表妙義縦走(白雲山-天狗岳-相馬岳-東岳-中之岳)
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- GPS
- 07:30
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 1,114m
- 下り
- 1,106m
コースタイム
-09:15タルワキ沢のコル-09:30相馬岳-10:45ホッキリ-11:40鷹戻しの頭-12:50中之岳-13:20主稜のコル-
13:40第四石門-14:20中間道登山口-14:45道の駅みょうぎ第2駐車場-19:30自宅着
天候 | 快晴(とても暑かった。24℃?) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■駐車場 妙義神社近くの「道の駅みょうぎ」の第2駐車場が登山者用として無料開放されている。約50台程度が駐車可能。 そのほかにも妙義神社近くに富岡市営駐車場あり。 ■登山口(白雲山から金洞山への岩稜縦走) 妙義神社への階段最上部の右手に大の字・白雲山登山口がある。登山口には、登山ポストあり。 ※現在、災害復旧工事(林伐採工事)が行われており、神社最上部には行けない。ちょっと分かりにくいが、誘導 標識があるので、これに従って歩けば登山口に行くことができる。 ■白雲山登山口〜見晴 登山口から少し登ると沢があり、その沢を渡りさらに登る。鎖場が2箇所あり、小尾根に出れば左手が大の字の 岩峰。岩峰上部に出るためには、約3mの直立鎖場を登る。大の字からの眺めは最高。 小尾根に戻り、一般登山道を見晴方向に歩くと「辻」の分岐点があり、これを奥の院方向に歩く。まもなく、 奥の院にたどり着き、右ルゼンの直立3連・30mの鎖場を直登する(ここが最大の難所。腕力に自信のない方は、 ハーネスを使用して鎖にセルフをとることで、直登の途中で一休みも可能)。この鎖場を登り終えた後、約7m の外傾鎖、簡単な岩場等を通過し稜線の見晴にでる。見晴からは、裏妙義、浅間山等の展望あり。 ■見晴〜相馬岳 見晴から岩稜を西に向かい相馬岳を目指す。相馬岳は表妙義の最高点(1103.8m)となる。相馬岳までのルート ポイントは、白雲山頂、玉石、大のぞき、天狗岳、タルワキ沢のコルである。注意するポイントとしては、 白雲山頂近くの3連鎖場、大のぞき後のすべり台状30mの降下。その他は、通常の登山道に近いため足場を注意 して歩くことで問題なし。ただし、高度感がある場所が多いため、バランスを崩し滑落しないよう周りの状況は 常に把握しておく必要あり。 ■相馬岳〜鷹戻しの頭 相馬岳からは茨(バラ)尾根を縦走する。茨尾根は、白雲山と金洞山を結ぶ稜線で、途中に茨尾根のピークがある。 相馬岳からは、いくつかの岩場、鎖場、涸沢を降下する。その後、ザレた岩根沿いに進むと茨尾根のピークに出る。 途中のトラバース道も高度感があり、左に切れ落ちているので注意して歩く。茨尾根のピークからは、縦走最大の 核心である鷹戻しと中之岳の上りが奥に見える。茨尾根から少し上ると堀切(ホッキリ)の分岐に着き、ここを 中之岳神社に方向をとる。鷹戻しまでには、危険なポイント記載の看板がいくつかあり、急坂を登ると約50m の鎖場→はしご→鎖場で構成される鷹戻し。落ち着いて上れば特に問題なし。反対方面からの登山者もいるので、 コースの譲り合いが必要。最後の鎖場をのぼり終えると鷹戻しの頭(ピーク)にでる。鷹戻しの頭からは、その先の 西岳、星穴岳が見える(※現在は登山禁止になっているので注意)。 ■鷹戻しの頭〜石門登山道入口 鷹戻しの頭から簡単な岩場を下ると、ルンゼ内の2連・30mの下降鎖場がある。ここも、腕力に自身のない方は、 セルフビレイをとりながらゆっくりと下ったほうがよい。この鎖場を下ったあと中之岳を目指す。中之岳までは、 いくつかの鎖場やフリー(鎖のない)で登る岩場があってとても危険。最近3件の滑落死亡事故があったそうだ。 注意書きもあり、滑落注意と書いてあった。痩せ尾根+フリーの岩場など注意点は多い。岩場の登山練習では なく、本番であることを頭に入れて、慎重に行動する必要あり。中之岳ピークより少し下降すると、中之獄神社、 西岳方面への分岐点に出る。これを中之獄神社方向にいくと第四石門に出ることができる。途中いくつかの鎖場 があるが、特に問題なし。第四石門前には休憩所があり、これまでの疲れを癒すことができる。 ■石門登山道入口〜道の駅みょうぎ第2駐車場 石門登山道入口に出たあと、一般道を妙義神社方向に歩くと1本杉へのハイキングコース入口に着く。このハイキ ングコースを妙義神社方向に歩く。少しすると大人場に着き、さらに歩き一般道へ出る。ここから道の駅みょうぎ 第2駐車場までは、一般道をひたすら歩く。石門登山道入口側には、無料休憩所(トイレ、自販機)があり、休憩も 可能。 |
ファイル |
tayukayu
(更新時刻:2010/05/03 13:07) |
