小室山〜鰍沢 / 落語「鰍沢」の世界をたどる道



- GPS
- 04:10
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 232m
- 下り
- 242m
コースタイム
09:15 青柳の昌福寺-09:30
10:00 妙性寺
11:00 小室山妙法寺(毒消しの護符を買う)-11:40
11:50 懸腰寺(法論石を参拝)-12:15
13:05 国道52号線富士橋西詰(鰍沢富士川岸)
13:10 山梨交通バス鰍沢営業所
天候 | 終日薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
車でアクセスした場合は富士川町役場か青柳活性館駐車場を利用。 昌福寺は国道52号線側が正面入口なので「青柳二丁目」交差点からアクセスする。 その後のいわゆる「小室道」は歩道のない道ですが、さほど交通量もないので快適な散歩ができる。 妙法寺までは分かり易い道。法論石のある「懸腰寺」は路地の先のような場所だが案内板がしっかりしていて迷う心配はない。 そこから鰍沢に下る道は途中獣除けのゲートあり。その先はメンテされてない荒れ果てた古道で数カ所の崩落もあるので注意が必要。 トイレは「小室道橋」南詰め道路脇、「日出づる里活性化組合直売所」隣の公園、妙法寺境内にあり。 お昼を食べ逃した「青柳活性館(青柳宿やなぎ亭)」は火曜定休。メニューは「麦とろ飯」だけです。詳細は下記で。 http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~fujikawa/osusume/osusume_5.html [写真] 下の写真はすべて地図上に撮影ポイントが落としてあります。写真番号と合わせてご覧下さい。 |
写真
感想
みなさま、あけましておめでとうございます。
冬真っ盛りで寒いというだけの理由で山行きを渋っているpasocomでございます。本年もなにとぞよろしくおつきあいの程を・・・。
さて今回は私の地元で落語「鰍沢(かじかざわ)」の舞台を巡ってみようという趣向で。
「鰍沢」は三遊亭圓朝作で知る人ぞ知る大ネタ落語。
その昔身延山へ参拝に行こうとした男、当時のしきたりにのっとり、まず青柳宿で「昌福寺」にお参りし、その後小室山妙法寺にお参り。毒消しの護符を頂き、近くの「法論石」にもお参りしたあと鰍沢に出て本山(身延山)に向かうという旅に出ます。その途中で大雪に立ち往生して一晩の宿を求めたのが以前江戸でなじみだった花魁(おいらん)の住まい・・・はてさて。
雪は降っていませんが、この季節にこの話の通りの道を歩いてみようと思い立って出かけました。
まずは現在の富士川町青柳の昌福寺。ここは現在でも「虫切加持(むしきりかじ)」といって子どもの夜泣き(かんのむし)を一挙に鎮めるということで知られております。祈祷は春秋の彼岸に行われるそうな。夜泣きのお子様に困っておられるご両親はぜひご祈祷を。
お寺はとても広い境内で大きな山門や本堂の建物が寺の格の高さを示しているようです。
pasocomは寝付きもすこぶる良く、虫加持不要でしたのでここはお参りもそこそこに早速「こむろみち」と言われる小室山妙法寺に向かう道を進みます。
戸川という川を渡ると小室山に向かって山の中に進む道ですが、その手前に小さな「妙性寺」というお寺がありました。「妙」が付くのはみな「日蓮宗」の証拠です。
このお寺も境内に日蓮上人の像が建ち、「南無妙法蓮華経」の碑も建っています。小さいながら美しさのある良い寺でした。
「畔沢川(くろさわがわ)」という川に沿って妙法寺に向かうと途中に「妙法神社」という小さなお社がありました。赤い鳥居のれっきとした神社のようですが、「妙法」という日蓮宗の名前が付いているところが実に不思議です。
目的地の小室山妙法寺は、現在「ゆずの里」として有名な「穂積」という集落の奥にあります。
