(はじめに)
この「日本の山々の地質」というヤマレコ/ヤマノート内の長期連載は、2020年4月より、第一部「四国山地」を書くところから始め、2022年6月に、全国各地の山々についてほぼ網羅し、連載は一応の完結を見ました。
が、改めて読み返すと、特に初期の連載記事は、記載内容が不十分なのが、自分ながら目について気になっていました。
ということで、四国の山々の地質を対象とした、この第1部は、全面的に見直し、書き直しすることにしました。(2022年11月より)
まずこの第1−1章では、記載内容を全面的に見直し、四国地方にある、各山地の区分と概要、及び「地形」の概要を説明します。
なお、初稿では、第1―1章にて四国地方の「地形」概要と「地質」概要の両方を記載していましたが、今回の改訂作業では、「地形」をこの第1−1章で説明し、「地質」は次の、第1−2章で説明します。
が、改めて読み返すと、特に初期の連載記事は、記載内容が不十分なのが、自分ながら目について気になっていました。
ということで、四国の山々の地質を対象とした、この第1部は、全面的に見直し、書き直しすることにしました。(2022年11月より)
まずこの第1−1章では、記載内容を全面的に見直し、四国地方にある、各山地の区分と概要、及び「地形」の概要を説明します。
なお、初稿では、第1―1章にて四国地方の「地形」概要と「地質」概要の両方を記載していましたが、今回の改訂作業では、「地形」をこの第1−1章で説明し、「地質」は次の、第1−2章で説明します。
1)四国地方の山地の区分と、各「山地」の概要
四国はご承知の通り、日本列島を構成する4つの主要な島(本州、北海道、九州、四国)のうち、最も面積が狭い島です。
しかし、四国地方には登山対象となっている山は結構あります。またそれらの山々を構成している地質は様々で、興味深いものがあります。
四国地方の地形学的な特徴としては、全体的に山地が多く、平野は、各県の県庁所在地付近(讃岐平野、松山平野、徳島平野、高知平野)に小規模に広がっているにすぎません(文献1)。それ以外の地域は、高い低いはありますが、ほぼ全て山地、山間地となっています。
また四国地方には、地質境界線、地形的境界線、さらには活断層系としての性格を併せ持った、「中央構造線」が、東西に横断していることも、地形学的、地質学的には重要な特徴です。
なお この第1−1章では「中央構造線」という用語は、地形的境界線として使用します。
さて、四国地方の山々は、大きく、3〜4つの山地に区分されています(文献1)、(文献2−a)。それぞれの山地について、以下に概要を述べます。
(それぞれの山地に含まれる主な山々、地形的特徴、地質的特徴については、後の章で、より詳細に説明します)
(a);「四国山地」
四国地方を東西に横断している「中央構造線」を境にし、その南側に多数ある山々は、まとめて、「四国山地」と呼ばれています(文献1)、(文献2−a)、(文献3−a)。
「四国山地」のうち、東部の「剣山地」と中西部の「石鎚山地」は、独立した山地として扱われています(文献1)、(文献2−a)、(文献3−a)。
それ以外の山域には、明確な山地名はありませんが、登山界での用語として、愛媛県の南部、宇和島市周辺の、1000m級の山々がまとまっている領域は、「鬼ヶ城(おにがじょう)山系」とも呼ばれます(文献5)。また「剣山地」の北側部分は、「矢筈(やはず)山系」や「祖谷(いや)山系」(文献6)とも呼ばれます。
(b) ;「剣山地」
「四国山地」のうち、四国の東部、徳島県の中西部から高知県東部にかけ、1000〜1900m級の山々がまとまっています。この山域は「剣山地(つるぎさんち)」と呼ばれています(文献1)。なお(文献2―a)、(文献3−a)では、「四国東部山地」という名称が用いられています。この連載では、「剣山地」に名称を統一します。
主峰の剣山(1955m)は、「日本百名山」の一つで、特に人気のある山ですが、それ以外にも登山対象となっている山が多数あります。
(c);「石鎚山地」
「四国山地」のうち、四国の中北部から西部、愛媛県と高知県の県境にかけて、「中央構造線」の南側に沿うように、山脈状に1000m〜1900m級の山々が多数並んでいます。総延長は約100kmあり、ほぼ東西に伸びています。
この山地は一般的には、「石鎚山地」、あるいは「石鎚山脈」と呼ばれます(文献1)、(文献5)。なお(文献2−a)、(文献3−a)では、上記の「石鎚山地」を含む広域的な山地名として、「四国西部山地」という名称が用いられています。この連載では、「石鎚山地」という名称に統一します。
主峰の石鎚山(1982m)は、「日本百名山」の一つ、かつ「西日本最高峰」ということもあって特に人気の高い山ですが、それ以外にも登山対象となっている山が多数あります。
(d);「讃岐山地」
