奥三界岳（日本300名山・ぎふ百山）〜トホホのプチ遭難〜
長野県
岐阜県
Junjapa
その他1人 - GPS
- --:--
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 1,353m
- 下り
- 1,340m
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5/26 04:25起床
04:50 車止め駐車場発
06:05 夕森田立林道丸野線出合着（1:25）
06:15 同 発
07:10 林道終点営林署作業小屋着（0:55）
07:30 同 発
08:45 奥三界岳着（1:15) 合計 3:35
09:50 同 発
12:40 山の神着 （NJ氏 12:35銅穴(どうこう）ノ滝着）（2:50）
13:00 捜索〜銅穴ノ滝発
13:20 夕森公園車止め着 （0:20) 合計 3時間10分
| 天候 | 終日 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
静岡＝吉田IC＝中津川IC＝中津川市＝[国道19号]＝[主要地方道・福岡坂下線]3号＝[裏木曽公園線]411号＝夕森公園キャンプ場車止めP [復路] [往路]を戻る |
| コース状況／ 危険箇所等 |
�〕漆晃�園クルマ止めゲート ゲート前には10台ほど停められる広場がある。 �⇔啼� よい道が続く。途中、カモシカの慰霊碑や山の神を左に見ながら行く。銅穴（どうこう）の滝の沢右岸から夕森田立林道丸野線（上部に走っている林道。夕森田立林道または丸野林道とも呼ばれているようだ）への登山道が分岐する。直進すると指導標があり、そこから登山道に入る。一旦沢に下り、沢で吊り橋を渡るとジグザグの登りになる。ジグザグなのでそれほどの急傾斜を感じない。 �Ｎ啼蚕亶� 林道に出会う。各所で山側法面からの岩石の崩壊があり、もはや使用されていない。特に悪天時には山側の法面からの落石に気を付ける必要がある。 �ぅぅ暫�源頭 イセ谷源頭の昇竜ノ滝の下で一旦左岸にわたり林道の三叉路を経てもう一度昇竜ノ滝下で、イセ谷を木橋で渡る。 �ノ啼蚕�点 分岐点からの林道は昔林道であった場所というに相応しく山側からの崩壊や植生の繁茂によりほとんど登山道のような感じ。林道の終点には打ち捨てられた営林署の作業小屋がある。そこから右折して尾根上に乗る。 �βの喘和� 尾根上を進むとやがて展望が開けるようになり、中央アルプスや恵那山が望めるようになる。道はしっかりしている。途中、造林のための歩道が右に分かれるが入口はしっかり封鎖してある。 ��沢状 そのまま道は沢状を忠実に詰める。 �┷能蕕里海� 沢状を離れ最初のこぶを右から巻いてもう一度こぶを越すと、左に急角度に曲がり平坦な夕森庭園（「高山植物折るまい採るまい」の看板がある）を過ぎ鏡池という水たまりをも過ぎるとひと登りで頂上に至る。 ��頂上 頂上の手前には一つ目の御料局の三角点、頂上にはもうひとつの御料局の三角点と三等三角点そして展望台がある。展望台からは、わずかに御嶽が望める。目の前には見てくれのはっきりしない小秀山、その肩から白銀の白山、振り返ると恵那山などが望める。 (帰路） �［啼擦�ら直接下りず、そのまま直進して銅穴（どうこう）の滝に下る歩道から下りた。入り口はヤブではっきりしないが、よく見ると道がある。道はしっかりしており桟木や桟道などもあるが、上部は笹が繁茂しややうるさい。よく道を確かめること。下部は、感想のところで書いたが、山ノ神への道が交差する。そちらはガレの上部を横切るなど危険性が高いので、しっかりよく踏まれた道を見て銅穴ノ滝に下ること。 |
写真
