渓中1泊で大台ケ原大杉谷・西の谷遡行&撤退〜試練の連続…



- GPS
- 21:19
- 距離
- 29.4km
- 登り
- 2,861m
- 下り
- 2,869m
コースタイム
- 山行
- 12:49
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 13:48
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 7:53
地形図との比較で言えば前者と思います。
我が家がルンゼから登った沢付近が巴滝、国土地理院の巴滝の位置は夫婦滝ではないかと…
渓中、GPS荒れてます…
天候 | 15日16日とも晴れ(下山後大雨警報出てました…) |
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過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
前夜7時頃到着しましたが、星空の鑑賞の人が大勢。駐車場は7割ほど埋まってました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ビジターセンター〜日出ヶ岳〜堂倉橋 一般道。特に危険個所はなし 堂倉橋〜西の谷〜栗谷分岐〜三滝〜巴滝 ヌメリがキツく、水量多く流れも速い。ゴーロも大きすぎで、容易に遡行できなかった。 周囲はほとんどゴルジュとなっており、2〜3mtのゴーロを越えるだけであっち行ったりこっち行ったり… 高巻きも先日の大雨のせいか崩落多く、草付もドロドログズグズの斜面で大高巻きの連続となりました。 詳細は感想にて。 巴滝直上林道〜西の谷〜西谷橋 林道は崩落だらけでまともに歩けません。途中で沢に戻って西谷橋まで遡行。 西谷橋〜大台辻〜川上辻 西谷橋〜大台辻までは相当荒れてます。歩いた感じ一般道ではないですね… 大台辻〜川上辻まで、一般道となっていますが現在通行止めの様でした。(大台辻到着時に看板がありましたが、どうすることもできずそのまま進みました) 歩いていて特に問題あるとは思えませんでしたが、これまでのルートで麻痺していただけかも… |
その他周辺情報 | 入之波温泉(@600) 秘湯っぽい雰囲気で良い温泉と思います。 |
写真
装備
備考 | ロープは30mt持参したが、今回は50あった方が良かった… |
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感想
海の日連休。ウタは学校行事でマレーシア人とお泊り交流会。父とオトでどこ行こう。
まったり行くなら北ア針ノ木周辺を散策。それか北穂東陵か、渓中泊出来る沢。
オトはまったりしたいと言うに決まってるけどそうは問屋が卸さない。
と言う事でじーじさんに情報貰って大台大杉谷源頭域にあたる西の谷に1泊2日で向かうことに。
色々調べたけど、西の谷は大きく2つに分かれてるよう。
1つは堂倉吊橋から遡行して三滝・巴滝越えて西谷橋まで。これが下流部。もう1つが西谷橋から遡行して川上辻や日出ヶ岳へ直上する上流部。
情報は上流部が多く、下流部の情報が殆どない。じーじさんにコピー貰った古い遡行図と、地形図でシミュレーションしてみる。
下流部の僅かな情報を整理するとゴーロが大きく難儀する事、巻きが不明瞭である事。ただ小さな小滝は直上したりしてるので、遡行図にある滝さえ処理できればなんとかなるかな…と思ったけど…
実際は中々…
時期的なのか滑りがキツく、単純な歩行も気を遣う状態。先日の大雨のせいなのか、台高の沢はそもそもこんなもんなのか分かりませんが、水量・水勢ともに結構キツい。(参考にさせてもらった幾つかのブログの写真より水量多かったので、多分先日の大雨の影響と思います…)
両サイドは大半がゴルジュで、2〜3mtクラスの大岩ゴロゴロ…
以上の事から、どこでも好きなトコ歩け…とはいかなく、ピンポイントで遡上できるコースを探す必要がありました。
左岸と右岸を行ったり来たり、しかも渡渉はヌメヌメで気を使うし、時間かかってしゃあない感じ。
