音水林道から赤谷山とハサリ山周回


- GPS
- --:--
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 741m
- 下り
- 739m
コースタイム
天候 | 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ハサリ山からの下りを除き道なし。マーキング等、ルートの大半でなし。 |
その他周辺情報 | よい温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
シュリンゲ
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感想
赤谷山を南側から周回すべく、今日は音水林道を栃谷橋に向かって車を走らせる。すると路傍に真新しいシカの死体が。この地域はシカが多すぎる。周りの林といい、清流といい、まるで東北に戻って来たような潤いある環境である。悪路をゆるりゆるりと走行して、目的地はすぐそこだ。栃谷橋を渡った右手の広い空き地に駐車し、今から登る山品山の尾根への支脈を仰ぎ見る。
8時10分に、歩き始める。駐車地のすぐ上流の浅瀬で右股をわたるが、水流はわずかで簡単に渡渉できる。渡った対岸には、小尾根と呼ぶも憚られる二つの迫り出しに挟まれた窪が走っている。窪の右手の急斜面に取り付いて無理やり登り始める。とっつきの植林帯はすぐ終わり、その上には潅木が密に生えているのが見える。こいつは手強いかと思ったが、行ってみると案外隙間があってなんなく小尾根の末端部に乗る。ここは伐採跡のようで、日当たりが良いのに幼木が育たず、露地にススキが生えた状態である。シカの食わないアセビだけが、陣地を広げつつある。実際、立派なシカ道がついているので、これをたどってグイグイ登る。やがて視界がひらけて、眼下には駐車地が小さく眺められる場所になると、周囲にウリハダカエデやトチノキなど温帯落葉広葉樹が目立つようになり、すぐに山品山への稜線上のコブに達した。
自然林と植林の境目になった稜線を北北西に向かう。例によって下生えが失われて殺風景な地肌が出ているが、やがて周りが自然林にかわるにつれ、ササが地表を覆うようになり、潤いが感じられるいい尾根に変身した。この尾根はしばしば登山者を迎えているが、マーキング等は一切ない。そして左右に伸びて四つ辻のようになった場所に出る。もちろんここは「直進」するのであるが、支尾根も立派なので、引き込まれないよう注意が必要である。布短冊を二本、木に結んで目印とする。
温帯広葉樹の気持ちのいい稜線に沿って緩やかに高度をあげつつ、天空高く突出した宍粟杉に感銘を受けながら進むと、左側の谷に大きく広がった伐採地が目に入ってくる。この尾根の自然林の安寧を祈るばかりだ。徐々に足元のササは濃くなり、やがて踏み跡も笹薮に消え入る。しかし、見上げれば頂稜の光は目前を照らしており、ササの薄いところを選んでただ高みを目指す。
ほどなく宮中山からの稜線に乗る。そこは広々とした平坦地となっており、容易に方角を失いかねない。逆のコース取りをした場合には、山品山尾根への下降点は笹薮に覆われて見定めるのは至難であろう。ここにも布短冊を下げる。我々はこの広場をわずかに左(北)に進路をとって立派なヌタ場の先を、右手(北西)に伸びる尾根に入る。ここにもう一つ、布短冊を下げる。尾根に入ると再び踏み跡が現れ、さらにこれまでなかったマーキングが目に入る。また、国土調査の銀色や青の杭が間隔置いて打ち込まれている。起伏の乏しい尾根を進んだのち踏み跡は上りに転じ、次第にササの勢いも増してゆく。そろそろ県境尾根の入り口の目印である「一号」石柱が埋設されている地点のはずだ。赤谷山への踏み跡が左に曲がってすぐのところに、この石柱は傾いた姿勢で佇んでいた。南へ伸びる県境尾根に向かう道を探りながら歩き続けるが、噂通り、それらしい踏み跡はない。そうこうしているうちに戸倉スキー場へのルートに合流して一般路を辿る。周囲の木々は背丈を下げて陽光眩しい稜線となり、すぐに見覚えのある赤谷山山頂のナナカマドの木が目に入ってきた。
