滝子山-笹子雁ヶ腹摺山
- GPS
- 08:25
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 1,615m
- 下り
- 1,618m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
見落としそうなのが登山口。桜森林公園を過ぎて沢を橋で渡ると、じきに右分岐があって「寂悄庵」の看板が立っている。 寂悄尾根は終始急勾配と言っていい。岩場は一部きつく、下りだと危ない。「滑落多発! 危険」の看板は伊達ではないと思った。 鎮西ヶ池から曲沢峠へは、明るく緩やかで非常に歩きやすい道。一部沢に絡むが渡渉などになる気遣いはない。ただ、指導標なしの右分岐が2箇所ほどあるので、間違えて迷い込まないように。 大鹿山から笹子雁ヶ腹摺山にかけての縦走は“小骨”のような小ピークが多いため、アップダウンで消耗する。米沢山の鎖場は寂悄尾根に比べれば子供だまし並。 |
写真
感想
蒸した前日と打って変わって爽やかな朝。笹子駅から国道の歩道を歩いて川を渡り、先行者に続いて吉久保入口バス停の角を左折する。古い社殿をすっぽり覆う大屋根が特徴的な稲村神社を右に見て、集落の外れまで来ると聳え立つ滝子山が見えた。女性3人の登山者を抜き、中央道をまたいで葉桜の桜森林公園を過ぎる。道が右へ曲がって沢を渡り、林道らしくなったところで右へ直角に分れる砂利道を見つけた。よく見ると「寂悄庵」と書いてあるらしい看板もある。
シャツ一枚になり出発。ほどなく2棟の古い山小屋ふう民家の所で林道は終わった。寂悄「苑」という看板がある。そこの指導標に従って山道を辿ると、ジグザグ道を20分ほどで大鹿林道に出た。既に標高は850m。スタート地点が600m近いおかげだが、何だか得した気分だ。新緑が目にまぶしい。もっとも平均勾配は決して緩くはなく、時おり呼吸を整えながら登ること1時間余、難所の岩場が見えたので小休止のお握りタイムとした。
ここからの寂悄尾根は容赦ない急勾配。ホールドは豊富で木の枝にも頼れるので、腕力さえあれば難しくはない岩場だが、万一スリップすると半端でない斜面をどこまでも滑り落ちてしまいそう。それは考えないようにして格闘し、ふと振り返ると三つ峠越しに大きな富士山の姿が目に飛び込んできた。まさに登って良かったと実感する一瞬だ。
定年者ふうの男性グループを追い抜き、もう少し続く岩場を登っていくと、イワカガミの群生やアカヤシオらしいツツジが目を楽しませてくれた。浜立山分岐の指導標が見えれば難所は終了。二つほど前哨のピークをクリアすると視界が開け、少々狭い滝子山山頂に到着した。南は鶴ヶ鳥屋山と三つ峠の稜線越しに富士山、北は大谷ヶ丸から黒岳までの大菩薩連嶺や遠く甲武信ヶ岳方面が一望の下。ちょっと前まで雲の合間に八ヶ岳連峰も見えたらしい。そういえば、岩場の上からは雲と紛らわしい南アルプス(白根三山か)の雪の頂も見えていた。
あれは甲武信だ、いや大菩薩だなどと、居合わす登山者とたっぷり山座同定を楽しみ、山頂を辞した。どこか落ち着く場所で昼食とするつもりだ。三角点ピークに寄ってみると誰もおらず、荷を降ろしかけたが、ハエがうるさいのでパス。結局、鎮西ヶ池の祠のそばでパスタとトマトスープ、お握り一つというめちゃくちゃな献立の昼食にした。池と言っても池はなく、祠わきの湧き水が細い流れを作っているのみ。登山口で追い抜いた女性3人にまた会った。ちなみに、このオネエ様方とは大谷ヶ丸分岐で昼食中のところを追い抜き、さらに下山した笹子駅でも再会と、都合4回も顔を合わせることになった。
30分で昼食を切り上げ、少し下れば大谷ヶ丸への分岐。広々した防火帯となり、再び狭い登山道となったところでS字を描いて谷の源流に迫る。対向者の数が多い。2、3日降り続いた雨も影響なかったと見え、1mほどのかわいい小橋で沢を右岸に渡った。一部崩れかけた路肩はあるものの、概ね歩きやすい道を下ればずみ沢ルートとの分岐。途中、指導標なしの分岐が2、3あって不安になりかけていたのでホッとした。
沢のほとりの分岐から曲り沢峠まではほぼフラット。一休みして本日後半の縦走路に入ったのだが、いささか読みが甘かった。大鹿山、お坊山、米沢山、笹子雁ヶ腹摺山と越えて行くのだが、山と高原地図に頼って2万5000分の1をチェックしなかったため、途中に挟まる“小骨”のような中小ピークの多さと、その鞍部の深さが読み取れなかった。大鹿山あたりはまだ余裕で、あえてピークを踏んだりしていたのだが、だんだん大儀になってきた。
ところで、ヤマレコの記録を検索したところ、ちょうどこの大鹿山付近で笹子雁ヶ腹摺山から景徳院へ縦走していたmuhi氏とすれ違っていたことが判明した。一面識もない方だが、ヤマレコに記録が載っているというだけで旧知の方と邂逅したかのような気分になる。当方、頭に白いタオル地の頭巾と迷彩色のサンバイザー、背に青いリュックといういでたちの小男です。以後、お見知りおきを。
閑話休題、大鹿峠を過ぎた縦走路は1400m以上あるお坊山までいったん登り返す。逆行するパーティーとすれ違ってお坊山北東の峰に立てば、滝子山以上に大菩薩連嶺の眺めが素晴らしい。ベンチで一休みし、山名を再度確認してみた。富士も相変わらずなんとか見えている。さて、ここからは概ね下り基調となるのだが、実際は名も無きピークの連続。50m、30mの登り返しも、度重なると疲れてくる。米沢山西側の鎖場がさほど険しくなかったのが唯一の救いで、最後に100mばかり登って笹子雁ヶ腹摺山に辿り着いた。
御坂山地の山々が一望の下で、正面に頭を雲に隠しかけた富士山が見える。靴紐を締め直し、富士に最後の挨拶をくれると一瀉千里に下りに入った。ちらちらと下界の建造物が見え始め、JRの送電線鉄塔に至れば新中橋の登山口は近い。午後4時前、パッと明るい登山口に飛び出した。ここで標高700m。西に傾き始めた日差しは強いものの、空気が爽やかなのであまり暑さは感じない。ただ、トラックが次々登って来る国道20号を30分以上も辿るのには閉口した。
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