残雪と花が彩る谷川主脈半縦走 田尻沢〜吾策新道


- GPS
- 09:34
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,981m
- 下り
- 2,082m
コースタイム
- 山行
- 9:02
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 9:34
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
15時24分発土樽駅→土合駅JR上越線240円。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・田尻沢下山コースを登り天神平へ。水芭蕉開花、シラネアオイは未開花。 ・天神尾根、熊穴沢残雪トラバース、雪田直登。イワウチワとイワカガミは道に群生、シャクナゲ、ナエバキスミレ。 ・主脈、残雪ほとんどなし。ミネザクラ、シャクナゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、ミツバオウレン、バイカオウレン、ミヤマキンバイ、キクザキイチゲ。ナエバキスミレは道に群生。 ・吾策新道、急坂と泥で非常に滑りやすい。残雪が数か所、危険なトラバース箇所あり。シャクナゲ、イワウチワ、イワカガミ。ムシカリ、タムシバは圧巻の花付きの群生。 駐車場4時30分気温9℃、16時22℃ トマノ耳気温8℃ 主脈17℃風も穏やか。 万太郎山気温18℃、吾策新道新潟側は快晴で気温20℃、土樽駅気温23℃暑かった。アブ、ブヨなどが発生しているので虫よけを。 |
写真
感想
5月下旬になると、花が咲き始める谷川主脈へと思いが募る。踏み抜きに苦しんだ残雪も新緑と融合し美しい。その景観の足元を彩るお花畑。類い稀なる死者を出し魔の山と言われる谷川だが、隔週ごとに花の主役が変化していく美しい山なのだ。
谷川岳RWのブログで水芭蕉が開花したと記してあり、この時期イワウチワが天神尾根に群生する。西黒尾根は来週行く予定なので、今回は趣向を変えて田尻沢下山コースを登っていくことに。また主脈の開花状態も気になるので、ちょいと万太郎まで花の様子を見に行く。万太郎尾根のタムシバも良い頃だろう。
前橋を3時半に出立。1時間で白毛門駐車場へ到着。車は4台停まっていた。馬蹄形だろ。ソロなのでとっとと装備して4:44に出立。気温9℃。
土合口の橋から田尻沢下山コースの林道へ入る。スキーで下ってばかりで、ここを登るのは初めて。ゴーロのザレた道。沢の流れが始終響き、鳥のさえずりが心地よい。自生のシラネアオイが一輪咲いていた。山菜も豊富にあるが国立公園なので採取は禁止。タラの芽は結構取られていたが・・・
天神平へ到着するが、当然誰もいない。平日のRWは8時始発。開花したばかりの水芭蕉を観賞し記念撮影して天神尾根へ。イワウチワが木道の西側を彩る。可愛らしい。シャクナゲは少し落花し始めているが、まだきれいに咲いていた。日曜の降雪低温の影響でやや茶色のものもある。タムシバも一部は白い花が茶に変色していた。
雪解け水でぬかるんだ熊穴沢から天狗の留まり場へ。シャクナゲが美しい。満開。
足元にはナエバキスミレ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、イワカガミが咲いている。滑り止めすら不装備なので、雪田は蹴り入れて階段状にトラック付けて登って行った。
山頂トマノ耳に着くが誰もいない。今回の山行ではスタートからゴールまで誰一人会わなかった。先週の白砂山とは訳が違う、メジャーな谷川岳だ。ただ厳密にいうと、肩の小屋でご主人にご挨拶したが、登山者ではない。仕事中でペットボトルを潰されていた。
主脈へ向かうと直ぐにハクサンイチゲが開花していた。ハクサンコザクラも少しあった。可愛らしい谷川主脈のお花畑を代表する花のひとつ。中ゴー尾根分岐辺りからミネザクラが満開。シャクナゲも咲き始めていた。
オジカ沢の頭へ着くと、穏やかな風で北の空から晴れてきた。暑い。目の前には、4月に登頂した爼嵒。無積雪期に眺めると北斜面は結構急だ。もう藪が濃くて行けそうもない。来シーズンは川棚の頭まで行く予定。https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1418471.html
