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Yamareco

記録ID: 620907
全員に公開
雪山ハイキング
白馬・鹿島槍・五竜

あわや救助依頼?ほっとした爺ヶ岳南尾根

2015年04月26日(日) [日帰り]
 - 拍手
y-urano その他3人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
08:25
距離
9.6km
登り
1,460m
下り
1,476m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:38
休憩
2:46
合計
8:24
5:40
74
スタート地点
6:54
6:55
78
8:13
8:30
48
ジャンクションピーク
9:18
9:23
13
9:36
10:18
10
10:28
10:29
29
10:58
11:08
12
ジャンクションピーク
11:20
12:50
74
滑落現場(2060m付近)
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2015年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
爺ヶ岳登山口駐車場 手前道路脇 5時半 4台 川向こうの駐車場もガラガラでした
どちらの駐車場もガラガラでした。
支度をして5時40分にスタート
2015年04月26日 05:34撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 5:34
どちらの駐車場もガラガラでした。
支度をして5時40分にスタート
登山届けを提出
ここから直ぐに山に取り付きます、間違えてそのまま沢沿いを行かないように注意です。
2015年04月26日 05:36撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 5:36
登山届けを提出
ここから直ぐに山に取り付きます、間違えてそのまま沢沿いを行かないように注意です。
途中雪の残る夏道をつぼ足で行きますが、雪は締まっているので八ッ見手前で軽アイゼンにしました。
朝日がまぶしい。
2015年04月26日 06:14撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
3
4/26 6:14
途中雪の残る夏道をつぼ足で行きますが、雪は締まっているので八ッ見手前で軽アイゼンにしました。
朝日がまぶしい。
下界は霞んでいます。
2015年04月26日 06:14撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 6:14
下界は霞んでいます。
登山口から40分で南尾根分岐の黄色い看板、直ぐに急登が始まります。
2015年04月26日 06:19撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 6:19
登山口から40分で南尾根分岐の黄色い看板、直ぐに急登が始まります。
尾根は雪が消えていますが西斜面を回り込む所にはまだまだたくさんありました。
2015年04月26日 06:34撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 6:34
尾根は雪が消えていますが西斜面を回り込む所にはまだまだたくさんありました。
ようやく針ノ木が覗きます。
2015年04月26日 06:44撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 6:44
ようやく針ノ木が覗きます。
扇沢はまだ営業していません。
でも下の無料駐車場にはそこそこ駐車してますね。
2015年04月26日 06:44撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 6:44
扇沢はまだ営業していません。
でも下の無料駐車場にはそこそこ駐車してますね。
途中西側の谷底まで続く雪面をトラバース、雪が堅いのでヒヤヒヤします。
2015年04月26日 07:01撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 7:01
途中西側の谷底まで続く雪面をトラバース、雪が堅いのでヒヤヒヤします。
尾根分岐から1時間でジャンクションピークまで続く大きな雪面に出ました。ここで休憩、12本アイゼン、ピッケルに変更
2015年04月26日 07:28撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 7:28
尾根分岐から1時間でジャンクションピークまで続く大きな雪面に出ました。ここで休憩、12本アイゼン、ピッケルに変更
後ろには蓮華と針ノ木が聳えます。
ここで標高2000mを少し越えた程、まだ700m近く登らなければ
2015年04月26日 07:22撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 7:22
後ろには蓮華と針ノ木が聳えます。
ここで標高2000mを少し越えた程、まだ700m近く登らなければ
大きな長い雪の壁を一段乗り越えたら山頂らしきものが見えました、でもJPはまだその先でした。
途中垂直に近い段差もあって手と足を使って登りました。
2015年04月26日 07:36撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 7:36
大きな長い雪の壁を一段乗り越えたら山頂らしきものが見えました、でもJPはまだその先でした。
途中垂直に近い段差もあって手と足を使って登りました。
だいぶ上がってきたかな
2015年04月26日 07:37撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 7:37
だいぶ上がってきたかな
まだまだ登ります
2015年04月26日 07:53撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 7:53
まだまだ登ります
先ほど見えていたの頂上まで来ました、JPはまだ先ですが、傾斜が緩くなっているのでここは上がった呼吸を整えながら行きます。
2015年04月26日 08:04撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:04
先ほど見えていたの頂上まで来ました、JPはまだ先ですが、傾斜が緩くなっているのでここは上がった呼吸を整えながら行きます。
45分ほどでJPに到着しました、登山口から2時間半予定通りです。ここで一休み景色を堪能です。
蓮華の尾根の向こうに槍穂高
2015年04月26日 08:12撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:12
45分ほどでJPに到着しました、登山口から2時間半予定通りです。ここで一休み景色を堪能です。
蓮華の尾根の向こうに槍穂高
雄大な蓮華岳
2015年04月26日 08:14撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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雄大な蓮華岳
針ノ木、スバリ、赤沢、鳴沢
2015年04月26日 08:13撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:13
針ノ木、スバリ、赤沢、鳴沢
そして進行方向に爺ヶ岳南峰
2015年04月26日 08:13撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:13
そして進行方向に爺ヶ岳南峰
奥に中峰
2015年04月26日 08:13撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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奥に中峰
種池小屋も赤い屋根が見えました。
2015年04月26日 08:13撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 8:13
種池小屋も赤い屋根が見えました。
八ヶ岳、富士山、南アルプス
2015年04月26日 08:14撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
4/26 8:14
八ヶ岳、富士山、南アルプス
I君が登ってきます、横にはテントがありました。
2015年04月26日 08:12撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:12
I君が登ってきます、横にはテントがありました。
その後N君も、到着。
みんな揃ったところで休憩して、アイゼンを脱いで雪の無い尾根道を上ります。
2015年04月26日 08:15撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:15
その後N君も、到着。
みんな揃ったところで休憩して、アイゼンを脱いで雪の無い尾根道を上ります。