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忘鱗ノ滝。さざ波のようなやさしい滝です。上流にある昇竜ノ滝に向かう竜が、この滝にぶつかり竜の鱗（うろこ）を置き忘れてしまったという伝説があります。そういわれればウロコのようなキレイな滝ですね。
ところが橋から下流を見ると、全く水がない！この不思議！ 橋の下でこのとうとうと流れている水が沢床に吸い込まれて伏流になっていました！
やがて昇竜ノ滝の直下にある2つの橋が出てきました。下の橋を向こう側に渡り、その先にある分岐を左にとり、上の橋を向こう側からこちら側にわたって登ります。
尾根上をしばしで、展望が開けてきました。ワイルドだろぉ？ すばらしいだろぉ？目の前に見えているのは・1708のこぶ。これの右を巻きます。
目の前に見えているのは・1708のこぶ。これの右を巻きます。
頂上からは、御嶽がかいま見えます。もう少し木を切ってくれたら御嶽の全容が見えるのですが。そういう意味では、小秀山は素晴らしい御嶽を見せてくれました。
バイカオーレン。3月〜4月にかけて、新しい葉が出るのに先駆けて、花茎を伸ばしてその先端に1輪づつ白い花を咲かせます。白い花びらの部分は萼が変化したもので、本当の花びらは中心に近いところにある黄色いスプーン状の部分です。花の形がウメの花に似ており、黄色いヒゲ根を出すところから「梅花黄連」と名付けられました。
帰り、立田林道に登ってくるた道をやりすごしそのまま立田林道を直進し、尾根の突端から銅穴ノ滝へ下ります。こんな感じの道です。上部はササがかぶりややうっとうしい道ですね。
林道に降り立ったところ。ちょっと見えにくいですが、奥に白い標柱がありそれがカモシカ慰霊碑です。川上川の右岸側です。白い標柱の上に山の神の神社があります。ここから上流側に銅穴ノ滝に登ってNJさんを探しに行きました。
感想
近々どこかへ行きませんか？が、それじゃ今週末行きますか？となり急きょ奥三界岳に行くこととなった。NJ氏とは恵那山、南木曽岳、小秀山、奥大井（三ッ峰〜七ッ峰）縦走を一緒に行き、今回で5回目だ。
奥三界岳とはいかにも山の奥深さを感じさせる名前である。じっさい奥三界岳の手前には前衛ともいうべき三界山もそびえていて、奥三界の山体は麓からも望みにくい。三界とは、仏教用語で欲界(ヨクカイ)、色界(シキカイ)、無色界(ムシキカイ)の三つの世界のことを指す言葉であるが、地名の後にくっついて遠く離れた場所を指す言葉でもある。
このあたり江戸時代は良質なヒノキの山地であり御料林として尾張藩の直轄地とされてきた。地元住民の立ち入りはむろん禁止されていたので、より地元からは遠く離れた山という意味で、三界山の名称がつき、その奥にあるから奥三界岳（地元では奥三界山）となったのではないだろうか。
5/25夜7時半に出て一路、東名〜名古屋、中央高速から中津川と向かった。駐車場に着くと一台のクルマもなく、さすがに100名山ではない（300名山）と休前日でも人気（ひとけ）がない。日中は雨が降っていて天気は心配されたが、こうして夜見上げれば満天の星空である。クルマの中でクイズ番組を見ながらビールとワインで軽く前夜祭。クイズ番組は二人ともぜんぜん解けず、ちょっと頭が固すぎ？と笑った。もっとも「ある人が本を読んでいる。その本の値段はいくら？」の問題で、さんざん考えさせてその正解が「4ドル（読んどる＝読んでる）」というくだらなさ。ある芸人回答者が「読む」だから”46円”と応えたらそれは×になった。どうでもいい（笑）。
5/26 朝4:25に起きた。もう明るい。予報どおり快晴だ。もくもくとオニギリ2個を食すと出発した。クルマ止めを越え川上（かわうえ）林道を行く。忘鱗ノ滝を過ぎ、S字を過ぎると銅穴（どうこう）ノ滝。立派で美しい滝だ。右岸には上部の丸野林道への遊歩道があがっている。下山時にここでプチ迷子騒ぎになるとは、このときには夢にも思っていなかった。
