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ルートID: r1069 ☃ 雪山 2泊3日 剱・立山 2019年4月

毛勝三山縦走
けかちさんざんじゅうそう

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
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11月
12月
剱岳から北へと続く山深い北方稜線上にそびえるのが毛勝三山です。
近年では山スキーのフィールドとして知られていますが、雪山においてもその素晴らしい展望と総合力を必要とする内容の濃さで人々を魅了しています。
上級〜熟達者向けで、雪の状態が成否のカギを握るでしょう。
※2019年04月01日更新
ルート長34.3km
登り標高差2169m
下り標高差2169m
行程概要: 東又谷・南又谷分岐(426m) → 片貝第四発電所 → 東又第五発電所登山口 → 毛勝登山口 → 板菱 → 二又・大明神沢出合(1250m) → 三又(1500m) → ボーサマのコル(2364m) → 毛勝山(2415m) → ボーサマのコル(2364m) → 毛勝山南峰(2405m) → 釜谷山と毛勝山南峰のコル(2286m) → 釜谷山(2415m) → 猫又山(2377.99m) → 取水口分岐(930m) → 東又谷・南又谷分岐(426m)

【剱北方稜線】毛勝三山の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 剱岳の素晴らしい絶景ポイント
  • 雪山の総合力を試される内容の濃さ
  • 日本二百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:1時間30
東蔵〜片貝山荘
2日目
歩行時間:8時間
片貝山荘〜東又出合〜三又〜ボーサマのコル〜毛勝山・釜谷山周辺
3日目
歩行時間:7時間45
釜谷山〜猫又山〜猫又谷〜南又発電所〜東又・南又出合〜東蔵
コース概要 1日目は車で行ける所から片貝山荘まで歩いて前泊となる。
2日目からいよいよ毛勝三山の縦走へと出発する。なお、この日は雪崩や落石のリスクを考えて気温が上がる前に出発する。
しばらくは阿部木谷本谷の右岸につけられたトレースを進む。
融雪が進んでいれば林道をたどることになるが、最終堰堤までは迂闊に沢を渡らないようにしたい。
堰堤下で林道は沢を渡り、左岸を進むようになる。
いつしか林道の終点から雪渓を登るようになり、右へ大きく屈曲する地点を通過する。ここが板菱と呼ばれているところだ。
しばらく進むと大明神沢との二又を迎え、左手に伸びる毛勝谷へと進む。
ボーサマのコルまでは非常に急な斜面が続くので、雪崩や滑落には特に注意したい。これを登りきれば主稜線上のボーサマのコルに到着する。
ここから毛勝本峰まではわずかな距離だが、幕営する場所を考えながら行動しよう。
天気の条件(特に風)がよければ、毛勝山の山頂で幕営することをおすすめする。
最終日は毛勝山から釜谷山・猫又山と縦走する。特に問題となる箇所はないが、左側に張り出す雪庇の踏み抜きには十分注意したい。
猫又山から猫又谷下降点まで下り、ここから一気に猫又谷を下る。
うんざりするほど長い雪渓を終えると南又発電所を通過し、ここから東又出合までは林道を6kmほど歩くことになる。