それでも栗谷分岐までは特に問題なかったんだけど、西の谷入ってからずーっと核心部。
以下遡行詳細
栗谷分岐直ぐの2条滝。
右岸のバンド伝ってルンゼを巻き上がる。但し斜面ズルズルなので念のためロープだす。向かって左の滝口に降りる。
三滝・一つ目の10mt直瀑
釜が深い。釜の奥の方に登れそうなバンドがありそうだけど、岩陰で様子が見えない&まだ泳ぐ気分になれないので、左岸手前のルンゼ脇の草付から巻く。
1ピッチ目でトラバースしようと試みるも相変わらずのズルズル斜面。2ピッチ登ることに…
既に滝は遥か下に見える…そこからトラバースで1ピッチ。懸垂で斜めに降りていき2ピッチでようやく滝の落口へ。
2ピッチ数十分で巻けると思ったのに、合計5ピッチ1時間強掛かってようやく巻けた。
落口で下覗くと、見えなかった釜奥のバンドが簡単に登れそうだったというオチ…
三滝・二つ目の2mt
こちらも釜が深い。左岸から泳いで取付き、滝を直上する。
父先行で登り、オトを引っ張るも水の勢いが強すぎ、"アーレー"とか言いながら3回釜に流される。傍から見るとオトが釜で水遊びしてる風にしか見えない。
4度目、ATCで確保しようやく通過。
こんな簡単そうな滝で苦戦するとは思ってもいなかった…
三滝・三つ目の6mt斜滝
記憶にも写真にもないと言う事は簡単に登れたか巻けたかだと思う。
折れ滝12mt
右岸ルンゼを大きく高巻いた。崩落間もない感じのルンゼをノーザイルで40mtほど登り、安全を確保するため大岩上のバンドを登って巻いた。下りは2ピッチ懸垂で沢筋へ。
この時点で14時回ってしまっている…
大高巻き林道脱出のプランを検討し始めるけど、取り合えず遡行続行。
巴滝15mt
左岸巻いたという記録も見たことがあるが、崩落していてとても巻ける気がしない。そもそもその記録より明らか水量多いし、そこまで20mtほど泳がないと取り付けないし…
右岸は完全に岩壁。というよりずーっとゴルジュ。一番滝から近いルンゼを途中までノーザイルで登り、右に見えるバンドを狙って1ピッチ、オトを先行させる。
"どうみても壁にしか見えん"とオトの返事。
ルンゼ真上も岩壁。左の尾根も越えれそうな雰囲気なし。
で、結局2ピッチ懸垂で沢に戻る。
時間は16時。ココでビバークするか、もう一つ下流のルンゼで林道まで巻き上がってビバークするか…
GPS見るもどう見てもこれ、地形図の滝の位置狂ってるよね…と言う事で、自位置を再確認し、地形図と遡行図でこのルンゼで林道出られるか検討してみる。
万が一、林道出れない場合は、明日懸垂で下まで降りよう…と言う事で、計画には緊急用で記載した林道への脱出を試みる。
ガラガラのルンゼ、約150mtの大高巻き敢行。
絶対に無理しないがモットーの我が家の決まりを二人で確認し、2か所ほどロープ出したりしながらルンゼをゆっくり登る。途中、何度か惑わされる分岐で都度地形図を確認し、上部に林道発見。
18時、無事林道へ脱出。
ふぅ…
林道とはいえ、まったく人の気配がしない林道(後でわかったが結構昔から通行止めになっていた模様)を、取り合えず水の確保が出来る場所まで歩きビバーク。
幕営はツェルト。軽量化と安全確保優先でガチャ類多めだったので、シュラフは無し。
装備解除しツェルト張ってビール飲んで食事を取って…ようやく緊張の糸が切れた二人。
ペラペラ銀マット敷き、タイベックシートを掛けて寝たんだけど、快適な睡眠を取ることが出来ました。
翌日…
もう遡行する気はなし。歩けるとこまで林道歩いて、そのまま西谷橋から一般道で帰ろうぜって事でゆっくり支度して8時頃出発。
沢筋は全部と言っていいほど崩落している林道を進み、比較的下りやすそうな支沢を下って西の谷復帰。
前日とは打って変わってなだらかな沢を、時に泳いだりしながら遡行。
途中にある堤防で懸垂の為に1度ロープだした以外は特に問題なく西谷橋へ。
このまま遡行続ければ日出ヶ岳に直上できる。もちろんその気はなっしんぐ。
それに西から雲湧いてきてるの見えてたし。
靴を履き替え、近くの岩でハーケン打つ練習とかして…
お腹すいてきたし大台辻までの道を進みます。
橋は壊れ、斜面は崩れ…結構荒れてる登山道を、筋肉痛と闘いながら進む二人。
大台辻でしばし休憩。
ん??