「中央構造線」のすぐ北側、香川県/徳島県の県境部には、標高が500〜1000mで、東西に70kmほどの長さで延びる、「讃岐山脈」(文献1)、(文献2−a)、(文献7)があります。
なおこの山地(山脈)は、「讃岐(さぬき)山地」や、「阿讃(あさん)山地」とも呼ばれています。
本連載では、「讃岐山地」という名称に統一します。
「讃岐山地」は、標高が低めの山地ですが、登山対象となっている山がいくつかあります。
(e):「高縄山地」
四国の北西部、愛媛県の中部にあたる地域には、瀬戸内海へと半円形状に大きく突出したような形の半島である「高縄(たかなわ)半島」があります。ここは半島であると同時に、山地でもあり、「高縄(たかなわ)山地」と呼ばれています(文献1−a)。「高縄山系」と呼ぶこともあります(文献5)。
この連載では、「高縄山地」という名称に統一します。
「高縄山地」の最高地点の標高は、約1200mで、ドーム型の地形をした山地です。
「高縄山地」は、登山対象とされている山は少なめです。
(f);「香川の山々」
香川県の平野部(讃岐平野)の中には、標高 約300〜600mの、低い山々が点在しています。
また、香川県に属し、瀬戸内海の中で、第二の大きさを誇る小豆島(しょうどしま)は、島の大部分が山地となっており、最高地点(星ヶ城山)の標高は約800mもあります。
これら、讃岐平野の低山群と小豆島は、ここでは説明の為、まとめて「香川の山々」(仮称)と呼ぶことします。
ハイキングレベルの低山ばかりですが、地質学的には、前記の各「山地」とは異なる特徴があります。
しかし、四国地方には登山対象となっている山は結構あります。またそれらの山々を構成している地質は様々で、興味深いものがあります。
四国地方の地形学的な特徴としては、全体的に山地が多く、平野は、各県の県庁所在地付近(讃岐平野、松山平野、徳島平野、高知平野)に小規模に広がっているにすぎません(文献1)。それ以外の地域は、高い低いはありますが、ほぼ全て山地、山間地となっています。
また四国地方には、地質境界線、地形的境界線、さらには活断層系としての性格を併せ持った、「中央構造線」が、東西に横断していることも、地形学的、地質学的には重要な特徴です。
なお この第1−1章では「中央構造線」という用語は、地形的境界線として使用します。
さて、四国地方の山々は、大きく、3〜4つの山地に区分されています(文献1)、(文献2−a)。それぞれの山地について、以下に概要を述べます。
(それぞれの山地に含まれる主な山々、地形的特徴、地質的特徴については、後の章で、より詳細に説明します)
(a);「四国山地」
四国地方を東西に横断している「中央構造線」を境にし、その南側に多数ある山々は、まとめて、「四国山地」と呼ばれています(文献1)、(文献2−a)、(文献3−a)。
「四国山地」のうち、東部の「剣山地」と中西部の「石鎚山地」は、独立した山地として扱われています(文献1)、(文献2−a)、(文献3−a)。
それ以外の山域には、明確な山地名はありませんが、登山界での用語として、愛媛県の南部、宇和島市周辺の、1000m級の山々がまとまっている領域は、「鬼ヶ城(おにがじょう)山系」とも呼ばれます(文献5)。また「剣山地」の北側部分は、「矢筈(やはず)山系」や「祖谷(いや)山系」(文献6)とも呼ばれます。
(b) ;「剣山地」
「四国山地」のうち、四国の東部、徳島県の中西部から高知県東部にかけ、1000〜1900m級の山々がまとまっています。この山域は「剣山地(つるぎさんち)」と呼ばれています(文献1)。なお(文献2―a)、(文献3−a)では、「四国東部山地」という名称が用いられています。この連載では、「剣山地」に名称を統一します。
主峰の剣山(1955m)は、「日本百名山」の一つで、特に人気のある山ですが、それ以外にも登山対象となっている山が多数あります。
(c);「石鎚山地」
「四国山地」のうち、四国の中北部から西部、愛媛県と高知県の県境にかけて、「中央構造線」の南側に沿うように、山脈状に1000m〜1900m級の山々が多数並んでいます。総延長は約100kmあり、ほぼ東西に伸びています。
この山地は一般的には、「石鎚山地」、あるいは「石鎚山脈」と呼ばれます(文献1)、(文献5)。なお(文献2−a)、(文献3−a)では、上記の「石鎚山地」を含む広域的な山地名として、「四国西部山地」という名称が用いられています。この連載では、「石鎚山地」という名称に統一します。
主峰の石鎚山(1982m)は、「日本百名山」の一つ、かつ「西日本最高峰」ということもあって特に人気の高い山ですが、それ以外にも登山対象となっている山が多数あります。
(d);「讃岐山地」
「中央構造線」のすぐ北側、香川県/徳島県の県境部には、標高が500〜1000mで、東西に70kmほどの長さで延びる、「讃岐山脈」(文献1)、(文献2−a)、(文献7)があります。