滝の脇にある東屋を過ぎ、やがて林道から離れ登山道に分けいる。それを下り、一回に一人だけという吊り橋を渡ると、そこから急登。途中で、滝への分岐を分けしばしで、また林道にであう。丸野林道だ。ホーホーと鳴く鳥がいたり、風の音がひゅーひゅーと聞こえたり。自然の中にいることを強く感じる。少し歩いていくと奥三界岳方面の展望が開けてきた。
最初の橋の手前で山側に分岐する登山道に赤布がぶら下がっていた。三界山への道だろうか。そして最初の橋で越える沢は面白い。橋から上流側を見下ろすとごうごうと水が流れている。ところが、橋の逆側から下流側を見下ろすと水が一切流れていない。よく見ると橋の下で膨大な水が沢床に吸い込まれ伏流となっているのだ。こんなの初めてだなーとNJ氏と話をする。
しかし、この林道、いたるところで山側が崩壊し道路上に落石が散乱している。天気の悪いときにはよくよく気を付ける必要がありそうだ。
最後のイセ谷の橋を渡り、上部で林道は左に支線を分ける。しかしこの支線、もはや林道とは言えず、法面からの瓦礫に埋もれきっている。それをたどりもう一度イセ谷を渡るとしばらくは瓦礫や植生に支配され打ち捨てられた風情の林道をたどり、やがて林道終点にいたった。そこは壊れた作業小屋がある。もうドアも窓もなく使用には耐えないだろう。ここで大休止とし、NJ氏がコーヒーを入れてくれる。至福の時だ。ウグイスが透き通った声で春を奏でている。
そこから登山道となる。登りしばしで植林帯となり景色も広がるようになる。山並みの向こうの方には中央アルプスも見える。これは素晴らしい！やがて沢状に出合い、それを登りきり、一つ目のこぶ（・1708）を右から巻く。もう一つのこぶもよっこいしょで越え、急な登りを登ると登山道は左折し平坦な湿地帯にでる。このあたりが夕森庭園だろう。バイカオーレンやでっかくなった水芭蕉が咲いている。
やがてその道も平坦となり頂上へと導かれる。木製の展望台がシンボルだ。頂上の少し手前にデフォルメされた「宮」の文字が目立つ御料局の三角点、また頂上には三等三角点ともう一つの御料局の三角点がある。つごう三角点は3つあることになる。
木製の展望台の上で大休止とする。目の前には御嶽。それから小秀山。その向こうには白山の壁。振り返れば恵那山。東側は樹林のために展望が恵まれないのが残念だ。NJ氏が地図を見ながら「そうか、ここは岐阜と長野の国境稜線なんだなー」。国境稜線かと思うと何だかすばらしいところにいるような気分になってきた。頂上でラーメンを食すと大の字になって昼寝。とは言っても今はまだ朝8時台。爽快な気分だ。
15分くらいは寝入っていただろうか。1時間ほど休んだあと下山に移る。途中4人のパーティーに初めて会う。やはり名山なのだな。誰もいないということはない。下りの丸野林道でも単独行の人に出会った。
下山は丸野林道の分岐を降りずにしばらく真っ直ぐ行き、尾根の突端から銅穴の滝へ下る道を取るが、上部はヤブがかかっていて入り口が分かりにくい。指導標も立っているが表示は消えて読めない。よく見ると道はあり、最初はササやぶがうるさいが、しばらくすると樹林帯の歩きやすい道となった。
あと少しで川上林道といったところで「事件」がおきた。NJ氏は気がつくとだいぶん先に行き姿が見えなくなっていた。追いつかなくてはと急いだ。トラバースに入り、ガレの上部を回り込むところは危険な場所だった。普通なら追いつくのにずいぶんとまた早く行ってしまったんだなぁと思った。しかしこれまでも下りで先に早く行ってしまうこともあったので「きっと林道で待ってるんだろう」と思った。
降り立ってみると、NJ氏の姿がない。しかもそこは銅穴（どうこう）の滝ではなく、200mほど下流の山ノ神(神社）。おかしー。自分だけ違うところに下った？ それとも先に駐車場に行ってしまった？ NJ氏が下る途中で道から外れた？ とにかくまずい。携帯を何度も試みるが「圏外」で通じない。
