記録ID: 28466
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沢登り
日高山脈
ソエマツ沢ソエマツ岳南西面直登沢
2008年08月15日(金) 〜
2008年08月17日(日)


- GPS
- 49:00
- 距離
- 32.0km
- 登り
- 1,470m
- 下り
- 1,437m
コースタイム
8/15 曇りのち霧雨
元浦川林道通行止め地点(12:00)→ソエマツ林道終点(14:40)→ピリカヌプリ北西面直登沢出合(15:40)→ソエマツ南西面直登沢出合C1(16:15)
8/16 曇り
出発(4:40)→700mガレ場地点(7:50)→1080m核心部終了(13:20)→ソエマツ岳(15:20〜16:00)→ヌピナイ川上二股C2(17:30)
8/17 曇りのち晴れ
出発(7:10)→二股(10:50〜11:40)→林道通行止め箇所(13:15)
元浦川林道通行止め地点(12:00)→ソエマツ林道終点(14:40)→ピリカヌプリ北西面直登沢出合(15:40)→ソエマツ南西面直登沢出合C1(16:15)
8/16 曇り
出発(4:40)→700mガレ場地点(7:50)→1080m核心部終了(13:20)→ソエマツ岳(15:20〜16:00)→ヌピナイ川上二股C2(17:30)
8/17 曇りのち晴れ
出発(7:10)→二股(10:50〜11:40)→林道通行止め箇所(13:15)
過去天気図(気象庁) | 2008年08月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
15日:元浦川林道は、神威橋を過ぎて楡の沢出合から1kmも行かないうちにゲートがあって通行止めとなっている。 林道終点から広く明るい河原を進み、ピリカ直登沢出合からソエマツ出合までの間2ヵ所の函は、はじめ右岸をへつって通過、次は右岸の捲き道を使う。 16日:明るくなるのを待って出発。出だしいくつかの函付き段差はずぶぬれになりながらも中を行く。その後トイ状8mの滝は抜け口が微妙なため、左岸から捲く。 3段18m滝(写真)は、1段目右岸を登り、2段目左岸テラス上に這いあがった後、ザイルを出してバンド沿い落ち口へトラバース。奥に3段目が隠れているが、そのままザイルを伸ばして急な左岸カンテ状を登る。 その後2、3mの函滝、CS滝が連続して出てくる。泳いで取りついたりショルダーで越えたりして楽しいところだ。続く7m傾斜のある滝は澤田がザイルを出し、左岸を直登。 次第に沢幅が狭くなり両岸が見事に切れあがったV字ゴルジュに突入。五体駆使した突っ張りで狭い淵とチョックストーンの詰まった段差をズリズリと越えていく(写真)。ゴルジュのどん詰まりまで行くと、左側のつるつる岩から8mの直瀑が頭上に降りそそぎ、前進を阻まれる。いったんゴルジュ内を引き返し、右岸のルンゼから高捲く。結局次の4mつるつる函滝の上までまとめて捲く。 沢身に戻って3〜4mの函滝を2つ越えたところで700m地点のガレ場に着く。右岸に良いビバークサイトあり。 再び沢が左に曲がったところで直登不能な10m滝。その奥にも直登困難な5m、10m直瀑が続いて見える。左岸の岩尾根から上部ブッシュ帯に入り、これらをまとめて高捲く。さらに次の屈曲部3段15mののっぺりしたナメ滝が確認できたので、再び高度を上げて捲き続ける。次の10m滝で、落ち口付近へ向けてブッシュ伝いにクライムダウンし、高捲きを早めに切り上げる。沢身に降りて2mCS滝、その奥の4mナメ滝は見た目と違ってすんなりと登れたので良かった。 高捲きがひと段落した所で1968年この捲きの途中で墜死したルームの先輩、西信氏を弔い、全員でカメラーデンリードを歌った。 その先も、狭い溝状の中にチョックストーン滝、つるつるの段差、トイ状の小滝が連続する。