長い林道歩きを経て・・和賀山塊 薬師岳
岩手県
秋田県
kamadam
- GPS
- --:--
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,360m
- 下り
- 1,354m
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12:30下山開始-13:55林道に下りる-14:20甘露水で大休止後、出発-17:30到着
| 過去天気図（気象庁） | 2012年04月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
真木林道はまだほとんど雪に覆われていて、車で入ることができませんでした。 この山域に詳しい自然観察指導員、倉田陽一さんのブログ http://www.obako.or.jp/kurasan/yamagaido1index.html |
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感想
薬師岳(1218m)は和賀山塊の主峰和賀岳から延びる秋田・岩手県境稜線上に位置する山。秋田県側から和賀岳に登るには、まずこの山頂に立って、続くのびやかな稜線をたどるのが一般的だ。白神山地に匹敵する広大なブナ原生林やニッコウキスゲなどの高山植物でよく知られるが、仙北マタギたちが猟場とした山域でもある。
4月3日〜4日の爆弾低気圧による強風が吹き荒れた後、ここ秋田もようやく寒さから解放され、秋田市から真白な鳥海山が望める日も増えてきた。今年は寒さが厳しかっただけに、春のおとずれが殊更にうれしい。
早朝自宅を出て間もなく、奥羽山脈の山々がきれいに見えてくる。今日は最高の登山日和になりそうだ。
真木林道は、住宅のある地点より奥は雪に覆われ、全て歩きとなった。もう少し車で入れると思っていたが・・甘かった。日が昇る前に林道歩きを終えたいと気は急くが、早くも雪は腐り始め、ワカン歩行で焦ると前へつんのめってしまう。昔、正月休みにこの林道を歩いて薬師岳を目指した時は、腿まで埋まるラッセルと降りしきる雪で断念し、林道にツェルトを張って一泊しただけで引き返してきたことを思い出す。
初め多かった足跡も、間もなく一人のワカンの跡だけになった。自然観察指導員、倉田陽一さんのものだろう。やがて夏道の登山口、甘露水に着くが、できるだけ直線的に登れるよう、林道をもう少し先に進む。沢の二股から左の急斜面に取りつく。ピッケルを突き刺し、木の枝や突き出た根に摑まりながら、顔が斜面につくような急斜面を喘ぎ登る。呼吸が苦しく、一歩、また一歩。
ルート選びに難しいところはない。途中、無雪期なら良い水場である滝倉という小沢に達する。夏道はここから右手の尾根をトラバース気味に進み、沢の源流部を左に行って主尾根に上がるのだが、私は最初から左手の尾根を真直ぐに登った。
不意に黄色いテープが現れる。この先に行かないようにと書いてある。私はそこを登ってきたんだけど・・と苦笑するが、下る際は確かに十分に気を付ける必要があると思う。下りで右手側に降りていくと、最後は断崖の上に出てしまうことになりかねないからだ。
次第に周囲の白い山々が眩しく見えてくる。遠くは鳥海山が中空にぽっかりと浮かんでいる。深い袖川沢を挟んで、白岩岳と小滝山が大きい。南には甲山が名前そのままの姿を見せ、続く県境稜線の先には真昼岳、その左手奥には焼石連峰がくっきりだ。
目を上に上げて行く手を見ると、土の出た細い尾根が見える。夏道は真直ぐ登って、最後は左手に進んで薬師岳山頂となるのだが、左の山頂直下にきれいな雪面が見える。ここから左へトラバースしてその雪面を直登することにした。こんなことができるのも、残雪期のおもしろいところだ。
スキーヤーなら歓喜しそうな真白い雪面だ。早朝ならアイゼンが必要だろうが、雪は腐り、ワカン+長靴を突き刺し(たつもり)、少しずり落ちながらも、「和賀岳を見るまでは帰れない」の思いで登る。
山頂に立つと、ここで初めて和賀岳の雄大な姿を目にする。秋田県側では大鷲�瑤噺討个譴討い燭箸里海箸世�、まさに大鷲が羽を広げているような圧倒的なボリュームだ。和賀岳を正面に眺めながら、座っておにぎりを頬張る。見渡す視界に人影なく、無風快晴、なんて贅沢なひと時だろう・・・