休憩中、帰るべき方向にトラロープ張ってある事に気づく。
オトが裏返って落ちている看板を見つけて持ってきた。嫌な予感…
"川上辻まで崩落の為、通行不可"
やばい、心折れそう…
計画では一応、緊急時の退路として検討していたけど、まさか通行止めとは…
他のルートだと崩落している林道を無理やり下って栗谷小屋まで戻り、そのまま日出ヶ岳登るか三重県側に下りるか…でも時間的に到底無理。
一応登攀具ある訳だし、無理やり尾根筋歩くか、崩落しているであろう登山道を進むか…距離的に4キロ程度だし、昨日の高巻きよりマシだろって事で、通行不可ルートを進むことにしました。
結果的に若干荒れてはいたものの、少々難路と言っていいかどうか程度のルートだったので、ロープ等不要でありました。
川上辻着いたら二人とももうフラフラ。
西谷橋で見上げた、湧き上がる雲がいつの間にか大峰方面を覆っていた。危なかったぁ…
ビジターセンターまでの1.2キロを遠く感じながらも無事車に帰還。
高巻きの藪漕ぎでドロドロ、そして場違いな装備で恥ずかしいのでとっとと車に乗り込む二人。
帰りは入之波温泉で汗を流し、橿原のクルクル寿司で腹いっぱい食べて無事帰宅。
今回の遡行に関して。
後で写真を見比べたら、やはり今回水量が多く、水勢が強かった。(梅雨時期だからなのか、先日の大雨の影響なのかは分からない)
この時期の沢特有なのか、台高の沢の特徴なのか、ヌメリがキツく、フェルトソールでもズルズルだった。結果的に水線歩くとバランス取るのに余計な体力を使う羽目になり、仕方なくゴーロを巻くのに結構時間&体力を消費した。
水量多かったため、小滝とはいえ流芯突破が困難で、小さな巻きが連続して時間を取った。
基本下流部序盤の大半がゴルジュ帯なので、巻きの大半はルンゼかルンゼ脇の草付か。ただ、これも時期的か大雨の影響か、ズルズル滑りまくるシマツ…新しい崩落跡も結構あったので、巻くのにかなり苦戦した。
フリーで無理して突破できなくはないかもしれないが、上記状況&場所が場所だけに安全第一で積極的にロープ使用。結果的に大幅な時間のロスとなってしまった。
逆説的に言えば、水量がもう少し少なく、ルンゼや草付がもう少し安定していれば、そんなに無理せずに遡行出来たかも…と思う。
まぁそれを予測するのも沢なんだろう。
初日の大高巻き敢行や、二日目の登山道からの撤退など、想定していた避難ルートだったが、避難ルートの情報まで入手していなかったのは問題。
特に2日目の登山道通行止め情報は、もし大崩落での通行止めであったら遭難必至だった訳で…
まぁ実際歩いていた二人はそんなに焦ることなく、常に時間とルートを確認しながら歩いていた訳ですが…
計画段階で悪い想定を全部引いちゃった感がある山行でした。
もう一度リベンジしたいと思うルートなので、水量安定してそうな秋にでも再訪してみようっと。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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大台の沢はダイナミックでカッコいいですよねー!
もっと行きたいけどちょっと遠い…
想定外の試練も後になれば良い経験でしょうか。オトちゃんがどんどん逞しくなりますね(^^)
うささん、こんにちは
大台の沢、めちゃめちゃ綺麗でした
想定外…というより、想定していた悪い方を引いた…と言った感じでした…
まぁこんな事もあるよねって
オトは終日元気でしたわ。逞しくなりました
水量が多いって言ってたから、この前の豪雨が残ってるのかと思ってたけど、堂倉滝を見たら水量が多いどころか少な目やよ
多い時は、堂倉滝の落ち口の右のこぶ岩は見えないもん。
高巻するときは、落ち口当たりに目標に出来る木などを見つけてそこに行くラインを読めばいいよ
そうしないと、どんどん追い上げられてしまうことが多いから。
それと泳ぐかどうかの判断は難しいね~
今の沢登りは積極的に泳ぐみたいだけど昔は出来るだけ泳がずにと教えられたよ。
泳ぐと体力の消耗が激しくてロングの沢ではばててしまうからと・・・
まぁ、いい勉強になったね
じーじさん、こんにちは
当日歩いてる時は水量はこんなもんだろって思ってたんですよね。
でも帰ってから過去の2〜3つの記録の写真の滝や釜を見比べたら、今回の方が明らか多かったんで、やっぱ水量多いから水勢が強かったんだと思ってました
落口へのルート、ゴルジュ帯の木々の間で見え難かったので、見落としてたんですかね
20mt程度までの高巻きで済むと思って進んだのに、結果40〜50mt巻き上がったり…
この辺、見極めとか勉強不足ですわ
ヌメリやズルズル斜面はこんな日もあるわ…と割り切れますが、巻き道の見極めはホント教えて欲しいです
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