爼嵒、万太郎山、主脈に囲まれた美しい残雪と新緑の阿弥陀沢を眺めながら主脈を小障子の頭へ向かう。鞍部に入ったため無風となり、爽やかな空気と美しい風景を一人占めでゆったりと歩む。思わず声を出してしまい嬉しさを隠し切れない。幸福感で心が満たされる。うまく表現できない文章力の乏しさ。情けない。
小障子の頭手前からお花畑。ナエバキスミレ、キクザキイチゲ、ミツバオウレンなどが開花していた。振り返っても美しいオジカ沢の頭から爼嵒の稜線と主脈。しばらく行くと下り斜面にハクサンイチゲ、ハクサンコザクラの群生地。ここは日当たりが良く風も穏やかなので開花が早い。
天気も良く人もおらず、花観賞と撮影で全く足が進まない。避難小屋を過ぎ去り、登り返して大障子の頭へ。シャクナゲが出迎える。目前には雄大な万太郎山。ミネザクラとシャクナゲがここも美しい。
万太郎山分岐への急登をいくとコメバツガザクラの群生。可愛らしいベージュの小さな花。万太郎山山頂からは360度の大展望。計画では12時30分万太郎山頂、土樽発18時7分の電車に乗る予定だったが、ゆっくり来た割にはなぜか早く11時に着いてしまった。
平標山までの主脈縦走できる時間だが、バス、電車での帰りの交通の不便さを考えてやめた。やはり計画通り吾策新道で下山し、15時24分の電車に間に合うので、昼食は駅でとる事にして吾策新道へ向かう。下山時刻は早いほうが良い。
吾策新道は入山者が少なく、踏み跡、トラックがほとんどなかった。ザレた急坂が多く、しかも雪解け水で地面はドロドロ。非常に滑りやすく、私は4回派手に転倒した。ストックが泥に突き刺さり転倒し折れてしまった。残雪も数か所あり、その一つが沢下が丸見えで一枚バーンのトラバース。トレースもなく非常に危険だった。滑落すれば万太郎谷から魚野川を泳いで帰らなくてはならない。生死は問えないが。
新潟側へ下りてくると快晴、暑くて稜線上は気温18℃。井戸小屋沢の頭手前からはシャクナゲ、タムシバが咲いていた。頭の西側に群生して咲くシャクナゲが見事。大ベタテの頭付近ではタムシバの群生。小ピークがタムシバで白くなっているのが上から見ていても分かるほど。残雪と新緑と同じ色で、白い花と緑の葉のタムシバは見ていて清々しい。
ハルゼミが鳴く樹林帯を抜けると杉林となり、さらに下るとブナ林。巨木のブナを過ぎると登山口。林道を歩いて土樽駅へ向かう。魚野川のせせらぎを聞き振り返ると大障子の頭、小障子の頭が見える。
土樽駅に14時過ぎに到着。電車が来るまで1時間以上ある。早く着き過ぎた。誰もいない駅前で宴会開催。遅い昼食はカレーうどん。昨夜夕飯の残りのヒレカツを乗せて食べる。撮影した写真を眺めて時間つぶし。346枚撮影した。下手な鉄砲。
定刻通り15時24分の電車に乗り、清水トンネルを抜けて土合駅へ。駐車禁止の駅前は閑散としていた。291を登っていき、踏切を渡る時清水トンネルを改めて眺める。国境を抜けると曇り空だった。
16時で早いが着替えて帰路へ着く。水上IC手前のいつもの所から田園と谷川岳と主脈、爼嵒をしばし眺める。トマノ耳から主脈を目で追って、今日見た花々と美しい景色をまた思い出していた。
growmonoさん、こんにちは
皆さん日曜、月曜で谷川にお出掛け。私出遅れたか、先週の白毛門フライングしてしまったか。
日曜日の雪でシャクナゲやタムシバが傷んだと思いましたが、健在のようですね。
花が傷んだと思って行かなかったことを後悔してます。😢
こんないい写真見たら行かなきゃ病が出てしまいそうです。😁
こんばんは、yasubeさん。
私は谷川にいらっしゃっていると思っておりました。
今回は外道なコース選択でしたので、吾策新道でクマに会うかと予想してましたが、暑くて出てきませんでしたね。
日曜の低温降雪で花の傷みもありましたが、観賞や撮影に耐えられないほどではなかったです。木道付近のタムシバは茶色が多かったですが、上に行けば大丈夫ですよ。
今週土日は夏日予想され、谷川周辺は積乱雲が発生し雷を伴う豪雨がありそうです。もうそんな時期ですね。行かれるなら木金がよろしいかと思います。
こんばんは、お疲れ様でした。
谷川主脈の花が咲き始めて良さそうですね。
自分も今週末土曜日に天神尾根〜万太郎〜土樽予定していますので凄く参考にさせて頂きました。
あと写真を拝見しているとハクサンイチゲやコザクラは咲いている様ですが谷川岳付近や万太郎山頂付近のシャクナゲの開花状況は如何でしょうか?、それと吾策新道下りでの雪渓トラバースですがアイゼン必要でしょうか?
