猛暑&アブ〜大室山-加入道山
- GPS
- 06:09
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,320m
- 下り
- 1,259m
コースタイム
- 山行
- 5:21
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 6:10
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:西丹沢ビジターセンターー山北駅(バス) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大室山手前は背の低い笹や草が道にかぶさり、雨露に濡れると歩きにくい区間がある。 ・白石峠から大理石露頭のロープ場を下りた先の沢沿いの道は、沢が荒れてところどころ踏み跡が分かりにくくなる。最後まで沢伝いなので左右に注意しながら進むこと。 ・大杉丸〜加入道山一帯(特にベンチ付近)ではアカウシアブが襲ってきます。ハチはそっとしておきますが、こいつはふり払わないと痛い目に遭います。 |
その他周辺情報 | 山北駅前の居酒屋「ぽっぽ駅前屋」では丹沢登山詳細図などを販売していた |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
ストック
水筒
時計
非常食
緊急保温シート
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
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感想
夏の登りはやはりつらかった。また、コバエや小虫程度は覚悟の上とはいえ、刺しアブに付きまとわれては、ゆっくり弁当も食べていられない。ほんの数人にしか出会わなかったが、それもムベなるかなと思った。
小田急複々線化以降のダイヤの都合で、8時10分発のバスに乗るべく7時41分に新松田駅に降り立つ。既にして暑い。駅前コンビニで買った炭酸水を飲みながらバスを待ち、ゆったり座って西丹沢に着いた。
同じ方向へ向かう人の姿はなく、独り家族連れでにぎわうオートキャンプ場を見ながら用木沢出合へ向かう。標高600m、日陰ならまだ耐えられる気温だ。鉄の橋を渡り、用木沢伝いの道に入ると上流から涼風が吹いて快適だった。ただし、流れから少し離れるとムッとした空気が押し寄せる。
左へ犬越路に直結する枯れ沢に入ると、直登の急勾配が始まった。無風で日も差し込み、すこぶる暑い。吹き出る汗でぬれたタオルを絞りながら喘ぎ登る。消耗してどうにもスピードが上がらない。標高1000m近くまで来ると、やっとそよ風が感じられた。ほどなく犬越路着。女性一人が入れ違いに檜洞丸方向に去って行った。今日初めて行き会った登山者だ。
汗を拭い、おやつ代わりのパンをかじって出発。急坂に脚が思うように上がらない。今拭いたばかりの体から猛然と汗が吹き出す。大杉丸手前の稜線に出てやっと一息ついたが、空には雲がのしかかり、間近に見えるはずの富士山はどこにあるのかも分からなかった。
再び傾斜が増した登山道をゆっくり登る。東側斜面から微風が吹き上げており、道がそちらに寄る時は極楽気分だ。遠くは見えず、花も咲いておらず、そのうえ、先ほどから時折り「ブーン」と大きな羽音を立てる虫が付きまとってきて煩わしい。汗を拭っている時に男性3,4人のパーティーがすれ違って行った。あちらは下りだが、消耗したのかお互いの話し声は聞こえない。
標高1300mあたりでシモツケソウの花が目立ちだした。写真を取ろうとすると、小さなカエルがぴょんと飛び出す。ヤマアカガエルだろうか。さらに登るとマルバダケブキの黄色い花も登場。いくらか心がなごんで汗拭きタオルを絞っていると、ブンブンうるさい奴がまた寄ってきて、ズボンにとまった。
黄色と黒のボーダー柄。「スズメバチか?」とドキッとしたが、顔が違う。名前は忘れたが刺しアブだ(調べたらアカウシアブだった)。スズメバチほど危険はないが、吸血アブだから素肌に咬みつかれたらやっかいだ。以前、露天風呂で尻を咬まれて痛い目にあった。ストックで追い払って先を急ぎ、西の肩の大室山分岐へ喘ぎながら辿り着いた。
