【雨トレ&飯トレ】ポン山&姫沼&利尻山[9.5合目撤退]


- GPS
- 23:35
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 2,307m
- 下り
- 2,314m
コースタイム
- 山行
- 1:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:15
- 山行
- 12:32
- 休憩
- 5:56
- 合計
- 18:28
天候 | 利尻島到着時は晴れ、その後ずっと雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
始発に乗ろうと深夜のうちに出発しましたが、荷造りをしている間に汽笛が鳴りました。30分前には到着していたいです。 利尻島に着いてからはすべて徒歩で移動しました。 全て自炊したので、ガソリン代を入れても1万円ほどの出費でした。 ■ハートランドフェリー http://www.heartlandferry.jp/ 稚内−利尻(鴛泊)間のフェリー乗船時間は1時間40分で、一日3往復あります。 稚内→鴛泊(片道2,140円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
鴛泊ルートはとてもよく整備されています。 ずっと雨だったので、足元ばかりを見ていて、木に頭をぶつけることが何度かありました。 利尻島には羆がいないので、ナイトハイクも安心です。 4年前に沓形ルート→鴛泊ルートで登った過去レコがあります。そんなつもりじゃなかったけど、この日もずっと徒歩でした。 ■2013年7月19日〜20日(沓形→鴛泊) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-323413.html |
その他周辺情報 | 北麓野営場でテント泊をしました。テント1張500円。 当初の計画では、1日目の深夜から鴛泊コースで入山し、御来光を見ながら沓形コースで下山し、そのまま沓形港から礼文島に移動して、3日目に礼文島のトレッキングをして帰ろうと思っていましたが、天気予報がどんどん悪い方向に変わっていったので、雨天トレーニングと美味しい山メシ作りをテーマに切り替えました。 天気のいい日に当初の計画でリベンジしたいです。 フェリーターミナルと北麓野営場の中間地点に「利尻富士温泉」があります。日帰り入浴500円、貴重品ロッカー有料、営業時間は11時〜です。30分ほど前に着いたので、しばらく待ちました。 |
写真
4年前に来た時は工事中だったターミナルはとても綺麗になっていました。
22時に起床して、テントを片付けて23時に出発する予定だったけど、雨と風が強かったので、あっさり二度寝を決め込んだ。(^^ゞ
昨晩のご飯とたっぷりの野菜と卵スープの素を使った雑炊は定番メニュー。メスティンはとても調理しやすかった。
1時間40分で五合目。参考タイムよりも20分遅れ。コースは整備されていて、特に危険と思うところはなかったけど、足元ばかり見ていたので、時々頭をぶつけることがあった。
七合目から1時間20分かかって八合目に着いた。寒くなってきたので、レインを着用。ザックを担ぎ直すときにバランスを崩して、ザックを倒してしまった。この時、一番上に入れていた一眼レフのレンズキャップと保護カバーが割れたと思う。ボディとレンズは無事だった。
避難小屋に着く少し前に、まさかの動物に遭遇した。ヘッデンに反射した目に驚いて、お互いに固まってしまう。最初はキツネかと思ったけど、利尻にキツネはいないはず。よくみると薄茶色の猫だった。なんで、こんなところに猫がいるの?捨てられたの?すぐに逃げてしまったけど、とても不思議だった。
避難小屋に誰もいなかったら中で休憩しようかと思っていたけど、先客がいたのでスルー。この時間に避難小屋の扉を開けるのは非常識だよね。
何だかんだで九合目まできた。御来光の時間を迎えたけど、何も見えなかった。ここが沓形コースの分岐だと勘違いして、ザックをデポして、サブザックで山頂までアタックすることにした。
アレ、沓形分岐ってこんな上だった?
ザックデポしてきちゃったよ。(^^ゞ
ここから風が強くなり、完全に心が折れた。これ以上前に進む意義を見出せなかった。また天気のいい日に来よう。
レインのポケットに入れてた地図や下山届はボロボロになって全く読めなくなってた。ジップロックに入れておくんだった。
@(;・ェ・)@/反省…
晴れる見込みのない山を歩くのはしんどかった。ここからさらにフェリーターミナルまで歩くんだけどね。
ここに着く頃には雨はほとんど止んでたけど、ペシ岬に行く気力は残ってなかった。
感想
【感動の利尻御来光&礼文島トレッキング】
経験を積んだ今だから百名山をやり直したいと思い、最北の利尻山への再訪を計画していた。
衣食住を背負えるようになった今なら、自分の足で歩きながら、連休を満喫できるプランを立てられるだろう。
整備された百名山で、羆のいない山は珍しい。
23時から登り始めれば、山頂で御来光を見れる。
そのまま沓形コースで下山すれば、11時のフェリーで礼文島に移動できる。
礼文島でキャンプをしながら、トレッキングルートを歩いて、稚内に戻る。
我ながらいいプランだと思ったけど、コロコロ変わる天気に振り回されて、なかなかその日が決まらなかった。
【ミルフォード・トラックに向けて】
次の大きな目標にニュージーランドのミルフォード・トラックがあり、ガイドの付かないインディペンデントウォークは、3泊4日の行程で山小屋に泊まり、自炊をしながら60kmほどのトレイルを歩く。山小屋の収容人数は決まっていて、何ヶ月も前に予約をしなければならないし、トレイルは一方通行で、雨が降っても延泊や後戻りはできない。