登るにつれ小屋の向こうに剱岳が顔を出しました。
2015年04月26日 08:47撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:47
登るにつれ小屋の向こうに剱岳が顔を出しました。
この尾根道、これが結構足にきました。
2015年04月26日 08:47撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:47
この尾根道、これが結構足にきました。
針ノ木からぐるっと爺ヶ岳までの一望ですね。
手前の山塊が茶色に見えました。
2015年04月26日 08:47撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 8:47
針ノ木からぐるっと爺ヶ岳までの一望ですね。
手前の山塊が茶色に見えました。
JPから45分で爺ヶ岳南峰到着。
2015年04月26日 09:16撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:16
JPから45分で爺ヶ岳南峰到着。
南峰からの眺望、劔方面
2015年04月26日 09:16撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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南峰からの眺望、劔方面
針ノ木の奥には薬師ですね。
2015年04月26日 09:16撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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針ノ木の奥には薬師ですね。
蓮華、槍穂高
2015年04月26日 09:17撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:17
蓮華、槍穂高
槍穂高をズーム!
2015年04月26日 09:18撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:18
槍穂高をズーム!
手前は登ってきた南尾根
2015年04月26日 09:18撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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手前は登ってきた南尾根
眺望を楽しんだら中峰に向かいます
2015年04月26日 09:29撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:29
眺望を楽しんだら中峰に向かいます
20分弱で到着、我々だけでした。
みんなで記念撮影。
2015年04月26日 09:39撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:39
20分弱で到着、我々だけでした。
みんなで記念撮影。
中峰から鹿島槍への稜線。
2015年04月26日 09:40撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:40
中峰から鹿島槍への稜線。
ズーム、冷池山荘が見えますね。
2015年04月26日 09:51撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:51
ズーム、冷池山荘が見えますね。
中峰に来ると、頸城山系、右端には高妻山がくっきり見えました。これが見たかった。
2015年04月26日 09:40撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:40
中峰に来ると、頸城山系、右端には高妻山がくっきり見えました。これが見たかった。
立山-劔-毛勝
2015年04月26日 09:41撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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立山-劔-毛勝
剣ズーム
2015年04月26日 09:49撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:49
剣ズーム
右橋に南峰
2015年04月26日 09:42撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:42
右橋に南峰
槍から穂高、前穂、大天井、常念まで
2015年04月26日 09:50撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:50
槍から穂高、前穂、大天井、常念まで
松本盆地は霞んでいます。
山頂で40分ほど休憩して、下ります。
下って扇沢で黒部ダムカレーの昼食だ。
2015年04月26日 09:50撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 9:50
松本盆地は霞んでいます。
山頂で40分ほど休憩して、下ります。
下って扇沢で黒部ダムカレーの昼食だ。
JPから雪のバーンをグリセード、尻セードで下って来て稜線の反対側に回り込むところで、I君が落としたタバコを捜している時、上からテント泊の大きなザックを背負った男性がストックで降りて来る途中谷筋に向かって滑落しました。
2015年04月26日 11:44撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 11:44
JPから雪のバーンをグリセード、尻セードで下って来て稜線の反対側に回り込むところで、I君が落としたタバコを捜している時、上からテント泊の大きなザックを背負った男性がストックで降りて来る途中谷筋に向かって滑落しました。
上から下ってた相棒の大学生と声をかけますが返事がありません。写真先の段差の下に落ちているようです。
此所でI君が制止を聞かず、あろう事か「つぼ足」ピッケルですべりながら滑落者を探しに下って行ってしまいました。
遭難連絡を入れようか迷いました。
2015年04月26日 11:32撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 11:32
上から下ってた相棒の大学生と声をかけますが返事がありません。写真先の段差の下に落ちているようです。
此所でI君が制止を聞かず、あろう事か「つぼ足」ピッケルですべりながら滑落者を探しに下って行ってしまいました。
遭難連絡を入れようか迷いました。
その後I君への電話で滑落者は無事だと判明・
大きな怪我もなくほっとしました、段差下の雪のないところでなんとか止まったようです、その下は崖だったそうで本当に最後のところで助かりました。
その後滑落した大学生は相方にザックを背負ってもらって元気な姿を見せてくれました。
2015年04月26日 12:25撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 12:25
その後I君への電話で滑落者は無事だと判明・
大きな怪我もなくほっとしました、段差下の雪のないところでなんとか止まったようです、その下は崖だったそうで本当に最後のところで助かりました。
その後滑落した大学生は相方にザックを背負ってもらって元気な姿を見せてくれました。
今度は捜索に向かったI君の救出です。
谷向こうの崖の雪急斜面でつぼ足故登れなくなっていました。
今度はA君がI君のアイゼンを持って救出に向かい、しばらくして無事谷をトラバースする2人が見えました。
2015年04月26日 12:28撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 12:28
今度は捜索に向かったI君の救出です。
谷向こうの崖の雪急斜面でつぼ足故登れなくなっていました。
今度はA君がI君のアイゼンを持って救出に向かい、しばらくして無事谷をトラバースする2人が見えました。
最後は4人で無事戻ってこれました。
この間1時間半程度でした、時間、天候、居合わせた人数、全てが幸運でした。ただI君の暴走だけ大叱責ものでした。
2015年04月26日 12:35撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 12:35
最後は4人で無事戻ってこれました。
この間1時間半程度でした、時間、天候、居合わせた人数、全てが幸運でした。ただI君の暴走だけ大叱責ものでした。
精神的な大きな疲労と深い安堵感でようやく登山口まで帰ってきました。
さあ、黒部ダムカレーを食べに急ぎました。
すでに気持ちはお腹いっぱいになっていましたが・・・
2015年04月26日 13:59撮影 by  PENTAX K-3, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
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4/26 13:59
精神的な大きな疲労と深い安堵感でようやく登山口まで帰ってきました。
さあ、黒部ダムカレーを食べに急ぎました。
すでに気持ちはお腹いっぱいになっていましたが・・・

