黒姫山〜北信五岳中央からの展望満喫も火口原は敗退、表登山道往復


- GPS
- 09:01
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,477m
- 下り
- 1,473m
コースタイム
【実働】7時間21分、頂上往復のみの場合5時間38分
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今回駐車したのは旧黒姫ラベンダー園下から黒姫童話館へ抜ける林道が表登山道と交差する地点で、脇に3台ほど駐車でき歩行距離も1kmほど短縮できるが、途中の経路がわかり難い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コースの状況】 残雪がなければ頂上まで明瞭で迷うことのない安心な道だが、今回は八合目から上ではまだルート上に残雪があり、八〜九合目は迂回しての藪漕ぎ、九合目〜稜線はルートロストしての藪漕ぎを強いられた。 夏期は明瞭な道である反面、ルート上を残雪が覆っている場合に頼りになるテープ等のマーキングが少なく、特に登りではルートファインディングが難しい。 頂上南のコルから峰ノ大池への下りも夏期は問題ないが、今回は中間部より下に残雪がありルートがわかり難かった。何とか峰ノ大池ほとりまで出たが、その先は融雪水によってどこもかしこも足を踏み入れるとズブズブと沈み込むような湿地帯と化しており、通行は困難だった。 周辺をあちこち探索しても七ツ池方面への分岐がどうしても確認できず、火口原経由小泉登山道下山の予定コースは断念せざるを得なかった。 分岐コルまで引き返そうとしたが、登りではなおさらルートがわかり難く途中で完全にロスト、木の巨根と岩ゴロとネマガリで身動きに困るほどの急斜面を必死に上へ向かって這い上がり、どうにか分岐コルの100mほど北の頂上直下ガレ場にたどり着き、そこから頂上へ向かう道を見つけて復帰できた。 黒姫乗越側から火口原に入れるかどうかは未確認だが、いずれにせよ完全に残雪が消える時期になるまでは火口原のルートへは行かない方が無難。 【水場・登山ポスト・その他施設】 二合目に"弘法清水上"という標識があるが位置不明で、他にも水場はない。 今回駐車した林道から東へ1kmほどの表登山道途中部に、登山者と"町民の森"利用者のためのトイレ付き休憩所と登山ポストがある。 【周辺情報】 温泉は黒姫温泉があり、黒姫童話館近くの"アスティくろひめ"で日帰り入浴できる。大人500円。 食事は通年営業施設としては信濃町IC隣の"道の駅しなの"、観光シーズンであれば黒姫高原内の"コスモプラザ"内レストランなどが利用できる。蕎麦屋は町内各所にあるが、営業時間は戸別に要確認。 【山頂からのパノラマ展望図】 http://www.kashmir3d.com/panomaga/htmlview.cgi?20010907 |
写真
迂回せざるを得ず、藪の急登を笹を掴んで登るような破目に。
ルートも隠れて不明瞭なため何回も前進と後退を繰り返した。
テープ等のマーキングの少なさも残雪時には心許ない。
ここで右に折れて画像の雪田を行けばよかったのだが、直進してしまい行く手には再び藪が立ちはだかる。
もう稜線間近なのでそのまま強引に突き進む。
3人で弁当を広げながら山談義を楽しむ。
「黒姫山がこんなにいい山だとは知らなかった」とはよく聞く感想であり、地元民としても誇らしい。
だが、雪のある沢筋さえ下ってしまえば、と思ってしまったのが迂闊だった。
七ツ池方面への分岐が見つからない…。
遂に決心して引き返し始めたが、途中で完全にルート喪失、身動きつかない薮の中で遭難気分を味わう破目に…。
時間にも追われかなり消耗もしたが、頂上への道が見えたときは心底ホッとした。
草刈機を抱え西新道から薮刈をしてきた人たちだった。
遅くまで本当にご苦労様。
画像は表登山道の合流点、往路に出た地点から100mほど先だった。
中に洋式便器も備えた男女別トイレがあり、脇には駐車場もある。
本来はここが車で来る表登山道利用者のベース。
感想
黒姫山麓に移り住んで以来17年、この冬の降雪量は記憶にないくらい極端に少なかった。1月に雪ではなく雨が降ったのもかつてなかったし、春の訪れもこれまた早かった。それでも下から見上げる黒姫山の山体に全く雪が見えなくなったのはつい最近のことだ。
200名山にも数えられる黒姫山は、積雪期でもかなりの登山者がある。だが、自分は積雪期に登山する装備も技量もズクもない。北信五岳も雪が消えた順に斑尾山・飯綱山と登り、ようやく2,000m級の黒姫山も自ら解禁できる時期となってきた。
黒姫山は自宅から最も近い山で、過去に4〜5回は登っている。しかし、しばらく登山をしなかった時期が続いたのでこの山も7〜8年くらいは登っておらず、ヤマレコに載せられるような登山記録も残っていない。
今回黒姫山の記録を載せれば、ヤマレコの上でも北信五岳と信越黒姫山三山を完登したことになる。そういう意識も久し振りの黒姫山に早く登りたいという気持ちを後押ししていた。
6月の黒姫山には、ネマガリダケのタケノコ採りで多くの人が入り込む。
黒姫山のタケノコはまるでスイートコーンのような風味のする極上品で、一種のブランド品として市場でも高く売れる。だから商売として早朝から毎日のように入山するプロの人もいて、この時期は西新道に近い南山麓の林道を起点に縦横無尽に山中を歩き回っている。
黒姫山の登山コースは最近は西新道がメインコースとなっているが、こうした理由でこの時期の西新道周辺は人口密度が高く、純粋に登山を味わうには何かと落ち着けない感じがする。
だから今回はあえて東山麓を起点とする表登山道を登り、火口原を経由して北側の小泉登山道を下りる計画としたのだが、結果としてこの計画で行くのはまだ少し時期が早かったようだ。
思い起こしてみれば、過去の黒姫山登山はいずれも7月以降だったように思う。だが過去の順調な山行体験しか記憶していない頭で、まだルートの一部を雪が覆っていること、さらにそれがルートファインディングを困難にするなどとは想定することができなかった。
表登山道の詰めの薮漕ぎだけだったなら、こうも懲りることはなかったと思う。だが、峰ノ大池からの引き返しで道を見失った後のことは正直まいった。何とか道に戻ろうと左右に進路を振りながら登っているうちに、見通しも利かず進退窮まるような薮に捉えられ、果たして明るいうちに脱出できるのかとマジで不安になるような大変な思いをする破目になった。
何回も登っている地元の山という安直な意識があったのは否めない。戒めとしては良い経験だったとも言えるが、今回の失敗は肝に銘じておきたい。今後はどこの山に行くにせよ、マーキング用のビニルテープは必ずリュックに入れておこうと思う。
まあそんなことはあったが、久し振りの黒姫山はやはり素晴らしいと思った。山頂には小泉登山道からの登山者と西新道からの登山者の二人がいたが、彼らの賞賛の感想を聞いてなおさらそう思った。
北信五岳の中心に位置するこの山から見る他の四山はみな格好がいいのだ。それ以外に高妻や火打、焼山なども、ことさら登行意欲をかきたてるような姿で聳えて見える。だから「山はいいなあ」と誰もが実感できる山なのだろうし、200名山たる所以であるような気がする。
今回は撤退せざるを得なかった火口原もこの山の魅力としてははずせない。機会を改めてまた足を伸ばしたい。
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