【過去レコ】海谷山塊／烏帽子岳
新潟県
gakukyourou
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,187m
- 下り
- 1,172m
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| 天候 | 無風快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
写真説明と感想欄に記載 |
写真
二つの尾根が合流する辺りは雪庇か雪壁。少しでも傾斜が緩い雪壁を探して乗越す。上に出た途端に、今まで隠れていた主稜線が見えたが・・・
烏帽子岳のアップ。2個所のクレバス間の通過が厳しそうだが、鞍部から急な雪面を突き上げれば、烏帽子岳北の肩まで登れそうだ。やれやれ登降ルートが見つかった
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仕方ない、頂上から西に落ちている5m幅の藪の帯沿いに下りながら、藪の薄い箇所を探してやっと突破する。さらに雪面をトラバースして鞍部に出ると、眼前に烏帽子岳がそそり立っている
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7割ほど登ると雪が切れてクレバス。その上は50度近い雪面が20m程続き、またクレバス。その上は傾斜が緩まり、雪が無くなると北の肩に飛び出した
低い潅木に覆われた痩せた頂上稜線を南に進む。踏跡が付いている。小さなこぶを越えると三角点がある狭い頂上に着いた。C山岳会の4人が居た
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この尾根をショートカットするため、末端の917m峰を目指して1270m峰北西側の開けた谷を降りる。大斜面に自分のトレースを刻むのは気持ち良い
感想
海谷山塊は新潟県糸魚川市の直ぐ南にある小さな山域。海谷渓谷（海川）を挟んで、北側（右岸）に烏帽子岳、阿弥陀山、鉢山、昼闇山が連なり、南側（左岸）に駒ケ岳、鬼ケ面山、鋸山、雨飾山が並んでいる。
今から55年前の3月に、初めてこの山域に入った。きのこ雪と格闘しながら雨飾山に登り、痩せた雪稜やキレットに緊張しながら鋸山を踏破できた。
以来、この山域に魅了され、3年にわたって何度も足を運んだ。しかし山容の険しさ故に、さらに夏には藪に阻まれて、冬には一晩で1m以上も積もる大雪にみまわれて、なかなか成果はあがらなかった。
以後、家庭を持ち、仕事も忙しくなり、体力も技術力も衰える一方。雪山とも疎遠になり、もうこの山域はとても無理と諦めていた。
それが還暦を過ぎてから再び雪山にも登るようになり、この海谷への再挑戦の意欲も湧いてきた。
半世紀前に入山したのは南海谷山塊であり、いつもその南側の根知谷側から入った。最近、こちら側は登山道が整備されたと聞く。しかし、海谷北側の山々には相変わらず道は無いようだ。そこで、残雪を利用できる5月連休に北端の烏帽子岳(1451m)に登ることにした。今から10年前の2010年のことである。
この年の2月に御嶽山に、3月に大佐飛山に一緒に登った仲間を誘った。しかし、彼らは興味が無いと言う。仕方ない単独での挑戦となった。
この山には一般に吉尾平から往復するようだが、カール状の谷底から登降するのは雪崩が怖い。今回は単独なので安全策をとり、北側の谷根川側から尾根通しに登るルートを選んだ。
6時20分、歩き出す。
無風快晴、早朝は締まっていた雪も、初夏のような陽気に次第に雪は腐ってきて、急斜面ではアイゼンの爪は利かずにずれるのみ。キックステップを切らなければならず、一人でこれを繰り返すのは厳しかった。
13時45分、頂上に着いてびっくり。
頂上には4人パーティがいた。年に何人登るか、滅多に人が来ることがない頂で出会ったので、お互いにびっくり。しかも私が住んでいる町の隣の町の山岳会とのことで、またびっくり。同じ神奈川県から遠い新潟県の、しかもマイナーな山にわざわざ登りに来る酔狂な者も案外いるものだ。
半世紀前に初めて入山して鋸山に登った時、その頂から海谷渓谷の対岸の山々を見て、その険しい山容に息を呑み、いつか海谷渓谷右岸の山々にも足を踏み入れたいと願望した。
今回それが叶い、満足感に浸りながら、逆に南海谷山塊の懐かしい山々を眺めていると、時間が経つのは早い。ついつい長居をしてしまった。
14時10分、下山開始。同じルートを戻る。
途中で陽は暮れて、真っ暗な林道を降りてきたが、19時半に無事にゴール。13時間以上の行動でバテバテだ。当時67歳の前期高齢者にとってはきつい1日であった。しかし、40数年来の念願が叶い、充実した気分で翌日帰途についた。
（2020年5月29日 登録）
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