なおこの山地(山脈)は、「讃岐(さぬき)山地」や、「阿讃(あさん)山地」とも呼ばれています。
本連載では、「讃岐山地」という名称に統一します。
「讃岐山地」は、標高が低めの山地ですが、登山対象となっている山がいくつかあります。
(e):「高縄山地」
四国の北西部、愛媛県の中部にあたる地域には、瀬戸内海へと半円形状に大きく突出したような形の半島である「高縄(たかなわ)半島」があります。ここは半島であると同時に、山地でもあり、「高縄(たかなわ)山地」と呼ばれています(文献1−a)。「高縄山系」と呼ぶこともあります(文献5)。
この連載では、「高縄山地」という名称に統一します。
「高縄山地」の最高地点の標高は、約1200mで、ドーム型の地形をした山地です。
「高縄山地」は、登山対象とされている山は少なめです。
(f);「香川の山々」
香川県の平野部(讃岐平野)の中には、標高 約300〜600mの、低い山々が点在しています。
また、香川県に属し、瀬戸内海の中で、第二の大きさを誇る小豆島(しょうどしま)は、島の大部分が山地となっており、最高地点(星ヶ城山)の標高は約800mもあります。
これら、讃岐平野の低山群と小豆島は、ここでは説明の為、まとめて「香川の山々」(仮称)と呼ぶことします。
ハイキングレベルの低山ばかりですが、地質学的には、前記の各「山地」とは異なる特徴があります。
2)「四国山地」の地形学的な特徴
四国地方の山地のうち、その大部分を占める「四国山地」は、標高は2000mには届きませんが、思いのほか起伏の大きい山々が多いのが特徴の一つとなっています。特に、山地部を流れる渓谷は深く刻まれたものが多く、「大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)」峡や、剣山地にある祖谷谷(いやだに)は、観光地ともなっていて、深い渓谷として良く知られています。
「四国山地」は、地形学的にいう、「壮年期山地」の特徴を備えています(文献2−b)。
なお、(文献2−b)における、独自の定義による山地の「険しさ度合い」(7つに分類する手法)では、「石鎚山地」が、「険しい山地(タイプ2)」で、「剣山地」を含む、それ以外の「四国山地」は、「やや険しい山地(タイプ3)」に分類されています。
西南日本のうち、「中央構造線」より南側の山地、具体的には、紀伊半島の「紀伊山地」、九州の「九州山地」、それとこの「四国山地」は、地形学的にはまとめて、「外帯山地」とも呼ばれます(文献2−a)。
「外帯山地」に共通する特徴は、最高地点の標高は2000m弱ですが、いわゆる「壮年期山地」的な山地であり、谷筋と山稜部との標高差が大きいのが共通した特徴です。特に谷筋は深い峡谷となっていることが多いことも、特徴の一つです。
一方で、標高の高い部分は割となだらかなことが多く、いわゆる「隆起準平原」のような小起伏面がしばしば認められます。
「四国山地」は、地形学的にいう、「壮年期山地」の特徴を備えています(文献2−b)。
なお、(文献2−b)における、独自の定義による山地の「険しさ度合い」(7つに分類する手法)では、「石鎚山地」が、「険しい山地(タイプ2)」で、「剣山地」を含む、それ以外の「四国山地」は、「やや険しい山地(タイプ3)」に分類されています。
西南日本のうち、「中央構造線」より南側の山地、具体的には、紀伊半島の「紀伊山地」、九州の「九州山地」、それとこの「四国山地」は、地形学的にはまとめて、「外帯山地」とも呼ばれます(文献2−a)。
「外帯山地」に共通する特徴は、最高地点の標高は2000m弱ですが、いわゆる「壮年期山地」的な山地であり、谷筋と山稜部との標高差が大きいのが共通した特徴です。特に谷筋は深い峡谷となっていることが多いことも、特徴の一つです。
一方で、標高の高い部分は割となだらかなことが多く、いわゆる「隆起準平原」のような小起伏面がしばしば認められます。
3) 四国の山地の隆起について
四国の山地のうち、「中央構造線」より南側の「四国山地」は、全体として現世でも隆起を続けている、と推定されています。
(文献3−e)によると、約100万年前(=約1Ma)から現世までの平均隆起量は、「剣山地」の中央部で、約2.5mm/年、「石鎚山地」のうち石鎚山付近で、約2.0mm/年 という推定が示されています。また「四国山地」のそれ以外の部分も、0.5〜1.5mm/年という隆起量が推定されています。
また少し古いデータですが、(文献4)による、1895年から1965年までの、70年間の水準点の測量結果から求められた、「四国山地」の上下方向の変動は、「剣山地」付近で約2mm強/年の隆起、「石鎚山地」付近で、約1mm前後/年の隆起、四国の西部で約2mm強/年の隆起という結果が得られており、これも「四国山地」が全域的に、現世でも隆起傾向にあることを示しています。
