野登山~仙ヶ岳☆三叉の花咲く森を抜けて
三重県
滋賀県
山猫
yamaizu
体力度について
- GPS
- 07:14
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,291m
- 下り
- 1,285m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 7:14
| 天候 | 晴れ、一時雪 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
仙ヶ岳からの下りの白谷コースは谷の上部では登山道は不明瞭であるが、テープは頻繁にあり道迷いの心配はない |
写真
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感想
この日曜日から花冷えというのか寒の戻りとでも云うのか、3月下旬として季節外れとも云うべき寒波が到来するようだ。寒波が到来した後であれば山によっては霧氷も期待できるだろうが、山の上で雨に祟られると罰ゲームのような山行になりかねない。北山、比良、湖北、台高は何処も好天を期待することが難しそうであるが、唯一、晴天の予報が出ていた鈴鹿南部の山に焦点を絞る。以前より気になっていた仙ヶ岳の登山ルートを調べてみると、東の山麓からの登山路では三叉（ミツマタ）が満開らしく、このルートを経由して野登山から仙ヶ岳へと周回するコースを考える。
野登山の登山口のある坂本の棚田にある駐車場に辿り着くと、既に駐車場は満杯である。いくら花の時期とはいえ南鈴鹿だからそれほど人はいないだろうと高を括っていたのは大間違いであった。我々が車を停めて準備をする間にも既に準備を整えられた登山者達が続々と出発してゆく。
驚いたことに登山者の中に若い女性が占める割合が圧倒的に高いことだ。いわゆる山ガールと云われる人達だろう。若い男女のカップルもいれば、女性だけのグループもいる。他の山域とは登山者のポピュレーションが全く異なるようだ。普段は滅多に人と出遭わない山行ばかりなので、このように多くの、しかも女性が多い山に入ると何とも場違いなところに来たような気がして困惑する。
天気予報どおり青空が広がるが、寒波の影響だろうか、風が強い。棚田の上では空に浮かんだ多くの綿雲が勢いよく流されてゆく。棚田を過ぎるとすぐにも杉の植林地の中の林道を行くようになる。
林道が終わり山道になるとすぐにも登山路脇に黄色い三叉の花が登場する。花に見惚れていると、登山路から離れた沢沿いで手を振っておられる方がいる。よくよくみたらflatwellさんであった。なんと素敵な山ガールさんを連れておられる。流石である。
Flatwellさん達と合流し、林の中を進むとすぐにも三叉の大群落が現われた。杉の植林地の斜面は上の方に至るまで三叉に覆い尽くされている。上空を雲が流れていくせいだろう、杉林の中には陽射しが差し込んだかと思うと、気まぐれに消えてゆく。
林の中に光が差し込んだ途端に三叉の花はスイッチが入った照明燈のように光輝く。陽射しが消えるとそれまで白く輝いていた球形の花は途端に黄色い色を取り戻す。林の中に何処までも続くかのように思われる黄色い花は遠目に見ると杉木立の中でふわふわと漂っているかのようだ。花に近づくとほんのりと蜜のような甘い香りが洩れ出ている。
三叉に夢中になっている間に後ろから来る人達に次々と追い越され、また上からも続々と人が降りてこられる。野登山の山頂を往復して来られたにしてはかなり早いように思われるので、この三叉の森で折返されたのだろうか。それにしても相変わらず女性の割合が圧倒的に高い。山ガール向けの最近の登山雑誌にでも紹介されたのだろうか。単独行の女性の方も少なからずおられる。偶々かもしれないが、この日は最後まで男性の単独行には一人も出遭わなかった。
女性たちの賑やかな声が響く三叉の森を後にし、杉の植林地の急登になると途端に人気（ひとけ）がなくなり、全く人に出遭わなくなった。先程までの賑わいが嘘のようだ。それまでは南斜面を登っていたために風の影であったようだが、稜線である仙鶏尾根に出ると途端に風が強い。
ところでこの仙鶏尾根、仙ヶ岳と野登山を結ぶ尾根であるにもかかわらずこの鶏の字は果たして何処から来たのだろうと訝しく思って調べると、野登山の別称である鶏足山に由来するらしい。実際、この山にある野登寺（やとうじ）の山号は鶏足山である。
杉林の急登を登るとガードレールを有する舗装路に出る。この舗装路は電波塔のあるピークへと登ってゆくようだ。仙ヶ岳から鎌ヶ岳の特徴的な鋭鋒へと連なる鈴鹿の主脈を見晴らすことが出来る。入道ヶ岳の右手には四日市の市街を展望する。彼方に見える高層ビル街は名古屋だろうか。
