記録ID: 1266230
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍
明神岳主稜
2017年09月23日(土) 〜
2017年09月24日(日)
長野県
JetUpper
体力度
5
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 26:58
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,888m
- 下り
- 1,869m
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標高グラフを拡大コースタイム
1日目
- 山行
- 2:43
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 2:52
距離 3.5km
登り 999m
下り 6m
| 天候 | 23日:曇り／霧 24日:快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
※このルートは一般登山道ではありません。 懸垂下降、ルートファインディング等の一定の登山技術や体力が必要であり、安易に入り込む場所ではありません。 水場は南西尾根〜主稜ルート上にはありません。 上高地から南西尾根に向かう場合は上高地バスターミナルの屋外水飲み場か河童橋手前の五千尺ホテル隣の売店脇の蛇口で、前穂から下山に使う場合は岳沢小屋で補給できます。 〇7番標識〜5峰台地 7番標識から南西尾根の取り付きには立ち入り禁止のトラロープはありませんでした。素直に尾根に立ち入ると明瞭な踏み跡、テープ、赤ペンキが稜線まで迷いようがないほど親切に導いてくれます。ただし、稜線まではひたすら樹林帯の急登です。 途中、ロープが張られたナイフリッジの岩稜帯を通過しますが、ホールド、スタンスともに多く問題ないです。ここで難渋する場合は撤退を検討した方が良いでしょう。 〇5峰台地〜明神岳5峰 肩では5ヶ所ほど幕営適地が見受けられました。私は樹林帯で行き会ったパーティの方から、既に4パーティ以上が5峰台地で幕営をしている模様との情報を聴き、引き返すのは億劫だったため、最初に適地と認めた2518m付近の肩で早々に手を打ちツエルトを張りました。 ただし、張ってから少し先まで偵察して判りましたが、張ろうと思えば張れそうな所が想像以上にあり、早々に見切りをつけたことに若干後悔をしました。 5峰へは正面のガレ場の直登と右側から取り付くルートを認めました。 私は最初正面に進みましたが途中でハイ松が濃くなってきたので、そのまま強引に進むことも出来ましたが、効率が悪いので早々に見切りを付け、右側へルートを捜しましたが、なんのことはない、こちらの方はリボンがあり、遥かに快適に進めました。 〇明神岳5峰〜明神岳2峰 快適な縦走路です。5峰を過ぎるとリボン等マークは姿を消します。 3峰は直登せず巻きましたが、コルまでは想像以上に長い印象でした。踏み跡は明瞭で迷うことはないと思います。 事前の情報では巻かずにピークまで簡単に直登できるようですが、結局稜線通しには下降できず左手岳沢側の巻き径まで降りるはめになるようなので、ピークに拘らなければ最初から巻いてしまうのが効率が良いです。 〇明神岳2峰〜明神岳主峰 2峰での2ピッチの懸垂下降はルートのハイライトで、一番のお楽しみでもあります。支点はピーク周辺に3ヶ所認め、いずれも岩に幾重にもかけられた残置スリングがありました。 私は最初に認めた右側の支点（懸垂のほか、こちらは登路に使われるようです）を見送り、1・2間のコル寄りのピークに認めた2ヶ所の支点のうち、一段下がったところにかけられた支点を利用しました。 〇明神岳主峰〜前穂高岳 奥明神沢のコルへは支点が多数ありましたが、おそらく積雪期に使用されるものと思われます。無雪期ではクライムダウンで問題ないと思いますが、ガレのほか、足場となる岩の上に砂礫が乗っていたりしますのでスリップ注意です。 コルから前穂高岳までは踏み跡が交錯しますが、どのルートを選択しても行けそうな印象でした。 |
写真
岳沢7番標識に到着。岳沢小屋へ向かう一般道から離れて右手に伸びる南西尾根に取り付きます。ロープは張ってありませんでした。
画像では不明瞭ですが、迷う方が難しいほどの明瞭な踏み跡が続いています。
急登のおかげであっという間に眼下に上高地を見下ろすほどの高さまで到達しました。
2250m付近。この辺りよりロープがフィックスされた痩せ尾根に入ります。
5峰の肩（2518m）。情報ではこの先の台地での幕営余地は期待できそうもないので、ここに幕営することにしました。
夕方になってようやくガスが取れると眼前に5〜3峰が現れました。
眼下には河童橋、左手に六百山、霞沢岳、奥には御嶽山、乗鞍岳、右手に焼岳。良いところに幕営できました。
翌朝。。。2峰の懸垂渋滞を想定して遅めの出発です。
前日には雲で見えませんでしたが、焼岳の右奥に白山まで遠望できます。
前日には雲で見えませんでしたが、焼岳の右奥に白山まで遠望できます。
幕営した肩を一段詰めた先の肩にはこのように更に一張り分の幕営適地がありました。こちらも眺望は最高です。
5峰台地のテン場適地。当然この時間では既にテントは撤収された後です。
5峰山頂へ。こちらの右手ルートはバリエーションなのにリボン多数。
2峰のピーク直前の懸垂ポイント。前穂からの登りではここから出てきます。こちらからならクライムダウンも出来そうですが、ハイライトである懸垂をせずに降りるのはもったいない。
1
9/24 7:59
2峰のピーク直前の懸垂ポイント。前穂からの登りではここから出てきます。こちらからならクライムダウンも出来そうですが、ハイライトである懸垂をせずに降りるのはもったいない。
2峰ピークをアップ。後続パーティが懸垂の準備をしているのが見えます。
前衛峰から奥明神沢のコルへの下降路には数ヶ所に支点がありましたが、積雪期に使用するものと思われます。
前穂高岳を見上げます。正面に積雪期のルートとなるダイレクトルンゼ。
ここからは踏み跡が交錯しており、山頂までルートファインディングが楽しめます。
先行者のルートを追うのはつまらないのでルートファインディングしながら進みます。
進んでいくと、先ほどの先行者が見えてきました。このあと合流します。
装備
| 個人装備 |
ツエルト
ビビィ
マット（山と道）
補助ロープ50m
確保器
カラビナ（環付）
シュリンゲ各種
ヘルメット
グローブ
その他
|
|---|
感想
日帰りでも十分可能ですが、5峰直下に幕営したく、天気の思わしくない土曜はアプローチのみと割り切り、日曜の好天予報に5峰からの稜線漫歩を計画しました。
猛暑も過ぎ、たかってくる虫もほとんどなく、初日の幕営では隙間だらけのツエルトでも快適に就寝できました。
また、かつぎ上げる水の量等も含め、総合的にこの時期が最も軽量化を図れること、日曜は終始天候に恵まれたこともあって終始快適な山行ができ、素晴らしき穂高での休日を過ごせました。
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