「石鎚山地」、「剣山地」を含む「四国山地」の隆起活動がいつ頃から始まったかについては、明確にはなっていません。
ただし、標高の高い箇所に部分的に残存している小起伏面(=いわゆる「隆起準平原」)の存在などから、第四紀初頭(約2Ma)から隆起活動が始まったと、という推定もなされています(文献3−b)、(文献3−c)、(文献3−d)。
また第四紀後半(約1Ma)から、隆起速度が増大した、との推定も出されています(文献3−a)。
この、「四国山地」を含む「外帯山地」の隆起の大きな要因は、四国地方の南側の海底にある、南海トラフでの、フィリピン海プレートの沈み込み、だと推定されています(文献2−d)、(文献3−c)、(文献3−d)。
現世では、フィリピン海プレートは、日本列島(南西日本)に対し、北西方向に約4〜6cm/年の速度で沈み込んでいます(文献2−c)。この沈み込みに伴う応力ベクトルのうち、北向き成分が、「四国山地」を含む「外帯山地」の隆起の主要因と考えられています(文献2−d)、(文献3−c)、(文献3−d)。
また、この(地形学的な意味での)「西南日本外帯」の地形を広域的に見ると、紀伊半島(紀伊山地)、四国山地東部(「剣山地」)、四国山地西部(「石鎚山地」とその南側の地域)、「九州山地」の4カ所が、隆起が著しい(=標高が高い)地域です。
それらの間となっている、紀伊水道(紀伊半島と四国との間)、豊後水道(四国と九州との間)は、低地部(現世では海没している)となっており、かつ、それらの地域の海岸部にはリアス式海岸が認められることから、上下変動の活動センスは沈降方向と推定されています(文献3−c)。
この、(地形学的な意味での)「西南日本外帯」における、東西方向に約100〜150kmの波長を持つ、隆起域と沈降域が規則的に並んでいる要因としては、フィリピン海プレートの日本列島に対しての「斜め沈み込み」の影響と推定されています。
つまり、日本列島に対して北西方向へと沈み込むフィリピン海プレートの応力ベクトルのうち、西向き成分が、(地形学的な意味での)「西南日本外帯」を西側へと引きずるような応力として作用し、そのせいで、波長の大きな波状の変形をもたらしている、という考え方です(文献3−c)。
また、このフィリピン海プレートの沈み込みに伴う、西向き応力ベクトルは、四国地方では、断層帯としての「中央構造線」へも作用していると推定されています。
四国地方での(断層帯としての)「中央構造線」は、第四紀において、右横ずれ断層として活動していることが地形学的な研究より明らかとなっています(文献3−f)。
また、地質境界線としての「中央構造線」だけでなく、その近傍にも派生断層を伴うことから、まとめて「中央構造線活断層系」と呼ばれています(文献3−f)。
「中央構造線活断層系」の活動は、第四紀の前半(約200万年前)から活動が始まり、第四紀の後半(約100万年前)から活動がさらに活発化したと推定されています。(文献3―f)。
その変位速度の推計値は、四国中央部で、約7m/1000年(の右横ずれ方向) という、大きな変位量を持っています(文献3−f)。
「中央構造線活断層系」は、水平方向の変位成分に加え、垂直方向の変位成分も持っており、「石鎚山地」付近では、南側の「石鎚山地」側が隆起する活動センスを持っています(北の瀬戸内側は逆に、沈降する活動センス)。これが、「石鎚山地」が隆起している大きな要因と推定されています(文献3−f)。
また、「讃岐山地」付近では逆に、北側の「讃岐山地」側が隆起する活動センスを持っています(南の吉野川流域は逆に、沈降する活動センス)。これが、「讃岐山地」が隆起している大きな要因と推定されています(文献3−f)。
※ “Ma” は、百万年前を意味する単位
(文献3−e)によると、約100万年前(=約1Ma)から現世までの平均隆起量は、「剣山地」の中央部で、約2.5mm/年、「石鎚山地」のうち石鎚山付近で、約2.0mm/年 という推定が示されています。また「四国山地」のそれ以外の部分も、0.5〜1.5mm/年という隆起量が推定されています。
また少し古いデータですが、(文献4)による、1895年から1965年までの、70年間の水準点の測量結果から求められた、「四国山地」の上下方向の変動は、「剣山地」付近で約2mm強/年の隆起、「石鎚山地」付近で、約1mm前後/年の隆起、四国の西部で約2mm強/年の隆起という結果が得られており、これも「四国山地」が全域的に、現世でも隆起傾向にあることを示しています。
「石鎚山地」、「剣山地」を含む「四国山地」の隆起活動がいつ頃から始まったかについては、明確にはなっていません。
ただし、標高の高い箇所に部分的に残存している小起伏面(=いわゆる「隆起準平原」)の存在などから、第四紀初頭(約2Ma)から隆起活動が始まったと、という推定もなされています(文献3−b)、(文献3−c)、(文献3−d)。
