記録ID: 302142
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無雪期ピークハント/縦走
東北
修験の岩峰「注連石」と「鬼のカケハシ」を探して
2013年05月22日(水) [日帰り]
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 09:25
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 732m
- 下り
- 728m
コースタイム
【往路】大禿林道入口 6:45 → 7:36 林道終点 → 8:00 カラマツ沢・トイシ沢出合 →
9:07 647ピーク(GPS) → 10:05 注連石(643M:GPS) ・・・(所要 3:20/含む休憩)
【復路】注連石 10:50 → 12:07 沢出合 → 13:40 巨大ゴルジュ 14:00 → 15:05 林道終点
→ 16:10 大禿林道入口 ・・・(所要 5:20/同前)
9:07 647ピーク(GPS) → 10:05 注連石(643M:GPS) ・・・(所要 3:20/含む休憩)
【復路】注連石 10:50 → 12:07 沢出合 → 13:40 巨大ゴルジュ 14:00 → 15:05 林道終点
→ 16:10 大禿林道入口 ・・・(所要 5:20/同前)
天候 | 晴れ,無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1.大禿林道は落石や倒木、路肩崩落等で林道入口から車両通行不能。 2.カラマツ沢とトイシ沢の出合から山頂迄は薮路。所々朱色テープあるが間隔大きく 追跡不能。 3.「647ピーク」から先には背丈を越える笹の蜜薮があり、進路に要注意。 4.山頂手前に崩壊中の岩稜細尾根(蟻の戸渡り)あり。 5.トイシ沢のゴルジュの雪渓は比較的多く残っていますが、融壊も急速に進行中。 6.ヘルメットと長靴は必携です。(この時期は防虫ネットも) |
写真
(大禿林道入口)
国道344号から白玉林道を進むとやがて左側に大禿沢林道の入口標柱が現れる。車両は入れず、ここが登山口となる。今日は昔山伏の修験場であった岩峰「注連石」(「すみいし」と読む。詳細後述)を訪ねる藪山探検だ。先行者はいない。
国道344号から白玉林道を進むとやがて左側に大禿沢林道の入口標柱が現れる。車両は入れず、ここが登山口となる。今日は昔山伏の修験場であった岩峰「注連石」(「すみいし」と読む。詳細後述)を訪ねる藪山探検だ。先行者はいない。
(絶壁)
岩峰手前の細い岩稜(幅40センチ程度)は南西側の深い谷底迄切れ落ち崩落も起きている。まさに「蟻の戸渡り」そのもので、滑落すればあの世行きだ。這いつくばって何とか通過する。(写真は通過後振り返ったもの)
岩峰手前の細い岩稜(幅40センチ程度)は南西側の深い谷底迄切れ落ち崩落も起きている。まさに「蟻の戸渡り」そのもので、滑落すればあの世行きだ。這いつくばって何とか通過する。(写真は通過後振り返ったもの)
(神殿)
先端の岩峰(643M:GPS)。昭和61年頃迄はこの岩の上に権現様が祀られていたようだが、今は袂に錆び落ちた神剣の破片と陶器の盃が散乱しているのみだ。この場所で改めて考えてみると、ここが神の宿る神殿とすれば先程恐る恐る越えた絶壁細尾根の蟻の戸渡りは、まさに神殿手前に掛けられる注連縄(しめなわ)に相当する。岩石の注連縄から「注連石」(すみいし)と呼ばれた所以かも知れない。
先端の岩峰(643M:GPS)。昭和61年頃迄はこの岩の上に権現様が祀られていたようだが、今は袂に錆び落ちた神剣の破片と陶器の盃が散乱しているのみだ。この場所で改めて考えてみると、ここが神の宿る神殿とすれば先程恐る恐る越えた絶壁細尾根の蟻の戸渡りは、まさに神殿手前に掛けられる注連縄(しめなわ)に相当する。岩石の注連縄から「注連石」(すみいし)と呼ばれた所以かも知れない。
(トイシ沢)
