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Yamareco

記録ID: 6732889
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
葛城高原・二上山

【花の百名山】二上山 ~悲劇の大津皇子の眠る山~

2024年05月02日(木) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
03:00
距離
5.7km
登り
486m
下り
468m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:19
休憩
0:38
合計
2:57
11:58
11:58
8
12:06
12:07
10
12:17
12:17
6
12:23
12:24
8
12:32
12:32
32
13:14
13:17
10
13:27
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6
13:33
13:44
10
13:54
13:56
1
13:57
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13
14:10
14:11
11
14:22
14:34
3
14:37
14:37
14
14:51
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
<駐車場>
◆道の駅 ふたかみパーク當麻
コース状況/
危険箇所等
・使ったルートが悪かったのか、雄岳への登りはかなりの急登でした。
・地図にない登山道が無数に分岐しています。案内標識が少ないので、登山アプリで方向の確認を。
その他周辺情報 <日帰り温泉>
◆橿原ぽかぽか温泉 平日850円
・炭酸風呂や釜風呂など色々な風呂が楽しめます。
・泉質はナトリウム系の塩化物泉ですが、あまり特徴はありませんでした。
大和葛城山に登った後、ダブルヘッダーで二上山を目指します。道の駅ふたかみパーク當麻に来ました。
2024年05月02日 11:20撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 11:20
大和葛城山に登った後、ダブルヘッダーで二上山を目指します。道の駅ふたかみパーク當麻に来ました。
先ずはお昼です。軽めに力そばを頂きました。
2024年05月02日 11:30撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 11:30
先ずはお昼です。軽めに力そばを頂きました。
二上山は名前のとおりピークが2つ(雄岳・雌岳)ありますが、先ずは雄岳(高い方)を目指します。
2024年05月02日 11:56撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 11:56
二上山は名前のとおりピークが2つ(雄岳・雌岳)ありますが、先ずは雄岳(高い方)を目指します。
いきなりとんでもない階段です。ルート選択を間違えたか…!?
2024年05月02日 11:59撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 11:59
いきなりとんでもない階段です。ルート選択を間違えたか…!?
ようやく階段を登り終えました。この日は2座目で既に脚が疲れているのに、更に脚力を消耗してしまいました。
2024年05月02日 12:07撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:07
ようやく階段を登り終えました。この日は2座目で既に脚が疲れているのに、更に脚力を消耗してしまいました。
ヤマツツジでしょうか?今の時期は様々な色・種類のツツジが咲いています。
2024年05月02日 12:16撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:16
ヤマツツジでしょうか?今の時期は様々な色・種類のツツジが咲いています。
登山道は急登の上に荒れ気味です。もっと観光地っぽい山を想像していましたが…。
2024年05月02日 12:30撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:30
登山道は急登の上に荒れ気味です。もっと観光地っぽい山を想像していましたが…。
ここを直進すると山頂から遠ざかってしまいます。右上の小さな方向標識が目印です。
2024年05月02日 12:45撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:45
ここを直進すると山頂から遠ざかってしまいます。右上の小さな方向標識が目印です。
「大津皇子の墓」というのが雄岳の山頂方面です。こんな小さな標識、よほど注意していないと気付けません。
2024年05月02日 12:45撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:45
「大津皇子の墓」というのが雄岳の山頂方面です。こんな小さな標識、よほど注意していないと気付けません。
再び分岐がありました。ここも右側が山頂へのルートです。
2024年05月02日 12:48撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 12:48
再び分岐がありました。ここも右側が山頂へのルートです。
急坂を登り切ると立派な御陵がありました。大津皇子のお墓とされています。
2024年05月02日 13:06撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:06
急坂を登り切ると立派な御陵がありました。大津皇子のお墓とされています。
「大津皇子二上山墓」とあります。この場所に大津皇子の副葬品が埋葬されているかどうかはわかりません。
2024年05月02日 13:09撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:09
「大津皇子二上山墓」とあります。この場所に大津皇子の副葬品が埋葬されているかどうかはわかりません。
悲劇の人物である大津皇子に関する説明書きは一切ありません。まあ、宮内庁の立場だと書きにくいでしょうね…。
2024年05月02日 13:05撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:05
悲劇の人物である大津皇子に関する説明書きは一切ありません。まあ、宮内庁の立場だと書きにくいでしょうね…。
山頂に向かって少し歩くと「妙経陀羅尼品第二十六」という経塚がありました。葛城山域には法華経を埋納した28の経塚があり、ここは26番目だそうです。
2024年05月02日 13:11撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:11
山頂に向かって少し歩くと「妙経陀羅尼品第二十六」という経塚がありました。葛城山域には法華経を埋納した28の経塚があり、ここは26番目だそうです。
