由布岳・鶴見岳☆御来光登山のつもりが

- GPS
- 06:51
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 1,767m
- 下り
- 1,779m
コースタイム
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:52
| 過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
感想
わずか一月ばかり前の九州の出張でもこの由布院の街に投宿し、九重を訪れたばかりなのであるが、由布院の街からすぐ近くに大きく望む由布岳はまさに登山意欲を唆る山である。今回は由布岳に登るべく、再びこの由布院の街を訪れる。
この日は朝からの晴天の予報となる。御来光を期待しての早朝登山と行きたいところであり、そのために前日にわざわざレンタカーを借りたのであった。由布岳のみならず鶴見岳とのカップリングで登ることを決めていたのだが、問題はどちらから登るかである。
鶴見岳の標高が低いので、こちらの方が山頂に辿り着くまでの時間が短いだろうと踏んで鶴見岳からアプローチをすることにする。しかし、登山口への道の分岐点である鳥居がわからずロープウェイの山麓駅から折り返したりして、登山口のある駐車場から歩き始めたのは4時を大きく過ぎてしまっていた。
東の空が徐々に明るくなりはじめたところで、登山路の途中にある展望地からは祖母山系の山々が雲海の彼方に浮かび上がる。山頂からの雲海の絶景を期待して登りを急ぐ。しかし、山頂直下のあたりになると無情にもあたりはガスに包まれ、山頂では電波塔も朧気に見えるか見えないかという程の濃霧となる。
諦めて由布岳へと向かう。霧が薄くなったところで、朧気ながらに由布岳の輪郭が見えるようになると、由布岳の北側のみにわずかに雲がかかっているようだ。結果論ではあるが、先に登る山を間違えたようだ。
広々とした谷を下ってゆく。林の中では終盤の山躑躅の鮮やかな朱色が目を惹く。道が谷沿いに下るようになると、登山路には大きなバイケイソウが咲いている。谷の下部では再び由布岳を展望する。山頂部に雲がかかっているが、それもまたたく間に雲が切れてゆく。左手に大きな堰堤が現れると、まもなく鶴見岳と由布岳の中間地点、猪の瀬戸に辿り着く。
鶴見岳と林相は似ており、最初は広々とした自然林の中を緩やかに登ってゆく。しかし、標高差のせいだろうか、林の中は急に蒸し暑く感じられる。日向越を過ぎるといよいよ斜面のジグザグの登りである。林の中には木漏れ陽がさし始める。今度こそ、眺望を期待して、黙々とつづら折りを登る。
1400mを越えたあたりで高い樹々はなくなり、灌木帯となる。再び彼方に雲海に浮かび上がる祖母山系の山々を目にする。いつの間にか空はすっかり晴れているようだ。背後を振り返ると、鶴見岳の山頂部には雲がかかっている。
山頂部が近づくにつれ、多くの赤い花を見かけるようになる。ニシキウツギの花らしい。斜度がきつくなり、岩場が連続するようになるが、さほど危険な箇所はないように思われる。
お鉢の東端に登ると大きく西峰が視界に飛び込む。下から見上げた由布岳の急峻な印象とは異なり、西峰の山頂部は驚くほどになだらかだ。東峰から西峰に至るには南側のマタエでは大きく切れ落ちており、西峰にはかなりの急な登りが待っているようだ。下山で西峰からマタエに下らねばならないので、まずは登りでコースを確認しておいた方がよいだろう。
東峰の山頂までは一息で辿り着く。その途端、九重連山の眺望が目に入った。雲海が広がっていることを期待していたが、九重まではスッキリと晴れているようだ。下には正面登山口を見下ろすが、登山口には既にかなりの車が停められている。
東峰の山頂からは下りはじめると、すぐに単独行の男性と出遭う。7時頃に下から登り始めたとのことであるが、下からは山頂は綺麗に見えていたとのこと。それにしても、この時間に山頂とは相当に早いのではないだろうか。東峰からは急峻ではあるものの大した岩場もなくマタエに下る。
西峰の山頂へは鎖場が連続するが、最後はなだらかな平地を歩いて山頂に至る。山頂にいる間にみるみるうちに下から雲が沸き起こり、先程まではすっきり見えていたはずの九重連山は辛うじて雲の彼方に望むばかりとなる。山頂から下に見下ろす由布院の街もまたたく間に雲の影に隠れてゆく。
再びマタエに戻るが、登ったところでコースを把握していたので安心して下ることが出来る。マタエからの下りになると続々と登山者とすれ違う。本来であれば好展望が期待できるところであったが、雲に視界を遮られたままだ。
やがて樹林帯に入り、深い森の中を下る。昨日登った飯盛ヶ城への分岐が右手に現れるが、今日はオーソドックスな正面登山道を歩いてみることにする。登山口が近くなると、視界が突然開け、最後は草原の中を歩く。空はすっかり、乳液を流したかのような雲り空となっている。
車を回収するのに鳥居までバスで移動するという方法も考えられるが、バスは丁度、通過したばかりであり、次のバスまで30分近く待たねばならない。この日は家内と別府で待ち合わせをしているのだが、待ち合わせの時間まではまだまだあるので歩くことにしよう。
猪の瀬戸湿原に辿り着くと、湿原を散策しておられるご夫婦がおられた。オオキツネノカミソリを見に来られたとのことであったが、花期にはまだ一週間ばかり早かったとのことであった。湿原には黄色い花が多く咲いている。見慣れない花であったが、ハンカイソウ(樊?草)らしい。九州、四国に多い花らしいが、すくなくとも関西ではみかけない花である。
広い湿原を抜けると林の中の林道を城島高原に向かって歩くことになる。ところどころに小さな草原があり、由布岳の姿を望む。空気はますます蒸し暑さを増していくようだ。最後は車道を歩くことになる、鳥居から車を停めた神社の駐車場に戻るが、神社の参道に脇に沸いていた清水が美味しかったことを思い出し、再び水を汲みにいく。
別府の街に下ると、市内から見上げる鶴見岳は一際高く聳え立つように思われる。早朝とは異なり、山には一切、雲はかかっていないが、高い湿度のせいだろう、鶴見岳のシルエットも白く霞んでいる。別府の明礬温泉で汗を流した後、この日の仕事先へと向かうのだった。
コメント
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山猫














晴天の予報で勇んで登り、途中雲海の絶景を期待しながら山頂に立つとガスで何も見えないとガッカリしますよね。一瞬だけガスが切れてシャッターチャンスなんてこともあったりするんですけど。
山頂部が案外丸いのが意外でした。特に西峰。山頂までが鎖場の連続で、きつそうですね。
次は何方のお山へ上がられるのかな? お気をつけて。
ののさん コメント有難うございます。
>山頂部が案外丸いのが意外
やはりののさんもそう思われますよね。コースのことをあまり詳しく書いておりませんでしたが、今回、私が登ったコースでも正面登山口からのコースでも、急斜面に対しては九十九折の登山道がうまくつけられていて、意外と楽に登れます。
西峰は障子戸とよばれるところが鎖場のトラバースがありますが、登りで足場を確認しておけば、下りでもそう問題はないと思います。この由布岳は晴天の時に登りたいですね。
ののさんもサンフラワーで是非
>次は何方のお山へ上がられるのかな?
乞う、次回ご期待です。
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