565 怖いよ〜でも大展望の西穂独標(ロープウェイ利用)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,684m
- 下り
- 1,684m
コースタイム
- 山行
- 4:27
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 6:34
全線トレースあり。ワカンは使わなかった。
アイゼンは往路の西穂山荘で装着して、ロープウェイ駅まで使用。山荘から上は必須。
天候 | 23日風雪、24日快晴、西穂山荘から上は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
24日往路 平湯温泉8:00(バス)8:40新穂高温泉駅9:10頃(第1ロープウェイ臨時)9:14頃鍋平高原・・・しらかば平駅9:27頃(第2ロープウェイ臨時)9:35頃西穂高口駅 24日復路 西穂高口駅15:27頃(第2ロープウェイ臨時)15:35頃しらかば平駅・・・鍋平高原駅15:40頃(第1ロープウェイ臨時)15:45頃新穂高温泉駅15:55(バス)16:20平湯温泉(ひらゆの森 入浴600円)17:50(バス)19:15松本駅(松本には定時到着) ※ロープウェイ往復3日間有効。道の駅等に割引券有(2900円→2700円)。えらべる倶楽部割引も同額。 6kg以上は別に荷物券必要(往復600円)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全区間トレースあり。この日はワカンは不要であった。 山荘〜西穂独標〜西穂高口駅でアイゼン装着。山荘から上は必携。 西穂山荘までは無風であったが、山荘の上からは強風注意。 西穂独標付近は岩場あり、滑落注意。 |
その他周辺情報 | ひらゆの森 入浴料600円。露天風呂が沢山あり、満足。(浴場ロッカー代に別100円必要) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
食器
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ヘルメット
カラビナ類
スリング
ハーネス
|
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共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
補助ロープ
|
備考 | スコップ、ゾンデは1パーティ2組くらいで良い。(おそらく探すの無理) アタック時はコッヘル、ガス関係は1個でok。 この日は、稜線の風は強かったが、気温が高く、日光もあり、暑いくらい。衣類調整が難しい。今回はアウター手袋はテムレス。全然寒くない。 |
感想
23日の朝に東京を出発し、23日は西穂山荘宿泊、翌日アタックで計画した「チャレンジャー企画」。
しかし23日は、強風のため終日ロープウェイは動かず、バス乗り換えの平湯温泉
にて足止め。
平湯バスセンターで食事をしながら、善後策を協議。
結局、「今日は下に泊まって、翌日の始発ロープウェイで登って、タイムリミットを決めてアタックするしかない。」と至極当たり前の結論に至る。
明けて24日は、昨日とはうって変わっての晴天。ただ、ヤマレコ予報では、稜線上は強風が吹き荒れるという。
また、ロープウェイ動かないのか? とビビりながら、平湯温泉8時のバスで出発。新穂高温泉のロープウェイ駅に8:40に到着。
既に1階まで、切符を求める行列が出来ている。
「ぎょえ〜、動いているのはうれしいけど、これは始発に乗れるのか? いったいいつの便に乗れるんだろう」と一行は不安になる。
そもそも、今日の行程はぎりぎりで、ロープウェイ最終(頂上の西穂高口駅16:15発)に間に合わせるため、
「頂上折り返し13時。西穂山荘折り返し14時30分」を設定した。
出発が遅くなると、登頂できなくなる可能性が上がってしまう。
幸い臨時便が出て、西穂高口駅には予定より15分ほど遅れで到着。手早く支度をして、10時前にはスタートできた。
西穂山荘までは樹林帯の中の道。トレースははっきりしていて、先行者に感謝しながら快調なペースで、1時間ちょっとで西穂山荘に到着。
ここまでは、予報にあった強風はなく、むしろ暑いくらい。途中でアウターや手袋を外してここまで来てしまった。
山荘前で休憩を取りながら、アイゼンとハーネスをつける。
と、ここで、アクシデント発生。やさい氏のアイゼンが片方壊れてしまった。プラスチック部分の破断で、どうしようもない状態。
「ここからなら、ノーアイゼンでも帰れるから不幸中の幸い」というやさい氏。
確かにそのとおりだが、やっぱり残念。
やさい氏は西穂丸山で折り返すことにして、出発。