また第四紀後半(約1Ma)から、隆起速度が増大した、との推定も出されています(文献3−a)。
この、「四国山地」を含む「外帯山地」の隆起の大きな要因は、四国地方の南側の海底にある、南海トラフでの、フィリピン海プレートの沈み込み、だと推定されています(文献2−d)、(文献3−c)、(文献3−d)。
現世では、フィリピン海プレートは、日本列島(南西日本)に対し、北西方向に約4〜6cm/年の速度で沈み込んでいます(文献2−c)。この沈み込みに伴う応力ベクトルのうち、北向き成分が、「四国山地」を含む「外帯山地」の隆起の主要因と考えられています(文献2−d)、(文献3−c)、(文献3−d)。
また、この(地形学的な意味での)「西南日本外帯」の地形を広域的に見ると、紀伊半島(紀伊山地)、四国山地東部(「剣山地」)、四国山地西部(「石鎚山地」とその南側の地域)、「九州山地」の4カ所が、隆起が著しい(=標高が高い)地域です。
それらの間となっている、紀伊水道(紀伊半島と四国との間)、豊後水道(四国と九州との間)は、低地部(現世では海没している)となっており、かつ、それらの地域の海岸部にはリアス式海岸が認められることから、上下変動の活動センスは沈降方向と推定されています(文献3−c)。
この、(地形学的な意味での)「西南日本外帯」における、東西方向に約100〜150kmの波長を持つ、隆起域と沈降域が規則的に並んでいる要因としては、フィリピン海プレートの日本列島に対しての「斜め沈み込み」の影響と推定されています。
つまり、日本列島に対して北西方向へと沈み込むフィリピン海プレートの応力ベクトルのうち、西向き成分が、(地形学的な意味での)「西南日本外帯」を西側へと引きずるような応力として作用し、そのせいで、波長の大きな波状の変形をもたらしている、という考え方です(文献3−c)。
また、このフィリピン海プレートの沈み込みに伴う、西向き応力ベクトルは、四国地方では、断層帯としての「中央構造線」へも作用していると推定されています。
四国地方での(断層帯としての)「中央構造線」は、第四紀において、右横ずれ断層として活動していることが地形学的な研究より明らかとなっています(文献3−f)。
また、地質境界線としての「中央構造線」だけでなく、その近傍にも派生断層を伴うことから、まとめて「中央構造線活断層系」と呼ばれています(文献3−f)。
「中央構造線活断層系」の活動は、第四紀の前半(約200万年前)から活動が始まり、第四紀の後半(約100万年前)から活動がさらに活発化したと推定されています。(文献3―f)。
その変位速度の推計値は、四国中央部で、約7m/1000年(の右横ずれ方向) という、大きな変位量を持っています(文献3−f)。
「中央構造線活断層系」は、水平方向の変位成分に加え、垂直方向の変位成分も持っており、「石鎚山地」付近では、南側の「石鎚山地」側が隆起する活動センスを持っています(北の瀬戸内側は逆に、沈降する活動センス)。これが、「石鎚山地」が隆起している大きな要因と推定されています(文献3−f)。
また、「讃岐山地」付近では逆に、北側の「讃岐山地」側が隆起する活動センスを持っています(南の吉野川流域は逆に、沈降する活動センス)。これが、「讃岐山地」が隆起している大きな要因と推定されています(文献3−f)。
※ “Ma” は、百万年前を意味する単位
(参考文献)
文献1) 帝国書院編集部 編
「新詳 高等地図」初訂版 (高校の地理用の地図帳)
のうち、「四国地方」の地図の項
帝国書院 刊 (2006)
文献2) 米倉、貝塚、野上、鎮西 編
「日本の地形 第1巻 総説」
東京大学出版会 刊 (2001)
文献2−a) 文献2)のうち、
1−3章 「日本列島とその周辺の地形区分」及び、
図1.3.2「日本の地形区分」図 とその凡例
文献2−b) 文献2)のうち、
5−1章 「(日本の)山地の特性」の項
文献2−c) 文献2)のうち、
1−1−(4)節 「島弧―海溝系と沈み込むプレート」の項
文献2−d) 文献2)のうち、
1−1−(3)節 「島弧―海溝系の大地形」の項
文献3)太田、成瀬、田中、岡田 編
「日本の地形 第6巻 近畿・中国・四国」
東京大学出版会 刊 (2004)
文献3−a) 文献3)のうち、
1−1章 「近畿・中国・四国の大地形」の項
文献3−b) 文献3)のうち、
1−5―(3)節 「近畿・中国・四国の地形研究史」
のうち、「四国」の項
文献3−c) 文献3)のうち、
第7部 「外帯山地とその周辺」のうち、
「概説」―(1)項 「四国山地・紀伊山地の研究史のあらまし」の項
文献3−d) 文献3)のうち、
7―1章 「四国山地」の項
文献3−e) 文献3)のうち、
7−1―(2)項 四国山地の曲隆の項のうち、
図 7.1.2「単位地域の平均海抜高度から推定された、
(四国山地の)100万年間の平均隆起量の分布」
文献3−f) 文献3)のうち、
