布引の滝より再度山〜森林植物園に紅葉詣


- GPS
- 05:28
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 775m
- 下り
- 776m
コースタイム
- 山行
- 4:17
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 5:27
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
新神戸の駅を出発すると赤い帽子を被った大勢の小学生に混じって布引の滝への道を登る。小学生の列は野外実習に来たのだろうが、こちらもハイキングというよりも遠足に来た気分になる。小学生達はそのまま雄滝の方に向かって登っていくようだが、まずは雌滝に寄り道する。
小学生の賑やかな声が聞こえなくなると途端に谷は静寂が支配する。滝の前には三人組のパーティーがいらしたが、水量が非常に少ないという話が聞こえてくる。確かに落差はあるのだが、迫力が乏しい。滝下に設けられた堰堤の左岸には可愛らしい石積みの取水塔がそ聳えている。滝の左岸の斜面を登るとすぐに遊歩道と合流する。
その上流には鼓滝がある筈だが、遊歩道から滝音は聞こえるが狭いゴルジュの奥にあるこの滝の姿を見ることは出来ない。すぐにも大きな岩壁を流れ落ちる雄滝とその滝壺の下に夫婦滝を同時に目にする。夫婦滝というからには二筋の滝を想起するが、水量が少ないせいか右側の滝は完全に枯れている。滝の前では小学生たちが次々と記念撮影をしている。
滝見茶屋へ登り、かずら橋を渡り城山への道に入る。城山への道を歩く人は少ないのだろう、途端に静かな道となる。頭上では布引山へのロープウェイが往復している。階段の急登が続くが、背後には神戸から大阪にかけての好展望が広がる。
滝山城趾が近づくと斜度は緩くなり、樹林の中へと入ってゆく。梢の高い樹林の中ではカゴノキを多く見かける。迷彩色のような樹肌が特徴的なのですぐに見分けがつく。カゴノキと書くとこの樹のイメージにそぐわないが、鹿子の木と漢字で書くとすぐに合点されることだろう。
再度山に向かう前に堂徳山に立ち寄ることにする。堂徳山の山頂は道の傍に三角点が以外には何もないところで、国土地理院の地図にも山名が記載された山ではあるが、山名標の類も何もないので、知らなければ通り過ぎてしまうところだろう。
堂徳山からは再度ドライブウェイに降りて、しばらくは車道を歩く。左に猩ヶ池への分岐、ドライブウェイに沿ったハイキング・コースへと入る。広い道の両側には樹高の高い楓の樹々が広がり、壮麗な雰囲気の樹林である。このあたりの楓は全く紅葉しておらず、木洩れ陽が葉にあたり、新緑のような青々とした緑を明るく輝かせている。
突然、開けた場所に出ると、大竜寺の山門の前であった。石段を登ると立派な奥の院大師堂とその左手に毘沙門堂が並ぶが、その前の銀杏の黄葉が見事だ。
大師堂から裏手に登ってゆく小径には石仏を供えた祠が続く。亀岩の案内標に導かれて小径を辿ると忽然と大きな岩が現れる。その岩の上には彫りこまれた小さな可愛らしい亀が載っていた。
岩の上の方からは賑やかな人の声が聞こえる。登山道を上に辿ると大人数のパーティーが下降してくるところだった。山頂にはさらに大人数の登山客がおられる。振り返ると大阪から須磨の方面に至るまで好展望が開ける。
再度公園に向かって下降する。再び舗装路に出るとその先には見事な紅葉が視界に飛び込んでくる。修法ヶ原池のほとりに到着すると確かに紅葉が見事だ。同時にその周囲を歩いている人の多さに驚くことになる。池の対岸のベンチがあるあたりにもずらりと多くの人の姿がある。平日であるにも関わらずこれだけの人がいるということは週末の混雑は想像するに余りある。
池の東側の整然と整備された公園のあたりに来ると途端に人影は疎らとなり、通る人も少ないようだ。川を模した人工的な石組みがあり、その畔に植樹された紅葉が色鮮やかだ。公園の東屋ではランチ休憩されておられるパーティーがおられたが、紅葉を眺めながら鍋を温める。
パーティーが休憩を終えられて東屋を去るとすっかり静かになる。我々が食事をしている間にいつしか太陽が雲の隠れたようだ。紅葉は華やかな透過光の輝きはなくなるが、しっとりとして落ち着いた色調となる。
森林植物園の西門を目指し、ここは紅葉が進んでいるようだ。小さな谷沿いには紅や黄色に色づいた楓の樹々が木洩れ陽に輝いている。
森林植物園はここもやはり人気の場所なのだろう。植物園の入口から長谷池へのメイン・ストリートから逸れて展望台へと登ると、高雄山、再度山、鍋蓋山が一望のもとだ。展望台では煙草を吸っておられる女性がいたが、他には人影もなく静かな雰囲気だ。
長谷池の畔にたどり着くと、まずは真っ赤に色づいた楓の大樹が出迎えてくれる。対岸に密集している紅葉が池に映る様も美しい。池のほとりは再度公園ほどではないものの大勢の人で賑わっているが、多くは再度公園と同様、車で植物園まで来られた人たちなのだろう。
東門から出ると、続々と登山者が登って来られる。生田川の流れる広い谷にである。あとは新神戸を目指して、ひたすらトゥエンティ・クロスを下る。谷沿いの道は静かであり、周囲の山が見えないせいもあるだろうが、山深い雰囲気に市街地からわずかな距離であるということを忘れそうになる。時間は15時をわずかに過ぎたところではあるが、早くも太陽は尾根の向こうに隠れ、谷には山影が広がる。
堰堤による小さなダム湖を渡る橋には河童橋と名付けられているが、上高地の梓川にかかる有名な橋に因んで命名されたのだろうか。緑の湖面から突き出た立ち枯れの樹々が大正池を彷彿とさせる。
あじさい坂から南に崩落地があるので危険との案内があるが、通行止にはなっていないようだ。
崩落地にさしかかると、その左手には踏み跡も明瞭な迂回路と真新しいフィックス・ロープもつけられている。ロープに頼るほどでもないとは思うが、危険を感じるような場所ではないように思われた。
黒岩尾根と合流すると摩耶山から下って来られたらしい大人数のパーティーを追いついた他は人の気配のない静かな道を新神戸を目指して黙々と下る。布引ハーブ園からの道と合流すると眼下に再び神戸市街の展望が開ける。街は西陽を浴びて、うっすらと黄金色に輝いていた。
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