その先には二上神社がありました。二上山大権現が祀られています。
2024年05月02日 13:12撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:12
その先には二上神社がありました。二上山大権現が祀られています。
こちらは二上白玉稲荷大神の石碑です。白玉あんみつが食べたくなって来ました。
2024年05月02日 13:13撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:13
こちらは二上白玉稲荷大神の石碑です。白玉あんみつが食べたくなって来ました。
二上山 雄岳(517m)の山頂に到着しました。二上山は(にじょうざん)と読みます。
2024年05月02日 13:15撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:15
二上山 雄岳(517m)の山頂に到着しました。二上山は(にじょうざん)と読みます。
山頂は展望も休憩場所もなく、地味な佇まいです。なお、二上山の山頂には、楠木正成が建てた二上城の本丸があったとされますが、全く遺構は残っていません。雌岳に向かいます。
2024年05月02日 13:15撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:15
山頂は展望も休憩場所もなく、地味な佇まいです。なお、二上山の山頂には、楠木正成が建てた二上城の本丸があったとされますが、全く遺構は残っていません。雌岳に向かいます。
雌岳に向かう途中の鞍部にトイレがありました。この辺りから整備された公園という感じになってきます。
2024年05月02日 13:27撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:27
雌岳に向かう途中の鞍部にトイレがありました。この辺りから整備された公園という感じになってきます。
雌岳(474m)の山頂に到着しました。こちらの方が標識が立派です。
2024年05月02日 13:33撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
1
5/2 13:33
雌岳(474m)の山頂に到着しました。こちらの方が標識が立派です。
雌岳の山頂は広く、大勢の登山者が休憩していました。
2024年05月02日 13:33撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:33
雌岳の山頂は広く、大勢の登山者が休憩していました。
山頂は広いものの、樹木に囲まれているので、そこまで眺望は良くありません。
2024年05月02日 13:35撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:35
山頂は広いものの、樹木に囲まれているので、そこまで眺望は良くありません。
ヤエヤマブキが咲いていました。なかなか鮮やかな色です。
2024年05月02日 13:34撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:34
ヤエヤマブキが咲いていました。なかなか鮮やかな色です。
方位に対応した十二支が刻まれたベンチがありました。(子なら北、卯なら東)少し休憩したら下山することにします。
2024年05月02日 13:33撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:33
方位に対応した十二支が刻まれたベンチがありました。(子なら北、卯なら東)少し休憩したら下山することにします。
分かりづらい分岐ですが、左奥が道の駅に戻るルートです。
2024年05月02日 13:56撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 13:56
分かりづらい分岐ですが、左奥が道の駅に戻るルートです。
祐泉寺に出ました。988年に開創された天台宗の寺院です。
2024年05月02日 14:10撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:10
祐泉寺に出ました。988年に開創された天台宗の寺院です。
道端にシャガが咲いていました。アヤメ科の植物です。
2024年05月02日 14:14撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:14
道端にシャガが咲いていました。アヤメ科の植物です。
タンポポに似ていますが、ブタナ(タンポポモドキ)でした。
2024年05月02日 14:20撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:20
タンポポに似ていますが、ブタナ(タンポポモドキ)でした。
鳥谷口古墳に来ました。この古墳の発見は1983年と比較的新しく、副葬品がないことから誰の墓かは判明していません。他の出土品から7世紀末のものと推測されています。
2024年05月02日 14:20撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:20
鳥谷口古墳に来ました。この古墳の発見は1983年と比較的新しく、副葬品がないことから誰の墓かは判明していません。他の出土品から7世紀末のものと推測されています。
この古墳は大津皇子の墓という説が有力です。大津皇子が葬られたのは、二上山の山頂ではなく當麻山口神社の近くであるこの場所だというものです。
2024年05月02日 14:22撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:22
この古墳は大津皇子の墓という説が有力です。大津皇子が葬られたのは、二上山の山頂ではなく當麻山口神社の近くであるこの場所だというものです。
また、当初はここに葬られた後、無念の死を遂げた大津皇子の祟りを鎮めるために山頂に遷して再葬したという説もありますが、何とも言えないところです。
2024年05月02日 14:33撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:33
また、当初はここに葬られた後、無念の死を遂げた大津皇子の祟りを鎮めるために山頂に遷して再葬したという説もありますが、何とも言えないところです。
道の駅に戻って来ました。この後は付近を観光します。
2024年05月02日 14:49撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 14:49
道の駅に戻って来ました。この後は付近を観光します。
車で移動して當麻寺(たいまでら)に来ました。創建は612年とされ、1400年を超える歴史を誇る大きな寺院です。
2024年05月02日 16:05撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:05
車で移動して當麻寺(たいまでら)に来ました。創建は612年とされ、1400年を超える歴史を誇る大きな寺院です。
