充分あり。 一日券:2200円、4時間券:1500円、ナイター1200円、1回券:150円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●白鷹町営スキー場(中山口)〜白鷹山<登行> スキー場から林道を歩いてアプローチ。 この日は踵程度のラッセルで雪は浅め。 林道後半は九十九折れに続いているが、適当な場所でショートカット可能。 林道の終盤で登山道に入り、あとは夏道通りでOK。 山頂手前で少し傾斜が立つので、スキーであれば西側を巻くように進むと登りやすい。 全体を通して、特に危険な個所無し。 ●白鷹山西斜面<滑走> 山頂神社の西へ続く沢状の斜面。 エントリー直後は藪が煩いが、少し高度を下げるとオープンバーンとなり、滑走ルートとしては悪くない。 オープンバーンを過ぎると杉林の沢型になるが、樹間は広く、傾斜も緩いので滑りやすい。 今回は標高750mの出合まで滑走し、滑走した沢とは別の沢(左俣)を登って脱渓。 レーダー観測所の手前に登り詰めている。 尚、出合の先にも沢型は続いており、このまま滑り進むと荻野口の登山道へ出られそう。 もし、荻野口から入山したのならば、下山滑走のルートとして利用できると思う。 ●レーダー観測所北東尾根<滑走> 白鷹山三角点(レーダー観測所)から北東方向へ続く尾根。 尾根上にはレーダー観測所からの電線が続いており、電線下はオープンバーンとなっている。 障害物となる樹木が無いので滑走に適しているが、傾斜はかなり急で斜面幅も狭いので難易度は高め。 急斜面に加えて、上部斜面上は凸凹しており天然のジャンプ台が出来ているので、先が見えない場所へ急滑降するのは危険。 尾根末端部の傾斜が最もきつく、約38°の急斜面。 尾根型と言えども雪崩の危険があり、今回の滑走では小規模ながらも表層雪崩の発生が確認された。 |
写真
まずは雪崩全景の観察。
発生場所:標高700m森林帯の北東斜面。
走路全長:10m以下
規模は小さく、デブリも少量。
巻き込まれたとしても人への被害は無かったと思われる。
雪崩斜面の近くを掘って観察した結果、新雪30cmの下に旧雪(しもざらめ雪)が確認された。
この面が弱層となり、そこに人的要因が加わった事で雪崩誘発に至ったものと判断する。
しもざらめ雪と新雪の結合は時間を要するとされており、今後しばらくの間は危険な状態が続くと思われる。
感想
昨日の八ッ楯山の疲れもあってか、朝はなかなか起きられず。
惰眠を貪るうちに遅い時間となってしまったので、この日は近場の白鷹山にした。
白鷹山はこれまで2回、スキーで訪れた事があるが、私以外でスキーで訪れている人に会った事は無く、スキーヤーには無名のエリアだと思っていた。
しかし、この日は盛況で、8名の団体御一行、月山で何度もお会いした某氏の2人パーティ、山頂神社で1名、と、多くのスキーヤー・ボーダーにお会いした。
どうやら、山スキーとしての白鷹山は無名、と思っていたのは私だけの様で、実際は結構有名スポットなのかもしれない。
確かに白鷹山にはスキーに良さそうな地形が多く、滑走目当ての人が多いのもうなずける。
今年に入ってから、とある事情で白鷹山の地形図を眺める機会があったのだが、スキーに良さそうな地形が多数見つかり、いつか滑走してみたいと思っていた。
そして今回は、その中で気になっていた二つの滑走ルートをトライしてみる。
一つ目の滑走ルートは山頂西斜面。
これに関しては情報が無く、どんな斜面か判らなかった。
エントリー地点として目星を付けていた山頂神社の裏手にとりあえず行ってみたが、そこから見る限りでは藪が出ておりあまり良さそうな斜面には見えない。
これはハズレかな、と期待せず飛び込んでみたが、そこで評価は一変。
少し高度を下げた先にはオープンバーンが広がっており、これには驚いた。
急すぎず、緩すぎずの適度なバーンで、雪質は昨日の八ッ楯山と同じくパウダースノー。
さすがに八ッ楯山ほど深くないが、膝下程度の適度なパウダーなので板を制御しやすい。
ディープパウダーとは別の楽しさがあり、予想以上に良い滑走ルートだった。
ハイライトとなるオープンバーンが短いのがちょっと物足りないが、白鷹山でこれだけ滑れれば充分だろう。
確かな手ごたえ得て、次へと向かう。
二つ目の滑走ルートはレーダー観測所の北東尾根。
これは事前情報があり、ルート概要は把握していた。
ターゲットとなる北東尾根が走る山はスキー場から明瞭に見えるので、その斜面を観察してみると非常に急峻で、木々が密に生えているように見える。
「これホントにスキーで滑れるのかよ」と思ってしまうような地形に見えるが、実際は尾根上を送電線が続いており、その電線下は木々が伐採されたオープンバーンとなっている。
木々に邪魔されずに滑走できるルートに仕上がっており、白鷹山の滑走ルートとしては比較的知られたルートらしい。
電線下のオープンバーン、と言えば月山リフトの例のコースが思い浮かぶが、あれとは比較にならぬほど傾斜が急で、なかなか手強い。
エントリーして少し進んだ先で傾斜が一気に落ち込んでおり、斜面幅も狭いのでタイトな滑走を強いられる。
だが、それをクリアすれば傾斜は少し落ち着き、伸び伸びとした滑走が可能。
最初から最後までオープンバーンが続き、標高差300mとボリュームも十分。
斜面幅が狭いのがちょっと残念な所だが、パウダースノーの楽しさを存分に味わえる良い滑走ルートだと思った。
だが、傾斜が急すぎるが故に雪崩の危険があり、末端部の傾斜角度は38°近くまで達するので充分注意が必要。
実際、今回の滑走中に雪崩を誘発してしまい、ヒヤリとさせられる場面があった。
尚、前日の八ッ楯山でも同様の表層雪崩が確認されており、現在、積雪状態が不安定なのは白鷹山に限った事では無いようだ。
この日は遠く離れた谷川岳や白馬乗鞍岳にて重大な雪崩事故が起きている事から、日本全国で雪崩の危険が高まっているようである。
今月半ばの異常高温直後に大雪が降ったので、その影響だと思われるが、今週は水曜日に高温となり、直後に大雪がやってくる。
再び雪崩が起きやすい状況になるのは明らかで、今週末の山行が危ぶまれる。
スキーシーズンの月日の流れは早く、いつの間にやらもう2月。
山スキーのハイシーズンを迎える事でパウダースノーに恵まれる機会も増えてくる。
だが、同時に雪崩リスクも増えてくるのが悩ましい。
パウダースノーを滑りたいのは山々だが、少し控えた方が良いのではなかろうか…
等と、今後の山活動に悩める今日この頃である。
話が逸れてしまったが、今回滑ってみた白鷹山の滑走ルート2選、
どちらもアタリの良い滑走ルートであった。
白鷹山には他にも気になる斜面があるので、今後も機会を見て調査滑走を行いたい。
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