奧ヶ追山〜八ヶ峰☆錦繍の知見谷川源流域を周回


- GPS
- 04:36
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 796m
- 下り
- 778m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
尾根末端〜奥ヶ追山;テープ類、踏み跡なし 下生の少ない歩きやすい尾根 ところどころユズリハの藪はあるが南側から巻くことが出来る 奥ヶ追山〜ジャンクション・ピーク:踏み跡、テープあり 尾根は明瞭なので道迷いの心配は少ない シャンクション・ピーク〜八ヶ峰〜登山口;良好に整備された登山道 |
写真
感想
前日の中央アルプスの長距離山行の疲れもあり、朝はゆっくりと一昨日の鳩吹山の山行の記憶を書き留める。この日も晴天が京都では秋空が続いているので、紅葉の山に出かけることにする。先週の江美国境稜線のブナが素晴らしかったので京都と福井の県境、若丹国境稜線でもブナの紅葉が期待できるのではないかと考える。
五波峠から奥ヶ追山を経て美山まで続く尾根を歩いたのは三国岳から延々と芦生演習林の北縁となる若丹国境尾根を縦走した一昨年の晩秋のこと。途中のブナの回廊や夕陽に照らされた奥ヶ追山の名残の紅葉が美しかったにも関わらず、次第に差し迫る日没と美山からのバスの時間があったために尾根を疾駆するように縦走してしまったのだが、改めて新緑か紅葉の季節に訪れてみたいと思っていたのだった。
周山街道を北上すると道路脇の楓の樹々が鮮やかに色づいている。美山のかやぶきの里に差し掛かると背景の里山も綺麗な錦繍を見せている。京都市内でも紅葉の写真と共に宣伝されていることもあり、かなりの人が訪れているようだ。
知見谷川に沿って北上するとさすがに深い山あいは車の往来もなく、途端に静かな雰囲気となる。知見の集落の手前で道路が川を右岸に渡る橋の手前に車を停める。川沿いの狭い平地ではススキの穂が満開だ。
尾根の末端は植林の緩やかなから始まる。まもなく尾根は北側斜面は自然林となるので、尾根の左側をトラバース気味に登ってゆく。行く手を遮るようにユズリハの藪が現れたところで右手にの植林に逃げ込むと難なく通過することが出来る。ca500mのあたりで尾根が平坦になると色づき始めた自然林の疎林が広がるようになる。
やがて尾根の先には送電線鉄塔が見えてくる。送電線巡視路があるのかと期待するが、鉄塔が近づくと途端に低木の藪となる。送電線の下では陽当たりが良いので植生が変わってしまうのだろう。藪をかき分けて送電線鉄塔の下に出ると確かに明瞭な巡視路が現れる。しかし、どうやら巡視路は尾根を横切って南北の送電線鉄塔を結んでいるようだ。
送電線巡視路を辿って尾根からわずかに下ると南側の知見谷の展望が大きく広がり、左手にはこれから辿る奥ヶ追山の山頂部が見える。谷を取り巻く山々は見事な錦繍を見せており、これから歩く尾根の紅葉が楽しみだ。
送電線鉄塔からは色づいた自然林の中をひと登りでジャンクション・ピークのca700mの到着する。奥ヶ追山の山頂は吊尾根をわずかに南に下がったところにある。山頂の周囲では樹高の高い自然林が広がり、やはり色とりどりの紅葉が華やかだ。太陽が雲に隠れてしまったようで陽射しがないのが残念ではあるが、美林の紅葉は十分に目を楽しませてくれる。
奥ヶ追山は再びから東に向かう。尾根の北側には檜の植林が登ってくる。植林は間伐や枝打ちが行われた気配がなく、既に管理放棄されているのだろうか。
尾根の中間のピークca680mからp675にかけて、ブナの樹林となる。湖北で見るような高木ではないもののすらりとした箒状のシルエットのブナの樹が尾根に沿って回廊を形成している。
p675のピークは北側で大きく展望が広がり、この尾根で最高の好展望地となっている。知見谷の対岸には八ヶ峰を中心に若丹国境稜線を俯瞰することが出来て壮観だ。折しも陽射しが八ヶ峰の南斜面を明るく輝かせていおり、八ヶ峰の山肌が美しい錦繍を見せてくれる。
尾根を先に進むと今度は右手が植林となるが知見谷側の北側斜面は紅葉の自然林となる。尾根にはところどころで黄葉したブナの樹が現れる。尾根が広い箇所が多いこともあって踏み跡はそれほど明瞭ではないが、樹にまかれたテープは頻繁にあり、下生のない快適な尾根が続く。
