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記録ID: 5704353
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無雪期ピークハント/縦走
大峰山脈

まほろば跋渉記#53 鬼の末裔が住んだ前鬼集落から大峯修験の聖峰・釈迦ヶ岳へ

2023年07月14日(金) [日帰り]
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まほろば1839 その他3人
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
10:39
距離
12.0km
登り
1,360m
下り
1,360m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:15
休憩
1:19
合計
10:34
6:58
7:01
94
8:35
8:39
56
9:35
9:35
5
9:40
9:52
60
10:52
10:53
50
11:43
12:20
44
13:04
13:19
33
13:52
13:52
16
14:08
14:09
3
14:12
14:12
28
14:40
14:43
82
16:05
16:08
33
16:41
16:41
0
16:41
ゴール地点
天候
過去天気図(気象庁) 2023年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
林道前鬼線ゲート前の駐車スペースに駐車。
国道169号線の前鬼口から林道前鬼線を進むこと8.2km、登山ポストもある林道ゲートから出発します。
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国道169号線の前鬼口から林道前鬼線を進むこと8.2km、登山ポストもある林道ゲートから出発します。
ゲートからおよそ50分、森の中にぽっかり開けた「前鬼」が見えてきました。今はもう定住する方もおられませんが、ここはかつて修験道の一大拠点として栄えた集落でした。
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ゲートからおよそ50分、森の中にぽっかり開けた「前鬼」が見えてきました。今はもう定住する方もおられませんが、ここはかつて修験道の一大拠点として栄えた集落でした。
明治の初め頃まで5つの宿坊がありましたが、今は唯一小仲坊だけが遺り、現在は61代目の五鬼助義之さん夫妻が大阪から通い、土日や連休のみの営業ですが、歴史ある宿坊を守り続けておられます。
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明治の初め頃まで5つの宿坊がありましたが、今は唯一小仲坊だけが遺り、現在は61代目の五鬼助義之さん夫妻が大阪から通い、土日や連休のみの営業ですが、歴史ある宿坊を守り続けておられます。
明治の初め頃まで5つの宿坊がありましたが、今は唯一小仲坊だけが遺り、現在は61代目の五鬼助義之さん夫妻が大阪から通い、土日や連休のみの営業ですが、歴史ある宿坊を守り続けておられます。
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明治の初め頃まで5つの宿坊がありましたが、今は唯一小仲坊だけが遺り、現在は61代目の五鬼助義之さん夫妻が大阪から通い、土日や連休のみの営業ですが、歴史ある宿坊を守り続けておられます。
前鬼から釈迦ヶ岳までは標高差1000m、コースタイムで3時間半ほどの登りです。全部で853段あるという木の階段を一歩ずつ登って行きます。写真は両童子岩とも云われる二つ岩。前鬼の里からここまで1時間半余り、そこからさらにもうひと登りすれば…
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前鬼から釈迦ヶ岳までは標高差1000m、コースタイムで3時間半ほどの登りです。全部で853段あるという木の階段を一歩ずつ登って行きます。写真は両童子岩とも云われる二つ岩。前鬼の里からここまで1時間半余り、そこからさらにもうひと登りすれば…
背くらべ石が佇む太古の辻に出て、大峰主稜線上に到着です。ここからは真夏でも少し寒いくらいの西風に吹かれながら奥駈道を北上します。
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背くらべ石が佇む太古の辻に出て、大峰主稜線上に到着です。ここからは真夏でも少し寒いくらいの西風に吹かれながら奥駈道を北上します。
四天王もしくは弁財天、聖天、役行者、香精童子に見立てられた「四天石(してんせき)」を間近に望む深仙宿。奥に見えるお堂が役行者らを祀る灌頂堂(かんじょうどう)で、本山派の修験では最も大切な「伝法潅頂(でんぽうかんじょう)」の儀式が行われる特別な聖地と位置づけられてきました。
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四天王もしくは弁財天、聖天、役行者、香精童子に見立てられた「四天石(してんせき)」を間近に望む深仙宿。奥に見えるお堂が役行者らを祀る灌頂堂(かんじょうどう)で、本山派の修験では最も大切な「伝法潅頂(でんぽうかんじょう)」の儀式が行われる特別な聖地と位置づけられてきました。
シンボルツリーとバイケイソウが咲き乱れ、こんな曇天でも牧歌的な雰囲気に包まれたとてもいいところです。
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シンボルツリーとバイケイソウが咲き乱れ、こんな曇天でも牧歌的な雰囲気に包まれたとてもいいところです。
深仙宿から釈迦ヶ岳まではおよそ1km、標高差300m最後の登りです。途中、都津門のちょっと気になる岩穴を眺めながら1時間弱で…
