記録ID: 501258
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無雪期ピークハント/縦走
剱・立山
ブナ立尾根〜裏銀座〜読売新道〜黒部湖(烏帽子岳〜野口五郎岳〜水晶岳〜赤牛岳)
2014年08月27日(水) 〜
2014年08月29日(金)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 40.9km
- 登り
- 3,358m
- 下り
- 3,200m
コースタイム
1日目
- 山行
- 6:41
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 7:22
2日目
- 山行
- 11:09
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 11:57
3日目
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 4:50
- 合計
- 10:00
4:00
37分
読売新道 6/8
4:37
34分
読売新道 4/8
5:11
31分
読売新道 3/8
5:42
5:50
34分
読売新道 2/8
6:24
36分
読売新道 1/8
14:00
ゴール地点
天候 | 27日:曇のち雨 28日:曇一時晴れ 29日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
船
七倉温泉からタクシーを使って高瀬ダムへ。七倉温泉から5:30発の乗り合いタクシーが出ているらしい。それに乗れない場合、一般のタクシー(2100円)か、歩いて高瀬ダムまで行くことになる。 【駐車場】 平日なので、朝5時時点でも15台ほど。 【扇沢〜七倉温泉】 タクシーで6400円。扇沢に一台だけ停まっていた。これを別の客に取られてしまうと、電話で呼んでもすぐにはこないだろう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ブナ立尾根】言わずと知れた急登。標高差1200mと一般的だが、急傾斜が続く。 1〜11までの位置を示す道標があり、11〜6ぐらいまでははつづら折れの急傾斜をじわじわ登り、6〜4の三角点、2ぐらいまで厳しい登りが続く。唐沢岳が樹林の合間から何度か顔をのぞかせる程度で、終始樹林帯の中を登り、景色が開ける箇所があまり無い。 しかし、一般的な急登と違い、足下は花崗岩質の砂礫になっており、ぬかるみ箇所も少なく、フラットなので歩きやすい。木の根には多少注意が必要。整備はされている。 【烏帽子岳まで】 小屋から烏帽子岳までは稜線歩き。危険箇所はないものの、山頂直下にやや長めの鎖があり、その先きにも岩のトラバース用の鎖がある。このトラバースが思いのほか足下が細く、鎖をしっかり掴みながら進まないと危ない。 【裏銀座縦走路】 砂礫地帯で歩きやすく、三ツ岳までは烏帽子岳を、その先きは野口五郎岳の眺めがよかった。野口五郎近くになると、大きな岩を超えながら進むものの、全体的に歩きやすい。 野口五郎岳からの急な下りを過ぎた後の真砂分岐から水晶小屋まではこまかなアップダウンがある。2833地点は岩を巻きながら進む。 東沢乗越にはベンチがあり、間近に迫った水晶岳を見ながら休憩するには良いポイントだと思う。 ここから水晶岳の登り(標高差200mほど)で、特に印象的なのが、後半部分で今までとは打って変わった赤色の荒い岩肌をトラバースしながら登る箇所。見た目ほど危険な所ではない。 【水晶岳まで】 水晶小屋から水晶岳は非常に歩きやすく、雲ノ平とその先きの雄大な薬師、そして黒部五郎岳の雄大な景色、背後の鷲羽、中世ヨーロッパのようななだらかな三俣蓮華岳が圧巻。全行程中で最も景色がいい。歩いてきた裏銀座縦走路を右手に見ながら、山頂を目指す。 一転して山頂直下の岩場は、危険箇所。槍ヶ岳の穂先ほどではないが、急な登りを行くので落石注意。ここが別名黒岳と言われる由縁である。(「黒岳」の方が正式名称らしい)山頂は狭く、あまりくつろげない。 【水晶岳〜温泉沢の頭】 山頂の分かりにくい所に赤牛方面への道がある。(小さな道標がある) 急勾配でごつごつした岩を降りていく。ここから先はあまり人気が無く、道の状況が心配されたが、赤ペンキがあり迷う事もなさそう。この手の場所は浮き石が多いのだが、ここはそれほどでもない。道を外さなければ大丈夫。とはいえ、足下は良くないので、しっかり時間をかけて下りたい。 温泉沢の頭近くは砂礫となり歩きやすい。 【赤牛岳まで】 遠くで見てる限りは、砂礫の緩斜面に見えたが、実際は岩陵を歩く箇所が意外と多く、予想に反して歩きにくかった。急傾斜を両手を使って登る、ということはあまり無かった。 山頂まで2回ほど小ピークを巻く。 全くたいした事ではないアップダウンも、これまで10時間近く歩いてきた脚には堪える。ここを歩く人は直近の水晶小屋スタートでないかぎり、誰しもが予想しないキツさを味わうだろう。山頂まではずっと見えているが、距離が長く、なかなか着かない。登山をしているんだ、という充実感と疲労感を味わえる。 標高2803m地点手前で平らで広大な砂礫帯があり、最悪ここでビバークも考えた。 その後緩やかに山頂まで登る。体力に余裕があれば、歩きやすく、眺めもいい素晴らしい道である。 しかしながら、温泉沢から2時間かかる道を3時間もかかってしまい、すでに10時間の歩行。奥黒部ヒュッテまでたどりつく事は事実上不可能となった。 