和賀岳まで足を延ばしたいとも思ったが、私の足では往復4時間はかかるだろう。せめて羽後朝日岳の見える、途中の小杉山までと歩き出すが、右足のかかと外側が痛い。疲労もあり、無念だが薬師山頂へ引き返す。県境稜線を南へ、大甲へ周回することも考えたが、帰りの林道歩きを考え、結局来た道を引き返すことにした。
帰りは山頂直下の雪面は避けて、先に左手へ渡り、夏道のある細い尾根の右側斜面をシリセードだ。止まった地点には登りの足跡がピッタリあり、そんなことにもうれしくなってしまう。登りの足跡を把握しながら、より歩き易いところを下っていく。途中50m程もシリセードしたりする。同行者がいたら楽しいだろうなと思うのはこんな時だ。
林道に下りる最後の急斜面は登りの足跡を辿らずに下りたが、ここには昔使っていたのか、文字盤のとれた標柱が立っていた。積雪期はここから登れば良いわけだ。
甘露水で大休止。この水はとても美味しい。あまりの晴天で今日は1.5ℓ近くも水を飲んでいる。
さて長い林道を帰っていくが、右足のかかと右側の痛みがだんだん酷くなってくる。どうもスパ長のスパイクをワカン中央の布に当てた状態で絞めていたようだ。さらにワカン右側のツメが横を向いてしまって、緩衝効果が働いておらず、足に直に衝撃がきたことも一因のようだ。右足だけワカンを外して歩くが、やっぱり痛い。登り傾斜では平気だが、帰路は当然下り気味の道、痛みを堪えながらしかめっ面で歩く。次の山行のことを考える余裕もなく、まるで修行だが、こんな山行もあるか・・
我家の住所と同じ行政区にある和賀山塊だが、和賀岳にはまだ4・5回しか登ったことがなく、歩いたことのないルートの方が多い。和賀山塊をあえて一言で表すなら、「豊かさ」かな・・と私は思う。「征服」とか「リベンジ」といった言葉は似あわない、歩いていると自分と同化して「自分」という枠が消えるというか、枠を捉える意味さえもなくなる・・そんな豊かな山々に、これからも親しんでいきたい。
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言葉になりませんね。凄すぎです
kamadamさんは、真のソロウオーカーだね。まっすぐに歩いておられる。強い。
それにしても和賀でしたか。私たちとちょうど反対側を登っておられた。６月の小又山でお会いし、１０月の神室で同じ日に山頂に立ち、今回は和賀の両側を同じ日に歩いていた・・・これは一体なんんでしょうか？？
もしかして、私の弟さん
かかと早く治してくださいね。まだまだ残雪の山は魅力一杯ですよ
＊ヤマレコ重いので写真あとでじっくり見ますよ
いいえ、ほめないでください・・
kiyoshiさんが睡眠不足・体調不良の中、上を向いて意欲的・前向きに歩いている時に、私はしかめっ面して歩いていたのですから・・
晴れの予報が出ていた今回は、どこの山に行こうかマジで悩みましたよ。贅沢な悩みですが
kiyoshiさんはよく年齢のことをおっしゃいますが、来シーズンが来るのかどうか、私にとってはわからないので・・
最初は残雪期にまだ登ったことのない、和賀山塊前衛に位置する小滝山や白岩岳を考えていました。だけど県境稜線まできれいに晴れるとわかったので、もっと奥まで入ろうと・・・
kiyoshiさんたちが羽後朝日に登っていたと知って、私もビックリでした
やっぱりがんばって、せめて羽後朝日の見えるところまで行っておけば良かったな
僕はこの記録を読んでなんだか納得しました。
同じ景色を眺めていたのは偶然ではなく、必然だったような気がします。
羽後朝日の山頂でkiyoshiさんがkamadamさんに連絡とろうとしていたのを思い出しました
繋がっていますよね。
山頂でお互いを確認し合えたらお祭りでしたね
この運命的な状況に興奮してしまいました
私もあまりの好天に、山頂からkiyoshiさんに連絡とろうかな・・
実は前日、羽後朝日の登り口へ偵察に出かけていたのです。あきらめてこっちにしたのですが・・
もし私も登れていたら、まさにお祭りでしたね
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