午前11時、今年2度目の頂上を踏んだ。眼前に広がる伸びやかな氷ノ山はすっかり雪を落とし、どっしりと黒い山容を露わにしていた。我々以外には誰もいない山頂で360度の眺望を堪能しつつも、県境尾根へのアプローチの仕方に自然と意識は向かう。昼食もそこそこに行動開始。いざ再び「1号」石柱へ。石柱付近の笹薮の前にしゃがみ込んでは、そこに隠れているかもしれない道型を探す。「1号」石柱より少し赤谷山側に上がったあたり(国土調査杭の手前)、薮の下にS字を描いて道型とも見えるわずかな隙間があるようであった。ここに突入すると、するりとササに分け目が入って、さしたる抵抗なく進んでいけるのであった。少し中に入って行ったところで、道型は左右に別れ、右の道型はまっしぐらに谷に向かっており、左の道型はトラバースしているようであった。谷に降りてしまうのを恐れて左を進むと、すぐに明らかな踏み跡に出た。そこには国土調査杭が打たれており、どうも今日登ってきた宮中山の尾根のようである。再び薮の中の道型を逆にたどって先ほどの分岐に引き返し、ひたすら下降する道型をたどる。こんなに降りていいの?という不安を感じつつ、5分ほどであろうか、ようやく眼前に尾根型が現れる。
右手は沢の源頭が円弧を描いている。気を良くしてシナノキなどの多い温帯落葉広葉樹林の尾根をたどる。丈の低いササの尾根にかすかな踏み跡がついている。続く小さなコブを超えて少し進んだところで、あれっ、と立ち止まる。尾根は右旋回しながらそのまま高度を下げ続けてゆくようで、眼前のピークには行けそうもないからだ。西側の谷の向こうには正面に赤谷山の山頂部が見える地点だ。コブに戻って地図を見直すと、予習した時に書き込んだ矢印がちょうどこの辺りに、「左折」を示す強調された屈曲を持って描かれていた。地図上でもルート間違いが予見できるような主稜線の折れ曲がり地点である。尾根状のササの踏み跡を捨てて左に針路をとり、露地の目立つ斜面を幅広の鞍部に向かって駆け下りた。目の前のピークはササで覆われて踏み跡はまるでないが、適当にてっぺんめがけて登る。すると、眼前に、牧場のように伸びやかな広がりを持つ主稜線が広がっていた。ところどころに巨木がドカン、ドカンと天に向かって突出し、広い空間を我がものとしている。宍粟杉の合体木やブナの大木である。ここが主稜線の核心部だ。
清々しい気分でピークに達すると、ここもまた広々と快適な空間である。迷いやすい地形であるが、道型は登ってきた線の延長方向に見て取れる。これをたどる。下り基調の尾根をしばらく進むと、再び広い楕円形のコブに達する。この空間に惑わされまいと、左の尾根に入ってみると、左の谷に今朝見た伐採地が見えるではないか。つまり、谷を隔てて反対側に来たことになる。これはおかしい。すぐに踵を返してコブに戻り、楕円形のコブの西端にまで行ってみると赤テープのマーキングのところから踏み跡が下へと向かっていた。これをたどるが、踏み跡は相変わらず現れたり消えたりを繰り返している。やがて左前方にカヤトの谷が明るく開けて見えてきた。その真上に降り立つと、ここが今日の最低鞍部である。
再び登り返し、傾斜が急になると1166ピークはすぐそこのはずだ。ササの薄いところを狙って右(北)に派生する尾根の「付け根」に乗り上げる。わずかに左に登ると1166ピークである。ここにピンクテープのマーキングがついた木を見る。先週、誤って鳥取側のハサリ林道終点に降りてしまったのは、このゆったりした支尾根を進んだためだったようだ。さて、1166をすぎて南西に進むとすぐに痩せ尾根となり、三室山方向の眺望が得られるようになる。さらに追い討ちの上りに耐えて登ると、眼前に宍粟50名山の波佐利山山頂を示す白い標柱が現れた。ここからは、勝手知ったる一般路を辿り、原生林登山口へ下山して、林道を栃谷橋へとひたすら降ったのであった。16時15分、出発点に戻った。
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