山頂で昼食にしようと大室山へ向かう。誰もいないその山頂でリュックを下ろし、さあ、と思ったら「ブンブン」が複数の和音を奏でて近寄ってきた。冗談ではない。リュックの温もり?に引き寄せられたアブたちから素早く離れ、体を拭いてから追い払って一目散に山頂を駆け去った。
人が休む所では待ち伏せしている可能性があるので、何でもない道端でリュックを下ろし、そよ風が吹いて来る東南斜面寄りに移動して立ったままお握りにかぶりついた。アブはいないがコバエが集まりだしたので、虫よけ着スコーロンを羽織る。ズボンにはたくさんハエやら小虫やらがたかってくるが、顔回りを注意すれば上半身には寄り着かない。仕組みは分からないが大した服だ。
もっとも、立ったままではあまり休憩にならない。早々に食べ終えて、すぐ先の西の肩分岐まで行ってベンチに腰掛けた。案の定寄って来たアブをストックで振り払いながら一休み。この先は2度軽い登り返しがあるものの、ほぼ下り基調なので気が楽だ。
正面に見えるはずの富士を心に思い浮かべつつ出発。右下遠くに道志川沿いの集落が見える。大室山が山梨の百名山だったことを思い出した。標高1500m、ガスがかかると涼しくて気持ちが良い。長い木道を過ぎるとマルバダケブキが群生していた。
道が下りにかかってから単独行の男性とすれ違った。3番目にして結局この人が本日最後に行き会った登山者となった。「暑いですねえ」と言葉を交わす。用木沢出合からちょうど逆コースを辿ってきたようだ。「下でまたお会いするかもしれませんね」と言って別れた。
さて、下りきった鞍部は「破風口」。その名の通り涼風が吹き抜けて心地よい。一休みして登り返しに挑む。10分ほどで前大室を過ぎ、もう一度アップダウンを繰り返して避難小屋が見えた所が加入道山だった。アブが嫌で小屋を覗いてみたが、中はムッとする暑さ。仕方なく外の山頂のベンチに腰掛けると、早速、編隊を組んでブンブンとやって来た。5匹もいる。たまらず立ち上がって5mほど避難すると、代わりに汗で湿ったベンチにたかってくれたので助かった。
やがて魔法が解けて?再びアブが飛び回り出したので、山頂を辞去する。白石峠に幸いアブの姿はなく、急な下りの前に再びベンチで一休みした。
この先は沢の源頭を一気に下るコース。白石峠の名の由来となった白石こと大理石がところどころ顔を出す枯れ沢を下って行くと、木段が見えてロープ場となる。大理石かその出来損ないかの岩場を下り、左岸を巻く道を辿るとやがて沢床に合流して、わずかな水流が現れた。岩だらけで踏み跡が分からず、道標もないので困ったが、少し進むとピンクテープと木道のようなものが見えてホッとした。ここが篠大慈沢らしい。
その先、かつて右岸を直進した記憶のある場所を左岸に回り込み、再び右岸に戻るとベンチが二つ。もしかすると道が付け替えられたのかもしれない。そこからほどなくして白石の滝に至る。右手に二段の小ぶりな滑滝が見え、沢筋から離れると樹間からごうごうと流れ下る大きな滝が覗く。小ぶりな二段はプロローグに過ぎない形だ。
ジグザグに山腹を下ると、鉄製堰堤のある別の沢に合流。スリリングな木橋で右に左に沢を渡りながら下り、やっと林道に出た。やがて舗装路となり、ゲートを抜けて少し行けば用木沢出合。と、一番手前の軽ワゴン車の脇に立つ人物と目が合った。なんと最後にすれ違った男性だった。逆コースを辿ってちょうど車に戻ったところのようだ。
「乗って行けば」という誘いを謝辞してバス停に向かったが、最初のキャンプ場わき辺りで男性の車が追いつき、再度誘ってくれたので、ありがたくバス停までお言葉に甘えることにした。静岡県の人で、塔ノ岳には来たことがあるがこの辺は初めてだったという。
下まで乗って行けばと言ってくれたが、降りてからの方向が逆だし、ちょうど予定の1本前のバスに間に合うタイミングだったので、西丹沢ビジターセンターのバス停で辞去した。そのバスに乗り込んだのは10人ほど。汗に濡れた服がバスのクーラーで寒いくらいだ。山北駅前のさくらの湯にゆっくりつかり、疲れた筋肉をほぐした。
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