城山(粟島)☆島山の夕景と海ほたる鑑賞


- GPS
- 01:08
- 距離
- 2.2km
- 登り
- 213m
- 下り
- 204m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
船
粟島汽船にて宮ノ下港より粟島へ https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/seisaku/koutsuu/1_1/1_3/2670.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
城山には良好に整備された登山道 |
写真
「天正年間には西讃一帯を支配していた香川信景の家臣である八倉弾正を城主とする粟島城が築かれていましたが、その後、長宗我部氏の侵略を受け落城してしまったと伝えられています」
感想
瀬戸内海の東部に位置する島嶼の中ではアプローチのハードルが高い島の一つだ。粟島に向かうすには須田港または宮ノ下港から定期船が出ているのだが、この港はいずれも最寄りの詫間駅から離れているのでバスまたはタクシーを使うことになる。
三豊市のコミュニティー・バスがあるのだが、このバスがJRにも船にも接続を全く考えていない。おまけに詫間に停車する特急は朝夕のみで、日中は各駅か快速が停まるのみだ。
スマホの充電コードを忘れてきたことに気が付き、慌てて宿泊先に連絡すると、従業員の中にiphoneを持っているものがいないので、充電器を貸すことはできないとのことだった。港の近くにコーナンのの系列のホームセンターがあることを。その近くを通るコミュニティ・バスがあったので、まずはホームセンターを訪れ、無事、コードを入手することが出来る。
粟島行きの船のための桟橋と小さなベンチが置かれているだけである。いまはほぼ干潮の時間だ。岩壁のかなり高いところまで貝が張り付いているが、満潮の時間にはそのあたりまで潮が満ちることになるのだろう。
桟橋には船を待つ人は誰もいない。沖合に船が見当たらないので、果たして本当に船が来るのだろかと心配になるが、ポツンと小さな船が見えたかと思うと、かなりのスピードで船が桟橋に近づいてくる。出港時間が近づくと一人の男性が現れる。乗船券は自動販売機が購入する仕組みになっているらしい。
船が岩壁を離れると、四国の山々では雨が降っているのだろう、山々には暗い雲がかかっている。沖合の粟島の向こう側では西の空は晴れている。船はまず志々島に寄港する。先ほどの男性は志々島で下船される。志々島は港がある本村の近く以外では民家も全く見当たらず、人の気配がほとんど感じられない島だった。
粟島に到着すると、今夜の宿泊先であるルポール粟島でチェックインすると、城山(じょうのやま)を目指すことにする。ルポール粟島の前から城山への道標がある。歩き始めるとすぐに猫が現れる。家内にもとに駆け寄ってきたかと思うと早速にも体を擦り付ける。人懐こい猫だ。
坂道を登って行くと突き当たりは小学校の校門が現れる。校庭には草が伸び放題であり、どうやら既に廃校になっているようだ。小学校の裏手にあるプールと校舎との間を登ってゆく。
すぐに非舗装路となり、山道が始まる。道標によると山頂まではわずかに780mらしい。
一合目を過ぎるとすぐに擬木階段が現れ、階段が延々と続く。何しろ山頂までの距離が短いので、少し歩くと次々と二合目、三合目と道標が現れる。登山道の脇では大きなイノシシが斜面に逃げ去って行くのが目に入る。
山頂は広く切り払いされており、手前に小さな東屋があり山頂には展望台がある。展望台に登ると、先ほどまでは晴れ空が広がっていた西の空にも雲が大きく広がってしまっているが、しまなみ海道の因島のあたりで空の一端のみが茜色に染まっている。
山頂からの展望は実に素晴らしい。この粟島には城山の他に北に阿島山、東に紫谷山という山があり、これらの山を結んだスクリューのような形をしている。本来は三つの島だったものがそれらの間に砂洲が形成されたことにより現在のこのような形になったらしい。
島の北には高見島と佐柳島、右手に広島といった塩飽諸島の島々、北には真鍋島、北木島、その左手に六島といった笠岡諸島の島々がシルヴァーグレイの海に島影を浮かび上がらせている。
山頂は間断なく海風が吹き抜けており、驚くほど涼しい。山名標の写真を撮ることをすっかり失念していたが、標高は221.8m、ほぼ222mらしい。山頂で島々の海景を眺め、涼んでいるうちに雲の切れ目から太陽が姿を見せる。瞬く間に海上には夕陽の方角に光の帯が伸びる。
再び夕日が雲に隠れたのを見届けると、下山を開始する。擬木階段のお陰もあってか、10分ほど降るとすぐに山麓に降り立つことが出来る。
宿に戻り、シャワーで汗を流すと丁度、夕食の時間となる。席に着くと豪勢な鯛の刺身が運ばれてくる。かなりの大きさであったが、このあたりでは大きな鯛がよく釣れるらしい。
夕食の後は海ホタルの鑑賞会となる。粟島は海ほたるの名所であるらしいが、夜の海辺に行っても簡単に見ることの出来るものではない。ルポール粟島の方が日中のうちに集めてくれていたものを鑑賞するのである。ちなみに海ほたるについて案内してくれる男性は「海ほたるおじさん」と呼ばれる方らしい。
バケツに集められた海ほたるを目の細かい網で濾すと、網から青白い光が流れ落ちる。海ほたるはルシフェリンと呼ばれる光る物質を放出ことにより発光するらしい。この物質は水に溶け出すので、一瞬、青白い光が流れ落ちるように見えるのだ。網の上に集められた海ほたるは闇の中で幻想的な青白い光を放つのだった。
海ほたるを再びバケツの中の海水に戻すと、集められた海ほたるは港の海に戻される。海に戻った多くの海ほたるは一瞬、わずかに光を放ったかと思うとすぐにも海の中へと消えていった。
宿に戻るとすぐにも雨が降りはじめる。この日は中秋の名月の夜であるが、どうやら粟島からは月を眺めることは叶わないようだ。次第に強くなる雨の音を聴きながら眠りにつくのだった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
キノコがらみで発光する生物が気になって岩波化学ライブラリー249「恐竜はホタルを見たか」を読み始めたところです
興味深い記事が満載のようです
面白そうな本のご紹介どうも有難うございます。早速、購入することにしました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する