徐々にヌメりがちとなって、落ち口でザイルを出した滝も幾つか。左股から80mの落差で滝が合流すると、例年雪渓が残るような雰囲気のところとなる。今年はひとかけらも見られない。 狭いトイ状の函滝を突っ張りで抜け、35mの滝。ここは勝亦がトップでザイルを出す。続く35m滝は、右岸ルンゼをしばらく登ってから落ち口へ向かってザイルを出してトラバース。落石浮石に注意。 その後、狭いチムニー状の5m、4mの滝を突破、1080m地点で核心は終わる。沢は一直線で稜線直下まで。全身筋肉痛になるくらい突っ張りで越える段差が続く。途中、伏流するが水流はかなり上の方まで続く。多少のはい松を漕いでソエマツの頂稜に出る。 ピークからは東尾根の踏み跡を少し下り、真東を向いてヌピナイ川の源頭へ。下降に採ったのはちょうど20年前夏メインの飯島パーティで滑落事故を起こした沢とは1本北側の沢。下るならこちらをお勧めする。ヌピナイの上二股には別の社会人パーティ4人が泊っていた。この夏は入山者が多かったせいか、薪を集めるのに苦労した。 17日:気温が上がるのを待ってゆっくりと出発。決して喜んで水に浸かるような天気ではないが、衝動を抑えきれず、多くの捲き道は無視してすいすい?と泳ぎ下った。 ヌピナイ川林道はCo260付近で通行止めとなっている。あらかじめデポしておいた車を回収。 |
写真
初めの方に出てくる3段18mの滝。一段目右岸から取り付き、水流を越えて左岸側のテラスに這い上がる。二段目落ち口へはバンド状をトラバース。3段目は奥に隠れて見えないが、ザイルを出して左岸カンテ状を登った。
感想
自分の中で日高の「極悪四天王沢」をこれで全部遡行したことになる。
はじめは東京から札幌へ戻って、北大山岳部の現役が日高の難しい沢に行けなくなっている現状を憂い、少しでも役に立てばと思って同じOBの米山氏、梶川君とともに見所のある若手を年1〜2回いろいろな直登沢へ誘導してきた。そこではそれなりに沢の面白さを伝授してきたつもりだったが、後半はやはり、自分が面白くないとやっていけないと思い始め、パートナー探しのようなつもりで若い連中を鍛えるような感覚となってきた。それで一応はこの山行が集大成のように思える。
勝手に名付けた日高極悪四天王沢を記す。
●シュンベツ川・カムイエクウチカウシ山北面直登沢
下流部大函からの遡行は日高無雪期の中で最も整合的で美しいライン。連続する滝の豪壮さと迫力が日高一番。
●ソエマツ沢・ソエマツ岳南西面直登沢
V字状に深く刻まれた一本の溝の中を延々と遡る感じ。全身突っ張りのトイ状滝、CS滝の連続。捲きの判断もポイントの一つ。
●中ノ川・中ノ岳南東面直登沢
ツルツル函滝の突破と意外と手こずる捲きの判断がポイント。日高の函沢といえばコレ。
●ナナシ沢・1823峰南面直登沢
滝滝滝の沢。ほとんどが直登できるが、小さい滝ほど手こずる傾向あり。正統派滝登りの沢。
以上
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コメント
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斉藤さんのことだから、そうなんじゃないかと感じていましたが・・・。本人気付いていたなら・・・。まぁ、大きな事故も無くて良かったです。
ROOMがある限り放っておいても第2、第3の斉藤さんが出現するかと思います。それともそういう時代はもう終わってしまったのかな。
年さんや花井さんが現役に手を貸さずとも米山さんや斉藤さんのような人が出現した訳だし。現役に直接手を貸さずとも、若手OBとの山行をするだけでもROOMには良い刺激になるんじゃないでしょうか。
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