【赤牛岳山頂から下り〜読売新道6/8まで】 山頂直下は今までとは一変した急な下り道。全般的に岩が多くなり、ハイ松もまばら。滑って落ちるとどこまでも行きそうな谷になってる。 裏銀座からこの赤牛の稜線を見ると、水晶岳北峰からいくつものカールが形成されていて、東沢谷側は急峻な岩峰というより、急斜面の様相。道は明瞭だが、足下は慎重に行くことを求められる。 ここから読売新道がスタートする。ただでさえ人が少ない赤牛岳なのに、ここからはさらに人が踏み入れない玄人向けコースとなる。 ここもブナ立と同じく8等分割された道標がある。「7/8」「1/8」といった具合に。 ここからは疲れた脚を引きづりながら、ビバークポイントを探す事になる。 7/8までは岩場と、細い尾根上を行くため注意が必要。 6/8(2578m)に至ってようやく広くてなだらかな稜線に到着。時間的にはまだ先きに行けたが、地図を見るとこの先は広葉樹マークがあり、樹林帯が予想されたためここで幕営。始めは風はなかったものの、夜半過ぎ、薬師岳方面からの風が強くなってきた。針ノ木から薬師まで眺めは最高だった。 【読売新道】 聞きしに勝る難路。5/8〜4/8とあっという間に通過し、意外楽かもと思ったが、4/8を10分ほど過ぎて樹林帯に入ると、狭い道に滑りやすい岩、ぬかるみ、となかなかの悪路ぶり。おまけに木の間に無理矢理道を作ったような高低差のある段差をいくつも超え、途中登ってるのか下ってるのか分からないような状況。 今回は、夜明け前の出発だったため、暗い森の中はなかなかスリリングだった。 3/8〜2/8は一旦、歩きやすくなったものの、2/8からは再び木を超え、岩を超え、といった状況。一気に標高差で100mほど落ちたところで、1/8へ。ここからようやく落ち着いた登山道となった。 グネグネと蛇行しながら下山していたが、途中黒部湖が樹間から見えるので、方向を見失う事は無かった。 【奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡】 ヒュッテのおじいさんに、平ノ渡までの行程を聞いた所、2時間半ぐらいかかる、と 言われた。(地図では2時間の行程)。地図で見ると高低差がなかったので平らな道だろうとタカをくくっていた。しかし、歩き始めて30分もすると斜面に木製の梯子がかけられていた。これは進むにつれ、高低差、長さともにエスカレートしていき、普通の登山道を行くよりも疲れた。およそ1時間ほど梯子と格闘する。 元々、黒部川沿いの急峻な岩壁に付けられた梯子なので、敷設には相当の苦労があっただろう。設置して管理している方には頭が下がる思いである。 コースタイム2時間だが、1時間半ぐらいで着くだろうと思っていたら、きっちり2時間かかった。 梯子は、危なっかしい、と言ってしまうと失礼なのだが、やはり怖い。高所恐怖症なら尚更だろう。 【平ノ渡】 梯子を降りた所で湖面を見ながら待つ。この日は7人待ち。単独の方も何人かいたが、みな赤牛を前日に超えてきた人のようだ。(針ノ木方面からの人はいなかった) 小さなタグボートで、10名が限界だろう。 【黒部ダムまで】 降りてすぐ平ノ小屋への分岐があったが、スルーして登山道を行く。 ここからの道は遊歩道のような道。ただし、道はしっかりしてるものの、所々、細くなっている。黒部湖側は樹林が生い茂っているが、結構切り立っている。落ちるとかなり危険である。少し緊張感を持って歩く必要がある。 意外にも針ノ木、スバリ、赤沢岳を右手に見上げる好展望である。「見上げる絶景」というのがあるんだな、と思った。 4時間歩いて、ようやくロッジくろよんへ。ここからは一般観光客に混じって黒部ダムに向かう。道は舗装されている。 |
その他周辺情報 | 七倉温泉。立て替えられたばかりで、非常にきれい。落ち着ける。 ただ、湯温度がかなり熱い。 |
写真
撮影機器:
感想
悪天候が続き、なかなか北アルプスに行けなかったのですが、28日の天候が多少改善するかも、という情報を元に行ってきました。結果的には、一時的な雨はあったものの、景色はまずまず見えるぐらいの天気だったので良かったです。むしろダイナミックな雲を関した北アルプスを見る事ができて大満足です。
夜も晴れて星空撮影しようと思ったのですが、とてつもなく寒い!外気温で完全に10℃を下回り、夏服にフリースだけではとても外にはいられず、止むなく星空撮影は中止。非常に中途半端な写真しかできませんでした。
今回、体力が続かず、赤牛岳直下でビバークしましたが、本来は国立公園ですので指定地外は禁止行為です。
裏銀座から水晶岳〜赤牛と比較的なだらかな稜線とはいえ、アルプスのそれはやはり岩陵帯なので、細かく体力を使い、予定の時間を大幅に越えてしまいました。
水晶岳から赤牛岳〜読売新道を一息で登るには水晶小屋からスタートしないとかなりキツいです。
今回、平日ということもあり、静かな山行でした。すれ違った人で7、8組。烏帽子小屋では私以外は3組4張でした。休日もこれぐらいだといいのですが・・・烏帽子の幕営地はとても広くて整地も行き届いていて良かったです。とはいえ烏帽子も野口五郎も小屋が魅力的。次回は小屋泊してみたいです。
そして、思いのほかキツかったのが、奥黒部ヒュッテからダムまでの道のり。
正直、ここは楽に通過できる、と思ってましたが、トータル6時間。相当脚に堪えます。
特にヒュッテ以降の梯子の登下降はキツい。
しかし、あの場所を整備していただいてる管理者の苦労に感謝したいです。
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