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記録ID: 21259
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沢登り
白山

左門岳 銚子洞から・遭難者発見で引き返し

2002年06月09日(日) [日帰り]
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GPS
07:00
距離
6.5km
登り
365m
下り
380m

コースタイム

日帰り
山行
5:20
休憩
2:50
合計
8:10
7:30
40
スタート地点林道終点三光橋
8:10
8:40
30
銚子滝
9:10
10:10
60
Co740の二股から間違えた沢
11:10
11:30
150
遺体発見
14:00
15:00
40
銚子滝下で休息
15:40
林道終点三光橋
6月9日:林道終点三光橋発(7:30)→銚子滝(8:10)→巻き終わり(8:40)→標高740の二股から間違えて北へ入りロス(9:10-10:10)→遺体発見(11:10-30)銚子滝下でラーメン(14:00-15:00)→林道終点(15:40)
天候 晴れ
アクセス
コース状況/
危険箇所等
この初夏は板取川源流の沢に連続で通ったが、川浦谷(かおれだに)本谷、銚子洞(ちょうしぼら)から左門岳のこの一本は本命。ところが遡行中、昨年末から行方不明になっていた登山者の遺体を見つけてしまった。引き返して通報。翌日は岐阜県警のヘリで遺体捜索に同行することにもなった。県警防災ヘリ航空隊のプロフェッショナルな仕事ぶりにふれ、現場案内人としてヘリからウインチ下降するなど、なかなか無い体験をした。

通称「石橋」という奇岩の上にかかる橋を渡って左岸の崖を固定ロープ伝って沢底に降りる。銚子滝までの河原は苔むした気持ちの良い沢。日河原洞(ひがわらぼら)の駐車場工事は前回見たよりも進んでいるようだ。

銚子滝15mは右岸のルンゼを登り、様子を見て右側の藪斜面に突入、ブッシュを選んで尾根をのっこし、また急斜面をブッシュつかんで転がり下る。最後の4〜5mにトラ縄が下がっている。帰りに気づいたが、この巻きで銚子の滝の上の10m滝もまとめて巻いていた。

標高740二股のすぐ下の日溜まりで休み、出発したらなぜか二股に気づかず右の支沢に入ってしまい、40分ほどおかしいと思いながらも進んだが引き返した。本流に戻る。一時間ほど無駄に使った。780mあたりで一番大きい滝。15mほどだが傾斜が緩く、右側を登る。落ちると長いので念のためザイルを出す。ピンはハーケン一本。優しい。この上は4mクラスの、なんとか登れる滝がいくつも現れる。今は水も少ない季節だ。淵もそれほど深くは無い。15センチ位のアマゴが結構いる。魚の多い沢だ。

核心部もそろそろ終わり、標高870二股の手前あたりの傾斜の無い河原状の場所で、遭難者の遺体を見つけた。その下流200mほどの流木溜まりでカッパとラジオと日帰りサイズのリュックを見つけていたので、予感はあったがやはり。

その先の、二股手前最後の核心の淵を確認して、下山することにする。銚子洞からの左門岳は、またこんど出直そう。僕は気分を切り替えたつもりだが柳田はけっこうショックな様子。せっかくなので遭難者のリュックなどを回収して持ち帰る。天蓋の中に財布があった。

ザイルを出した滝は懸垂で降り、銚子滝の巻きも終え、河原で小さいたき火をしてマルタイ棒ラーメンを食べる。車に戻って板取村の交番へ行くが駐在さんは不在で、1時間弱して関署から刑事、警官がやってくる。普通の人が行けない現場であることを理解してもらうのに少々時間がかかる。遭難者の身元は持ち帰った財布に免許証がありほぼ特定。翌朝ヘリコでの捜索に協力する約束をして今日は解散する。途中泰郎さんの炭焼き小屋に寄り、郡上八幡で時間をつぶしていたカメと落ち合い、この町の古い銭湯で汗を流して、美濃の松原君宅へ帰る。

翌朝は柳田君に送ってもらい関署、警察学校から離陸した県警ヘリ(雷鳥)で現場を特定、大型の防災ヘリ(若鮎)で出直し、警察官4人と上空40mのホバリングからウインチで降下、二股の下の河原に降り立つ。現場へは滝と淵を巻いて20分ほど下る。四人の警官はトレッキングシューズや長靴なので滑って転びまくって降りてくる。現場検分、シートに回収、ヘリを今度は現場上空に呼び、直接ここからウインチで揚げる。続いて僕らも20メートルもある、あたりの木の高さをぐんぐん超えて、狭い谷の上に引っ張り上げられる。何時間もかけてやってくるべき沢の核心の先にポイッと来てしまう不思議。

遭難者は昨年秋に夏道登山者が銚子洞左股源流の複雑地形に迷い、この沢に迷い込んだようだ。根尾村側の谷はずいぶん捜索をしたらしい。板取の側は沢登りができないと捜索できないのでしていないとのこと。山登りの心得も無いのに警察官も大変だ。結局昼過ぎまで捜索につきあったが、万が一の遭難の際ヘリがどこまで出来るのかを知った。

長時間、警察学校でヒマをつぶすことになった柳田、松原、カメと名古屋に戻り、白川義員の世界百名山写真展を見て、大須観音近くの一膳飯屋(安兵衛)で晩ご飯。安くて充実の食堂を発見できて皆喜んだ。どうも皆センスの似た人たちだ。

数週間して、遺族の方が大須の僕の自宅にご挨拶に見えた。僕はたまたま家で昼寝をしていた。遭難救助や捜索はお互い様です。ご本人も家に帰れて喜んでいると思いますよ、と申し上げた。
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