済みませんがお教え下さい。
こんばんは、horipyさん。
仙ノ倉山では大変お世話になりました。
今週土曜にほぼ同じコースを行かれるということですね。
ご質問ですが、谷川岳天神尾根のシャクナゲは熊穴沢下辺りは満開を過ぎ、更に先週の低温降雪で落花しているのものがあります。天狗の留まり場下辺りから満開でしたね。ちょうど見ごろだと思われますが、明日からの降雨で微妙です。
天神ザンゲ岩付近はまだ蕾のものがあります。五分咲き程度ですかね。今週末には満開になるでしょう。主脈も同様ですが、大障子、万太郎付近はまだ蕾が多かったです。吾策新道は井戸小屋沢の頭の群生は蕾がまだありました。大ベタテの頭付近の群生はほぼ満開でした。タムシバが圧巻でした。白い残雪と緑の新緑の風景と見間違えるほどきれいでした。
残雪は数か所あり、私が転倒を含めてトレースを付けておきました。私がストックを折って転倒したところが危険な所で、歩行する距離が5mもない所ですが、沢下が丸見えで恐怖感を煽ります。アイゼンが必要なほどではありません。今週は気温が高く降雨で溶けて歩きやすくなっていると思います。そこの箇所より、全体的に泥で滑りやすいので注意が必要です。不意な怪我を起こしやすいです。
growmonoさん
こんばんは
ヤッパリ咲いていましたか
私もハクサンコザクラが見たくて肩の小屋から300mぐらい主稜線を下りてみましたがハクサンイチゲは咲いていましたがハクサンコザクラに会えませんでした。
あと100mほど下がればあったのですね。
昨年行ったときに会ったのですが位置が不明瞭でした。
今回は会えませんでしたが今週末にはあちこちで咲き出すので楽しみですね。
こんばんは、iiyuさん。
自分の好きな花を見たいがために今回は外道なコース選択をしました。
主脈の花の開花状況も確認したかったのです。
何より、オジカ沢から万太郎までの稜線歩きを満喫したかったのが一番ですね。
美しい景色を独り占め出来て最高に良かったですね。
ハクサンコザクラですが、中ゴー尾根分岐手前の所ですね。
南にやや傾斜している所がハクサンイチゲ、ハクサンコザクラの群生地です。
大障子の手前にもありますが、そこは開花がいつも早いので、もう咲いているだろうと思っていました。ただ群生が満開となるのは6月上旬ですね。平標、仙ノ倉より少し早いと思います。近辺ではキクザキイチゲやバイカオウレンの群生もあります。
それより大師匠お二人に逢えなかったのが残念で仕方ありません。
来週は天気が微妙ですが、今度は主脈の西から流そうと思います。また外道なコースとなりそうです。
growmonoさん こんばんは、
ヤッパリ底抜けた体力の持ち主ですね、
田尻尾根を登ったかと思ったら沢のスキーコースでしたか、
今は登らせてくれるのですね、
万太郎からの下山もすごいし、途中の花の数々ヤッパリ谷川ですね
万太郎ピストンの時、いつも誰もいなくなりゲッピで下山していました、
このコース取りで15時台の電車の間に合うなんて凄過ぎ、
ハクサンイチゲやコザクラ情報ありがとうございました。
こんばんは、yasioさん。
ツツジの赤城山、シラネアオイの白砂山の後は谷川が毎年の花ルーティーンですね。
今回は水芭蕉とイワウチワが見たくて田尻沢下山コースでの天神平入りです。
田尻尾根ですと戻るような形になってしまいます。
西黒尾根は皆さん行かれてますし、たまには趣向や視点を変えてのアプローチは今後にも生かせます。RWで登るのも良いですが、一輪のシラネアオイを見つけた喜びを大事にしたいです。
余裕をもって計画し過ぎた影響で、万太郎山に早く着きすぎてしまいました。
それでも写真は346枚撮影しましたから、少なくはないです。
花観賞と撮影、お気に入りのオジカ沢から大障子までの稜線歩きをとても堪能しました。
人と会いませんでしたが、レコがあがってましたね。私が時間的に早かっただけでした。
私は人嫌いなのでしょうかね?バッタリが少ないです。