感想

数日前から日曜日は快晴との天気予報だったので、少し足を伸ばして残雪残る爺ヶ岳に行って来ました。
雪がしまっている朝の内に登って、昼頃には下山して、名物の黒部ダムカレーで昼食、近くの露天風呂で桜でも眺めながらのんびりして、夕方前には帰宅する予定でした。

この日の登山者は思った以上に少なく、途中で出会ったのは10名ほどだけでした。
GWも始まったばっかりでこれからが春山本番でしょうか。

この日は登山口の出だしのところで道に迷った方が数名いたようです、直ぐに山に取り付くところをしばらく沢沿いに登っていったミスで、我々も少し戸惑いました。
南尾根ルートは藪が大変だと聞いていましたがほとんど気になりませんでした。
大きな雪のバーンに出るまでは谷底まで続く雪の斜面がありましたが、雪がしまっていたので簡易アイゼンで充分でした。

大きな雪のバーンがJPまで続く所は何段にも雪の壁があってピッケルのブレードを差しながら乗り越えました。ここが帰りにあわや大事になろう場所だとはこの時思いもしませんでした。
とにかくトレースに沿って雪庇部分に乗らないよう端を行きました。

JPからは尾根に夏道がジグザグに続いています。
途中偽ピークがあったりして、思った以上に遠く感じました。
長い長いとつぶやきながら登る内に山頂はあっけなく南峰に到着しました。

静かな山頂からの景色は予想通りの素晴らしいものでした。
直ぐに中峰まで行き、そこから見える頸城山系や目前に聳える鹿島槍に目を奪われながら大休止
昼食のカレーを楽しみに下り出しました。

JPからの雪のバーンは腐って上手く下れません、結局滑り降りる形で下りました。
傾斜がきついためにピッケルで制動しながら下りました。
大きな雪のバーンを下り終え、登りで休憩した場所まで来ました。

下った所でI君が落としたタバコを捜しているときです、最後の急な斜面をテン泊して下ってきた大学生の一人が仰向けの状態で滑落して行くのをI君、A君、N君が見ていました。

