山行記録: 【水窪】大洞山(930m) 井戸口山(1335m)

記録ID: 5132939

全員に公開

積雪期ピークハント／縦走

東海

【水窪】大洞山(930m) 井戸口山(1335m)

2023年01月29日(日) [日帰り]

静岡県

ふらり

体力度

1泊以上が適当

体力度について

GPS: 09:36
距離: 17.9km
登り: 1,459m
下り: 1,456m

アクセスを調べる my出発地登録

標高グラフを拡大

歩くペース

標準

0.9～1.0

ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り

山行: 8:38
休憩: 0:59
合計: 9:37

距離 17.9km 登り 1,459m 下り 1,456m

6:56

59分

スタート地点

7:55

8:12

133分

高根山

10:25

10:30

134分

大洞山

12:44

12:50

65分

井戸口山

13:55

13:57

2分

山住峠

13:59

14:09

2分

山住神社

14:11

14:24

66分

山住峠

15:30

15:34

22分

河内浦集落

15:56

15:58

35分

布滝隧道

16:33

ゴール地点

登山口に向かう間、車内でずっと『映像の世紀』が流れていた。オリジナルは1995年版。その後デジタル化され、さらに4K版が登場した。流れていたのは第3集で「それはマンハッタンから始まった」の放送回。栄華を謳歌するアメリカの大衆文化の爛熟と退廃・・・それが大恐慌の荒波へと飲み込まれていく。

ベテラン山根基世さんの、時代の核心をえぐるようなナレーションと、加古隆さんの重厚な「パリは燃えているか」のオーケストレーション。聴いているうち、どよ～んとした気分に支配された。続く第4集の『ヒトラーの野望』に切り替わると、陰うつな空気は決定打になった。

そんなダークな気分を救ってくれたのは、不思議にも三遠南信道路のトンネルだ。さすがに電波はトンネル内には届かない。これ幸いとTVを切った。

＜登山口～井戸口山＞

一年ぶりの水窪（みさくぼ）総合体育館。雪を踏んで高根城址への階段を登る。秋葉街道が一望だ。今川義元や武田信玄など、戦国時代の武将の浮沈に翻弄された山城。熊伏山・観音山・大津山の大展望に胸が高鳴る。

山城に遊んでから、高根山に立った。立山林道側に降りていく。目の前が林道詰めだが、地図にない林道支線が、ひらかれている。それを辿りながら、左手に流れる尾根と駆け引き。どこで尾根に登りつくと有利かな。

息を切って急登を登るとアセビの尾根に届いた。その先が、共聴アンテナの墓場になっている。雪が現れた。ニホンリスの足跡を追いながら歩く。

のんびり歩きも、やがて緊張感に包まれる。険しい表情の岩場が立ちはだかる。難易度は高くないが、この季節だけは厄介だ。

足場についた雪が凍って面倒。滑ると嫌らしい。ホールドの岩も風化して、引き出しになっている。慎重に。

ちょっと手詰まり。木の根っこを掘り出してスリングをタイオフする？いや、それも面倒。結局、ごまかしごまかし登っていく。

難所をこなして、林道に飛び出した。土場や転回場がある。林業基地だな～。林道歩きと尾根歩きの双方を天秤にかけて歩く。効率を選ぶか展望を選ぶか、それともライン取りの美しさを選ぶか。

＜井戸口山～山住峠～登山口＞

久しぶりの井戸口山の三角点。すかさず山住峠へ。西面には、愛知茶臼岳と萩太郎山。日本ヶ塚や八嶽山あたりから焼山・恵那山にかけての深々とした山並み。東面は五丁坂頭山、鋸山から高塚山・京丸山・ボンジ山が西南に流れていく。

山住峠に立つと、車が入れ替わり立ち替わりだ。人が乗り降りしては去っていく。

ここは、飛鳥の時代に由縁がある。家康公ゆかりで、「葵の紋」を戴いている。祭神は大山祇神（おおやまつみのかみ）。山の守り神で自然の恵みをもたらす神だ。

どうして山犬信仰なんだろう。徳川と武田のせめぎ合いの伝承？それとも、農作物を荒らす動物を山犬が撃退した伝説からか？

大杉茶屋から神域へ。神社に詣でると、敬虔な気分に浸る。下山は、古道を辿ってみる。水窪をめざす。夕陽が射す。ナダクマシロヤマから常光寺山の美しい稜線が美しい。