西中国山地分水嶺(4泊5日)
- GPS
- 102:09
- 距離
- 49.0km
- 登り
- 3,126m
- 下り
- 3,135m
コースタイム
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 6:21
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 5:41
- 山行
- 6:32
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 7:21
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 9:14
天候 | 曇天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
日本山岳会広島支部25周年記念事業として、山楽山学クラブの2人で西中国山地分水嶺を歩いた。
私は恐羅漢山までの約30kmを挑む。Yさんは、記録上はおそらく初めてとなる虫送峠(191号線)までの約45kmに挑む。
1,2日目、オサカエ峠までは、積雪10〜30センチと少い。広高山から先は最大の秘境地で、アップダウン、ブッシュ、藪漕ぎで、やっと歩けるほど。尾根もわかりにくく、GPSなしで歩いた先人達は偉業としか思えない。
2日目からYさんは激しく咳き込み、3日目の朝に食べたものを吐かれた。体調悪化のリスクを考え下山を具申した。不本意だが一旦は下山することに納得される。9時までもうひと眠りして体調回復をはかる。しかし、起きてテントを開けると太陽がさした。「Sさん、天気がいいよ。行こうか。」と。私は目が点になった。大丈夫としか言わない。「では、恐羅漢山で一緒に下山しましょう。」と私。一転再開に変わる。この日は終日曇天。偶然朝日を授けた神に感謝する。
Yさんは足が重そうだが、一定のペースを刻んでいる。さすがだ。これは大丈夫と感じた。私はルートを見るため先行したり、待って一緒に歩いたりを繰り返した。横川越えまで歩き3日目のテント泊。
オサカエ峠から東は積雪20〜50センチ。厳しい西側と違い、穏やかな山容で危険か所はない。途中の1158ピークは唯一パノラマの視界が広がるこのコースの最大の見所だ。十方山から冠山まで180度で見渡せる。この日はガスがかかり想像の景色を楽しんだ。
4日目の朝、仲間に恐羅漢で下山する旨を電話した。「まだ、決めていない。」とYさん。またまた目が点になった。歩く気だ。
恐羅漢山頂でAさんらの歓迎を受けた。差し出されたチキンとおにぎり。久しぶりのシャバの飯は美味しく、ありがたい。Yさんは朝日を見て元気になったことを、おやじの下ねたギャグで笑わせる。やはり行く気だ。恐羅漢の奥地に静かに消えて行った。
Yさんは、4日目は野田原の頭でキャンプ。5日目、高岳まで行くが、積雪が少ない。虫送峠手前は藪と起伏が複雑で進めなくなる可能性がある。安全のため聖湖に降り、そこからが長い道のり。やっと斎山荘についてほっとしたのも束の間、バイクが動かない。バッテリー上がりだ。恐るべし、八幡の寒さ。
結局4泊5日、約50kmを歩いた。
私は3日目から体が慣れ、集中力も増し、疲労もなく、不思議なほど歩ける感覚がした。ゾーンに入るというか心と体が研ぎ澄まされていく感じだ。達成感はなかった。一つの通過点にすぎない感覚だ。秘境という、俗世から遠く離れた場所は、不思議に山と自然と人が融合した感覚があった。そのままYさんについて行きたかった。
出迎えていただいた仲間、昨年サポートいただいた支部の皆様のおかげで、2人が無事完歩できたことに謝意を申し上げます。ありがとうございました。(S筆)
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