猿ヶ馬場山(日本300名山)〜奥深さに惹かれて〜
岐阜県
Junjapa
その他1人 - GPS
- --:--
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,412m
- 下り
- 1,408m
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03:00 起床
04:15 駐車ポイント発
05:45 宮谷林道出合着[1:30]
05:55 同 発
07:20 △1472.3と・1528との鞍部着[1:25]
07:25 同 発
09:30 猿ヶ馬場山頂上着[2:05] 往路計5:00
<復路>
10:00 猿ヶ馬場山頂上発
10:45 宮谷への下降点[帰雲山[・1622]]とオオシラビソノ平との鞍部]通過
11:50 宮谷林道出合着 [1:50]
11:55 同 発
12:40 駐車ポイント着 [0:45] 復路計2:35
往復計7:35
| 天候 | 高曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
<�ヾ靄楞�備> ・5月連休の入山であれば、ピッケルorストックのみ。スノーシュー、輪かんじきは不要。アイゼンは念のため持参したが使用しなかった。アイゼンを使っている入山者はいた。 ・陽射しが強く午後は雪が腐るので、極力早朝の出立を心がける。 ・長時間の行動となるため晴れの日は日焼け止めが欲しい。 <��荻町〜ゲート> ・マイナールートのため一切、指導標や案内板などはない。すべて地形図を見ながら自分自身で判断する必要がある。 ・取り付きまでは暗いとちょっとわかりにくいので明るい内がよいだろう。 ・荻町明善寺の山門の右の低い石垣がある狭い舗装道路を上がるとすぐに左角に墓、右角に合掌造りの民宿がある分岐があり、それを右をとる(左はそのまま集落に下ってしまう) ・林道を上がっていくとすぐに熊手のように3つに分岐するが一番左をとる。 ・2回ヘアピンを過ぎるとゲート。ゲート前には造林小屋があり小屋前は車が3台ほど停められる広場になっている。(作業の邪魔にならないよう停めるのなら寄せて停めること。なお広場の下のヘアピンにも1台は停められる。さらにその下の路肩にも一台停められ、実際に当日1台づつ停まっていた) <��ゲート〜宮谷林道出合> ・ゲートを過ぎて最初のヘアピンを曲がるとすぐに三叉路となり左に上がっていく林道があるが(角に山菜等を採取してはいけないという案内板あり)それを直進する ・下に堰堤の見える沢を横切る。 ・その先で4回ヘアピンを切ると、林道の三叉路となり角にはかわいい造林小屋がある。それを左にとる。(ここはよく間違えられる場所なので注意が必要。小屋を左だ。)緩やかな尾根上をまっすぐ林道はあがっている。 ・林道は本当にクルマが通れるのか?と思わせる急な林道で、登るにつれて、宮谷のひとつ西側の谷底が少しずつ上がってくる。 ・8回カーブを過ぎると谷底が浅くなり林道と接するので、そこから谷芯を直上する。(なお林道はそのまま大きくジグザグを切りながら結局上部のコルで宮谷林道と出合うことになる。しかし時間がかかってしまうだろう) ・雪がまだら状にあらわれる。雪の上にトレースがあった。 ・何度か別れた林道に出合いながらも忠実に谷を遡上し、やがて広い宮谷林道に出る。 <�さ榁�林道出合〜△1472.3> ・雪のかぶった広い宮谷林道を進み二つ目の沢状から右手の尾根上にあがる。すぐに素晴らしいブナ林が広がる。(なお一つ目の沢状から上がって、・1178を越えてもよいが余計なアルバイトとなる。またそれをたどってきたという登山者に会ったが・1178は急な登りだっという) ・標高差300mほどのブナ林の中快適な雪面を登る。無数のブナの実が落ちている。まさに原始の杜だ。 ・1440mの等高線のコブをわずかに右側から巻きながら右斜めに曲がり平坦なピーク△1472.3に導かれる。すばらしい場所だ。 <�ア�1472.3〜帰雲山> ・その先はまるでサッカー場のように広い場所で休息やテントを張るのに適している。 ・だんだんと疎林になり・1528に導かれる。スキーのあとがある。・1528の先に電波中継所があり、その周囲だけ雪がなく不思議だ。熱が出ているのだろう。 ・・1528と帰雲山(かえりぐもやま)とのコルは夏道があがってくる分岐となっている。 ・そこから100mほどの登り。振り返ると素晴らしい展望が広がっている。 ・帰雲山の頂上は何もそれを標示するものはないが頂上の一角に電波中継所があるので目印となる。 <�Φ�雲山〜オオシラビソノ平> ・一旦くだり、目の前の1630mのコブを左から巻く。(帰路はこのあたりから、直接宮谷へ下った) ・やがて尾根は細くなり、このあたりからブナからオオシラビソに植物相は変わる。すばらしい自然林が続く。 ・オオシラビソノ平では右に曲がり、そのあと目の前の尾根を見ながら左に曲がる形となる。ちょうど逆S字を描く形だ。 <�Д�オシラビソノ平〜三角点ノ台地〜猿ヶ馬場山頂上> ・広い尾根をトレースを頼りにしながら三角点ノ台地に直上する。 ・三角点ノ台地は樹林と雪原のミックスとなっており、もちろん三角点は確認できない。 ・そこから右に直角に曲がるがもうそこはほとんど平坦な頂上部の一角。 ・まだかまだかと思うくらい平らな頂上部を東に進み一番高い場所が猿ヶ馬場山の頂上で写真にある頂上標示板が一枚ある。これがこの山唯一のもの。面白いですね。 ・白山の展望、北アルプス、乗鞍岳、御岳の展望など素晴らしい。夏は激ヤブと聞く。だとすればやはりこの山は残雪期こそ登って楽しい山ということになる。 <��復路> ・帰りは往路をたどるのでなく、宮谷を下った。帰雲山の東の鞍部周辺から直接沢を下った。 ・広い雪原を思い思いに下るとだんだんと沢は狭くなるが上部は谷芯をそのまま下る。谷が深くなってきたら左岸の斜面を沢にそって下る。 ・やがて左から沢が合わさってきてそのあたりはわさび田になっている模様。 ・そのすぐ下で、右の山腹(宮谷の右岸)に崩壊地が出てくる。その崩壊地の土砂が沢に流入している地点が「第二徒渉点」となり、そこを目指してくだって右岸に移る。 ・壊れた林道がそのあたりまで上がってきているようであり(雪で確認できず)右岸沿いに下る。雪が腐ってくる。 ・やがて、下に打ち捨てられた軽4輪が対岸に見えてきてそのすぐ下にハシゴで橋のよに据え付けてある。ここが「第一徒渉点」であり再び左岸に渡る。フキノトウが沢山咲いている。 ・そこからは宮谷林道をたどり往路を戻る。 <��日帰り湯情報> ・荻町の中に白川郷の湯がある。 白川郷の湯 〒501-5627 岐阜県大野郡白川村荻町337番地 (05769)6-0026 700円/日帰り ・泉質:ナトリウム-塩化物冷鉱泉 ・ジェットバスなどもあり快適だが、露天風呂は湯面にアカが一面に浮いており新しい湯も供給されていないためきれいではなかった。同行のH2O氏は入ろうとしてそれを見てやめてしまった。 |
写真
4回カーブを過ぎると、左に小さな小さな造林小屋があってそこから荒廃した林道が左手にまっすぐ上がっている。それを上がる。この写真はその分岐。何やら説明板が草に埋もれている。造林小屋の方を撮影すれば良かった・・・
尾根の途中からの猿が馬場山。一番手前がオオシラビソの平。その向こうの丸いピークが三角点の台地。その右にわずかに見えているのが猿。
頂上到着!山名標示板の向こうには白山の大展望。高曇りで光がないが、その分、焼けなくてよい。写っている樹木はすべて枝が右に伸びて偏形樹(または旗型樹)となっている。偏西風の影響を受けて左側には枝が伸ばせないのだ。伸びようとしても風で芽が乾いてしまうらしい。
崩壊地の土砂が沢に流入しているところが「第二徒渉点」。写真に写っている帯びの右上が崩壊地。地形図で表現されているよりも崩壊が進み拡大している。
朝、左下からあがってきて、手前に直進して登っていった。この写真の右上の林道に上がってはいけない。(角に山菜を撮ると罰せられるなどと書いた白い看板あり)
<地元のおみやげシリーズ��>コシアブラ200円。帰ってからかみさんに天ぷらにしてもらった。ちょー美味かった。こんてつというんが通称らしい。