沢出合へ戻った後今度は伝説の「鬼のカケハシ」と呼ばれる奇岩に出会うためトイシ沢を遡行。カケハシは写真すら見たことはないが、勝手なイメージでは狭い渓谷を跨ぐように横たわっている岩石なのかも知れない。
沢出合へ戻った後今度は伝説の「鬼のカケハシ」と呼ばれる奇岩に出会うためトイシ沢を遡行。カケハシは写真すら見たことはないが、勝手なイメージでは狭い渓谷を跨ぐように横たわっている岩石なのかも知れない。
(前進不能)
左右に柱状節理の切れたった大岩壁が迫り谷の間隔も狭くなったが、巨大な雪渓の崩落で前進不能に。視認する限り先端部は注連石の断崖方向へ切れ上がっているようだ。古い地図ではこの沢を登って山頂に出る鎖場ルートもあったようだ。
左右に柱状節理の切れたった大岩壁が迫り谷の間隔も狭くなったが、巨大な雪渓の崩落で前進不能に。視認する限り先端部は注連石の断崖方向へ切れ上がっているようだ。古い地図ではこの沢を登って山頂に出る鎖場ルートもあったようだ。
(大ゴルジュ1)
そして前記岩壁を左に曲がると、突然前方に柱状節理の岩壁に囲まれた雪渓の大ゴルジュが現れた。そのスケールはにわかに遠近感が掴めない程の広大さで、あまりの衝撃にしばし立ち尽くした。ここが伝説の「鬼のカケハシ」があるところか。
そして前記岩壁を左に曲がると、突然前方に柱状節理の岩壁に囲まれた雪渓の大ゴルジュが現れた。そのスケールはにわかに遠近感が掴めない程の広大さで、あまりの衝撃にしばし立ち尽くした。ここが伝説の「鬼のカケハシ」があるところか。
(大ゴルジュ2)
雪渓手前は大きな口を開け、真っ暗な奥から激流が吐き出されている。雪渓の厚みは予測出来ず、右岸側(左)から慎重に登ると、右手に美しい簾滝が可成りの水量で流れ落ちていた。滝の名は何というのだろうか。滝上部は見えないが、地形図では源頭部は分岐して「751」ピークを南北から巻いているようだった。
雪渓手前は大きな口を開け、真っ暗な奥から激流が吐き出されている。雪渓の厚みは予測出来ず、右岸側(左)から慎重に登ると、右手に美しい簾滝が可成りの水量で流れ落ちていた。滝の名は何というのだろうか。滝上部は見えないが、地形図では源頭部は分岐して「751」ピークを南北から巻いているようだった。
(大ゴルジュ3)
正面にも水量は細いが滝が落ちている。周囲を見渡し「カケハシ」的な岩稜を探すが解らない。自分には沢登りや岩登りの技術はなく更に登って確かめることは出来ないので諦めた。それにしても凄い不思議な大空間だ。
正面にも水量は細いが滝が落ちている。周囲を見渡し「カケハシ」的な岩稜を探すが解らない。自分には沢登りや岩登りの技術はなく更に登って確かめることは出来ないので諦めた。それにしても凄い不思議な大空間だ。
感想
1.「地形図」(地理院2.5万図)で山形県酒田市(旧八幡町)付近に「注連石」(「すみいし」と 読む。)と表示された
山がある。(N38°57′ E140°07′、標高 643M:GPS)
2.標高は650M足らずの藪の深山だが、その昔山伏の修験場として崇められた峻険な岩峰で諸々の伝説が今に残る神秘の山
である。
3.関東はGW後の天気が安定せず計画より約半月遅れとなったが、永らく憧れていたこの山へ漸く入ることが出来た。
4.谷底が見えない程切れ落ちた幅40程の岩稜の細尾根を注連縄(しめなわ)に見立てて呼んだ(であろう)「注連石」や
雪渓の大ゴルジュにあるとされる「鬼のカケハシ」を探索出来て最高だった。(「鬼のカケハシ」は確認出来なかっ
た。)
5.また林道や大禿川の渓床には思いの外多くの美しい山花が咲き乱れ、花キチに取って二重の幸せがあった。
6.ただ確認出来なかった「鬼のカケハシ」は何処にあるのか、今も頭から離れない。ア 大雪渓の下に埋もれている。
イ 正面滝の更に上部にある。ウ 雪渓が完全消失した渓床から大壁面を見上げると、どこかに架橋状の景観がある。
エ 自然の猛威で実際は消失した。 オ 右岸下流の枝沢上部にある。・・等々想像は尽きない。
7.しかしその存在をこのままロマンに包んで不明なままにしておくのが注連石の神様へ対する礼儀かも知れない。
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