左手に分岐する国見広場への林道を辿ると、右手に「三角点↗」と記された道標があり、若い女性のグループが何組か降りてこられる。小道を辿り三角点を目指す右手には湿地のようになった池があり、池の畔には立派な杉の大樹が目立つ。野登山の三角点のある山頂は樹林に囲まれた小さな広場であった。三角点の向こう側に掘割の道が見えたので、この道を辿り、再び先程の湿地に出る。杉の大樹の近くで、木陰で風を避けながらランチとする。まずは小籠包と肉饅を蒸し、次はベーコンとしめじを炒めてチャーハンと合わせる。
再び舗装された林道を下ると仙鶏尾根に戻り、仙ヶ岳を目指す。尾根はすぐにもヤセ尾根となり、小さなアップダウンを繰り返しながら岩場を越えてゆく。後ろから家内が私を呼び止める、何かと思えば、猩々袴（ショウジョウバカマ）がいつくか咲いている。この岩稜の多いヤセ尾根で花に出遭うとは全く期待していなかったのだが、その後も尾根上では薄紫色から赤紫色のものまで、ちらほらと猩々袴を散見する。仙鶏尾根の鞍部を越えると意外にも梅花黄蓮も咲いていた。
仙ヶ岳の東峰への登りに差し掛かると、空から白い粉が舞い降りてくる。まさか、と思ったが、雪である。東峰の山頂は樹林に囲まれているが、山頂の北側からは縦走路の見晴らしが良いはずだ。しかし、先程まで見えていた鎌ヶ岳の鋭鋒は瞬く間に雪雲の中に消えてゆく。
小さな鞍部を越えて西峰に辿り着いた頃には風も強く、吹雪の様相を呈してきた。
山頂から下り、鞍部から白谷に入ると、南斜面に入ったせいだろう、途端に風もほとんど感じられなくなる。伏流の谷には落ち葉が堆積して登山路がわかりにくい。落ち葉の踏み抜きに注意しながら、急下降が続く谷筋を黙々と下る。登山路は不明瞭ではあるが、頻繁にピンクのテープがつけられている。
白谷という名前の通り、谷には白く大きな岩が多い。傾斜が緩やかになると谷筋に少しずつ水が現われ始める。渡渉地点で岩の上についた濡れた足跡が見えたので、少し前を先行者が歩いていることを知る。すぐにも若い男女のペアに追いつくが、仙ヶ岳の山頂におられた時にはまだ晴れていたらしい。先程の雪が下に降ってくると霙になることが心配されたが、仙ヶ岳東峰から南に延びる尾根を周りこむようになると晴れ間が見える。登山路脇には数多くの藪椿の花が咲いている。
南尾根からの登山路と合流すると後は延々と林道歩きだ。林道の谷側の斜面にはコバノミツバツツジが赤紫色の花が目に鮮やかだ。林道から坂本の方に向かう農道に入り、ショートカットをしようとして驚いた。そこにあるのは成長しきって濃密な藪となったお茶の樹である。茶畑の中の荒れた農道を藪漕ぎすると整然と並ぶ現役の茶畑の間を通る道に出るのだった。ここからは東海自然歩道となり、小さな棚田を越えて車を停めた坂本に出る。
野登山の登山口からまだ下山してこられるハイカーがいるが、やはり女性が多い。駐車場に戻るとさすがに残っている車はわずかである。車に乗り込んで鈴鹿I.C.に向かうと、路面が濡れている。山頂で雪を降らせた雲は東に流れて、このあたりで雨を降らせたようだ。能登山のあたりを振り返ると、入道ヶ岳の方は雪雲に烟っているようだった。
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shibawannko さん
天候でここに決めたんですが、全く同じ考えでしたね。
もうひとつの山は中止して野登山に変更したんですね。そうとは知らず、私らは鶏足寺で食事してました。
私は膝が悪化し、もう一人は初心者で、ゆっくり登山でした。骨折が治ったようで、もうとても着いて行けませんです。いつか山頂で待ち合わせて食事だけでもお付き合いください。
この日はこのあたりのみが晴天が期待されるようだったのですが、少なくとも仙ヶ岳の山頂にいた時間以外では概ね正しかったように思います。flatwellさんはきっとどこかにお二人で出掛けるかなと思ったのですが、さすがに南鈴鹿にお誘いするのは・・と二の足を踏んだのでした。まさかまさかです。
野登山の山頂を周回する道路をお寺の方に反時計周りに歩かれたのですね。登山路脇で食事をしていたので、絶対にお会いできるかと期待していたのですが。
今回は仙ヶ岳を予定していたので、足早に野登山を後にしましたが、また改めてどうぞ宜しくお付き合い下さい。
日曜日に行かれたんですね。週末の「てんくら」見ておりましたなら「やめとこ〜」ってなりまして、私は仕事しておりました。
仙ヶ岳では、雪もチラついたとのこと。吹雪の様相？？ 寒かったでしょ。
ヤマレコユーザーさんのお便りで野登山の「みつまた」が満開なのを知り、週末に行かないと時期を過ぎてしまうかなと思って、同じようなルートのプランニングしておりました。逆回りですけどね。仙鶏乗越から野登山のルートは踏んでいないので丁度いいなと。