山荘から少し登ると強風が吹き始め一気に寒くなる。30分程で、西穂丸山に到着。穂高も見え始め、ここまででも絶景を楽しめる。
ここからやさい氏は折り返し、山荘に戻るが、あき坊さんも「強風が怖いから一緒に小屋まで戻る」という。
確かに、ここまでの広い稜線で怖いのであれば、仕方ない。リーダー了解のもと、小屋へ引き返す二人と別れ、3人で頂上を目指す。
急勾配をぐいぐいと登る。風はますます強くなり、頬に石ツブテのように、舞い上がった雪の粒が当たる。その代わり、景色はますます広がり、青い空と白く神々しく光る峰々が美しい。
西穂丸山から40分程で稜線が狭くなり、目の前には独標の岩の塊と、奥には奥穂高岳と前穂高岳を結ぶ吊尾根と絶景が広がる。
しかし、烈風にさらされながら、狭い岩場を通るのは怖い。風の圧力に耐えながら、一歩一歩しっかりと足を進めて、鞍部へと降り立つ。
そこからは、最後の難関の頂上直下の岩場へ取りつく。
ピッケルをダガーポジションにし、アイゼンの前づめを雪の斜面にしっかり打ち込んで、一歩一歩確実に進む。
一旦左に登って折り返すところ、鎖を辿ってから鎖がなくなる所が、登りでも嫌な感じであった。今日は、この岩場は風下側になり、風のことを気にしなくても良かったのは幸いであった。
ようやく、頂上。途中あれだけ強かった風も、ここはさほどでもない。西穂に向かっては凶悪なピーク群が続いている。そして、全方向に広がる大展望。
ああ、頑張って来てよかった。と思える瞬間であった。
記念写真を撮り終わると、丁度、登りの人の列が途絶えている。狭いし、登った人でごった返してきたので、早々に下山開始。計画段階では、リーダーがロープを出して、確保して進むことを考えていたが、混雑の度合いも考え、ロープは無しで行くことにした。
まずは、リーダーがゆっくりと下山開始。ペコ様とkokudoが続く。
降り始めると、
「ラーク!」との叫び声。
声の方向を見ると、頂上に向かって左手の方で、ピッケルを落とした人がいた。
メインのルートとは異なるため、けが人は無し。ガイドツアーのようで、無事回収していたので一安心。
気を取り直して、集中して下山開始。アイゼンの前づめをしっかりと雪の斜面に打ち込んで、体重をかけても落ちないことを確認しながら、ピッケルもダガーポジションで3点確保で進んでいく。
今日は登山者が多いせいで、足場も出来ていたので、
「足場をよく見て。もう切ってある所を使っていけば、大丈夫」
リーダーの声に励まされて、壁から体を離すと、確かに足場が見える。ゆっくりと下っていく。
鎖のかかる所で、リーダーがセルフビレイを取って待っていた。
登りで嫌な感じだなと思った所。少し、岩が出ていて、岩の上でアイゼンを滑らせてしまうとまっさかさまになる所。
リーダーがお助け紐を出して、手掛かりを出し、見えにくい足の置き場を指示してくれた。
おかげで鎖場にうまく入れて一安心。ここからは、足場が良く見えるので、慎重にいけば大丈夫。
もう一か所の登りで嫌な感じだった所は、踏み固められ、足場がはっきりしていて、下りではピッケルをきちんと打ち込んで、方向転換をきちんとやれば大丈夫であった。
登りよりも時間をかけて、ようやく稜線が広くなるところに戻ってきた。
風は再び強くなったが、ここまでくれば大丈夫。
振りかえると、あんな所を登ってきたんだと、感慨深い。
その後は、烈風に悩まされながらも、アイゼンがしっかり効く急坂を調子よく下って、ほぼコースタイムで西穂山荘へ戻ってきた。
西穂丸山で折り返したやさい氏とあき坊さんと合流し、ロープーウェイ駅に向かって下る。
樹林帯の下り坂は、ぐいぐい下れてラクチン〜ラクチン〜。あっという間にロープウェイ駅に到着。当初は最終便を覚悟していたが、ほぼ1時間前の便に乗ることができた。
そしてこの時間になっても、眺めは最高のままであった。
ロープウェイからの接続のバスは、ほぼ満席で発車。行きもそうであったが、結構このバスはお客さんが乗っている。
新型コロナウイルスのせいで外国人観光客が減っているなかで、これだけ混んでいるので、次回来るときは、バスの接続も要注意である。
平湯温泉では、松本行バスまで1時間20分待ち。この時間を利用して、バスターミナルから徒歩5分の、日帰り温泉施設「ひらゆの森」で入浴。
露天風呂が沢山あって、なかなか立派な施設。入浴料600円は安いなと思ったが、浴室のロッカーは有料の100円。ちょっとマイナスポイントがついた。
ビールや酎ハイも売っているので、ここで帰りのバスの飲み物を確保しておくと良い。17:50では、バスターミナルの売店はもう閉まっているので、要注意である。
当初計画が天候不良で流れたのに、翌日日帰りで、しかもこんな絶好の天気で登れて大満足でした。
でも、岩場の通過(アイゼンの前づめの使い方、ピイケルの使い方)はもっと練習しないとダメですね。でも、また行くぞ!
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