弓張岳〜将冠岳☆暮色の佐世保と九十九島の展望台に


- GPS
- 02:39
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 305m
- 下り
- 615m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
将冠岳からは北側の尾根を下るバリ・ルートがあるようだが踏み跡は不明瞭 |
写真
感想
天然の良港である佐世保は長崎と同様、湾の奥に位置し、周囲を山々で取り囲まれている。その中でも弓張岳は佐世保の市街の眺望と同時に西海国立公園の九十九島を見晴らす好展望地として知られるところらしい。軍事的には佐世保の軍港を守るための高射砲の砲台を築くのに最も適した場所であったことを意味する。
九州の南西の海上にある台風17号は進路予測では長崎の沖合を通過することになるらしいが、この日の夕方はまだ雨を免れそうだ。折角佐世保に来たので、まずは眺望を堪能すべく弓張岳を訪れる。この弓張岳からは但馬岳、将冠岳と三つの山が連なっており、どの山も山頂からの眺望が良いとの情報を得ると、弓張岳から将冠岳への縦走に食指が動く。
弓張岳の山頂展望台には佐世保駅からバスも通じている。展望台にたどり着くと数組のカップルと外国人のグループがおられる。展望台広場を北上すると桜の樹が植えられたなだらな平地があり、円形のコンクリートの構造物があり、その中心にも桜が植えられている。高射砲の砲台跡であり、日本遺産の一つらしい。よくよく考えられると山頂の眺望が良いのは高射砲の砲台を築くために樹を伐採したためであり、このなだらかな平地もそのために山を削ったためだろう。砲台跡地の桜の樹々はすでに色づいている。
北側の斜面を下るとすぐに但馬岳との鞍部に至る。この長崎にて但馬とはどういう所以があるのだろうかと訝しく思うのだが、元来は田島岳と表記されたらしい。他にもありそうな山名であるが、唯一無二のようだ。この田島岳の山頂部はいくつかの段丘が形成されているが、いずれもかつての海軍の兵舎や指令所の跡地であったようだ。広い山頂広場の南西の端には大きな樫の樹があり、樹の下からは西海の方向に展望がひらけている。
但馬岳から先に進む尾根道を探すのに手間取るが、山頂広場の柵が北の端で一箇所、切れており、そこから明瞭な踏み跡が北尾根へと続いてゆく。道はまもなく急下降となる。滑りやすい樫の葉で敷き詰められた薄い踏み跡を辿るうちに鞍部に達すると舗装された車道に合流する。
尾根上にも踏み跡が続いてはいるが、時間を稼ぐために次の将冠岳への登りの手前まで東側の斜面をトラバースする車道を歩くことにする。台風に向かって吹き込む風は東側から吹いているためだろう。林の中は終始、東側から風が吹き付ける。湿度は高いものの風のお陰で暑さを感じなくて済む。
将冠岳の手前の鞍部からは廃林道を辿る。林道の周囲は南国特有の常緑広葉樹であり、鬱蒼としていて薄暗い。林道の周囲にわずかに杉の植林地を見かけるが、杉林の中が明るく感じられる。ジグザグと登るうち終点に至ると鳥居が現れる。鳥居を潜って坂を登ると頂上広場の山名標が目に飛び込んできた。山名標のすぐ背後には大きな岩がある。岩に載ってみると、再び九十九島方面への眺望が開ける。
岩の背後にも大きな岩が連なっており、その上に攀じ登るとさらに展望が広がる。下山は登ってきた林道を引きかえすつもりではあったが、山頂の東側を巻いて北尾根を下ってゆく踏み跡がある。すでに夕闇が迫ってはいたが、ヘッデンのライトの助けを借りてこのルートを辿ってみようかと妙な気を起こす。
山頂の北側は急峻な下りとなるが、ロープが張られている。ロープの助けを借りて小さな鞍部へと下る。登り返した先の小さなピークには「高筈山」という山名標が、樹の根元に架けられている。ピークからは眺望がよく、佐世保の北西に当たる市街の黄昏の景色が広がる。
まもなく踏み跡は不明瞭となる。林の中には古いテープがついているのだが、薄い踏み跡を辿ることは困難と判断し、将冠岳に引き返すことにする。好展望の山頂に還り着くと展望はすっかり夜景へと変わっているのであった。
山頂からは林道を歩くので道迷いの心配はない。下り始めるとまもなくドーンドンと花火の音が聞こえる。佐世保の市街が見渡せる展望地からは佐世保の市街の彼方、ハウステンボスから数多くの花火が上がっているのが見える。後に知ったところではこの日はハウステンボスの花火大会の日であった。
ハウステンボスの花火を鑑賞するうちに時間が過ぎてゆく。やがて斜面に造成された市街の上に出ると家々の間を通り過ぎてゆく細い路地に入って、急な階段を下ってゆく。坂道の勾配に任せて坂道を下ると、まもなく国道に出て、佐世保市街方面に向かうと梅田町のバス停にたどり着く。折しもすぐ目の前で佐世保行きのバスが行ってしまうが、タクシーがすぐにお通りがかり、予約していた店のある佐世保の繁華街へ運んでくれるのだった。
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