主脈縦走できる時間でしたが、帰るのが面倒になるのでやめました。来週は西から行こうかと予定していますが、夏日連続で夕立があります。昨年も平標に登頂した途端、ガスに包まれました。分水嶺らしいですね。天候に気を付けて行動しようと思います。
growmonoさん、おはようございます。
BCばかりに夢中になっていると、この時期限定の高山植物観賞ができず、他の人のレコで我慢してしまっているのが現状です。吾策新道はやはり残雪や雨による泥濘でぬかるんでいるのですね。タフなgrowmonoさんでさえ、何度も転倒し、カーボンのストックを折ってしまったということなので、大変そうです。主脈縦走の方がまだマシな気がしてしまいました!それでも15:24の電車に余裕で間に合い、土樽駅前で宴会をする余裕まであり、さすがはgrowさん、と思いました。一度shilokoさんも含めて、どこかの山でご一緒してみたい、と思う今日この頃です。
hareharawaiより
おはようございます、hareharawaiさん。
いよいよ今季BCも終盤ですね。今年は雪が少なくご苦労なさっていると思います。
吾策新道は入山者が少なく、道もザレた急坂が多くあまり整備されていません。
主脈は人が多く整備もされていますので、そのまま軽い気持ちで吾策へ下ると痛い目にあいます。泥遊びの覚悟が必要ですね。
たしかに主脈縦走のほうが楽ですね。万太郎とヱビス大黒の登り返し程度ですからね。
ただ帰りが面倒です。バスと電車の乗り継ぎに時間待ちです。苦痛です。平標から土合へ自転車で帰れないか思案中です。仏岩の峠がネックですが、頑張れば何とかなりそうです。
昨年も紅葉時期に訪れて、似たような場所でストックを折りました。
この時も転倒し、ストックが泥に刺さり掴んでいたがために折れました。
私は滑落せずに済みましたので、良かったのかなと。命あっての登山ですね。
growmonoさん こんにちは!
良いルート歩かれましたね〜
こうゆうルートをサクッと歩けちゃうgrowmonoさんは
流石です
前回の白砂山といい自分が行こうとか その時に
興味がある山域のレコを見ると必ずgrowmonoさんのレコが
有るのでとても参考になります
どうもここの所growmonoさんの後を追いかけているように
なってしまってますが お許しください
来週あたり谷川のこのルートを歩いているかもです
いつも魅力的なレコ ありがとうございます。
こんばんは、kijimunaさん。
高曇りだけで午後は晴れる谷川方面でしたからね。
irohaさんもそうですが、kijimunaさんもいらっしゃっていると思ってました。
ただ私が変則的な外道コースでしたので、会うとしたら山頂辺りかなと。
行ったら誰もいませんでしたが・・・
昔はこうだったから、今この山や景色はどうかな?と思ってぶらり出かけます。
月曜はほぼソロですので、サッサと行ってとっとと帰ってくるパターンです。
見たい花を見るがため、阿弥陀沢を見ながら主脈を歩きたいがためのコース取り。よって天神尾根までは通常にとらわれない選択をしました。花観賞と撮影で遅くなることを鑑み、余裕過ぎた計画で時間が余ってしまいました。写真も346枚と多い部類に入りますからね。休憩は少ないですが、歩行中の撮影でかなり時間を割いています。下山の吾策新道での泥遊びは楽しくなかったですね。あぁ縦走すれば良かったと少し後悔しました。
私の後を追いかけるも許すも何も、私有地以外の山や自然は誰のものでもありませんからね。逆に参考にして頂いてうれしいですよ。全く気にしませんし、私はそんなに器は小さくないです。
信仰的な山岳なら排他的で仕方ないですが、一般の山ではSNSなどで良い所を皆さんに見て頂いて共有すべきですよ。今ここはこんなに素晴らしい山だよ、是非行ってねと。
他の方が行かれた素晴らしい山で、自分に行けそうなら私は必ず行きますよ。
私は諸先輩が見てこられた美しい花鳥風月を継承していきたい、それだけです。
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