写真
感想
2:30起床、3:00に妙義神社に向けて出発。前日早めに寝たせいか、体調はそんなに悪くない。妙義神社に着いたのは、
6:35。早速、登山道具(ハーネス、セルフビレイ用デージーチェーン、カラビナ)の点検、装着を済まし白雲山登山口
のある妙義神社に向かう。ちなみに、登山前のトイレは道の駅みょうぎが使用できる。
妙義神社は、本殿周りの木の伐採工事を実施しており、白雲山登山口までは、仮設の誘導表示板が設置されていた。
白雲山登山口で登山計画書を提出し、いよいよ表妙義の縦走の始まりである。はじめは、森林の中の急な上り坂を歩く
が、もう既にこの時点でバテバテ。最近フリークライミングばかりやっていたため、基礎体力(脚力等)が落ちてしまっ
ている。まずい!と思いながらも歩くと徐々に慣れてきた。
大の字までは、簡単な鎖場が2箇所あり、大の字の岩峰では約3mの直立鎖場を登る。結構、大変。大の字の岩峰に出る
と車を停めた駐車場が小さく見える。眺めはいい。先が長いので、そそくさとその場を立ち去り、奥の院へ向かう。
奥の院は巨大なチョックストーンの挟まるところで、この右側の3連・30mの直立鎖場を上る。足のホールドはいっぱい
あるが、体を支え、また持ち上げる腕力が必要。腕力自身のない人は、ハーネス+セルフビレイで、途中休憩できる
装備が必要と感じた。私は、先日のフリークライミングでの疲れが残っていたせいか、登ったあとに少し腕が張ってい
るように感じた(これは、言い訳ですね。皆さんは万全な体調で)。このあとの鎖場までもつか?と少し不安。
同行のyuは、何にもなかったようにあっという間に登り終えていた。
手の張りを感じながらもいくつかの鎖場、岩場を越えて、鷹戻しの直下までたどり着いた(詳細は、上記コース状況を
参照)。30mの鎖場の昇降では、腕力だけではなく、手のひらも結構いたくなる。薄手の皮グローブなど使用する
ことで結構楽になる(本当は素手がいいのですが)。
いよいよ鷹戻し。鎖場から始まり途中はしご、そしてまた鎖場と約50m高度を上げる。鎖場は足のホールドをしっかりと
していないと振られるので注意(できれば、岩トレなど事前に経験があると全然違うと感じた)。鷹戻しの頭(ピーク)
に着き、次の核心部である中之岳までのやせ尾根を見る。結構、「怖いかも」という感じだった。
鷹戻しの頭から中之岳に行くには、2連・30mの鎖場を降下する必要がある。この時点でくたくたの状態であった
のと、ロープ持参していたので懸垂降下しようかなと思ったが、yuがそのまま下降しようという意見だったので、
岩場のクライムダウンのトレーニングの意味も含め鎖と周りの岩のホールドを頼りに降下を始めた。結構、鎖だけで
降りるのは腕に負担がかかる。ここも、腕力に自身のない方は、上部で他の方にビレーされながら降下するか、
懸垂降下または2本のセルフビレイの掛け替えで安全を確保して降下したほうがいいと感じた。
そしていよいよ中之岳へ。狭い縦走路(両端が100m程度きれ落ちている箇所もあり)、鎖のない岩場があり、滑落によ
る死亡事故の多い箇所。特に鎖場のない岩場の昇降は注意。そのまま足元がすべり滑落すると50m程度は真っ逆さま。
ここの場所はちょっと緊張するところで、岩場の登攀経験がない方は、岩トレを事前に経験するきだなと感じた(岩トレ
ができない場合は、室内ジムでのクライミング練習など)。
中之岳についた時点で、のどは渇き、残っている体力も少ない・・・・。これでは、夏に計画している奥穂〜ジャン
ダルム〜西穂、北鎌尾根縦走はどうなることやら・・・と感じた。もっとボッカが必要と感じる。
中之岳から中之獄神社方向の石門の登山道は、さほど問題なし。第四石門に着いた時は、これまでの緊張が開放
されたことと、体の疲れが一挙に出てしまい本当にくたくた。一息ついて、約4km先の「道の駅みょうぎ」の第2駐車場
に向かう。到着時刻14:30。約7時間半の表妙義縦走だった。本当は温泉に入って、ゆっくりと帰りたかったが、
これから茨城までの3時間半のドライブが待っていたため(渋滞していないだろうな??)、道の駅のトイレで着替え、
ソフトクリーム(250円)と飲料水、ついでにお土産を購入して帰宅の路につく。
今度は、裏妙義を縦走したい!と思った。
・・・・それと、基礎体力の低下の対策として、30kg程度(やっぱり20kgにしようかな(^^;)のザックでのボッカをはじめたい
と思う。
最後に、表妙義は最高の高度感と充実した達成感を味わえる縦走路です。その反面、十分な登山計画としっかり
とした装備がないと大変危険な縦走路となります。登山者の皆様が安全登山で同じ達成感を感じていただければ
と思います。
DIYと言います。同じコースを5月末に単独で計画しています。ガイドブックや他のヤマコレ記録も見ているのですが、わからないので教えていただけると助かります。
鎖を腕力だけで登る(降りる)、90度程度(かそれ以上)の鎖も結構あるのでしょうか?