計画書提出先 富山県警察本部または魚津警察署地域課。
※現地登山ポストは確認できず。
※片貝山荘を利用する場合には申請書と登山計画書を魚津市へ提出のこと。
http://www.city.uozu.toyama.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=259
宿泊 片貝山荘 / 0765-23-1046
山中では雪洞またはテント泊。
交通 富山地方鉄道電鉄魚津駅より富山地方鉄道バス(東蔵行き:200円)にて東蔵バス停へ。
駐車場 片貝山荘周辺に駐車スペースあり。
※除雪状況により片貝第四発電所付近に駐車する場合もある。
アドバイス 雪の状況が成否のカギを握る。降雪直後は雪崩の危険性が高いので入山は控えたい。
ボーサマのコル周辺や猫又谷はブロック雪崩・雪庇の崩落に細心の注意を払いたい。
予備日を1-2日設けておくこと。
スキーの利用は有効だ。
幕営は毛勝山〜猫又山間の稜線上で行うこと。
悪天候時・視界が悪い時に毛勝山から大明神山へ伸びる尾根に引き込まれないこと。
サブコース 猫又山から往路を戻っても充実した登山になるだろう。
エスケープルート 特になし。
入浴 《金太郎温泉カルナの湯》
北陸自動車道魚津インターから少し離れた所にある最寄りの日帰り入浴施設。泉質は食塩泉と硫黄泉が混合した白濁湯だ。
https://www.kintarouonsen.co.jp/karuna/
おすすめ周辺情報 《ヌードルハーツ》
醤油豚骨系のラーメン専門店。焦げ目のついた叉焼やトッピングのチーズなど特徴的なメニューが並ぶ。
https://goo.gl/maps/WAEYEgYzQkv
《とんかつや》
電鉄魚津駅近くのとんかつ店。肉厚でリーズナブルな料金でいただける地元の人気店。
https://goo.gl/maps/85ToMtvL1mN2
《ニーラジュ》
インド料理の専門店。特にインド北部のガルワール地域の料理を得意としている国内でも希少な店だ。
https://www.facebook.com/neerajhisako/
《セントベリーコーヒー》
自ら豆の買い付けを行っている自家焙煎の珈琲専門店。本格的な珈琲が気軽にテイクアウトで楽しめる。
https://stberry.com/
1
【1日目】
片貝山荘までの道程は年によって大きく変化する。
雪の少ない年であれば第四発電所付近まで車で入ることが可能だが雪が多い年や雪崩によるデブリの状況によっては4km手前の第二発電所付近で通行止めになる。
2
片貝第四発電所から林道を50分ほど歩けば片貝山荘に到着する。
初日はここに宿泊する。
3
片貝山荘は片貝第五発電所に付随する北陸電力の寮を一般開放している。
内部は清潔で各部屋に分かれており電気が使える。
4
【2日目】
翌日はブロック雪崩などのリスクを考えて気温の低い早朝から行動したい。
デブリで埋まる阿部木谷本谷の右岸を進む。
5
宗次郎谷出合を通過すると左岸へと移る。
積雪が中途半端な時は渡渉箇所の判断に迷うことがある。基本的には林道をそのまま進むこと。
6
最終堰堤から右へ大きく屈曲すると板菱を通過する。
残雪の状況によってはスノーブリッジの状況により遡行が困難になる場合がある。
川への落水は致命的なので十分に注意したい。
7
雪渓通しに登れば大明神沢の出合となる二又を通過する。
ここは左の毛勝谷に入る。
8
毛勝谷は上部へ登るに従い傾斜が増してくる。
上部からの雪崩や落石・スリップによる滑落には細心の注意を払いたい。
9
上部の三又を通過してボーサマのコルを目指す。
ここからは40°を越える急な斜面を登る。今一度装備をチェックして万全の体勢で先に進もう。
10
天気の条件が良ければ背後には富山市街地と日本海を望む絶景が広がる。
11
正面にボーサマのコルが見えてくるがまだまだ先は長い。
12
稜線の直下は50°程度の急雪壁だ。
しっかりとダガーポジションを取りアイゼンのフロントポイントを使って登ろう。
13
これを登りきればボーサマのコルに到着する。
正面には荘厳な剱岳が姿を現す。
14
ボーサマのコルから毛勝山本峰に向けて出発する。
わずかな距離なのでザック等はデポしてもいいが滑り落ちたり飛ばされたりしないように固定しておくこと。
15
片貝山荘から8-10時間ほどで毛勝山の山頂に到着する。
正面にはこれからたどる稜線と剱岳本峰がそびえる。
16
山頂をから釜谷山を目指して北方稜線を南下する。
この日の行動は時間にもよるが毛勝山山頂付近からボーサマのコル・釜谷山周辺となるだろう。
雪洞やテントの設営時間を考慮して行動を打ち切ろう。
17
天気(特に風)の条件が許せば毛勝山の山頂で幕営するといいだろう。
素晴らしい景色を眺めながら山の懐で就寝に付くのは何ものにも代え難い体験だ。
18
富山湾が夕陽に染まる。
ここは富山市街地の夜景も美しい。
19
【3日目】
後立山連峰が朝陽が朝陽に染まり始める。
最終日は8時間ほどの行程だが猫又谷の上部を早い時間に通過できるよう出発したい。
20
毛勝山からボーサマのコルへ下り釜谷山へ登り返す。
正面には常に剱岳が見える素晴らしい雪稜だ。
21
雪庇は左手に張り出すので踏み抜きには十分注意したい。
22
毛勝山から2時間弱の行程で毛勝三山の2座目となる釜谷山の山頂に到着する。
ここが毛勝三山の最高峰だ。
23
釜谷山から最低鞍部まで下って猫又山に登り返すが1箇所急な雪壁がある。
左側の雪庇に注意しながら傾斜の緩い弱点を狙って登る。
24
猫又山への登りは大岩の脇を抜けて進むが雪の状態により様々なルートが考えられる。
25
釜谷山から約1時間強で猫又山の山頂に到着する。
正面には剱岳が更に大きく迫ってくる。
26
猫又山から猫又谷下降点に向けて急な斜面を下っていく。
分岐まではわずかな距離なので通り過ぎないように注意したい。
27
猫又谷下降点から猫又谷を下る。
下降点の直下こそ急な斜面だが登りの毛勝谷よりは遥かに歩きやすく開放的な雰囲気が続く。
28
猫又谷の下部は緩傾斜帯が続く。連続して現れる堰堤は左岸の林道からまくことになるがここからが非常に長く体力と気力の勝負になる。
29
片貝南又発電所を通過する。
この先で橋を対岸に渡ると車道となる。
30
南又発電所から続く市道南又線は東又谷との合流点まで約6kmの距離だ。
所々でデブリに覆われ歩きにくい箇所もある。
長い猫又谷と林道の下りが一番の核心部かもしれない。
31
【入浴】
北陸自動車道魚津インターから少し離れた「金太郎温泉カルナの湯」が最寄りの日帰り入浴施設だ。
泉質は食塩泉と硫黄泉が混合した白濁湯だ。
32
【おすすめ周辺情報】
国道8号線にほど近い「ヌードルハーツ」は醤油豚骨系のラーメン専門店。
焦げ目のついた叉焼やトッピングのチーズなど特徴的なメニューが並ぶ。
33
【おすすめ周辺情報】
「とんかつや」は電鉄魚津駅近くのとんかつ店。
肉厚でリーズナブルな料金でいただける地元の人気店。
34
【おすすめ周辺情報】
魚津インターから10分ほどの所にある「ニーラジュ」はインド料理の専門店。
特にインド北部のガルワール地域の料理を得意としている国内でも希少な店だ。
35
【おすすめ周辺情報】
「セントベリーコーヒー」は自ら豆の買い付けを行っている自家焙煎の珈琲専門店。
本格的な珈琲が気軽にテイクアウトで楽しめる。
※上記の情報は記事更新日(2019年04月01日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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