番外編:新潟:親父の墓参り。(ただし、40キロ徒歩で)


- GPS
- --:--
- 距離
- 42.2km
- 登り
- 893m
- 下り
- 766m
コースタイム
天候 | 終日、晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:森宮野原から越後湯沢‐南越後観光バス。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所特になかったが、道路工事が多かった。(地震の影響?) 記録みても、歩こうとする人はいないと思うけど・・。 |
写真
感想
今回は、登山ではありません。個人的な親父の墓参りです。
だけれど、普通に墓参りなど詰まりません。親父を驚かせたい。
そんな思いで、約42キロ(偶然にもマラソンと同距離)新潟越後湯沢駅から津南町のばあちゃんの家まで、国道、県道、峠道、里山、歩き倒してやろうと今回も計画。家族、親戚は「!?」。
あの子はついにおかしくなったのか。
2年前にこの話をしたとき、そんなふうに皆思ったことでしょう。
今回は2度目の挑戦。誰も何も言いません。(呆れられています)
前回の8時間のタイムをどれだけ、縮められるか、挑戦です。
本当に個人的な挑戦です。個人的な記録なので、つまらないものです。
つまらないものですが、この新潟、越後湯沢から清津峡(日本3大渓谷)を通って、豪雪地帯、津南町を通り、被災地長野県栄村(3.11の翌日起こった震度6強の地震の被災地)へ続く道。なかなか考え深いものがあります。
子供のころ、家族で津南のばあちゃんの家に遊びに行くことが楽しみでした。東京で生まれ育った子供にとって、田舎は遊びの宝庫でした。冬になれば家の半分は雪で埋まり、近くにかまくらを作って遊びました。春になれば、ふきのとうが顔を出し、山の湧水を飲みました。冷たくて驚きました。
親父は田んぼの水路の脇で鬼ヤンマを待ち伏せするとひょいと、虫取り網で捕まえました。岩魚獲りも見事でした。水中メガネをかけ、川に飛び込むと、ヤスで何匹も突いて見せました。その場で塩焼きにして食べました。味は想像の通りです。
今もほとんど変わらないその風景。大好きな場所です。
そんな場所へ親父を帰してやりたい。3年前、骨壷を持って母親と新幹線に乗ってこの地に帰ってきました。家族3人で帰ってきたのは子供のころ以来かもしれません。
16で東京のラーメン屋で修業。25で今の店を持ち、40年休まず働きました。(今、母が一人でやっています)
65歳の人生、人は短いと言うでしょう。でも人生に長いも短いもありません。その人間がどう生きたかです。一所懸命になれるものを見つけることができたら、本当に幸せなことだと思います。
納骨の日はあいにくの雨。ところが、ばあちゃんが車から降りたとたん、ぱたっと雨がやみ、遠くに虹が出ました。納骨式が終わるとまたすごい雨。あれは、何だったんでしょう。
さて、前回の8時間を大幅に上回り、6時間でゴール。しかし、足はとうに限界を超えています。
テント担いて、10時間歩けるのに、なんでしょうか。この舗装された道の堅さ。地獄です。こころが折れそうになった回数6回。しかし、それだけに達成感が溢れます。
待っていてくれたのは変わらない家族の人たちと珠玉の夕飯。
純度100%の新米コシヒカリの味。ここでしか食べられません。お米はその場所の水でなければおいしく炊くことができません。東京の水で炊いたらコシヒカリも台無しなのです。(これほんと。すべての味は水できまります)
ご飯だけで何もいらない。本当にそう、思うんですよ。3杯いただきました。(私のことを忘れていたばあちゃんもこの時、俺のことを突然思い出す。)
親父の墓もあとひと月ちょっとで雪の中に消えます。消えてしまいますが、見えなくなっただけで、そこにあるのです。また、来年、雪が降る前に来ようと思います。
3回目の挑戦は未定。今度はこの近くの長野県、秋山郷周辺を走って(歩いて)みたいなと思っています。
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