若丹国境尾根とのジャンクション・ピークp708はを過ぎ、若丹国境稜線に合流すると尾根上には五波峠からの明瞭な一般登山道が現れる。まもなく稜線は広い台地状になり、ゆるやかな起伏を描く二重尾根には自然林の高木が広がる。林床ではまだ枯れずに残っているイワヒメワラビの群生が柔らかな緑のコントラストを添える。
紅葉も一段と鮮やかになり、この辺りが紅葉のハイライトであろう。折しも雲の間から陽射しがこぼれ、色とりどりの紅葉がまるでステンドグラスのような透過光を樹林の中に放つ。
福井県側の染ヶ谷からの登山道と合流すると八ヶ峰の山頂の手前のピークから降りてくる登山者と二組ほどすれ違う。ご挨拶するといずれの方々も八ヶ峰の家族旅行村かららしい。
八ヶ峰の山頂は以前に訪れたのは二年前の初秋、西側のオバタケダンから若丹国境尾根をHB1214さんと縦走してきたときのことであるが、残念ながら山頂からは白いガスが見えるばかりであった。この日は北東に大きく開け、彼方には日本海の蒼い海が見え、百里ヶ岳の右手では陽光を浴びた伊吹山が輝いている。
山頂からわずかに下ると先ほどの奥ヶ追山への尾根にあった送電線から続く鉄塔があり、今度は南西方向に大きく展望が広がる。正面には奥ヶ追山が見えるが意外と存在感が大きく思われる。太陽は相変わらず雲の影となっており空は薄暗いが、左手のタケガダンから鉢ヶ峰を経て白尾山へと続く稜線の上では天使の梯子と呼ばれる薄明光線が雲の間から降り注ぐ。
尾根を西に進むとすぐにも福井県の大飯側から峠越えの掘割の古道が登ってくる。知井坂の下りは趣のある古道を辿ることが出来るのが嬉しい。この知井坂を下る時間には紅葉した樹々に夕陽が差し込むことを期待していたのだが、相変わらず曇り空のままだ。しかし道端に色づいたコアジサイが現れたかと思いきや、まもなく黄色に色づいたコアジサイが林床に広がるようになるとあたり一面は美しい黄色の世界となる。樹林にも黄葉した三出複葉の樹が目立つ。タカノツメだろう。
かつてのスキー場とされるあたりでようやく陽射しが現れ、ようやく紅葉の透過光を再び目にすることが出来る。道沿いに古い革靴が散乱している。古いスキー靴なのだろか。そのすぐ下ではかつては多くの旅人の喉を潤したのであろう。冷たい清水が樹林の中で湧き出していた。
登山口に降り立つと通りがかった軽トラックに乗った地元の人が話しかけてこられる。「大勢の人にあわなんだ? 大きなバスが来て4〜50人ほどで登っていったで」。静かなが山歩きが堪能出来るところがこの山の大きな魅力と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。トラックの荷台には刈られたススキの穂が山積みであった。
太陽が山の陰に隠れると急に薄暗く感じられる。知見谷川沿いのススキはくすんだベージュ色となっている。さきほどまでの雲はどこに消えたのだろうか。上を見上げると透明な秋空が広がっていた。
コメント
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中央の翌日に・・・やはりタフですね(笑)。
しかも、翌日のレコもかなり良い紅葉です。
次回は、もう少しタフなコースも検討しましょう!!
例えば、越美国境、江越国境の能郷白山まで繋げる積雪期コースとか。車2台でスタート、ゴールに配置すれば、かなり効率的に行けそうです。
積雪期にむけて、今、この辺を調べてますが、若丸山~能郷白山までのレコがどうしても見つからない状況です。
行けるんですかね?
前日の中央アルプスの山行では大変、お世話になりました。
>もう少しタフなコースも検討しましょう!!
やめておきましょう
>かなり効率的に行けそうです。
云うは易し行うは難し
>若丸山~能郷白山までのレコ・・・行けるんですかね?
ある筈です。後ほど探してみます
お二人の会話はどこか違う世界のことの様に聞こえます
いい景色に癒されます
この辺りもphさんの守備範囲なんですね😲
五波峠〜八ヶ峰はお手軽なハイキング・コースですが、実に美しいところです。ODさんも機会があれば是非。
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