冬の白馬鑓ヶ岳挑戦〜遭難やらかし編〜


- GPS
- 11:11
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,470m
- 下り
- 902m
コースタイム
- 山行
- 10:51
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 11:07
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
激雪 |
写真
感想
3本槍制覇編ということで、鹿島槍ヶ岳に続いて白馬鑓ヶ岳へ
あんま積雪なさそうだしスノーシュー持参
おびなたの湯からスタート
おびなたの湯のところは雪なしの路面凍結って感じ
猿倉山荘手前からだんだんと積雪がでてくる
てことでスノーシュー装着
猿倉山荘はかなりのパウダースノーでふくらはぎくらい
でもスノーシュー履いてるのであんまり苦にはならない
順調に白馬岳・白馬鑓ヶ岳分岐に到達
ここからはトレースもなく終始ラッセルになる
やっと朝日が登って来て休憩ついでにヘッドライト外す
道の脇には鳥が格闘した跡があり羽が飛び散ってた
山の方を見ると快晴とでかい山(名前知らない…白馬岳?)が朝日に照らされてめっちゃ感動
気温は-3度くらい
ひたすら樹林帯を抜けていくとスノーシューを履いても雪が膝くらいまで来る
スキーのほうが良かったんじゃね?と後悔
とりあえず小日向のコルを目指して急登へ
小日向のコルの急登は北向てのもあって積雪がえげつない
ここは日陰なので気温-10度くらい
スノーシュー履いても腰ラッセルでスピードでないしかなり体力を削られる
小日向のコルに登ると白馬鑓ヶ岳が輝いててなんか達成感が湧いた
この景色眺めながらおにぎり食べてまた進む
ここからはかなりの急斜面トラバースで雪崩が少し怖い
雪質は南向きなのでまだ締まっており歩きやすい
雪崩の恐怖と戦いながらなんとか白馬鑓温泉の下まで到達
ここらでもう体力は限界付近
川が硫化水素臭い
野沢温泉の匂いに似てるかな?
どんどん登って白馬鑓温泉のでかい浴槽に到着
白馬鑓ヶ岳は時間的体力的に無理だと判断して、今日は白馬鑓温泉に入浴して帰ることにした
白馬鑓温泉入浴!…と、その前に無料で入らせてもらうので浴槽少し掃除
そんで入浴!めっちゃ気持ちいい
外は極寒中はサイコー
色・香りともに野沢温泉の滝の湯に似てる
湯の投入がハンパなくて10l/sって感じ
とりあえず日が陰る前に下山する
小日向のコル登り返すのきついな…そういえば事前調査の湯の入谷の沢登りの記録があって一つ5mくらいの崖あるだけでそこまではイケたみたいなことあったから、湯の入谷くだるか!
………ここが最大の過ちの始まりに…
湯の入谷手前までは順調に雪の上歩けた
湯の入谷からは岩が出てきてスノーシューで歩きづらくなる
ここで湯の入谷の崖上か沢下りの選択肢があって迷う
崖上はもし滑落したら100mほど落ちることになり危険なので、沢下りをすることにした
何個か2,3mの岩を降りて進む
順調に滝の脇などを降りていくと少し平らな雪面があったので歩いた
そうしたらそこは急斜面にたまたま雪が積もって平らになっただけのところで、足を乗せた途端雪が崩れて滝下へ滑落
5mほど滑落して滝壺へドボン
幸い浅かったのでへそ周りまでしか濡れなかった
冬山で濡れるのは死亡なので、なんとか滝を登ろうとするもヌルヌルして無理なので斜面登ってなんとか川から脱出
周りを見渡すと北は直壁、南は川と直壁、東は20mの崖と滝、北は5mのヌルヌル滝で絶望
谷底なので電波も届かない
そして日も陰ってきて明日は大雪の予報
北の崖はアイゼンに履き替えて登るも直壁で無理…詰んだ…
日もくれかけてきて仕方ないので岩の隙間にツエルト張ってビバークすることに
人生初の山泊がまさかこんな形で迎えることになるとは…
気温は0度くらい
とりあえずリュックからフリース出して着込んで耐える
バッテリー節約のためスマホは緊急モードでガーミンも節電モードに
夜は寒くて外出ると服が凍った
夜10時ころから雪が降ってきてサクサク音がする
寒くてやばいので1時間ごとに崖を上り下りして体を温める
食料はウイダーやらカロリーメイトやらたくさんあるので2日はなんとかなりそうだけど寒さでやばたにえん
