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Yamareco

記録ID: 748107
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

甲武信岳〜国師岳

2015年10月17日(土) 〜 2015年10月18日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
21.1km
登り
1,694m
下り
620m

コースタイム

1日目
山行
5:59
休憩
0:10
合計
6:09
11:21
201
14:42
0:00
103
17:30
甲武信小屋
2日目
山行
7:57
休憩
0:48
合計
8:45
5:10
167
甲武信小屋
7:57
0:00
257
12:14
0:00
13
12:27
13:15
0
13:15
13:15
40
13:55
大弛小屋点
天候 17日:曇りのち晴れ、18日:快晴
過去天気図(気象庁) 2015年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
毛木場の駐車場
穏やかな源流
水源の標柱
大信濃川の生まれるところ
大信濃川の生まれるところ
黒金山と富士山
甲武信と木賊山
富士見だが見えない
富士見だが見えない
両門の頭から国師岳、金峰方面
両門の頭から国師岳、金峰方面
甲武信方面
国師のタル
2465mピークへの厳しい登り
2465mピークへの厳しい登り
国師が近づく
頂稜に出た
北奥千丈岳より金峰山
北奥千丈岳より金峰山
夢の庭園から
3月の静けさはどこに
1
3月の静けさはどこに

感想

久し振りに奥秩父の渋い森を歩きたくなっての計画だったが、思いがけず黄(紅)葉の美しさに出会うことができた。
(17日)奥秩父行きだが、好きな八ガ岳の麓を通るのが嬉しい。小渕沢から標高を上げるにつれ、線路脇の林に色合いが増してくる。乗り継ぎのため野辺山駅で1時間待ち。秋の高原の涼しい空気には、芳しい?堆肥の香りが含まれている。信濃川上からバスに乗ると、車内も村落の中にも、東南アジア系の顔立ちの人が目立ち、世情の変化に驚く。梓山は10何年振りか、今回と同じコースから金峰を経て小川山まで脚を伸ばした時以来だ。一人、畑の中の一本道を歩いていくと、空の半分は青空なのに大粒の雨が降ってくる。さいわい程なく止んで暑い位の陽射しが戻った。砂利道に入ると、早速黄葉の唐松、白樺にモミジもまじり鮮やかで心が躍る。毛木場(と標示されている)駐車場は半分も埋まっていない。
林道に入り、もはや沢と言うのがふさわしい千曲川最上流の流れを左に、唐松の林に分け入っていく。晴天に両側の山肌は黄金色に輝き、赤や黄色の落ち葉が散り積もった道を一人辿っていくるのはしみじみと味わい深い。山道になり沢から少し離れると、対岸の尾根の上の方は岳樺の黄色と針葉樹の緑を茶色い山肌に撒いたようなのが美しく、奥秩父に黄葉ありと見直す思いだった。考えてみれば、秋に奥秩父を歩いたことはあまりなかった。
所々に落ち葉を敷き詰めた平地があり、沢の流れを眺めながらほっとするのにちょうど良い。テントでも張りたいところだ。針葉樹の森に変わるとナメ滝。ここまで意外と時間がかかる。奥秩父らしい森を登っていくと、流れは左に曲がり、傾斜が緩くなって穏やかな清流の雰囲気になる。沢はいよいよ細くなり、薄暗い源流域に入っていく。2回顕著な枝別れを見て、傾斜の増したシラビソの幽邃な森を登っていくと、唐突に千曲川源流の標柱が現れる。私の両親が上田出身なので、千曲川にはいささか思い入れがある。岩の下から湧きだす清水を何杯も味わう。後は、暗くなるのと競争で稜線に上がり、甲武信岳を超えて小屋に向かった。
(18日)甲武信岳はご来光目当ての団体で賑やかだ。快晴の空に富士山が美しいが、長居する気にならず静かな縦走路に入る。前回ツェルトビバークしたミズシの頂上は樹に囲まれ記憶と結びつかない。奥秩父らしい深緑の森を歩きながら足元を見ると枯葉が散らばっていて、意識して見渡すと黒木の間に岳樺が白い幹を青空に伸ばしている。夏には目立たないが、もう少し早い時期には意外と黄葉混じりなのかもしれない。
アップダウンを越え、左側が切り立ってくると、露岩が現れ両門の頭だ。甲武信は大分遠ざかったのに、国師はまだまだ近づかない。気温は高く陽射しがまぶしい。青年二人に抜かれる。老兵は焦らず、ただ見送るのみ。(ちなみにこの日の対向者は5人ほどで、好天にしては意外だった。)道がカーブで右側の樹林に潜るので岩場を直進しないよう注意が必要。取りとめのない尾根道が続き、最低鞍部の国師のタルに着いた頃にはかなり脚が重くなっていた。
国師へは150m掛ける3ピッチだ。一直線の急登もあり楽ではない。途中のピークからはようやく間近になった国師の頂稜と、朝日岳から金峰、小川山方面の眺めが嬉しい。最後の急登を乗り切ると、緩やかなプロムナードになり、すぐに人声が聞こえて頂上だ。ここはもう大弛峠からのハイキング圏内、いささか気抜けするのは否めない。展望を求めてすぐ北奥千丈に向かう。スキーで歩いた記憶を辿りながら溝のような登山道を行けば、懐かしい空間が広がる。こんなにハイマツに囲まれていたんだなあ。3月に踏破した金峰への稜線を眺めながらコーヒーを淹れる。延々と歩いた林道に車が連なって止まっているのが見える。南アは雲に包まれているが、八ツ、浅間、遠く北アの北部が望めた。
下りは木道が増えた?のか、階段ばかり歩いた気がする。観光客が多く、この峠を起点にするならともかく、縦走途中で通過したくはないものだ。大弛小屋に立ち寄り缶ビールを買い求めたが、小屋番氏の印象も今一つで、懐かしい食堂をゆっくり見渡す気にもなれなかった。初めて峠からの乗合タクシーを利用する。おしゃべりな運ちゃんが社内事情などベラベラと話し続けるのには閉口したが、車窓から見る鮮やかな黄葉と紅葉は、この前の週にドライブで行った草津周辺のそれに劣らず、実に見事だった。大弛峠はちょっと残念だったが、少し離れれば奥秩父の風情は変わらない。近くて良い山、奥秩父を見直した山旅だった。

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コメント

奥秩父
奥秩父は良いですね。
緑濃い森と深い沢、稜線に出た開放感。
山懐に抱かれる心地よさがありますね。

お写真のセンスの良さ感服致します。
2015/11/17 21:37
Re: 奥秩父
いや〜写真は全然センスがあるとは思っていません。教科書写真みたいなのばかりになってしまい、自分でもがっかりしています。
私は針葉樹の森が好きなので(性格が暗いので)、奥秩父や北八ツには心魅かれます。奥秩父の森と沢は定評のあるところですが、大島亮吉という昔の登山家は山村や山路の良さも讃えていて、私も良い思い出を持っている場所があります。老境に向かい、再訪も含めて古の道を辿ってみたいと思っているところです。
2015/11/17 23:54
プロフィール画像
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