ニュージーランドは1日のうちに四季があると言われるほど、天気は変わりやすい。トレイル中ずっと雨ということも考えられる。
今年はまだデカザックを背負った山行はしていないし、日帰りザックはどんどん軽量化している。雨の日の登山はリスクが高くなるけれど、少し負荷を掛けたトレーニングをしておけば、秋の山行のためにもなるだろう。
ギリギリまで悩んだ末、フェリーに乗り込むことにした。
【初登山で富士山にチャレンジしたオーナーの話】
長年の付き合いになる美容室の美人オーナーは、私よりも何歳か年上で、数年前からウォーキングを始め、地元の大きなイベントの100kmウォークを完走した。私はこの時、応援がてら深夜の時間帯に30kmほど伴走することにした。
それまで10km程度のジョギングの経験はあったものの、30kmという距離を歩いたのは初めてのことで、景色の変わらない深夜の30kmの舗装道路を淡々と歩くことはとても辛かったし、膝の寿命を使い果たしたかと思うほど、何日も後まで痛みが残った。
オーナーは私がfacebookにアップする山の写真をとても気に入っていて、登山に興味を持ち始めるようになり、毎年行く慰安旅行で、今年は富士山にチャレンジすると言い出した。これまで登山経験はなく、10名ほどいるスタッフの中で、挑戦したいと言い出したのは3名だけだった。当然装備もない。
無謀とも思える計画だったけど、ガイドツアーのようだし、装備も全てレンタルできるらしい。
皆、日頃からウォーキングをしたり、プールに通ったりして、体力作りはしているから、往復14kmのザレ場歩きならば何とかなるかもしれないと思った。とにもかくにも天気がよければ、雲の上からの景色を見ながら、ハイキングができると思うし、山頂から見る御来光はそれまでの苦労を帳消しにしてくれると思う。
出発前に十勝岳か旭岳に登ってみたらいいというアドバイスをしたものの、そこへ行くまでが面倒だと言う。どこか手頃な山に連れて行ってあげたい気持ちはあったけど、なにせ休みが合わなかった。美容室は土日が忙しい。
前日はしっかり睡眠を取ること。歩き始めたら水分を沢山摂って、行動食をこまめに食べて、代謝をあげてトイレに行くこと、斜度がキツイ時は狭い歩幅で歩くこと。ガイドがつくなら、ペース配分はしてくれるだろうから、あとは天気さえよければ何とかなるかもとアドバイスした。
出発は7月中旬だったはずが、いつまで経ってもfacebookで近況報告されることはなかった。
8月に入ってから、白くなった髪を染めるために予約の電話を入れると、オーナーの体調が悪いという。すでに富士山からは戻っているものの、出発前から体調を崩し、そのまま登山を開始し、七合目付近で体調不良になり、山小屋での仮眠後も体調が回復せず、そのままリタイアしたらしい。天気にも恵まれず、ずっと雨だったそう。
七合目は標高2,700m付近。本州の山に慣れている人ならば何ら問題のない高さでも、北海道の最高峰よりも500m高い。高度障害は個人差がある。私が富士山に登った時は、2,500mを越えたあたりから、それまでとは違う体の重さを感じて、足が思うように前に出なくなった。
驚いたのはツアーの内容だった。35人のツアーで、ガイド2人と添乗員が付いていたという。今回のように一人具合が悪くなったらどうするんだろう? サブガイドが一緒に下りて、メインガイド一人で残りの34人を引率するんだろうか? それじゃ、もう一人具合が悪くなったらどうするの?と疑問が沸々とわいてきた。
あまり詳しいことは聞かなかったけれど、富士山のツアーはそんなに大きなパーティを組んでしまうものなのかと、ガイドツアーの危険を感じずにはいられなかった。
両手を使ってよじ登るような険しい登山道ではないけれど、富士山は簡単に登れる山ではないと思う。
オーナーは事前の準備が足りなかったことを猛省していたけれど、この経験でとても多くのことを学んだと思う。
次にまた山に登ることがあったら、しっかり準備をするだろう。
ここで諦めてほしくない。
経験は大きな財産になる。失敗を修正しながら、目標に向かっていけばいい。
【結果は今すぐ出ないけど、始めの一歩はすぐに出る】
山にはとてつもないパワーがあり、時にはその恩恵を受けられることもあるし、自分のパワーまで奪われることもある。
身の丈に合わない山に登り、自分のパワーが奪われたときは、何日も回復しない。
そんな経験は何度もあった。
それでも自然と向き合い、自分を信じて歩き続ける。絶景を見れたときには、すっからかんになったパワーゲージがチャージされる。
私が登山を好きになったのは、結果よりもプロセスを楽しめるからに他ならない。
計画を立て、実行に移し、あらゆる困難を乗り越え、ピークに立ち、また困難を乗り越えながら家に帰り、記録を残す。
条件がよければ、素晴らしい景色を見ることができるし、足腰も鍛えられ体力もつく。合理主義の私にこれ以上の趣味があるだろうか。
天気のいい日にオーナーを黒岳に案内したいと思った。
「富士山に登って山岳の高さを語れ。大雪山に登って山岳の大いさを語れ」という有名な言葉がある。本州の山のことは全然知らないけれど、北海道の山から離れられない理由がここにある。往復6時間もあれば、家から黒岳までは行ける。大雪山の懐の深さと広さを全身で感じてほしい。
新しいことを始めることは簡単ではないけれど、止まらなければいつか辿り着く。
【旅立つ未来の自分へ】
食料計画をしっかりと。一人でそんなに食べれない。
装備は必要最低限で。重荷で体力を消耗しないこと。
バッテリーを気にしないで読める本を何冊か。
傘とサンダルがあるといい。
濡れた地図は使えない。ジップロックに入れるべし。
計画は入念に。行動は大胆に。
気力の周りにある筋肉をつけること。
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