第6章「中央構造線とその周辺」の、「概説」の項、
6−4章「讃岐山脈と中央構造線」の項、及び、
6−5章「石鎚山地北麓の中央構造線」の項
文献4) 壇原
「日本における最近70年間の総括的上下運動」
測地学会誌 第17巻 p100−108 (1971)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sokuchi1954/17/3/17_3_100/_pdf
文献5) 石川、伊藤 ほか 著
「新・分県登山ガイド 第37巻 愛媛県の山」
のうち、「概説;愛媛県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2004)
文献6) 徳島勤労者山岳連盟 著
「新・分県登山ガイド 第35巻 徳島県の山」
のうち、「概説;徳島県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2005)
文献7) 高松勤労者山の会 著
「新・分県登山ガイド 第36巻 香川県の山」
のうち、「概説;香川県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2006)
「新詳 高等地図」初訂版 (高校の地理用の地図帳)
のうち、「四国地方」の地図の項
帝国書院 刊 (2006)
文献2) 米倉、貝塚、野上、鎮西 編
「日本の地形 第1巻 総説」
東京大学出版会 刊 (2001)
文献2−a) 文献2)のうち、
1−3章 「日本列島とその周辺の地形区分」及び、
図1.3.2「日本の地形区分」図 とその凡例
文献2−b) 文献2)のうち、
5−1章 「(日本の)山地の特性」の項
文献2−c) 文献2)のうち、
1−1−(4)節 「島弧―海溝系と沈み込むプレート」の項
文献2−d) 文献2)のうち、
1−1−(3)節 「島弧―海溝系の大地形」の項
文献3)太田、成瀬、田中、岡田 編
「日本の地形 第6巻 近畿・中国・四国」
東京大学出版会 刊 (2004)
文献3−a) 文献3)のうち、
1−1章 「近畿・中国・四国の大地形」の項
文献3−b) 文献3)のうち、
1−5―(3)節 「近畿・中国・四国の地形研究史」
のうち、「四国」の項
文献3−c) 文献3)のうち、
第7部 「外帯山地とその周辺」のうち、
「概説」―(1)項 「四国山地・紀伊山地の研究史のあらまし」の項
文献3−d) 文献3)のうち、
7―1章 「四国山地」の項
文献3−e) 文献3)のうち、
7−1―(2)項 四国山地の曲隆の項のうち、
図 7.1.2「単位地域の平均海抜高度から推定された、
(四国山地の)100万年間の平均隆起量の分布」
文献3−f) 文献3)のうち、
第6章「中央構造線とその周辺」の、「概説」の項、
6−4章「讃岐山脈と中央構造線」の項、及び、
6−5章「石鎚山地北麓の中央構造線」の項
文献4) 壇原
「日本における最近70年間の総括的上下運動」
測地学会誌 第17巻 p100−108 (1971)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sokuchi1954/17/3/17_3_100/_pdf
文献5) 石川、伊藤 ほか 著
「新・分県登山ガイド 第37巻 愛媛県の山」
のうち、「概説;愛媛県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2004)
文献6) 徳島勤労者山岳連盟 著
「新・分県登山ガイド 第35巻 徳島県の山」
のうち、「概説;徳島県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2005)
文献7) 高松勤労者山の会 著
「新・分県登山ガイド 第36巻 香川県の山」
のうち、「概説;香川県の山に登る」の項
山と渓谷社 刊 (2006)
日本の山々の地質 第1部 「四国地方の山地の地質」各章へのリンク
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第1−2章 「四国地方の地質概要」へのリンクです。
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第1−3章 「石鎚山地の地形と地質の概要」へのリンクです。
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第1−4章 「石鎚山とその周辺」へのリンクです。
この章の説明にでてくる主な山;石鎚山、二ノ森、堂ヶ森、岩黒山、石墨山、皿ヶ峰、子持ち権現山、(面河渓谷)
第1−4章 「石鎚山とその周辺」へのリンクです。
この章の説明にでてくる主な山;石鎚山、二ノ森、堂ヶ森、岩黒山、石墨山、皿ヶ峰、子持ち権現山、(面河渓谷)