聞く話では、坂本の棚田無料駐車場は、この時期８時でも遅いそうですよ。溢れると路駐できる箇所が少なく苦労するかと。
茶畑のショートカットは巧く行ったご様子。コツが要りそうですね。
PS 以前言っておりました「みちびき」対応のスマホに替えた話。以前使っていたスマホのGPS機能も結構よくて、登山道でのログ録りでは、あまり実感もなかったのですが、今日、車で出かける際にログ録りしておりますと測位精度が上がった実感ができました。
15m間隔でのログ録りですので多少のずれはあるものの、行きと帰りのログが重なっている個所も多く、４車線の道路では上りと下りがきっちり分かれておりました。
電子基準点へのシステム対応は未だなのでＴＶで耳にする「数�儻躡后廚鰐詰�ですが、米国GPS、ロシアGLONASSと合わせると精度が上がるものかと。
EUのGalileoと中国のBeidouにも対応とのことですが、こちらの精度はよくわかりませんけどね。
やっぱりバッテリーも持ちがいいですね。私の普段使いで６日持つって言ってたでしょ。
六甲山へ行った時も自宅から電源入れて、山では地図ロイドでの現在地確認及びルート確認、ログ録り、LINE、写真、電話は１通話だけですけど。 行き帰りにLINE、電車・バスの時刻検索アプリ、ネットを少々使って帰宅時は、残り68％でした。
なんか嬉しくって「PS」長文になってしましました。すみません。
ののさん コメント有難うございます。
＞週末の「てんくら」
「てんくら」は私はみたことがありませんでした。天気予報はあたることが多いですが、予報が難しい時もありますからね。雨雲レーダーは頼りにしますが、こういう日は難しいと思います。
＞仙ヶ岳では、雪も
気温はそれほど下がっていないのですが、風が強かったので、確かに後半はウィンドブレーカー代わりにマムートの雨具を羽織っておりました。京都は明らかに今日の方が寒いですよね。朝は比叡山も愛宕山もかなり白かったですし。
＞逆回り・・
そういえば三叉の美味しいところを最初に通過するか最後にするか・・・そんなことを楽しげに話しながら歩いているカップルがおられました。
ののさん、一人で行くのかな？浮きますよ〜
＞坂本の棚田無料駐車場は、この時期８時でも遅い・・・
確かにそうかもしれません。ただ、路肩の路駐を厭わなければ、駐車地を探すのはさほど困難には思いませんでしたし、9時前でもまだ続々と到着されていたように思います。
＞GPS・・・
実は今回、一番役に立ったのが茶畑の横断でした。
ついつい使ってしまうのですが、時には昔ながらのコンパスも・・・と思う今日この頃です。
yamaneko0922さん、こんばんは。
この日は仙ヶ岳だったのですね。私も鈴鹿の御池岳をコグルミ谷から鞍掛峠までの周回ルートを予定はしてたのですが、同行者が天気が悪そうなのでキャンセルしてしまい、中止になってしまいました。当日の御池岳の他の人のレコを見る限り雪がたまに降った位で一人でなら確実に登ってましたが。
仙ヶ岳は意外にも杉の巨木があるのですね。写真で拝見する限りかなり立派な杉に見えます。さらにショウジョウバカマやバイカオウレン等の山野草も咲いていて、ワイルドで少し危険な所もあるという私の仙ヶ岳のイメージとは違った一面でした。
ミツマタの群生地も圧巻ですね！中々遠出をしないとここまでの群落は見れないでしょうね。
今年は石水渓からP756付近にあがり、鈴鹿峠の宿で一泊しでジビエとお酒をいただいて三国岳まで縦走を予定しております。
油日岳や三国岳は２年前に登ってますので、最南部のピークは無視してアッサリ下山するつもりですが。
yukkyさん コメント有難うございます
＞天気が悪そうなので・・・
天気予報は裏切られることはしばしばありますからね。それも嬉しい誤算もあればその反対もある訳ですから。眺望を求める山行か、花を求める山行か、それにもよりますよね。ところで、そのルート、雨だったら栗鼠さんはどうなのかな
＞仙ヶ岳は意外にも杉の巨木・・・
いえいえ杉の巨木があるのは野登山です。仙ヶ岳は他のルートは知らないですが、さほど危険だとは思えませんが、尾根にはほどほどの岩稜があります。
＞ミツマタの群生地・・・
群生地はもっと圧感なところがありますよ、それも意外と近い場所で
＞今年は石水渓からP756に・・・
私もいつかは南鈴鹿の縦走をと思いつつ、まだ果たせておりません。鈴鹿峠にそんな魅力的なお宿があったんですね。いい情報を教えて頂き、有難うございます。
新名神も開通したことですし、新しい鈴鹿のI.C.に足を運んでみようかなと思います。
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