12時ころにはもう無理そうと悟る
寒すぎて寝れないまま2時ころになる
ここらへんで気絶
2時間くらい寝てたらしい
朝になりだんだん明るくなってきたけど吹雪で視界があんまり効かない
15分ごとくらいにドサドサと乾雪雪崩が発生
相変わらず電波届かないし、このままもう一晩は無理だと判断
どうせ死ぬならやるだけやってみようと決断
アイゼンやらヘルメットやら装着して、野グソして出発
降りようにも降りられないし、崖から飛び降りることに
下は雪崩のおかけで雪がそこそこ積もっててなんとかなりそう
20m(それ以上ありそうだけど…)の崖からダイブ
途中に岩が突き出ててそこに太もも激突
そのままボスッと底の雪に頭の上50cmほどハマる
表面はパウダースノーでも下の方は重い雪で全く動きが取れないし、口周りの雪で息ができない
とりあえず雪崩に巻き込まれたときのこと思い出して口周りの雪を取り除いて、ピッケルで少しずつ雪をどかして10分くらいかけて脱出
脚はなんとか折れてなかった
どんどん下り次はまた滝が出てきた
今度は高さ5mほど
たぶんこれが沢登りにあった崖かもしれない
雪に飛び降りたけど今度は雪貫通して下に川が流れてた
川は水深1.5mほどでなかなか落ちて登れない
下はトンネルみたいになっており、登るか潜るかの2択
潜ることにした
潜った途端水が冷たすぎてショック症状になり潜るのはやめて登ることにした
以前川に落ちたとき少しずつ階段みたいに雪を崩して登ったのでそれみたいにしてなんとか川から脱出
上から見てみると川のトンネルはずっと続いててたぶん潜ってたら死んでた
あとは2mくらいの崖や滝だったのでなんとかなった
途中の滝飛び降りたときにスノーシューを川に落としてひとつロスト
バイバイ、ライトニングアッセント…
ついでにグローブも片方流された
バイバイ、モンベルゴアテックス手袋…
いつのまにかザックカバーもなくなってた
バイバイ、モンベルザックカバー…
あとは足場の悪い川沿い歩いて、しばらくしてから林道を歩いてなんとかなりそうになってきた
林道途中の小日向の湯の源泉小屋で凍った手を温める
強アルカリのお湯があかぎれに滲みる
やっとのことで駐車場に到着
ここなら電波届くのでスマホ起動しようとしても水没して死亡
片付けて着替えて車に乗るとフロントガラスに小さく警察からの張り紙を発見
スマホを充電しても再起動を延々と繰り返すのでとりあえず公衆電話ありそうなコンビニへ行くことに
コンビニ到着してスマホが一瞬起動したけど1分程で再起動しだした
スマホ充電してる間にコンビニでカップ麺を食べる
まじで美味い…温かい飯がめっちゃありがたい
カップ麺食べ終わったらスマホがぎり使えるようになったのでまず彼女に電話、警察に電話、親に電話
警察に電話して、白馬鑓ヶ岳の遭難当事者で自力下山したって伝えたらいたずらだと思われたらしくめっちゃ疑われたけど、ことの顛末話したら信じてくれた
あとは白馬交番の人たちきて事情聴取とかいろいろした
話によると民間の山岳救助隊と警察の山岳救助隊が出動してたらしく、かなりのニュースにもなって全国デビューしてたらしい
ほんとにご迷惑おかけしました
反省点
・等高線混んでるとこは近づかない
・もっと体力つける
・ログのないとこには近づかない
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a5cfad6d1e7a5f2e1f099aeb5beb42966b8b994?s=09
少し気になったのでコメントします
湯の入谷の遡行記録とありますがその記録の詳細ありますか?
こんにちは
YAMAPのログとブログですがこの記録ですhttps://yamap.com/activities/16443692
http://blog.livedoor.jp/urayamaex/archives/3972977.html
遡上記録と降下記録です
良い(?)勉強になりました
ありがとうございます!
冬季は雪が多ければ埋まるそうですが、かなりデカい滝ですのでほんとに生還はキセキですねぇ!
そうなんです
ほんと運が良かったとしか言いようがないです
これを教訓に注意深く計画・滑走を心掛けるようになりました👍
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