「ゆず色」のゆず直売所の脇には大きな山門。それをくぐっって進むと両側は昔の門前町の面影が残り、宿坊というのか旅館なのか、趣ある建物がいくつも残っていました。その正面に堂々と立つ山門の先、石段を登ると本堂のある境内です。
寺はまたの名を「あじさい寺」と言われるほどあじさいが咲くのですが、今はもちろん枯れ枝ばかりです。
本堂の横の社務所で落語のキーワードである「毒消しの護符」を買い求めます。値段500円。「飲み方知ってますか?」と言われて、「えー飲めるんですか?」と言ってしまいましたが、落語ではちゃんと飲んでいたのを後から思い出しました。
護符を手に入れた後は第二のキーワード「法論石」を訪ねて「懸腰寺(けんようじ)」へ。
懸腰寺は妙法寺の手前の交差点の反対側、あたかも妙法寺と向かい合うような丘の上にありました。
法論石は寺の庭にでも転がっているものと勝手に思い込み境内をうろつきますが、いっこうに見あたらず。開いていた扉から本堂に入ってみると中央に据えられた厨子の台座部分が巨大な石ではありませんか。これが法論石でありました。
外から縁の下を見れば石は地面に据えられておりその周りに寺の建物が造られたものとわかりました。
法論石を参拝したあとは落語の順序に従って鰍沢に降りて行きます。
ここで25000分の1地図をじっくり眺めて鰍沢に降りる古道らしき道を発見。懸腰寺から南の沢沿いに富士川まで下る道です。
ところがこれはまさに古道、今は誰も通らないような荒れ果てた道でした。草ぼうぼうはなのはいいとして、ところどころ崖崩れや路肩の崩壊があり、一部怖いような箇所もあります。ここに雪が降ったら確かに行き倒れてしまいそうな雰囲気・・・。
しかしまあ途中に花魁が住んでいそうな小屋もなく、一時間ほどで富士川が見える鰍沢の町中に到着しました。
このあたりの富士川も落語に描写されているほど急峻だったり急流でもありませんでしたが、なんとなくかつてはそんなだったのかな、と思わせるような雰囲気が漂っているから不思議です。
歩いてみると思ったより短い行程で話ほど奥山でもなかったのですが、そこかしこに寺社が散在して歴史を感じさせてくれるいいハイキングとなりました。
落語「鰍沢」とその背景については下記サイトが詳しいです。ご興味ある方はご一読を。
http://ginjo.fc2web.com/213kajikazawa/kajikazawa.htm
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
pasocomさん、今年もよろしくお願いします。
pasocomさんの山行は動機付けというか目的が多彩で、レコ
を興味深く拝見できて楽しいです!
思わずご紹介サイトも熟読しちゃいました。
150年前のいでたちなら極寒だったでしょうね。
いつも当方のレコ気にかけて頂いているようでありがとうございます。
山梨は年末から連日良い天気で、毎日が「山行日和」なのですが、いかんせん寒い!、ということでたとえ体力・技能があっってもとても皆様のような雪山になぞ行けそうもありません。
そんな折に思い浮かべたのがこのハイキングでした。落語はもともと大好きで東京に住んでいた頃は足繁く「新宿末広亭」の寄席を聞きに行っていたほどでしたから、その中で自分の地元を舞台にした「鰍沢」を知り、旧知の地名が出てくるのに驚いたものです。
しかし一方、山梨はそんな雪国じゃないぞ!、という突っ込みもしたいところ。でも実際その場所を歩いたわけじゃなし・・・。そう思うと、これはぜひ一度は実際に歩いてみなければ、と思ってはいたのでした。
話の舞台は冬ですからこの時期には絶好。しかも当時の道かと思える古道も発見できて大収穫のハイキングになりました。
こんな山行レコですが、楽しく読んでいただけたようで大変うれしいです。
こんなキワモノレポだけでは恥ずかしいので次回はぜひまっとうな山行レポしたいと考えているpasocomでした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する