つまり、鎖を自然の状態にした時に、壁に着かずに垂下る状態です(これを登る場合、完全に腕の力だけで登り、足は中にある)
パートナ-、ザイルなしで行くので、撤退することも考えて聞いておきたいので。
なお、20代まではロッククライミングをしていましたが、今(50代)は、腕力も落ちています。(鎖場は好きです)
でも腕の力だけ鎖を登るのは結構若い人でも難しいのでそこまでは無いのかなー?とも思っています。
長くなりましたがよろしくお願いします。
DIYさん
どこの鎖場も角度はついていますので、鎖を登り棒のような状態で、腕力だけで登る箇所はありません(90度以上の所はありません。)のでご安心を。
少し書き方が大げさですかね。
ただし、10m×3連だと、結構な腕力は必要になりますので、何かあった場合のサポートとして、セルフビレイ(ハーネスにスリング2本を結び、そのスリングについているカラビナを鎖に掛け替えながら登る/下る)を取りながら、また、使用しなくとも一応準備していることで、より安全な登山ができると思います。
腕力に自身があれば、そのままの登ることも可能です。
最後はあくまでも自己責任ということで、登山計画をお願いします。
それと、記録には記載していないのですが、ホールドとして使う岩にはもろいものがあります。握っただけで割れるもの、グラついているもの(昨日は、握った瞬間に取れたものもありました。
それと登山前には、ある程度の筋力トレーニングをしていたほうがいいかもしれませんね。
表妙義はとてもすばらしかったです。DIYさんも是非、十分な登山計画のもと、安全登山で表妙義の高度感、爽快感、達成感を味わってください。
そのほか私でよろしければ、経験の中からお教えできることは伝えたいと思います。わからないことがあれば、また書き込みしていただければと思います。
早速、見ず知らずの者に詳しくありがとうございます。
少し安心しました。
やはり、そうですよね、90度かそれ以上は ないですよね。(一度経験して、撤退したのでトラウマになっています)
セルフビレイは、古い(少しサビた)カラビナとハーネスを持っていく予定です。
滑落でのショックはないので何とかそれで、、実はtayukayuさんの回答によっては古いアブミも2セット持って行こうかと思っていた次第ですが、それはいらないようなのでやめます。
筋トレ、年も年なので少なからずしています。
岩の脆さ情報ありがとうございます。
この辺の情報はガイドブックにも無いので非常に助かります。
何かあれば、撤退を前提に、慎重に行ってきたいと思います、助かりました。
Araさんのアドバイスのおかげで、無事に表妙義を縦走することができました。色々とありがとうございました。
表妙義の高度感。、爽快感を十分に堪能できました。
少し怖いところもありましたが。
今度は、裏妙義にも挑戦したく考えております。以後も何かありましたら宜しくお願いします。
【参考にしたAraさんの山行記録】
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-60532.html
家族でキャンプに行っていたため、レスが遅れてすいません。
表妙義、日記の予定通りに行かれたのですね。
天気も展望も良く、とても楽しまれたようで良かったですね。私の山行記録がちょっとでも役に立ったのであればとてもうれしいです。
表妙義縦走路は満足感のあるルートですよね。
でも、初回は先がどの程度の難易度なのか、体力をどの程度残しておけば良いのかがわからず手さぐり状態ですが、2回目以降はもっと楽しめそうですよね。
私も次回はもっと楽しめるのではないかと感じています。
あと、裏妙義にも行きたくなりますよね。そのうち行こうと思っていますので、今度はtayukayuさんの山行記録を参考にさせていただきたいと思います。
また、tayukayuさんはクライミング要素の多い山行に行かれるようなので、これからも山行記録を楽しみにしています。
私もたまにプチバリエーションに行きたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。
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