まずは銅穴ノ滝まで行こうと思った。（実は山ノ神の地点が銅穴の上部なのか下部なのかも検討つかなかったが、朝歩いた感じから下部と判断した）
林道をあがっていくと銅穴の滝だったがNJ氏の姿はない。ここにいないのはナゼ？ 焦った。私の先を行きどこかで滑落した？ どきどきしてきた。警察に連絡を取る必要がある？ さらに会社にも？ いやいや、日没まで6時間はある。そんな広い範囲でもない。落ち着こう。自分に言い聞かせた。
銅穴に自分のザックを目印として置き山ノ神まで戻ったがNJ氏の姿はない。再度銅穴まで戻る。こちらに降りたなら、ザックを置き自分を探しに行くはずなのにザックがないのはナゼ？ 真っ青になりながら登山道を登り始めた。しばらく登ると突然、見覚えのあるザックが視界に！ NJ氏のものだ！ ややさては、ここから銅穴の沢に滑落した？ 下をくまなく探したが姿はない。そうか、それではきっと荷物を置いて自分を探しに上がったに違いない。それなら良かった！ 二人とも無事だ。が向こうは必死に自分のことを探しているだろう。笛を吹き声を出し続けた。暫くして自分の「おーい！」に初めて向こうからも「お〜い」のかすかな声。
あぁぁぁぁ劇的な”再会”。いやぁ、よかった！NJ氏の話では私がどこかで滑落したと考えた。20分ほど登り返したが発見できなかったので遭難届を出そうとハラに決めて下ってきたという。
何年も山に登ってきたがパーティーを分けてはいけないということが守れなかった。パーティーは少しでも別れて行動してはいけない。このことを肝に銘じた。駐車場で「ほんとヨカッタ！」といつもと違う言葉で固い握手をした。
下山後、NJ氏はメールでこのように言っている。「本当に何事もなくて良かった。今だに、貴殿を探しに山中をうろうろして、もうこのままではダメだと判断した瞬間を思い出すと、気持ちがズシーンと重くなる。何度もオーイと叫んだ声には全く反応なかったので、登り口に近づいて下からの声が聞こえたときにはすぐには信じられなかった。…違う人だろうと。天気もよく、道もはっきりしているとどうしても油断が出てくる。この程度の山なら多少離れていても危険はないし、自分のペースで問題ないと・・と山をなめてしまっていたのか。今回の場合のように下りる道が違ったことだけなら良いが、途中で怪我でもしたらと思うと怖くなる。自分ひとりで山のすべての危険を回避するのは無理だ。お互いが、お互いの状況をしっかり確認できる距離を保って歩くことを肝に銘じておきたい」
駐車場には自分たちのクルマを入れて3台。川越と大宮ナンバーのクルマだった。みなさん、300名山狙いなんだろう。帰りに夕森公園総合案内所に立ち寄った。いろいろと面白い話が聞けた。奥三界岳を訪問する人は結構多いらしい。300名山狙いの人、三角点狙いの人、さまざまだそうである。最近では小秀山から縦走しようとする女子大生のグループからの問い合わせもあったそうだ。このあたり、鹿・カモシカは一杯いるが、どういうわけかサルはいない。また、御料局の三角点が埋められているのは皇室もこの山を大切にしてきたから。頂上の鏡池は、水たまりのようだが、一年を通して水が涸れることがない。
頂上展望台からほとんど御岳が見えなかったでしょ？と聞かれた。そうなんですよ木に邪魔されて・・・と応えると、営林署にも数本木を切ったらどうか、もっと展望が開けるんでは？と話しているそうだが、国有林ということで営林署も首をタテにふれないらしい。仕方なくあの展望台を今の2倍の高さにしたらどうか？と冗談まじりに話をしているんですよなんて話をしてくれた。奥三界岳の話ではないが、前衛の三界山に道をつけたが、沢が大きく荒れ、道型がなくなって登れなくなっているという。それでも登ろうとする人がいて困っていると破顔一笑した。
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