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1−5章「赤石山系、二ツ岳山系 ーカンラン岩と高度変成岩類の山々ー」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;東赤石山、西赤石山、権現山、エビラ山、二ツ岳
1−5章「赤石山系、二ツ岳山系 ーカンラン岩と高度変成岩類の山々ー」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;東赤石山、西赤石山、権現山、エビラ山、二ツ岳
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「第1−6章「(石鎚山地の)結晶片岩の山々」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;瓶ヶ森、伊予富士、笹ヶ峰、寒風山、平家平
「第1−6章「(石鎚山地の)結晶片岩の山々」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;瓶ヶ森、伊予富士、笹ヶ峰、寒風山、平家平
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1−7章 「剣山地の概要、及び「剣山地中核部」の山々の地質と地形」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;剣山、三嶺、天狗塚、白髪山、丸笹山、塔ノ丸
1−7章 「剣山地の概要、及び「剣山地中核部」の山々の地質と地形」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;剣山、三嶺、天狗塚、白髪山、丸笹山、塔ノ丸
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1−8章 「剣山地(2)「剣山地周辺部」の山々」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;
(矢筈山系);矢筈山、烏帽子山、寒峰、石堂山、黒笠山
(剣山地東部);雲早山、高城山、高丸山、旭が丸、中津峰山、太龍寺山
(剣山地南部);石立山
1−8章 「剣山地(2)「剣山地周辺部」の山々」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山;
(矢筈山系);矢筈山、烏帽子山、寒峰、石堂山、黒笠山
(剣山地東部);雲早山、高城山、高丸山、旭が丸、中津峰山、太龍寺山
(剣山地南部);石立山
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第1−9章 「四国山地南西部の山々;四国カルスト、鬼ヶ城山系など」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山
(四国カルストとその周辺);天狗ヶ森、五段城、鳥形山
大川嶺、笠取山、中津明神山
(鬼ヶ城山系);鬼ヶ城山、三本杭、高月山
(その他);篠山
第1−9章 「四国山地南西部の山々;四国カルスト、鬼ヶ城山系など」へのリンクです。
この章の説明に出てくる主な山
(四国カルストとその周辺);天狗ヶ森、五段城、鳥形山
大川嶺、笠取山、中津明神山
(鬼ヶ城山系);鬼ヶ城山、三本杭、高月山
(その他);篠山
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第1−10章 「香川県の山々;讃岐山地、香川県の山々の地質と地形」へのリンクです。
この章の説明にでてくる主な山、地名
・讃岐山地;大川山、竜王山、女体山、大麻山
・讃岐平野内の低山、台地;屋島、五剣山、五色台、讃岐富士(飯野山)、
我拝師山、大麻山(琴平山)
・小豆島(星ヶ城山、寒霞渓)
第1−10章 「香川県の山々;讃岐山地、香川県の山々の地質と地形」へのリンクです。
この章の説明にでてくる主な山、地名
・讃岐山地;大川山、竜王山、女体山、大麻山
・讃岐平野内の低山、台地;屋島、五剣山、五色台、讃岐富士(飯野山)、
我拝師山、大麻山(琴平山)
・小豆島(星ヶ城山、寒霞渓)
【書記事項】
・初版リリース;2020年4月
△改訂1;第1章各節へのリンク、及び序章へのリンクを追加。(2021年9月)
△改訂2;書記事項の項を新設、記載。文章の見直し、一部加筆修正。(2022年2月1日)
△改訂3;
・本文は、全面的に書き直しした。
・初稿では四国地方の「地形」と「地質」の両方の概要説明としていたところを、
この1−1章は、四国地方の「地形」概要説明のみとした。
(四国地方の「地質」概要は、次の1−2章に記載)
・本文構成を、(1)節、(2)節、(3)節 の3つの節に分けた。