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コシアブラ200円。帰ってからかみさんに天ぷらにしてもらった。ちょー美味かった。こんてつというんが通称らしい。
タラの芽300円。以前とったものよりもバカでかい。
感想
猿ヶ馬場山は飛騨高地にある赤谷山塊の最高峰である。日本300名山であるけれど、夏道がなく、難しい山であることは知っていた。この北陸の遠くまで来た以上、何としても登りたいと思った。
平成3年に出版された「60歳からの日本300名山」(田中三郎著)にはこの山のことが出ている。著者の田中氏はある年の4月、この山を目指したが果たせず、その年の9月、白川村平瀬から保木脇を経て1泊2日で登頂を果たした。
このときは、帰雲山頂にたどり着くのに1日、それから翌日も5時半に出て、4時間をかけて頂上にたどりついている。年齢を差し引いても無雪期に登るのは厳しいものがある。積雪期はヤブが隠れ、格好の登路を提供してくれる上に素晴らしい景観もプレゼントしてくれる。
笈ヶ岳はH2O氏がスパッツなしに登ったので靴がびしょびしょに濡れてしまった。もともとは、笈ヶ岳、野伏ヶ岳、猿ヶ馬場山の3連発でやっつけようとの計画だった。H2O氏はもう帰京したいと戦意喪失の体だったが、スパッツさえ手に入れば登れますよと野伏ヶ岳を断念する代わりに金沢でスパッツを購入して”猿”に挑戦することとした。
スパッツは無事金沢市内で手に入り、ついでに金沢のお茶屋街観光をしたあと買出しをして荻町に向かった。
荻町はさすがにGW。多くの善男善女がそぞろ歩きを楽しんでおり、それを尻目に林道にあがっていくわれわれ々は一体・・・と思わなくもなかったが、パッションが大事!とクルマを進める。
明善寺の先の分岐を右に行き、ゲートまではすぐだった。ゲートの前には造林小屋があり、GWで作業もお休みだろうと解釈しそこで車中泊。(地元の方に迷惑をかけてはいけないので平日はその下のヘアピンに停めるのがよいと思います)
朝4時すぎに出発。まだ真っ暗。迷いやすい林道をよく地図をみながら進み、途中から浅い谷を直上する。今日は高曇り。晴れの日しか登らない主義のH2O氏だが、雨が降らなければ・・・と珍しく殊勝なことを呟いている。
谷はやがて宮谷林道が出合うコルへと導かれ、少しの間宮谷林道をいく。そこから、尾根に出るが、そこは原始の杜。すばらしいブナ林が広がっている。真っ白な雪面に絵のような幹の太いブナ林がどこまでも広がっていてそこにブナの実がそれこそ箱からぶちまけたように無数に落ちている。「食べられますよ」とH2O氏が教えてくれる。食べてみるとクルミのような味がした。
一昨日の笈ヶ岳と違い、山がやさしい。ゆるやかな天然林をゆっくり進む。帰雲山は帰雲城が一夜にして崩壊したという伝説で有名だが、それは麓の方の話だろう、ここは静かにたおやかな山頂を今でも留めている。
疎林の中を緩やかに登り、三角点の台地からは、平坦な頂上部を少しずつ高度を上げながら進み、やがて一番高いポイントと思われる頂上へ。
本日は我々だけか?と思っていたら、さすがに三百名山。すぐあとに大阪から来られたという2人組。宮谷から登ってきたとのことなので、われわれも下りはそのルートをとることとした。
それにしてもの大展望。白山、北アルプス、乗鞍岳、御岳。高曇りで遠くの山の山座同定はできなかったが、すばらしい景色に大満足だった。
下り始めるとひとりふたりと登山者に出合う。カップル、4人連れなどなど全部で結局13人の登山者に会った。
帰雲山の東のコル上あたりから宮谷に直接下る。ところどころシリセードをしながら下る。谷が深くなってきたら左の斜面をトラバース気味に下ると左から沢を合わせるあたりにわさび田らしい小平地。その下で沢に直接下り、右岸の崩壊地で対岸に渡る。右岸をそのままくだり、再び左岸に渡り返すと宮谷林道。
ひたすら下り、ゲートの直前でカモシカ君がいるのをH2O氏が見つけた。われわれのことをじっと見て微動だにしない。キミかわうぃ〜ね〜!!
帰りは白川郷の湯でゆっくり汗を流し、帰京した。
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