雨飾山〜雪渓をくぐって〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 993m
- 下り
- 1,008m
コースタイム
天候 | ☁→☂ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[復路] 雨飾高原キャンプ場=飯綱山西尾根登山口(車中泊) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・昨冬の豪雪の影響から荒菅沢には寸断された雪渓が残っており、登山道を遮断している。登山道を覆う雪渓の下を4mほどハイハイしてくぐるが、雪渓の崩落が恐ろしい。 ・今回、キャンプ場からのルートは14人の登山者が居たと推定されるが、全員、この雪渓の下をくぐって登頂したと思われる。 ・自分はこの日最初の登山者となったが、雪渓をチエックして相当堅かったので、思い切ってくぐった。 ・途中でお会いした夫婦の登山者と声を交わしたが、彼らが出会った二人の登山者のうち1人は、荒菅沢の上部の雪渓の崩落の凄まじさを目の当たりにして、荒菅沢から戻ってきたという。 ・雪渓の上は、氷化しておりアイゼンなしのビブラム底では逆に危険。お祈りしつつ素早く潜るしかないだろう。 |
その他周辺情報 | 雨飾荘(現在は村と民間との第三セクター方式で運営)で700円の日帰り湯。 入浴と食事を一緒にした場合には、700円→350円に値引きされる。 ざるそば800円〜。レストランは静かな山の宿らしいよい雰囲気。 歩数:21632歩 |
写真
感想
台風11号が接近しており、夜半には車中泊の窓ガラスをたたく本降りとなったが、朝起きてみると止んでいた。
ひどい雨ならば温泉と思っていたが、高曇りなら上等!と出かけることとした。
夏山シーズンとしては少ない9台のクルマ、14人の登山者。
途中でこの日最初に出発した川崎からのご夫婦連れに追いつく。
聞けば、前日に登ってきた人に、荒菅沢に雪渓があってその雪渓をくぐらないと登頂できないと云われたという。
「これはやっかいなことになったなぁ」と思った。
うち一人は、雪渓の崩落を目の当たりにして真っ青になって戻ってきたという。
もうひとりの人は雪渓をくぐって登頂してきたらしい。
彼らを先行して荒菅沢につくと、確かにずたずたに切れた雪渓が沢を覆っている。
登山道は、その雪渓をくぐるしかないようだ。
距離にして4〜5mくらい。
雪渓の上を歩こうと考えたが、凍っていてアイゼンなしではムリ。
しばらく逡巡していた。
しかしストックで表面をたたいても結構固い。
「思い切っていくしかない」と身をかがめて大急ぎでハイハイして向こう側に抜けた。
崩れるな!崩れるな!と心で叫びながら。
正直、生きた心地がしなかった(汗)。
あとから来るご夫婦も同じようにしてこちらにきるのを見ていたが、冷や冷やするくらいだった。体に悪い…(苦笑)
帰途、会った10人以上も「あそこくぐるしかないですかね」と云ってくぐって頂上を目指したようだ。
尾根の途中ではフトンビシの偉容も眺められたが白い帳(とばり)が覆ったかと思うと、すぐにシャワーになった。
ザックにも雨具を着せて笹平へと急ぐ。
笹平はガスのベールに包まれた白い空間。
浮かび上がるようにして花が咲き乱れている。
あの世とはこういうところだよと説明されたら、そうだなあと思ってしまう場所だ。
自分自身が宙を浮遊しているような感覚すらある。
ふと、他界した祖父や祖母に会えるのでは?なんてガラにもないことを考えた。
最後は岩塔をよじ登り双耳峰の頂上についた。
やったことは写真撮影だけ。こわれたカメラは使えずにスマホで。
そしてそのままの脚で下山。
帰途、笹平では先ほど先行したご夫婦。単独行が2人。青年の二人連れ、短パンに半袖の元気なソロオジサン。荒菅沢への下りで若い夫婦やら親子連れ。
こんな日にも多くの頑張っている人たちに出会えることに力づけられ、元気をもらってふもとへと急ぐ。
ブナ平を過ぎるころには本降りになった。
沢と化した木道の上をびしゃびしゃ歩き、キャンプ場駐車場に着くと、雨飾荘の温かい風呂へと直行した。
初日に有明山の厳しめのルートを登ったせいか、あるいは登山道が整備されていることからか、はたまた頑張る登山者たちから元気をもらったせいか、山自体が楽に感じられたのはちょっと嬉しかった。
露天風呂につかりながら、顔を上に向けて目をつぶって冷たい雨つぶを受け止めていると、笹平での”あの世”体験が思い出されてきた。
なんだか「雨飾山」という名まえの通りになっていると思った。
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