ここは西側に沿って下ってくるところを中よりに下ったため、谷の中央を滑落していく事になって、途中で別の尾根がでてコースを外れてしまいます。
大きなザックが徒になり、持っていたストックでは滑落を止めることは出来なかったようです。
下を覗くとどうやら谷の先が切れ込んでいてその下に落ちたようです。

後から下って来た相方の大学生に状況を話して、みんなで大声で呼びかけますが反応はありません。
そのうちにI君が正義感からか若気のいたりかみんなの言うことも聞かず、急につぼ足ピッケルで雪の斜面を下って行ってしまいました。途中「アイゼンを履け!」と何度も呼びかけても本人は自信満々だったのでしょう、そのまま見えなくなってしまいました。

仕方ないので滑落した相方が途中まで下って中継して状況を知らせてもらう事にしました。
この時点で半分以上は救助依頼を県警に頼まなくてはいけないかなと思っていました。
なにしろ見える範囲だけでも滑落した斜面は200m以上ありそうです、その下がどうなっているか想像したくありませんでした。

そういえば下って行ったI君はドコモの携帯です、同じドコモ電話のN君の携帯でかけてみました。
(ドコモはこの場所でアンテナが3本立っていました)
谷底では電波状況が悪いもののなんとか通じて、I君の情報ではが滑落した大学生は、多少の怪我はあるかも知れないが無事であるとの連絡が入りました。
しかしあの状況で大事にいたらなかったのは奇跡と言って良いくらいでした。

途中地元のスキーレスキューをしていると言う2名の方が、滑落者のストックをとってきていただいたり、もしもに備えて親切にアドバイスしていただいたりしました。
この場を借りて申し上げます、有り難うございました。

滑落から1時間ほどでしょうか、滑落した大学生とその荷物を担いだ相方の学生さんがゆっくり登ってくる姿を見たときは本当に安心しました。

ところが、ところがです、捜索に下って行ったI君がいつまで経っても上がってきません。
電話すると通信が途絶えながらも下にいる彼らとは谷を隔てて反対側にいて、滑りやすい雪の斜面下は崖になっているらしく、動けなくなってしまったようです。
言っていることもパニック状態で要領が得ませんでした。
下手をすれば二次遭難です、結局つぼ足で下った事が万事休すとなってしまいました。

今度はA君がI君のアイゼンを持って慎重に下って行きました。
声が聞こえる方に谷を下り、トラバースして見えなくなって・・またまた不安が募ります。
しばらくしてアイゼンを履いたI君がA君と2人でゆっくりピッケルを刺しトラバースしながら登ってくるのが見えた時には心底安心しました。

滑落した学生さんと相方も心配して見守る中、一緒になって4人で雪面をゆっくり登って我々の場所まで戻ってきました。 滑落した学生さんも泥だらけでしたが、元気そうで片腕を痛めた様でした。
それよりもI君は自信喪失、半ショック状態でしばらくパニック状態でした。

平静になったI君が言うには自信過剰だった、初めて体験する恐怖で今度は足がすくんで動けなくなってしまったようです。
反省することしきりでしたが、こればかりは笑って許す事ではありません。
きつくみんなでお灸をすえました。

だけど本当に大事にいたらなくて良かった。
時間にして2時間もなかった事態でしたが、この経験は我々にも大きな教訓になりました。
たらればになりますが、本当に幸運だったとしか言いようがありません。
雪山での滑落、下りは特に注意したいものです。

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コメント

本当にどうもありがとうございました。
滑落した彼の帽子をかぶっていた友人です。先日は本当にどうもありがとうございました。僕一人ではどうしようもなかったと思います。

あの後彼と共に2時過ぎに扇沢に下山しました。彼自身は手の痺れくらいしか自覚症状がないと言っていたのですが念のため駅長さんが救急車を呼んでくださいました。
彼は信州大学病院に搬送されて検査をして無事今日退院したみたいです。

本当にどうもありがとうございました。彼も僕もこの体験を忘れることはないと思います。みなさんも今後もどうかお気をつけて登山を楽しんでください。
2015/4/27 20:35
Re: 本当にどうもありがとうございました。
kenkengさん 先日は大変でしたね。

写真も拝見させて頂きました。
鹿島槍までの山行うらやましい。
テントから望むモルゲンロートはさぞ素晴らしかったと思います。

あれはある意味大変貴重な経験だったと思います。
でも、大事にいたらず本当に良かったですね。(もちろん我々のメンバーにも言えます)
きっと山の神様が助けてくれたのかなと思います。

お互いに安全で楽しい登山を心がけたいですね。
そういえばI君が、せっかく一旦は回収したスコップを届けられずに申し訳ないと言っていました。

またどこかの山で笑って再会できたら良いですね。
友人にもよろしくお伝えください。
2015/4/28 19:51
プロフィール画像
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