・四国地方の地形、山地区分に関する図、及び参考用の写真を追加。
・参考文献の項を新設、記載。
(2022年11月12日)
△改訂4;第1部の全面的見直しが完了し、1−1章から1−10章までの
リンクを全て追加完了(2023年3月18日)
△最新改訂年月日;2023年3月18日
△改訂1;第1章各節へのリンク、及び序章へのリンクを追加。(2021年9月)
△改訂2;書記事項の項を新設、記載。文章の見直し、一部加筆修正。(2022年2月1日)
△改訂3;
・本文は、全面的に書き直しした。
・初稿では四国地方の「地形」と「地質」の両方の概要説明としていたところを、
この1−1章は、四国地方の「地形」概要説明のみとした。
(四国地方の「地質」概要は、次の1−2章に記載)
・本文構成を、(1)節、(2)節、(3)節 の3つの節に分けた。
・四国地方の地形、山地区分に関する図、及び参考用の写真を追加。
・参考文献の項を新設、記載。
(2022年11月12日)
△改訂4;第1部の全面的見直しが完了し、1−1章から1−10章までの
リンクを全て追加完了(2023年3月18日)
△最新改訂年月日;2023年3月18日
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- 日本の山々の地質 第1部 四国地方の山々の地質、 1−10章 香川県の山々;讃岐山地、香川県の山々の地質と地形 19 更新日:2023年03月18日
※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
どなたでも、山に関する知識や技術などのノウハウを簡単に残して共有できます。
ぜひご協力ください!
初めまして、よろしくお願いいたします。
初心者の方にもわかりやすいように丁寧に、また簡潔にまとめられた、とても良い文章だと思います。
お教えいただきたいのは、
「三波川帯の変成岩の原岩(もとの地質)は、秩父帯と同じジュラ紀付加体という説がほぼ定説でしたが、最近、四万十帯と同じ、白亜紀〜古第三紀の付加体という説」
の文献です。
私が以前からよく読んでいる、磯崎行雄さん丸山重徳さんなど著の「日本列島の地体構造区分再訪」では、https://ea.c.u-tokyo.ac.jp/earth/Members/Isozaki_JG/10Isozaki.pdf
三波川帯は白亜紀最前期、つまり秩父帯の「三宝山帯」に相当する年代の付加体が原岩となっています。さらに、より新しい年代に変成した部分を四万十変成帯として新たに立て分けて記述されています。
bergheilさんが参考にされている文献がありましたら、ぜひお教えください。
asan_no_mtlさん、コメントありがとうございます。ひょっとしたら地質学のご専門の方でしょうか? 地質素人の書いたものにコメント頂き、恐縮です。
さて、「三波川帯」に関して私が参考にしたのは、「日本地方地質誌 第7巻 四国地方」 日本地質学会編、 朝倉書店 刊 (2016) 、と言うテキスト(専門書)です。第3章(p51-88)が三波川帯の項です。(この章の著者は榊原 正幸氏)
(なんと税込み 27500円でした)
ここでは、「従来、110-120Ma とされてきた三波川帯の変成ピークだが、この内、大歩危ナップ部分からは95-65Ma の年代が得られており、変成年代について再考を要す。」と記載されてます。また多くの参考文献が記載されてますが、それら原著は私、読んでません。
このテキストでやけに慎重な言い回しをされているのは、このテキストが教科書的な位置付けだからだと思います。また年代測定の手法(U-Pb法、K-Ar法、フィッショントラック法)によっても、出てくる年代がまちまちな的もあるのでしょう。
なお、上記の磯崎・丸山論文(2011)は、私も読みました。非常に面白い文献だと思いました。ちょっと断定口調な点は少し気になりましたが・・・
早速のご返答ありがとうございます。実は当方も地学は素人で、平朝彦著「日本列島の誕生」や磯崎・丸山著「生命と地球の歴史」などを読んで、日本列島形成史や全地球史に興味を持ち、目ぼしいネット上の文献や関連本を読んでいる者です。
朝倉書店の専門書だったのですね、自分ではとても入手できない本です。
三波川帯の石は周辺でよく目にし、特に興味を持っている石になるので、お尋ねしました。
磯崎・丸山の両氏は、プレート・テクトニクスのような次世代のパラダイムとなるような理論を構築しようとしているので、常に一歩前を行くような統合を意識した内容の文献が多いように思います。私はそのような姿勢が好きなので、放送大学「地球史を読み解く」での両氏の講義も録画して見ています。
では、これからもよろしくお願いします。
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