国宝である當麻寺の本堂です。當麻寺は無料で入れますが、各建物に入るのに都度拝観料が必要となります。
2024年05月02日 15:46撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:46
国宝である當麻寺の本堂です。當麻寺は無料で入れますが、各建物に入るのに都度拝観料が必要となります。
やや分かりにくい場所にある東塔。内部には入れません。
2024年05月02日 15:56撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:56
やや分かりにくい場所にある東塔。内部には入れません。
こちらは西塔です。東西2つの塔が残っている寺院は珍しいそうです。
2024年05月02日 15:44撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:44
こちらは西塔です。東西2つの塔が残っている寺院は珍しいそうです。
奥の院にも寄ってみます。こちらは入場の時点で拝観料500円が必要です。
2024年05月02日 15:32撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:32
奥の院にも寄ってみます。こちらは入場の時点で拝観料500円が必要です。
重要文化財である奥の院の本堂を見学します。
2024年05月02日 15:22撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:22
重要文化財である奥の院の本堂を見学します。
5月6日まで特別公開中でした。中は撮影禁止でしたが、法然上人や中将姫の像が見られました。
2024年05月02日 15:30撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 15:30
5月6日まで特別公開中でした。中は撮影禁止でしたが、法然上人や中将姫の像が見られました。
駐車場に戻る途中で、万葉集に寄せられた大伯皇女の歌碑がありました。弟の死を偲んだ内容ですが、この「弟」とは大津皇子のことです。(大伯皇女は大津皇子の同母姉)
2024年05月02日 16:21撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:21
駐車場に戻る途中で、万葉集に寄せられた大伯皇女の歌碑がありました。弟の死を偲んだ内容ですが、この「弟」とは大津皇子のことです。(大伯皇女は大津皇子の同母姉)
こちらの案内板には大津皇子が謀反の疑いをかけられて殺されたことが書かれています。
2024年05月02日 16:21撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:21
こちらの案内板には大津皇子が謀反の疑いをかけられて殺されたことが書かれています。
再び車で移動して屯鶴峯(どんづるぼう)に来ました。凝灰石が露出し、奇岩群が見れる観光地です。
2024年05月02日 16:44撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:44
再び車で移動して屯鶴峯(どんづるぼう)に来ました。凝灰石が露出し、奇岩群が見れる観光地です。
展望スポットは2箇所あり、片道5〜10分ほどの距離です。もう17時近いですが、10人以上の観光客が奇岩を眺めていました。
2024年05月02日 16:48撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:48
展望スポットは2箇所あり、片道5〜10分ほどの距離です。もう17時近いですが、10人以上の観光客が奇岩を眺めていました。
この凝灰石は1500万年前の二上山の火山活動によってできたそうです。昔は二上山が火山だったというのも驚きです。
2024年05月02日 16:49撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:49
この凝灰石は1500万年前の二上山の火山活動によってできたそうです。昔は二上山が火山だったというのも驚きです。
せっかくなので屯鶴峯のピークまで歩いてみます。
2024年05月02日 16:57撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 16:57
せっかくなので屯鶴峯のピークまで歩いてみます。
山頂までの道は割とガチ目な山道です。テープやペンキで方向を確認しながら進む必要があります。
2024年05月02日 17:01撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 17:01
山頂までの道は割とガチ目な山道です。テープやペンキで方向を確認しながら進む必要があります。
屯鶴峯(東峰)のピークに到着しました。山頂には鉄塔が建っており、味気ない感じです。展望もさほどではないので、周回して西峰に足を伸ばすことにします。
2024年05月02日 17:04撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 17:04
屯鶴峯(東峰)のピークに到着しました。山頂には鉄塔が建っており、味気ない感じです。展望もさほどではないので、周回して西峰に足を伸ばすことにします。
西峰の手前には西壕があります。太平洋戦争中に掘られた大規模な地下壕で、陸軍が戦闘指令所として建設したものです。
2024年05月02日 17:13撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 17:13
西峰の手前には西壕があります。太平洋戦争中に掘られた大規模な地下壕で、陸軍が戦闘指令所として建設したものです。
地下壕には東壕と西壕があり、総延長距離は2kmに達するそうです。なお、東壕は京都大学が地殻変動の観測所として使用しているので、近付くことはできません。
2024年05月02日 17:13撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 17:13
地下壕には東壕と西壕があり、総延長距離は2kmに達するそうです。なお、東壕は京都大学が地殻変動の観測所として使用しているので、近付くことはできません。
西峰に到着しましたが、驚くような景色ではありませんでした。周回すると1時間近くかかるので、観光より登山のつもりで歩いた方が良いです。
2024年05月02日 17:22撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
5/2 17:22
西峰に到着しましたが、驚くような景色ではありませんでした。周回すると1時間近くかかるので、観光より登山のつもりで歩いた方が良いです。
下山後は橿原ぽかぽか温泉で汗を流しました。屯鶴峯を含めると1日に3山登ったことのなるので、かなりヘロヘロになりました。
2024年05月02日 18:12撮影 by  iPhone 12 Pro Max, Apple
1
5/2 18:12
下山後は橿原ぽかぽか温泉で汗を流しました。屯鶴峯を含めると1日に3山登ったことのなるので、かなりヘロヘロになりました。