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深仙宿から釈迦ヶ岳まではおよそ1km、標高差300m最後の登りです。途中、都津門のちょっと気になる岩穴を眺めながら1時間弱で…
ガスに包まれた標高1799.87mの釈迦ヶ岳山頂に到着です。シンボルの釈迦如来像は1924(大正13)年夏に建立され、天川村栃尾出身の強力で「鬼マサ」の異名を取った岡田雅行氏が高さ3.6m、台座だけで134kg、総重量300kgにもなるというこの像を3分割し、その他多くの資材とともに全て独力で担ぎ上げました。
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ガスに包まれた標高1799.87mの釈迦ヶ岳山頂に到着です。シンボルの釈迦如来像は1924(大正13)年夏に建立され、天川村栃尾出身の強力で「鬼マサ」の異名を取った岡田雅行氏が高さ3.6m、台座だけで134kg、総重量300kgにもなるというこの像を3分割し、その他多くの資材とともに全て独力で担ぎ上げました。
帰り、くぐると極楽に行けるという都津門の窓を覗きにちょっと寄り道。笹の斜面を横切ってせっかく覗いたのに、向こう側の写真はなぜか取り忘れてしまいました〜気になる方は動画版で。
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帰り、くぐると極楽に行けるという都津門の窓を覗きにちょっと寄り道。笹の斜面を横切ってせっかく覗いたのに、向こう側の写真はなぜか取り忘れてしまいました〜気になる方は動画版で。
深仙宿に戻るとガスもすっかり取れて、たおやかな大台ヶ原を見渡せました。そこから視線を右手に移すと…
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深仙宿に戻るとガスもすっかり取れて、たおやかな大台ヶ原を見渡せました。そこから視線を右手に移すと…
まるで滑り台のような大日岳の鎖場。最後にあそこを目指します。
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まるで滑り台のような大日岳の鎖場。最後にあそこを目指します。
基部には「一般登山者は迂回路を利用してください」と案内がある通り、登るにつれて険しくなります。単に大日岳の山頂を踏むだけなら右手の巻道から登頂できます。
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基部には「一般登山者は迂回路を利用してください」と案内がある通り、登るにつれて険しくなります。単に大日岳の山頂を踏むだけなら右手の巻道から登頂できます。
特に最後が1857(安政4)年に取り付けられたという江戸時代の鎖に命を預ける必要がるので、安易な立ち入りは禁物です。とにかく古い鎖ですので、安全性の保証はありません!全て自己責任です。
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特に最後が1857(安政4)年に取り付けられたという江戸時代の鎖に命を預ける必要がるので、安易な立ち入りは禁物です。とにかく古い鎖ですので、安全性の保証はありません!全て自己責任です。
険しい行場を登り切ると、なかなかの高度感の向こうに先程登った釈迦ヶ岳が堂々と聳え、四天石が静かに見守っていました。
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険しい行場を登り切ると、なかなかの高度感の向こうに先程登った釈迦ヶ岳が堂々と聳え、四天石が静かに見守っていました。
大日岳山頂には、こちらもやはり「鬼マサ」が担ぎ上げた大日如来像が鎮座します。伝説の強力と云われる岡田雅行氏は、他に椽の鼻の蔵王権現像や千手岳の千手観音像も担ぎ上げたそうです。
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大日岳山頂には、こちらもやはり「鬼マサ」が担ぎ上げた大日如来像が鎮座します。伝説の強力と云われる岡田雅行氏は、他に椽の鼻の蔵王権現像や千手岳の千手観音像も担ぎ上げたそうです。
他にもいくつか寄り道したいところがあったんですが、今回は仲間との登山ということで残りはまたの機会にして前鬼へ戻って来ました。
飛鳥時代から続く山伏の村1300年の歴史を絶やすことなく、今なお守り続ける小仲坊と五鬼助家の方々。この先次の1000年もこの風景が変わることなく残り続けることを祈りながら、鬼の山里を後にします。
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他にもいくつか寄り道したいところがあったんですが、今回は仲間との登山ということで残りはまたの機会にして前鬼へ戻って来ました。
飛鳥時代から続く山伏の村1300年の歴史を絶やすことなく、今なお守り続ける小仲坊と五鬼助家の方々。この先次の1000年もこの風景が変わることなく残り続けることを祈りながら、鬼の山里を後にします。

感想

奈良県下北山村前鬼(ぜんき)。大峯山を開いた役行者に仕えた2匹の鬼、前鬼・後鬼の5人の子供ががそこに5つの宿坊を開き、飛鳥時代から1300年もの間、代々修験者の世話や数ある行場の維持管理を行ってきた山伏の村です。定住する方はおらず集落としてはその役目を終えてしまいましたが、現在も唯一の宿坊となった小仲坊(おなかぼう)が遺り、土日や連休のみの営業ではありますが、五鬼助(ごきじょ)家の方がその長い歴史を絶やさぬよう守っておられます。
そんな鬼の子孫が住んだという前鬼の里から、大峯修験の聖地である深仙宿(じんぜんのしゅく)、日本二百名山にも選定された大峰の名峰・釈迦ヶ岳、そして江戸時代に掛けられた鎖が今も残る行場・大日岳を訪ねます。


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ハイキング 大峰山脈 [日帰り]
前鬼より地蔵岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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