感想

花の百名山の一座である二上山(517m)。
四季を通して色々な花が見れる山ですが、花の百名山の選者である田中澄江さんが「二上山の花」として挙げているのはキク科のテイショウソウです。テイショウソウの開花時期は9月~11月なので、残念ながらこの時期には咲いていません。
今回、二上山に登った目的は、「花」ではなく、山頂にある大津皇子の墓稜を訪れることでした。

二上山はさほど標高が高い山ではないですが、飛鳥時代の都(藤原京)の真西に位置し、春分の日と秋分の日には雄岳と雌岳の間に夕陽が沈んだことから西方浄土の地とされ、神聖視された山だったようです。
そのような特別な山の山頂に眠るとされる大津皇子ですが、7世紀後半の人物で、天武天皇の第三子として誕生しています。幼い頃から文武に秀で、人柄も良かったため、天智天皇(母方の祖父)や天武天皇に可愛がられ、人望も厚かったと伝えられています。
第二子である草壁皇子(異母兄)が序列1位ではあったものの、能力的には見劣りしていたことから、大津皇子を後継者として期待する声も大きかったようです。

ところが、686年9月9日に天武天皇が崩御すると、10月2日に大津皇子は「謀反を企てた」として自害を強いられ、24歳で生涯を閉じることとなります。大津皇子以外に重罪に問われた者はおらず、「狙い撃ち」をされていることから、後継者争いの陰謀に巻き込まれて冤罪を着せられたと考えられています。

そして、当時の記録書ではハッキリと書かれてはいませんが、この事件の黒幕は『皇后(草壁皇子の母)』と推測されています。草壁皇子の即位に邪魔な大津皇子を先手を打って排除したというものです。

ところが、草壁皇子は天武天皇の喪が明ける前(即位の儀式を行う前)に病死してしまいます(享年27歳)。草壁皇子の子である軽皇子(後の文武天皇)はまだ幼かったため、皇后は自ら持統天皇として即位し、孫に譲位するまで実権を握り続けます。(譲位後も上皇として院政を行った)

この時代は、天皇が自ら政治を行う親政の時代で、持統天皇は律令制の整備や税負担の軽減などを行い、統治者としては有能であったとされます。しかし、権力欲は非常に強い人物であったようで、このような「女帝」に目を付けられた大津皇子は不運な人物でした。

よく整備されて登山者も多い雌岳に比べ、大津皇子の墓のある雄岳は眺望や休憩スペースがなく、足を伸ばす人も少ないイメージです。もう少し整備して欲しい気もしますが、このまま静寂に包まれている方が良いような気もします。

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